水道管更新(4/1)
◆ 日本の上水道の整備は1970年代に活発化した。水道管の総延長は74万kmと言われ、その更新には100年以上がかかるのだとか。水道管は厚労省の管轄だったが、2024年からは国交省に移管された。これまでも下水道は国交省管轄であり、業務の効率化を目指すと言われた。
◆ 水道管の更新時期のピークは2040年頃とみられており、巨額の財政負担が発生する。その頃には日本の人口も更に減少していて、年間数兆円になるという水道管の工事費負担をどうするかが問題になっている。
◆ これは水道だけではなくガスにしても同様で、ガス料金はますます値上がりする見込みだ。こうしたパイプラインによる輸送とトラックなどによる輸送のどちらが安いのかは度々議論される。例えば石油のパイプラインだが、パイプラインの工事費用とメンテナンス費用よりもトラックや列車、船舶での輸送の方が安いと試算されている。
◆ 昭和中期の日本には各地に簡易水道の施設があった。団地や住宅地ごとに簡易水道施設があり、深井戸からくみ上げられた水を数百戸の住宅に供給する。しかしその後いわゆる公営水道の時代となり、簡易水道は徐々に姿を消した。
◆ しかしその水道管の老朽化が現実問題となった今、再び簡易水道が脚光を浴びる。国は水道事業者を募集し、かつてのメガソーラバブルの再来かと言われるような雰囲気を醸し出している。メガソーラ同様に訳の分からない合同会社が乱立し、その多くが韓国資本である。
◆ これに待ったをかけたのが河崎重工だった。シールドマシンの大手の河重は、水道管内部で稼働させる事の出来る小型シールドマシンを開発した。構造的にはトンネル工事に使うものと同様で、金属パイプを内側から完全に削り取ってしまう。そこに金属3Gプリンタを応用した機構により、新たな金属パイプを生成する。金属パイプの更に内側は樹脂がプリントされ、100年以上にわたる耐久性を誇るという。金属管の内部に樹脂管を形成する機器は数年前から存在しているが、金属管を再構築するタイプははじめてだそうだ。
◆ 基本的には既存の配管と同じ外径で作られるが、土壌の状態が良好であればより太い配管を構成する事も出来る。エルボやチーズ部分もそのまま造形できる事から、掘り起こし作業なしに水道インフラの更新が可能だ。トンネルと違い既存のパイプの中を進む事で、1日あたり約20kmの水道管を更新できるという。これはシールドマシンへの電力供給や部材供給ラインの制限だそうだ。削り取った既存水道管のカスは水流によって排出される。
◆ しかし国交省は渋い表情を見せる。国交省の仕事は道路を掘り返し、そして埋める事だ。これなくして予算消化が出来ないという。河重は、それでは太い基幹配管と、比較的細い個別配管に分けて予算を分配したらどうかと提案した。シールドマシン自体は内径20mm程度という、ごく細い水道管にも対応出来る技術を開発したという。
◆ この細い管用のシールドマシンは、将来的には人間の血管の詰まりや、動脈瘤などを修復するための技術にも応用が可能だとの事で、今度は厚労省が興味を示し始めた。そもそも上水道の所轄移管は業務の効率化のためであり、より効率的なシールドマシンによる造形技術を使うのなら、厚労省に利権を寄こせというわけだ。水道管が何を運んでいると思う?水だけじゃない、カネを運んでいるんだとは役人の弁である。


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