マッハ15(3/4)
◆ スーパージェッターの乗る流星号はマッハ15の速度で飛行することになっている。かなり速い。マッハ15って秒速5Km程度だろうか。ロケットよりは遅いな。
音速の壁を人間が初めて越えたのは第二次大戦後のことだった。もしかしたら違っているかも知れないが、1947年にチャック・イェーガーがマッハ1.06を記録したのが最初ではなかっただろうか。この辺りは記憶に頼る話なので真実である保証はないのだが、音速は悪魔の壁とも言われていて、音速を超える時に乱れる気流(マッハコーンの周囲)のために航空機は不安定となり、破壊や墜落に至る。これを突破するには、その速度を一気に超えるしかないと勇敢にチャレンジし成功したのがチャック・イェーガーではなかっただろうか。現在の超音速機は機体がマッハコーンの内側に入るような形状に設計される。
でないと、衝撃波によって大きな力が機体に加わるからだ。
◆ 現在の超高速航空機にしてみれば、アフターバーナを炊いて離陸から一気に音速以上にまで上り詰めることなどいとも簡単である。音速を超えるときにはマッハコーン周囲の気流が乱れ(衝撃波域)、時に飛行機雲(マッハ雲?)が出来る場合がある。雲なので毎回出来るわけではなく、特定の条件下でなければ見られない。
こちらのサイトにはスチル写真が、こちらには動画があるが音が入っていないのが残念だ。いずれにしても、まるでマッハコーンを雲が表すかのような写真はなかなか美しい。
◆ 速い航空機、速度記録を持っているものといえばX-15のマッハ6.9だろうか。いや、マッハ10近い速度を出すものもあるが、これが航空機と呼べるかどうか解らない。それはロケットスレッドと呼ばれる、ロケットやミサイルを観測するためのシロモノで、離陸後5秒足らずで音速を突破し、マッハ9.74まで加速していく。既に引退してしまったコンコルドはマッハ2.04を記録し、高度2万メートル近くまで上昇できたという。エンジンは巨大だが座席数は多くはなく、機内も広くない。速度最優先で設計された機体なのだ。コンコルドは騒音の大きさと燃費の悪さがたびたび問題にはなったが、時間を金で買う事の出来る旅客達を運び続けた。
◆ コンコルドのターボジェットエンジンは4機で総推進力は70tだ。これはボーイング777-300の総出力(ターボファンエンジン2機の合計)よりは小さい。機体の長さは常温で62.1m,最高速度で飛行中には空気との摩擦熱で20cmほど長くなるそうだ。コンコルド以外にもSSTは開発された経緯があり、ロッキードのL-2000はマッハ3の設計速度を誇ったが就航には至らなかった。ロシアのTu-144はコンコルド同様就航したらしいが詳しくは知らない。
一般の航空機に使われているターボファンエンジンは、ターボジェットエンジンの前方にファン(プロペラみたいなものだな)を付けることによって、ターボジェットエンジンより低速で高推進力を得ようとしたもの。
ターボジェットエンジンは亜音速域までは排気速度が速すぎて効率的ではないからだ。
◆ 速い地上の移動体、うーん、乗り物と言えるかどうかはビミョーなスラストSSCは地上を走る乗り物に巨大なジェットエンジンをくっつけてマッハ1を超えた。
重量が最高速度に余り関係ないと言うことで、車体の安定性を確保する面からも軽量化は全く行われていない。ジェットエンジンは2機付けられているが、殆どそれだけという感じ。重さは何と10tにも達する。出力は10万馬力(鉄腕アトムと同じ?)以上と言われているが、ジェットエンジンだと推力表示が正しいのではないかな。
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