寿命を迎えたUPSのバッテリ


APCの無停電電源(UPS)のバッテリは、使用方法というか使用環境にもよるがだいたい2〜3年で寿命を迎える。

APCのUPSはバッテリの自己チェック機能があり、そこでエラーが起きるとバッテリを回路的に切り離してしまうようだ。
エラーの出たUPSからバッテリを外して調べてみると、無負荷時電圧は24V+であり一見正常。
充電を行おうとするとすぐに29V以上にまで電圧が上がってしまう。
また1C程度の放電を行おうと、抵抗負荷を取り付けると22V程度まで電圧は急降下だ。
だが22Vから20V辺りまではなかなか下がらず、容量が全くなくなってしまっているわけではない事が解る。
1C放電を行いながらバッテリを触ってみると、特定のセルのみが発熱している。
おそらくこのセルの内部抵抗が増大しているのではないだろうか。
バッテリは密閉型、シールドバッテリと称されるもので電解液の補充は出来ない。
しかしこの症状を見る限り、バッテリに電解液を補充すれば回復するのではないかという期待を持ちたくもなる。
そこで、どうせ壊れたバッテリ、無理矢理電解液(蒸留水)を補充してやろうと言うわけだ。
何せ1400VA用のバッテリは3万円以上する高価なもの。
電解液補充でバッテリが回復してくれれば、ホビーユースになら良いのではないだろうか。
バッテリにはカバーが付いていて、これは接着されている。
カバーは薄いものなので、細いドライバなどを隙間に突っ込んでコジると開ける事が出来る。

カバーを外すと安全弁を押さえるためにカバーがあり、その下にはゴムのキャップが位置している。
ゴムのキャップはバッテリ内圧が上がっている時に外すとスッ飛んでくるので注意しながらこれを外す。
キャップを外せば普通のバッテリと同じだから、そこに蒸留水(精製水)を入れればいいのだが、果たしてどの程度入れるのが適量かよくわからない。
比重計をお持ちの方なら、それを参考にすればいいだろう。
無い場合は…私のように"テキトー"に蒸留水を入れる。
入れすぎればあふれることは必至で、あふれればバッテリ周囲は希硫酸にまみれることになる。
密閉型バッテリは電解液がチャポチャポになる程は入っていないと思われるので、"ひたひた"位がよいとは思うのだが…電解液を入れる小さな穴(本来はガス抜き用か)を懐中電灯ででも照らしながら、少しずつ蒸留水を補給するのがよいかも知れない。
電解液の補充が終わったらゆっくり(つまり、急速ではないと言うこと)充電してみよう。
電解液を入れすぎていれば溢れて出てくるはずであり、そうなったからと言って電解液を抜いてしまうと比重が不足したままのバッテリが出来上がってしまう。
くれぐれも蒸留水は入れすぎないように!満充電になったら放電テストも行い、新品時の半分くらいの容量が確保出来ていれば回復手術は成功といえるのでは無かろうか。
容量が減少しているのは、電解液が少ない状態で使用し続けたことによる内部の劣化やサルフェーションの発生が考えられる。
世の中にはサルフェーションを取るバッテリ強化液なるものも売られているが、本当に効果があるのかどうかは疑わしい。
充放電テスト共にOKになったなら、元通りにゴムのキャップとそれを押さえるプラスチック板をはめ込み、最後にむしり取ったカバーの、むしり取る時に痛めた部分をカッターナイフなどで修正して接着し完了である。
なお、この状態でバッテリが全く正常に回復している保証はない。
内部電極のショートその他のトラブルがあれば、電解液の補充では回復しない。
またバッテリ充電時には水素ガスが発生するから、火気を近づけると木っ端微塵に吹っ飛んでしまう可能性もある。
実験していて思ったのだが、このUPSはが満充電を示す時にバッテリ電圧は28
以上になる。
これって電圧高過ぎじゃないのかなぁ…いくつかのバッテリを見てみたが、中にはこうなってしまっているものも…
セルが膨張してヒビが入ってしまっている。
このバッテリは松下電池製でOEM品番が付けられているので仕様の詳細は解らない。
しかし同容量で同形状(12V/17Ah)のものを見ると、寿命は3〜5年となっている。
トリクル充電時の終止電圧は13.8V、サイクル充電では最大で14.5Vまで加えるようだ。
電池の寿命は温度がパラメタとなっており、UPS内の推定温度40℃では寿命が短くなっても仕方ないような気もする。
秋葉原あたりで同形状のバッテリが安価に入手出来ればいいのだが、そうでないと純正交換品を高値で買う事になる。
そしうてメーカに言わせると「バッテリ代も3年の有償保証もさほど価格が変わらない(1万円ほど違うが)ので、保証契約して本体ごと新品交換した方がお得ですよ」と。
これはサービスが良いのか?製品の信頼性に自信がないのか?果たしてどちらなのだろうか…