SL500に乗る(5)


今回は毛色の違った所で本の紹介である。
旧型SL(R129)の時にも書籍を入手していたので、今回のR230と2冊を並べてみた。

写真も多く立派な本で、当然の事ながら雑誌ではないので広告はない。
R129版は英語・ドイツ語記述なので未だ読めるのだが、R230版はドイツ語オンリーであるから文章は読むというより想像するといった感じか(笑)これはR230のインパネ等々の開発風景だ。
内部はCANバスによるインタフェースなので、車両搭載状態と類似の環境を作ってデバッグ中と言うことだろう。

R129版の写真である。
光沢紙にカラー写真も多く見られる。

同じくR129の透視イラスト。
何がどこについて居るのかを見るのに役立ったりする。

こちらはR230のサスペンション部の透視イラスト。
油圧アクティブのシリンダ関係が良く解る。

日本の各雑誌の記事や写真を見ていると、それとほとんど同じ絵がこの本に載っている。
おそらくこの本を見ながら記事を書いているのだろう。
名の知れた自動車評論家も挙って記事を書いていたりするのだが、元ネタここにあるという感じがバレバレだったりする。
これらの本を見て思うのは、メルセデスってメーカは結構真面目に車を作って居るんだなと言うこと。
環境試験などでは海外(砂漠や、実は日本の渋滞路試験もやっている)に車を持っていって走らせている。
ある雑誌編集者が「外国車は日本の環境に合わず、能力が発揮出来ないばかりか故障が多く維持費も嵩むので実用車としてみるなら選択すべきではない」と書いていた。
しかし今や日本も重要なマーケットであり、欧米各メーカの車が大量に輸入されてきている事に目を向けても良いのでは無かろうか。
R230には外気中の炭酸ガスや窒素酸化物濃度を測定して、必要ならばエアコンを内気循環に自動切り替えする機能が備わっている。
これなど、日本のディーゼル汚染事情対策と言っても過言では無かろう。
アクティブセーフティーは車両のダイナミズムのみではなく、運転者の性能も確保しなければいけないと言うことだ。
本書はR230に限られた内容ではあるが、洋書屋さんで立ち読みでもする機会に恵まれたなら一度手に取ってみると面白い。
おそらくはドイツ語が理解出来なくても、豊富なイラストと写真に興味を惹かれる事だろう。