コケ（藻）の話

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水草水槽にコケは付き物である。
濾過などがうまく行って今は発生していなくても、いつの日にかイヤなコケと対面することになる。
▲　茶色の柔らかいコケ（けい藻）

これは水槽立ち上げからしばらくすると発生することが多い。
どうやらコイツは亜硝酸を餌として繁殖するようで、ガラス面や水草や、あらゆる所が茶色っぽくなってしまう。
が、これは恐れるにあたらない。
オトシンクルスを２〜３匹（６０ｃｍ水槽の場合）入れれば２〜３日でキレイに食べ尽くしてくれる。
なお亜硝酸濃度が高いときにオトシンクルスを入れるのは勧められない。
亜硝酸はコケが食ってくれていると思い、ジッと我慢すべきである。
オトシンクルスは猛烈な勢いで茶色のコケを食うが、やがて全部食い尽くすと餌が無くなる。
茹でたほうれん草や皮をむいたキューリも食うが、茶色のコケは水槽が安定すればまず発生することはないのでオトシン君を餓死させないようにしよう。

▲　緑の固いコケ
バコパに付いたコケ

水槽のガラス面や水草の葉に点々と付く。
あるいはガラス面にボワーッとした感じで付着する。
コイツは意外に固くて指でこすったくらいでは落ちないものも多い。
水槽掃除にアクリル製三角定規を使うと推奨されるのは、このコケが固いからである。
このコケは窒素やリンなどの成分が過多になった時に現れるような気がする。
液体肥料の与えすぎがあれば、液肥を与えた翌日にはガラス面にプチプチと．．ってな感じだ。
成長の遅いアヌビアス系水草の葉もこのコケが付着しやすい。
このコケはヤマトヌマエビも食べてくれるが、オトシンクルスはあまり食べないようである。
いや、固くて食べにくいだけかも知れない。
このコケを発見したら水を換えて、後はイシマキ貝に任せておこう。
これで１週間程度すると（アヌビアスの葉も）かなりコケが取れてくる。
ちなみにコケ発生中の液肥は厳禁である。
イシマキ貝に任せておけない（見た目が）場合には、一旦水草を水槽から出して木酢液などで葉を洗えばいい。
塩水でも良いらしいが、水草には悪そうである。
（漬け物風水草が出来ちゃうかも）木酢液も塗りすぎると水草が枯れる。

▲　白いひげ状のコケ

細い糸のようなひげ状のコケが、主に水流の強い場所に発生することがある。
同時に白い綿状のヤツも発見できたりする。
これらは可能な限り取り去って、後はエビに任せておけばやがて消滅する。
白い綿状のボワボワした感じのコケがウイローモスなどに付くと、見栄え的にはガマン出来ないがエビががんばってくれれば時間とともに減少する。
もちろんこの間は液肥は厳禁である。
手で取れるコケは取り、成長の早い水草に付いたコケは水草の葉ごと取ってしまおう。
ヤマトヌマエビ以外にペンシルフィッシュやグッピーがこれを食べる。
が、かなり空腹でないと食べてくれない。
他に柔らかくて味の良い水草があるとそっちを食べちゃう。
これはエビも同様だ。
葉への付着部先端

▲　黒いひげ状のコケ('99/4/14発見)
かなり減ったグロッソにも付いた葉の色が薄くなっているのは、黒髭ごと何かが食べて葉がむしれてしまったと言うことだろうか？（イシマキ貝が食っている可能性が高い）５０倍の顕微鏡写真

コイツは固くて強力に密着している。
このコケを引っ張るとそれが付着した葉が取れてしまうのではないか，って感じだ。
この髭コケに悩まされているアクアリストは多いと思うが、私なりの観察によると「微量元素（鉄分など）が過多になると発生するのではないか」と感じる。
（本当にそうかは不明、理論的に説明できるか否かも不明）通常の窒素・リン・カリ肥料を入れれば緑の固いコケが発生する。
窒素やリンの含まれない、カリのみを入れたとしても入れすぎれば緑のコケ発生となる。
が、これを入れずに微量元素の元（？）を入れていて発生したのが髭コケである。
鉄分(Fe++)が変身してコケになったかと思うくらい固くて、試しに磁石を近づけたらくっついた。
＜大ウソ照明時間の長さも影響するとは思うが、これが発生したときは90cm水槽に３２Ｗ×２が１２時間で、その中の６時間は３２Ｗ×３が追加されて３２Ｗ×５になる状態だ。
髭コケが発生したのは水槽の底の方なので、光量は減衰しているはずである。
ちなみに60cm水槽の方ではコイツを見たことがなかった。
90cm水槽と60cm水槽の違いは以下の通りである。


	60cm水槽	90cm水槽
フィルタ	エーハイム 2222	エーハイム 2426//2228
照明	20W×２　? 隠音?? (PG3×2) 20W×２　　? 胸?? (12000K+PG2)	32W×２　? 隠音?? (ADA NA×2) 32W×３　　? 胸?? (NA×2+PG3)
底床肥料	ジャレコ スティック状　10g （取説によると60cm水 槽で30g入れるらしい）	ジャレコ スティック状　10g ADA スティック状鉄分主体
液体肥料	園芸用を主体にして若干 の水草用液肥（窒素／リ ン含有）を加えたもの	ADA Step2 微量元素主体らしい

*"//"は並列の意味*ADAのNAランプはPG3に比較すると、見た目がかなり明るい。
藻類は450nm〜500nm辺りの波長を好むらしい。
炭酸ガス供給や水換えサイクルも同じ程度で、飼育密度は60cm水槽の方が高かった時期があるが黒髭は発生しなかった。
どうやらこの固いコケはヌマエビもオトシンクルスも食べてくれないようである。
他に食ってくれそうな魚と言えばペンシルフィッシュやサイアミーズフライングフォックスやサイアミーズアルジイータなのだが、ペンシルフィッシュは水槽の上の方に固まっていてコケのある水槽の下にまで下りてこない。
黒髭対策の方だが、１／３強の換水を２日あけて計２回，ついでに5ccの木酢液添加を行い炭酸ガス添加量も増やした。
これで増殖は収まったかのように見える。
すでに発生していたものは水草の葉をカット＆アヌビアス系は木酢液で洗った。
多少残ったものはイシマキ貝をそこに移動させることによって減少している。
イシマキ貝は動きはのろいが黒髭を確実に食ってくれる。
60cm水槽に３０個〜４０個ほど入れると（見た目の邪魔にはなるが）黒髭も緑のコケも目に見えて減ってくる。
一旦収まっても、何かの拍子に出現することがある。
確かに肥料（有機肥料でなくても）を増やせば黒髭も増える気がするのだが、緑のコケほどダイレクトに表れない。
葉への付着部倍率を下げて観測先端部