携帯電話は分解してはいけません

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携帯電話やＰＨＳ，コードレス等の無線使用機器は分解してはいけません。

内部をいじると違法無線局となってしまいます。

ただし、電話として機能しない状態（金を払わなくて番号を切られてしま
った）では、電話ではありませんから。


これは，同じモノをスキャナーの上に乗せて撮った（左）ものとＤＣ２０で撮った（右）写真である。
（Ｎ１０１）勿論、スキャナはもっと解像度をあげられるから分解能も向上する。
ちなみにこれは８０ｄｐｉでスキャンした。

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ＰＨＳや携帯電話の出力を上げたいと思う人は多いだろう。
アナログ携帯ならまだしも、ディジタル系では容易に出力はあげられない。
ＰＨＳは、瞬間最大出力８０ｍＷ（平均１０ｍＷ）ＰＤＣ（ディジタル携帯）は、瞬間最大出力８００ｍＷ（平均２７０ｍＷ）である。
双方ともに変調方式はＱＰＳＫだから、増幅回路はリニアでなくてはならない。
アナログ携帯やアナログコードレスは、ＦＭ変調だから非線形増幅器を通しても信号に影響はないが、ＱＰＳＫは敏感だ。
内部のボリュームを回して出力が上がったとしても、歪みが増えたのでは何にもならない。
（悪くなる）

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写真の上の方が無線部だ。
周波数１．９ＧＨｚ帯，第一局発１．６ＧＨｚ帯、第二局発２３０ＭＨｚ帯である。
下の基板はロジックボード。
２つのＣＰＵがシステム制御とユーザインタフェースを受け持つ。
他にもＴＤＭＡ／ＴＤＤ制御のゲートアレイとＡＤＰＣＭエンコーダ・デコーダが実装されている。
無線部に実装されているモジュールに調整用の穴が開いているのが見えるだろうか？これは、ＴＣＸＯ（基準発振器）の周波数調整トリマだ。
これをいじれば間違いなく通話できなくなる。
ロジックボードのコネクタは、ＩＤ書き込み用だ。

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各社製品の特徴
とは、言ってもそんなにばらした数が多くないのです。
１．ＮＥＣ製(101N)

通信機メーカを感じさせる。
ＣＰＵは、メインにＶ４０（ま、８０８６だね）を使い、ユーザ部にワンチップマイコンを使っている。
チップ数は全体的に多め。
多層基板とファインピッチ配線で、ぎっしり詰まっている。
隠しコマンドで、ＣＳ−ＩＤと、電界強度がｄＢμで表示可能

２．シャープ製３種(101S/102S/202S)

こちらは、いかにも家電屋さんって感じ。
カスタムチップは高集積らしくチップ数は少な目。
コストダウンには細心の注意が払われている模様！基板も太めのパターンで歩留まり向上作戦か？ちょっと「変調精度」が悪目なのが気になる。

３．三洋製（発売当初のモデル）

ＤＤＩグループ各社の製品は、どれも皆同じ様な作り。
チップセットが標準化されているため、各社個性を出しにくいと思われる。
こいつのアンテナはダミー（飾り），どこにも接続されていない。
やっぱり、アンテナ伸ばさないと使うとき不安？開けてみて笑ってしまった！！それと、ＤＤＩグループ製品は音質が悪いね。
ＤＤＩ基地局のせいかもしれないけど。
でも、最近のモデルは随分デキが良くなった。

４．その他１ユニデン製

こいつは親機の類。
なんといっても、集積部品を使わずＲＦから何からディスクリートで組んでいるのは立派。
そこまでしてもコストを下げなくては行けない現実が悲しい。
特性測ってないけど、スペックミートしてるんだよね．．

５．その他２どこのか分からない親機

親機は少々大きく作っても問題ないからいいね。
ちゃんと４スロット使えるように、１ｓｔローカルは２重化されている。
こいつのシールド、大変だろうなあ．．

６．松下製ディジタルコードレス

これは、公衆接続できないからＰＨＳとは呼ばない。
ただし、公衆接続できないだけでスペックはＰＨＳと同じ。
子機はデカい。
アナログコードレスより遥かにって感じ。
親機は．．フツーだ。
アンテナダイバシティになっている。
エコーキャンセラが入ってないから、回線エコーが気になって話しにくい。
ＰＨＳの場合、うまく作っても上り／下りの合計で２０ｍＳ程度の遅延が発生する。
下手に作ればもっと遅延は大きい。
エコキャンが無い場合は、ＮＣＵからの反射や回線エコーがあるから通話品質はあまり良くない。
公衆基地局の場合は、基地局側にエコーキャンセラが入っているのだ。

８．三菱製(D201)

小さくまっている。
しかし最近のモデルに付いている、録音機能がない。
ロジックボードと無線部の２枚構成だ。

これが無線部の上面、J103と書かれた部分にアンテナが接触する仕組みだ。
そのとなりのアンテナコネクタは．．たぶん．．テスト用だろう。
その他、バンドパスフィルタやＶＣＯ(MQE581-1668)，TCXO(19.2MHz)が見える。

これが、基板の裏側。
スキャナで撮っているので色がヘンなのはご勘弁。
中央のコネクタが、ロジック部とつながっている。
上の方がＩＦ（SAWフィルタとIF IC)三菱マークの下が10.8MHzのフィルタ。

無線部の基板は、丁度ＬＣＤの裏側あたりにある。
ロジック部はケース内いっぱい。
電池を外すと基板が見えるのだ。
ＩＤ書き込み用コネクタも見える。
コイツをバラすにはヘンなドライバが必要だ。
プラスネジは、＋の形．．９０度の「刃」が有るが、このネジは１２０度（プロペラのよう）なネジ頭だ。
Ｆ＆Ｆでは、コイツをバラすために普通のドライバを加工して専用ドライバを作った。

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第二世代か？小型になったパルディオシリーズ

ＰＨＳサービス開始から１年半あまりが経過して、各機種とも連続待ち受け時間の増大と小型化に力が入ってきた。
ＤＤＩ系は独自のチップセットを使用するため、メーカ間の技術競争力に差が出ずどれを開けても同じ様な感じだ。
ＤＤＩ系は、グループで部品を一括購入するから数量効果で部品原価は下がる。
部品原価を下げるためには、各社が同じ部品を使用しなくてはならないわけだ。
特徴を出せるのは、ユーザインタフェース部など機能に直接関係しないところだけ。
一方ＮＴＴ系とアステルは、各メーカがしのぎを削る．．正当な技術競争の場だ。
サービスイン当初の１０１Ｎと現時点でのＤ２０１を比較するとこうなっている。


	１０１Ｎ	２０１Ｄ
電池電圧／容量	３．６Ｖ／４００ｍＡｈ	３．６Ｖ／５５０ｍＡｈ
消費電力	約１６２０ｍＷ	約４００ｍＷ
連続待ち受け時間	約８０時間	約４００時間
質量	約１２０グラム	約９１グラム
実売価格	定価（３．５万円くらいだった？）	定価の約半額（ＮＴＴｐで）

１０１Ｎから２０１Ｄに変更するに当たって、最初に立ち寄ったのは大手安売り店だ。
そこでの実売価格は約１．１万円。
定価の１／３だ。
しかし、番号無しのモデルがないから一度契約料を支払い後ＮＴＴｐへ行って解約しその後番号変更を行わなくてはいけない。
これら手数料は、加入料が６千円で番号書き換えが１．９千円。
結局２万円近い買い物となる。
ちなみに、ちょっと古い２０１Ｓの実売価格は４．５千円だった。
では、直接ＮＴＴｐで購入すると定価なのか？それは違う。
ＮＴＴｐでの販売価格は約１．６万円。
定価って何なの？？？結局ＮＴＴｐで購入した方が、いくらか安い結果となった。
ちなみに２０１Ｓの価格は６千円だってさ。

ＰＤＣも一緒にスキャンしたが、左からＰＨＳの１０１Ｎ／２０１Ｄ次がＰＤＣのＤ２０１一番右がＤ１０１だ。
こうして見ると分かると思うが、三菱のデザインって．．異機種でほとんど同じ。
ここまで似せるなら同じケース使えばよいと思うほど。
実際松下などに比べるとデザインセンス悪いよね。
（実はソフトも．．．うっ、口が滑った）では、ケースの似たＰＨＳとＰＤＣを比較してみよう

	ＰＨＳ（２０１Ｄ）	ＰＤＣ（Ｄ２０１）
周波数帯と 通信方式	１．９ＧＨｚ ＴＤＭＡ／ＴＤＤ	８５０／９５０ＭＨｚ ＴＤＭＡ／ＦＤＤ
送信出力	平均１０ｍＷ スロット内平均８０ｍＷ	平均２６７ｍＷ スロット内平均８００ｍＷ
連続待ち受け時間 連続通話時間	約４００時間 約５時間	約２００時間 約１．５時間
電池電圧 電池容量	３．６Ｖリチウム ５５０ｍＡｈ	３．６Ｖリチウム ６００ｍＡｈ
取扱説明書	９９ページ	１８５ページ

連続待ち受け時間に関しては、システム上の違いがあってどちらが低消費電力か一概には言えない。
ちなみにＰＨＳは、１．２秒間のうち約６００μＳだけ受信すればよい仕組みだ。
もっとも、無線部などは電源を入れてすぐに立ち上がるわけではないから、数ｍＳは電源が入っていると思われる。
連続送信時間に関しては、送信出力の差が直接連続通話時間の差になっていると思って良い。
むしろＰＤＣのＶＯＸ制御が一般的である点、ハーフレート化が進んでいる点から有利になって居るはず。
でも、随分違うね。
リチウム電池はその特性上、急激な大電流放電が苦手だ。
ＰＨＳの送信スロットでの消費電流は２から００ｍＡ，それに対してＰＤＣでは１Ａ近くまで跳ね上がるから、ＰＤＣのリチウム化が遅れたわけだ。
こう言った大電流放電（平均消費電流は少なくても）を行うと、電池容量は見かけより少なくなってしまう。
ＰＨＳとＰＤＣを比較したついでに、その特徴も（他のサイトでも行われているが）

	ＰＨＳ	ＰＤＣ
サービスエリア半径	２００ｍ〜６００ｍ	５００ｍから数Ｋｍ
無線区間伝送速度	約３８０Ｋｂｐｓ	約４０Ｋｂｓ
ユーザ使用可能伝送速度	約３２Ｋｂｐｓ	約１０Ｋｂｐｓ
音声符号化方式	ＡＤＰＣＭ	Ｖｓｅｌｐ
伝送遅延時間	数十ｍＳ	百数十ｍＳ
変調方式	π／４シフトＱＰＳＫ	π／４シフトＱＰＳＫ
ＴＤＭＡ多重数	４（ＴＤＤで×２）	３
デュープレクス方式	ＴＤＤ	ＦＤＤ
通話品質	良好（ＡＤＰＣＭの音そのもの）	国際電話並の遅延と 低品質な音（＊１）
サービスエリア	都内や近郊ではほとんど圏内 横浜の地下街やデパートＯＫ	全国主要都市ほとんどＯＫ 横浜地下街などはダメ
ハンドオーバ	ＤＤＩ系は独自方式で、車でも 使用できるがＮＴＴ系とアステルは苦しい	たまに切れるが許すか．．

＊１「ディジタルだから音が良い」って宣伝は誇大だ。
料金その他は皆さんご存じの通りだろう。