グリーンレーザポインタを作る


レーザユニットに関してはこちらをご覧頂くとして、このユニットをいわゆるレーザポインタとして使用出来るように電池と一緒にケースに収めようと言うのが今回の目的である。
懐中電灯のページなどを見ると、様々な懐中電灯がテストされていて、この中にレーザポインタとして最適なケースがあるのではないかと思ったりする。
発光の仕組みは違うが、レーザもLEDも電池とトランスデューサ(?)で出来ている事に違いはない。
中には図面を書いて機械加工でオリジナル懐中電灯を作ってしまうと言う強者もいらっしゃる、ディープな世界だ。
懐中電灯の場合は機能美と言おうか、グリップや(重量)バランスが明るさと共に重要視される訳だが、レーザポインタの場合はデザイン性には欠けている製品が多いようだ。
単なる筒に機能部品を入れただけ、みたいな感じ。
だったら市販のパイプに蓋をする位で良いかなと思ったのだが、今度はそのパイプが問題である。
内径13φ〜15φ程度の既製サイズのパイプとなると、その肉厚は最低でも1mm程度となり、さすがに重い。
しかもピタリ希望のサイズがある訳ではないので、かなり太めのものになってしまう。
太くなるのは電池のせいでもあり、レーザユニットの直径が14φ程度なのに対し、これに使用しようとしているCR2 リチウム電池は15.6φもある。
実は単三電池の方が細くて14.5φなのだが、これを2本使用するとなると長さが非実用的になってしまう。
市販のレーザポインタの多くは単四電池(10.5φ×44.5mm) を使用しているが、出来ればもっと短くしたい。
ボタン電池の仕様も赤色レーザポインタなら不可能ではないが、グリーンの場合はポンプLDが数百mAを消費する(今回使用するものは400mA程度に調整した)ので、ボタン電池で駆動する事は不可能だ。
とすると、CR2かCR123Aしか選択肢はなく、CR123の17.1φがイヤなら残るはCR2だけだ。
所がCR2を使用した懐中電灯というのは存在しないと言っていい。
懐中電灯に使用するには容量が中途半端だというのが、おそらく余り使用されない理由だろう。
CR2に太さが近いのは単三電池(14.5φ)なので、これを利用した懐中電灯を改造してみようと考えた。
まさか14.5φギリギリで作られている訳でもないだろうから、少々削ればCR2電池位入るのではないか、と甘く考えたのである。
小型懐中電灯と言えばマグライトなのだが、これは結構大型という感じ。
もう一つはLED式のINOVA X1というヤツで、これは単三電池1本仕様なので小型である。
グリーンレーザも単三1本でドライブ出来ればいいのだが、これは(DC-DCコンバータを使用したとしても)電流的に無理だ。
写真は上から市販のグリーンレーザポインタマグライト単三電池INOVA X1 + LaserUni
である。

このINOVAは既に分解済みなのだが、LED側をバラすのがかなり大変だった。
この部分はネジ止めではなくプレス(圧入)で入っているので、ここをバラす時にはかなりの力を要する。
レンズ固定金具を再利用する気はないので、私はここをプライヤで挟んでしまったが、再利用したい向きは別の解体方法を考えねばなるまい。

これがLED側の部品だ。
意外に立派なガラスレンズが入っていて驚く。
真鍮のユニットとメッキのリングの間にレンズとガスケットが挟まっている構造である。

基板にはDC-DCコンバータが実装されている。

INOVAは単三電池仕様なので、当然ながら単三電池が入る。

で、無理したらCR2が入るかと思ったら入らなかった。
だが、このボディーは電池側とLED側で太さが異なっていてLED側にはピッタリCR2が入るではないか!
LaserUnitはCR2電池よりも細いので、こちらを元々単三電池が入る側であった方に入れるのが宜しい。
まるでCR2用に作られたようなピッタリサイズ。
問題は電池をどうやって押さえるかだ。
機械加工で内側にネジを切る事は可能だが、そこまでするなら最初から削り出しで作っても良い。
かといって、オリジナル状態のようなプレス勘合だと電池交換が非常に面倒な事になってしまう。
そもそもこの肉厚のアルミにネジを切るような事が出来るのだろうかという不安も。
ピッタリサイズの蓋を横方向から小さなネジで押さえるのが良いのだろうか。

電池を上の写真のように入れた状態(途中で引っかかるのでこの位置までしか入らない)で、LaserUnitを反対側から突っ込むと、殆ど全部収まってしまう。
LaserUnitには電池の端子に接触させるためのバネがあるので、もっと押し込んだ状態の方が都合が良い。
つまり、ピッタリなのである。

こんな感じで挿入する事になるが、LaserUnit側が少々細すぎる。
でも太すぎるよりはよほど良い。
ここにはネジが切られている(電池交換用の蓋用)のでオリジナルのキャップを使っても良いし、もう少し見栄えの良い蓋を削りだしても良いとは思う。
簡単に行うにはオリジナルの蓋を加工する事だろう。

こんな感じ。
電池の+端子が見えている所が、実はオリジナル状態だとレンズがあった部分。
LaserUnitが見えている側がオリジナルだと単三電池が格納されて蓋がされていた部分である。

オリジナル懐中電灯の電池蓋に当たる部分はプッシュスイッチになっているのだが、それを外すと都合良い大きさの穴が開いている。
なので、そこからレーザ光が出るようにユニットを内蔵すれば簡単である。
だがユニットは懐中電灯の内径よりも小さくガタついてしまう。
そこで燐青銅板を加工してユニットに巻き付けるようにして隙間を塞いだ。
ユニットにはスイッチがついているので、それを押せるようにアクリル棒も取り付けた。
本来の照射面、LED側は圧入ガイドが取り付けられていたので、それを圧入してしまっては電池交換が出来なくなる。
そこでゴムキャップ(単なるゴム足)を押し込んでみた。
これが又丁度良い具合で、適度に電池を押してくれるのでバッチリである。

本来プッシュスイッチがあった所。

ストラップ用の穴がある。

電池駆動では50mW出力には及ばないが、それでも相当強力なレーザビームが発射される。