公害訴訟(12/7)
◆ ここの所公害訴訟の判決が各地で出たりして、何か高度成長期を思い出させるような感じだ。
工場排ガスなど最近はキレイなものかと思っていたが、硫黄酸化物とかが出ているらしい。問題にされているのは大規模工場排気と道路公害だ。ディーゼル排ガスに関しては今さら述べる必要もないくらい何度も取り上げていて、東京都の規制案をきっかけに国も規制強化に乗り出すと言うから10年先には少しはキレイになっているかも。
工場の方はどうなのだろうか。今でも触媒を使ったりしているはずだが、それでも規制が甘いのだろうか。
◆ 工場排ガスに関して訴えられるのは工場である。規制が甘いから云々と言うことで国にまで責任を及ぼす例は少ない。自動車の場合は製造者でも使用者でもなく、道路管理者や国が相手になる。
両者のどこに違いがあるのだろうか。アメリカ辺りで起きるタバコ訴訟だと、相手はタバコメーカだ。
ただし東京都の公害訴訟では多少違っている。これに危機感を覚えたトヨタや日野自動車は公害対策に全力を尽くすとコメントしていたが、まあ口で言うのは簡単って事か。
そう言えば三菱のクレーム隠し問題だが、これがアメリカで起きていたら大変だったろうな。実際に事故まで起きているわけだから巨額の賠償責任を負わなくてはならなくなって、ただでさえ業績不振な某社は瀕死の状態に追い込まれたことだろう。
◆ 公害問題は事実関係の認定に時間がかかる。病人が出たとしても、その病気と公害の因果関係がなかなか明確に出来ないと言うことだ。人間の寿命が無限なら良いのだが、残念ながら人間の死亡率は100%で、だれでもいつかは死んでしまうし病気にもなる。
その死因を公害が原因とどうやったら認定できるのだろうか。重金属などの体内蓄積物質などが、或いは薬物などによる中毒的症状なら確認しやすいのかも知れないが、NOxや黒煙やSOxが原因でガンが発生する事を立証するのは大変。そんな事をしているうちに公害病患者は亡くなってしまう。
◆ 今後日本の景気がどうのように推移するのか解らないが、景気上昇期には公害問題も出てくるし炭酸ガス排出量も増加する。炭酸ガス問題はEU側と日米でもめているが、一体どうやって排出量を削減するんだろう。石油が枯渇すれば..って話もあるが、数十年程度では石油はなくなりそうにない。採掘技術の発達と新規油田の開発、石油を取り尽くしたと思われた旧油田を再度掘ったら石油が出てきたとか、いつまで経っても石油の寿命は40年と言われている..どうやら有機物が分解されて石油が出来たという説に無理が生じてきているらしい。
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