過去の雑記置き場

VC
価格ではなく技術だったのか?(4/4)
◆ iRobot社が倒産して中国企業に買われていった。iRobotのゲイリーコーエンCEOは、中国勢に技術レベルで4年の差が開いたと語った。価格的なものもあるのだろうが、制御技術を刷新しなかった事によるシェアの低下は事実だ。

◆ F&Fでも何度か書いているが、清掃ルートが何ともアホなのである。同じ所でくるくると回り続けたり、廊下を進んで出られなくなったりする。180度方向転換をして元の場所に戻れば良いものの、120度ずつ3回の方向転換をするので突き当たりぶつかるしかない。

◆ 拭き掃除機のブラーバは直線移動を基本とするのだが、部屋の隅には行こうとしないので狭い範囲しか拭き掃除をしてくれない。スタート地点には上手く戻ってくられるのだが、それは制御が優秀なのではなく直線移動しかしないので元の位置を見失わないためだ。

◆ iRobotのクラウドがダメだという話も書いた。WiFi接続型のRoombaはiRobotのクラウドがなければ多くの機能が失われるのだが、そのクラウドサーバの安定性が低いために動作しなくなる。もはや赤字が赤字を生むような正帰還状態に陥り、どうしようもなくなったのではないのか。

◆ ロボット掃除機分野では50%以上のシェアを持っていた同社だが、2025年にはシェアが1桁まで低下した。変わってシェアを伸ばしたのは中国勢だった。iRobot社はAmazonに助けを求めたのだが、許可されなかった。Amazonが販売面で協力したとしても、iRobot社自身が機能改善に取り組まなければ結局は倒産に至ったと思う。

◆ 何故改善に取り組まなかったのか?それはRoombaこそ最高のロボット掃除機だと思い込んでいたからではないだろうか。Roombaが売れないのは購買者が馬鹿だからだ、中華掃除機のひどさに早く気づいた方が良い、位に考えて いたとか?しかし中華掃除機を買った糸たちはRoombaより安価なくせに性能が良いじゃないかと喜んだ。

◆ iRobot日本法人の社長は、中国企業になった後もサポート体制に代わりはないと言っていたが実際にはどうなったのだろう?日本人は有名メーカ好きというかブランド志向傾向なので、中華掃除機よりRoombaの方が偉いという。何が偉いのだか分からないが、有名メーカ品を持つことに安心感を覚えるという世界でも珍しい購買傾向がある。

◆ ブランドバッグを女子高生が持つほどの景気は存在しなくなったが、iPhone信仰はあるしテスラ車が売れないのもアメ車イメージが強いからではないだろうか。イーロンマスク氏も日本でテスラ車が何故売れないのか分からないと言っていた。

◆ アメ車はデカくて扱いにくくて壊れるという、テスラ車もその例に漏れないので売れなか った。iPhoneは使い方が簡単でアクセサリ類も豊富だから売れた。Roombaもロボット掃除機の代名詞的知名度で売れた。だからその売り上げを大切にしていれば、売れ続けるチャンスがあった。

◆ ダイソンの掃除機も同じ事が言えたが、重くて吸引力が低くてゴミの分離が悪い事が知られてしまった。そこでダイソンは紙パック式の掃除機を発売した。プライドを捨ててでも消費者に好まれる製品を作ることがなければ、明日の売り上げは確保出来ないという事だ。

オイル添加剤は何のため?(4/3)
◆ いくつかのオイル添加剤をテストしている、この手のテストでは著名な動画がある。海外なので欧州では有名なLiQUIMOLYの、モリブデン系やセラミック系添加剤がテストされていた。添加剤をオイルに混ぜずにチムケンテストしていたりして、添加剤100%の方が添加剤をオイルに混ぜるより摩耗防止効果が高かったのが面白い。ただしその差はわずかで、オイルの銘柄による差の方が大きかった。

◆ 別のチャネルでは燃費のテストも行っていた。燃費テストは再現性が余り良くないのだが、ある程度の距離を走ることで平均化していた。ただし距離を乗ると言うことは時間がかかることであり、季節による差も出てきてしまう。

◆ 今の車はオイル粘度も低いのでオイルによる燃費改善効果は良くても数パーセント、誤差に埋もれてしまいそうな割合だ。実際そのテスター氏も添加剤の投入による燃費改善効果はないと結論づけていた。使っているオイルは5W-30だったかな。

◆ ならば一体何のために添加剤を入れるのか。モリブデン系添加剤は摩擦の低減と燃料の節約が謳われている。セラミック系添加剤のCERA TECも同様に摩擦低減効果と燃料の節約、5万km以上にわたって効果が持続すると書かれている。セラテックは7千円くらい、モリブデンは3千円くらいである。

◆ セラテックは乳化したオイルみたいな色で見た目は良くないが、エンジン音が減少したなどのレポート記事もあった。ちなみにLIQUIMOLY自身はエンジン音が減少するとは謳っていない。LIQUIMOLYはドイツの有名なメーカなので、テキトーなものを売っているわけではないと思う。

◆ オイルや添加剤の他にインテーク系のカーボンを除去するための機器や、燃料ラインのクリーニングをする機器など、どちらかというとそういった方向の企業だ。勿論効果があるのならばそれは良いと思うのだが、LIQUIMOLY推しの某整備工場も最近その機械を使わなくなったようなのだ。

◆ 添加剤商売は儲かるので売りたくなる気持ちは分かる。添加剤を入れろというのなら、最初からその添加剤の入ったオイルを売れば良いではないかとなるのだが、LIQUIMOLYはモリブデン添加剤入りのオイルを売っていた。セラミック添加剤入りのオイルは売られていないようで、乳化したオイルみたいで見栄えが悪いからなのかな。

◆ 自動車用品店でも添加剤は売るけれど、入れるのは自分でやってねみたいな感じの所もある。そもそも添加剤自体が減っている。エンジンオイル用が余り売れないというか、メーカも指定のエンジンオイル以外入れるなと言っていたりする。なのでエアコンの冷媒に入れるものだとかパワステフルードに入れるものだとか、燃料添加剤が増えている。

◆ 今は環境問題などもあってオイルの成分が規制されている。添加剤は規制対象外なので好き勝手に出来るのだが、摩擦低減効果の副作用で触媒が壊れてしまうこともある。そうした問題があるので、オイル添加剤商売もリスクがある事になる。

◆ 古い車やバイクだと固めのオイルが指定されているので、摩擦低減剤の効果が出やすいかも。触媒の付いていない車はないと思うが、当時の触媒は当時の硫黄分のオイルに耐えたのだから、硫黄分が多少多くてもリンが入っていても、塩素系であったとしても余り問題はない。そういう意味では昔のエンジンは丈夫だったわけだ。

ターボ車の燃費は悪いのか?(4/2)
◆ ヴェルファイアのエンジンが従来の3.5リッターNAから2.4リッターターボになった。これによって実燃費が悪化したという話で、以前にも触れたことがある。通勤使用で3.5リッター版は5km/l〜6km/l走ったそうだが、2.4リッターターボだと5km/lを超えないという。

◆ カタログ燃費は上がっているらしいが実燃費が悪く、エンジン音や新道も多いので気に入らないみたいな話だ。メーカ的にはカタログ燃費が全てなので、3.5リッターエンジンよりも2.4リッターエンジンを採用したくなる。エンジン重量が軽くなることによって、ギリギリ2t以下の車重に出来れば、カタログ燃費はワンランク上になる。

◆ トヨタのカタログにも装備品によって燃費が変わると書かれているが、何せ車重がギリギリなのでオプションを付けると2tを超えてしまい、燃費計測時の等価慣性質量が変わってしまう。まあそんな理由で2.4リッターターボにしたのだと思うし、6気筒エンジンに比較すると安価に出来るのもメリットだ。

◆ 今は余り流行らなくなったV6エンジンだが、コンパクトに出来る代償としてコスト高がある。カムシャフトもVVT機構も2組必要なので、どうしてもコストが上がってしまう。振動面でも直列6気筒並みとは行かないのだが、クランクシャフトが短く剛性を上げやすいので、ハイパワーエンジンには向いている。

◆ ダウンサイジングターボ全盛なので、排気量縮小とターボ化で燃費が良くなると考えがちだが、それは設計による。最大出力を欲張らなければ未だ良いのだが、パワーを出そうとするとそれなりの熱設計が必要になる。それなりの熱設計を行うとエンジンは重く大きくなってしまう。

◆ 同じパワードを出そうすれば同じくらいのエンジンが必要で、そこでサイズダウンしようとすると熱負荷を軽減する何かが必要だ。そしてこれが燃料による冷却となると、余り燃料を薄く出来ない。これは日本におけるターボ付エンジン設計の根本みたいな所があって、なので一時期はターボ付きの車が消えてしまったのだ。

◆ ベルファイアの場合でも高速道路や郊外の空いた道路メインで使えば、従来の3.5リッターエンジンより燃費が良くなると言われる。郊外走行では3.5リッターエンジン車は9km/l前後だが2.4リッターターボ車は10km/lを超えられるそうだ。定速走行時にはターボが余り効かない回転数レンジであり、排気量の分だけ燃料消費が減少したという事になる。

◆ 市街地走行や渋滞路の走行でも排気量が小さい分だけアイドリング時の燃料消費量は減るのだが、2tもの車体を動かすのだから加速時には過給域まで使う。こうする当然必要な燃料の量が増えるので燃費が悪化する。ジムニーなどは通常走行時でも過給域に入るくらいだったので、車重に対するエンジン出力というか排気量の関係で、このあたりは仕方がない。

◆ こうした部分をモータで助ければ良いのだが、THSとのマッチング範囲を超えるのではないだろうか。クラウンはこのターボエンジンにTHSを組み合わせていなかったっけ?ターボ無しだったかな?THSの場合はエンジンへの要求特性も多いので、色々と難しいかも知れない。

◆ 将来的にパラレルハイブリッドが増えてくれば、エンジン出力にかかわらずハイブリッド化が出来る。重量級の車では渋滞路での燃費改善にハイブリッド化が効くので、実燃費は良くなるはずだ。

水道管更新(4/1)
◆ 日本の上水道の整備は1970年代に活発化した。水道管の総延長は74万kmと言われ、その更新には100年以上がかかるのだとか。水道管は厚労省の管轄だったが、2024年からは国交省に移管された。これまでも下水道は国交省管轄であり、業務の効率化を目指すと言われた。

◆ 水道管の更新時期のピークは2040年頃とみられており、巨額の財政負担が発生する。その頃には日本の人口も更に減少していて、年間数兆円になるという水道管の工事費負担をどうするかが問題になっている。

◆ これは水道だけではなくガスにしても同様で、ガス料金はますます値上がりする見込みだ。こうしたパイプラインによる輸送とトラックなどによる輸送のどちらが安いのかは度々議論される。例えば石油のパイプラインだが、パイプラインの工事費用とメンテナンス費用よりもトラックや列車、船舶での輸送の方が安いと試算されている。

◆ 昭和中期の日本には各地に簡易水道の施設があった。団地や住宅地ごとに簡易水道施設があり、深井戸からくみ上げられた水を数百戸の住宅に供給する。しかしその後いわゆる公営水道の時代となり、簡易水道は徐々に姿を消した。

◆ しかしその水道管の老朽化が現実問題となった今、再び簡易水道が脚光を浴びる。国は水道事業者を募集し、かつてのメガソーラバブルの再来かと言われるような雰囲気を醸し出している。メガソーラ同様に訳の分からない合同会社が乱立し、その多くが韓国資本である。

◆ これに待ったをかけたのが河崎重工だった。シールドマシンの大手の河重は、水道管内部で稼働させる事の出来る小型シールドマシンを開発した。構造的にはトンネル工事に使うものと同様で、金属パイプを内側から完全に削り取ってしまう。そこに金属3Gプリンタを応用した機構により、新たな金属パイプを生成する。金属パイプの更に内側は樹脂がプリントされ、100年以上にわたる耐久性を誇るという。金属管の内部に樹脂管を形成する機器は数年前から存在しているが、金属管を再構築するタイプははじめてだそうだ。

◆ 基本的には既存の配管と同じ外径で作られるが、土壌の状態が良好であればより太い配管を構成する事も出来る。エルボやチーズ部分もそのまま造形できる事から、掘り起こし作業なしに水道インフラの更新が可能だ。トンネルと違い既存のパイプの中を進む事で、1日あたり約20kmの水道管を更新できるという。これはシールドマシンへの電力供給や部材供給ラインの制限だそうだ。削り取った既存水道管のカスは水流によって排出される。

◆ しかし国交省は渋い表情を見せる。国交省の仕事は道路を掘り返し、そして埋める事だ。これなくして予算消化が出来ないという。河重は、それでは太い基幹配管と、比較的細い個別配管に分けて予算を分配したらどうかと提案した。シールドマシン自体は内径20mm程度という、ごく細い水道管にも対応出来る技術を開発したという。

◆ この細い管用のシールドマシンは、将来的には人間の血管の詰まりや、動脈瘤などを修復するための技術にも応用が可能だとの事で、今度は厚労省が興味を示し始めた。そもそも上水道の所轄移管は業務の効率化のためであり、より効率的なシールドマシンによる造形技術を使うのなら、厚労省に利権を寄こせというわけだ。水道管が何を運んでいると思う?水だけじゃない、カネを運んでいるんだとは役人の弁である。

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