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コピー品


  • Posted by: F&F
  • 2010年2月20日 12:07

コピーと言えば中国と相場は決まっているが、いやいや日本だって結構色々やっていた。
もう時効だろうかし以前にも少し書いた事があるが…

某自動車メーカのT社は某電機メーカのT社にECU用のCPUを作らせた。
表向きはオリジナルCPUで、8ビット、同期バスでROMを内蔵していた。
私はある自動車メーカの依頼でそのECUを解析する事になった。
まずはCPUを調べる。
X線で透視してI/O端子の当たりを付け、外部ROMモードがある事をつかむ。

次に外部からコードを突っ込んで何が起きるのかを見ていく。
そうして250近くの命令を解析して命令表を作る。
ん?何かに似ている…
コードは違うが命令系はそっくりではないか。
オリジナルCPUに多少の命令を付加しただけじゃないか。

という事が解った。
ようするに米国製CPUをマルっとコピーしちゃったわけだ。
そのCPUは多くのトヨタ車用ECUに使用され、16Bit版への世代交代まで使われていた。

何故解析をするのかというと、一つは特許の問題だ。
制御アルゴリズムなどの特許は、実際のコードを見ないとハッキリ解らない場合がある。
ギリギリ特許に抵触しないように設計するためには相手のECUの中身を見る必要があるという事だ。
なのでCPUがコピー品であるかどうかなど気にもしなかったが、今思えば酷い企業だなと。

   

Comments:5

YASU Author Profile Page 2010年2月20日 15:25

ターゲットが同じなら、命令系が似てくるのはしょうがないかと思うんですが、レジスタその他の構成もそっくりだったのですかね?

F&F Author Profile Page 2010年2月20日 17:22

レジスタ構成も実行サイクルも、メモリアクセスタイミングも同じでした。
命令数は多少多かったのですが本物だと未定義命令(でもそれらしい実行はする)もあったので、正確にいくつ増えていたのかは分かりませんでした。
その後他社の解析で命令デコーダのビットをいじると命令配列も同じになるとか何とか聞いたのですが、追試はしませんでした。

YASU Author Profile Page 2010年2月20日 20:19

おお、そこまで一緒でしたか。
完全にデッドコピーですな。
8080に対するZ80なんて感じなら問題ないんでしょうけど...

ほりこし 2010年2月20日 20:42

これも時効だから良いかな。
国内大手計測機メーカのスぺアナを買ったんです。
ノイズの測定がしたくてフィルタの帯域などを問い合わせました。
そうしたら、回路は米国H社と全く同じに作っていますから、とのお答えでした。
当時H社は回路を公開していましたから、みんな参考というかマネしたんですよね。

で、H社に帯域等々を聞いて測定しました。

YASU Author Profile Page 2010年2月21日 10:03

回路が一緒だからと言ってそのまま動くわけでもなく、製造時のノウハウが重要なのでH社は気にしなかったんじゃないですかね?
でも、自社製品の仕様を答えないのはどうかと思いますが...

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