東芝リブレットのCPU,5x86をライトバックモードで使う。


リブレット30のCPUは、AMDの5x86−133だ。
133MHzでドライブすれば、Pentiun75MHz相当(か、それ以上)のパフォーマンスを発揮するという。
AMDの資料を見ていると、L1キャッシュ(CPUに内蔵された16KBの1次キャッシュ)をライトバックモードで動作させることによって本来の性能を発揮するという。


ライトバックって何だ?
ライトバックに対してライトスルーと言う方式がある。
そもそもキャッシュとは、アクセスに時間のかかるメインメモリ(D−RAM)を直接アクセスせず、キャッシュメモリの中に当該データが含まれている場合にはそこをアクセスしようと言うものだ。
(だからスピードアップする)これが、メモリからデータ(実行コードも含めてデータという)を読み込む場合だ。
対して書き込む場合はどうか?制御が簡単なのはライトスルー方式だ。
キャッシュに書くと同時にメインメモリにも書き込みを行う。
したがって、データの時間的不整合は起こらない。
でも、キャッシュがあるからと言ってライトスピードが上がるわけではないのだ。
ライトバック方式は、書き込むデータはキャッシュのみに書いておく。
キャッシュからメインメモリにライト動作が起こるのは、メモリバスが空いたときだ。
丁度Windows95などのディスクキャッシュが遅延書き込みを行っているのと同様だ。
つまり、ライトバックにすることによってリード時もライト時もキャッシュが効く設定となるわけだ。


ライトバックが本当に有利なのか?
私の経験から言うとライトバックの方がパフォーマンスが上がる。
昔使っていた486マシンの設定を変えながら、色々なベンチテストを行ったことがある。
ある種のメモリスピードを測定するようなベンチでは、ライトバック方式が不利に出る場合がある。
しかし、実際のアプリ実効速度などを比較するとライトバックの方が速いのだ。
では何故ノーマルリブレットはライトバックに設定されていないのか?これは東芝に聞いてみないと分からないことだが、リブレット20の基板を変更せずに5x86をそのまま乗せたらライトバックにならなかった..って所かな?

ライトバックに設定するには..
では、さっそくライトバックに設定してみよう。
データシートによると「WB/WT切り替え端子は、内部でプルダウンされています。
端子の状態はリセット動作時に読み込まれ内部の設定が変更されます」とある。
端子番号は64ピンだ。
ではリブレットの64ピンはどういう処理がされているか?ライトスルー設定だからGNDに落ちていることも考えられる。
さっそくテスタで測ってみると..GNDにもVccにも接続されていないようだ。
従って、この端子をVcc(電源)に接続すればライトバックモードになるのだ。
早速64ピンに線を半田付けする。
それをVccに接続すればよいのだが、安全のため抵抗を通してVccに接続し端子に流れ込む電流を観測する。
どこにも接続されていなければ直接Vccで良いのだが、何かのデバイスの出力端子につながっている場合が有るから、念のため。
端子電流は約2.5mA,プルダウン抵抗が小さいのか?結構流れる。
しかし、他のデバイスにつながっていればこんな電流ではないと考えられるので,測定後直接Vccに接続した。
Vccの場所だが、元に戻すことの容易さを考えてクロックIC(クロックアップの時にいじったヤツだ)の13ピンまで線を引っ張った。
クロックICの所だと、基板を本体から外さずに作業が出来るのでライトスルーに戻す時も簡単に行える。

コイツがリブのメイン基板をCPU側から見たモノ。
CPUの上には10円玉放熱器が付いている。
CPUの64ピンからVccへ接続する線は、多少長くなるがクロックデバイスの所まで持ってきている。
理由は..ライトバック改造で何か障害が出た場合に、フレキを外さずにGNDに戻せるからだ。
この位置なら簡単に行える。
CPUのピンに半田付けした線は、引っ張られたり振動で外れないように(なにせVccにつながっているから、外れてショートでもしたら厄介だ)ホットボンドで固定した。
ホットボンドってのは、たぶん商品名だろうが加熱すると柔らかくなる樹脂のような物。
剥がすときも簡単で結構便利。

コイツがCPU付近のクローズアップ。
基板には5ピン毎にシルク印刷があるから間違えることは少ないだろうが、何度も確認する事をお忘れなく。


生DOSモードで起動して、3DBenchを走らせてみる。
これが、見て分かるほど速度が違う。
測定結果は..
ノーマル 100MHz ライトスルー 133MHz ライトバック 133MHz
3DBENCH 47.6 62.5 71.4
上記の通り上昇した。
486ベースのマシンで、71.4ならそこそこではないだろうか?何と言ってもL2(2次)キャッシュは実装されていないのだ。
ノーマルから比べれば随分パフォーマンスアップしたことになる。
ちなみに、ライトスルーでもライトバックでも消費電流に差はない。


参考までに、WinTACH1.2の結果を下記に示す。
コイツは、測定毎に値が多少ばらつくから参考程度に。
Word Pro. 33.32/A16
CAD/Draw 61.76/A16
Spread. 25.72/A16
Paint 39.32/A16
Overall 40.03/A16
ま、デスクトップPCに比較すれば激遅だが..

最後に(重要)
このページを参考に改造を行うことは自由ですが、改造したためあるいはその工程上
であなたの大切なリブレットに何らかの異常が発生したとしても、私には何の補償も
手助けも出来ません。

高性能化と引き替えに多少の危険が有ることをご承知おきください。

このページではリブレットの改造を推奨しているわけではありませんし、ライトスル
ー動作でパフォーマンスが上がらない設計をしたエンジニアを責めているわけでもあ
りません。