焼きそばを食う
焼きそばを食うのだ。
焼きそばを食うためには、焼かなくてはいけない。
しかもインスタント焼きそばとなれば、焼く前に茹での工程が必要だ。
普通の人はフライパンで焼く。
パッケージにもフライパンで焼けと書いてあるのだから。
そもそもこの手の焼きそばが未だに売られているという事実がちょっと意外だった。
何せ私がこの手の焼きそばを最後に食ったのは10年以上前である。
何かパッケージもレトロっぽい雰囲気があって、その貧乏くささがまた良いではないか。
コイツはいわゆるインスタントラーメンと同じような麺であって、フライパンにまず水を入れて麺をふやかし、水が蒸発したところで焼きの工程に入るという、しかもそれが連続的に行われなければならない作り方なのだ。
しかし、この茹で工程は結構面倒だ。
フライパンでゆでるわけだがフライパンはそもそも茹で工程に使用する器具ではない。
従って袋に書いてあるような200cc強の水量では麺が水没せず、放っておくと底面はゆだるが上面は固くなってしまう。
で、箸でまぜまぜしなければいけないわけだ。
焼きそばは何故焼かなければいけないのか?それは焼きそばだから。
ん?、カップ焼きそばは焼かなくても出来るではないか。
だったら焼かずに作ってやろうじゃないか。
まずは茹での工程を考える。
茹でるためには水を入れなければいけないが、水量が多いと沸騰までに時間がかかる。
でも水量が少ないと麺が水没しない。
出来るだけコンパクトな、出来れば焼きそばの麺型の食器はないかと探したが、そんなものがあるわけがない。
焼きそばって結構大きいな…
こ、この器にも入らない…で、結局
皿に入れることにした。
これに水を入れるのだが、規定は200cc強である。
この数値、フライパンから蒸発する水分量を計算に入れて決定されているに違いない。
なので200cc弱で試してみることにする。
200cc弱というか150cc強というか、ほぼ150ccなんだけど…しかしその後この分量が面倒な作業を強いる結果になることを、この時点では推測すべくも無い。
固形の焼きそばの約1/2が水に浸かった。
これでは全体が茹だるはずもなく…
ラップをかけた。
そして!
じゃ〜ん!オートモードで加熱、加熱、かねつ〜!
茹だりましたよ、焼きそばが。
70度設定のオートモードで見事に茹だって麺も柔らか〜なのだが器に水が残っている。
150ccでは水が多すぎたのだ。
たぶん100cc位で充分だと思う。
さあどうしよう…このまま再加熱して水を蒸発させてみようか…そうしたら麺が柔らかくなりすぎるかなぁ…ま、とにかく再加熱だ。
出力500Wで2分の加熱、かねつ〜
電子レンジの中に湯気が充満し…
そして完成!麺から水分が飛び、麺に粉末ソースを振りかけて混ぜ混ぜする。
これが、フライパンで作るのと遜色ない味なのである。
いやいや、結構捨てたモンではないですよ、電子レンジで焼きそば。
そうそう、この焼きそばの麺がラーメンのそれに似ているからと言って鍋で茹でてもラーメンにはならない。
いや、正確にはおいしいラーメンにはならなかった(実証済み)