気の抜けたビールは復活するのか?


気の抜けたビールやコーラ、炭酸ガスを注入することで復活するだろうか?店に置いて有る生ビールや濃縮?コーラの脇に炭酸ガスボンベが置いて有るよね?緑色のボンベだ。
ボンベはガスの種類によって色分けされているから分かりやすい。
酸素は「黒」,病院で見かけないかい?話がそれたが、生ビールやコーラは炭酸ガスで加圧して気が抜けないようにしているに違いない。
ま、コーラは元々炭酸ガスを溶かした飲料だから抜けた炭酸ガスを補充すれば復活するだろう。
しかし、ビールは積極的に炭酸ガスを溶かしているのではなく発生した炭酸ガスがとけ込んだ結果のものらしい。
従って、炭酸ガスを補充?したからと言って元の味に戻るのか?早速実験開始だ。


春の日差しに照らされたビール達。
グラスについで、泡が消えたところだ。
このビール、私は飲む習慣がないから分からなかったのだが限定品だか何だか??のモノだったらしい。
この実験風景を発見した妻は「もったいない」..と。
酒類管理責任者&消費代表としてはもっともなご意見。
待っていろ、もうすぐ炭酸を注入して飲ましてやろうじゃないか!ビール瓶の隣の瓶は実験用加圧容器。
ウチになかったからスーパで買ってきた。
どうも、梅酒などを作る目的の瓶らしく取り説には「フタの密閉製は高くありません」と書いて有るではないか!そんな事、瓶の中に入れた取り説に書かれても後の祭りだよね。
(写真の瓶の中に入っている、フルーツの絵が入った紙がそれ)瓶本体はガラス製だ。
フタの部分はアクリルで、その厚みおよそ2mm,ガラス瓶と密着するところにはシリコン製と思われるガスケットが入っている。


フタには穴を開けて、炭酸ガス注入用ニップルを取り付けた。
その右に見えるのは金魚などの水槽にエアーを入れるためのもの。
気泡が出てくるところに付けるヤツだ。
商品名は「丸ストーン」,私は観賞魚のパーツに詳しくないのだが、この名前で通じるのだろうか?その右は同じくエアホース、手前にあるのはCPU冷却で使用したときのメータリングバルブだ。
このバルブで、どこまで少量の炭酸ガスを出せるか(絞れるか)分からないが、まさかボンベ直結で40Kg/cm近い圧力をかけるわけにも行かないだろう。
CPU冷却の経験から行くと、2mm厚のアクリル蓋は1Kg/cm2程度の加圧で変形を始めるはずだ。
(この大きさだと、4Kg/cm2も加えればヒビが入るかも)
このガスも大活躍だね。
もうそろそろ中身がカラになるかも知れない。
体重計に乗せて重さを量れば分かることだが。
−−一日放置して、すっかり気の抜けたビールを瓶の中に入れる。
セット完了して炭酸ガス供給開始だ。
蓋の破裂に備えて、ゆるめに閉めておくが...

こんな感じで泡だらけになり..テーブルにビールを飲ませるハメに陥った。
メータリングバルブでは絞りきれないのだ。
何しろ液体が気体になるときの膨張もあるのだから...

この程度が上品だね。
しかし..この状態を維持するのは大変だ。
何しろ手でホースを中途半端に挿しながら調整しているのだよ!

ちょっと見にくいかも知れないが、このメータリングバルブで液化炭酸ガスは断熱膨張する。
従って温度は−73℃近くまで冷えるわけだ...手が張り付くゼ!−−結局、蓋の密閉度を上げないと泡が激しくて吹きこぼれてしまう。
仕方なく瓶の周囲にシーリングテープを巻いて再挑戦した。
もっと密閉度が高くて、それこそ40Kg/cm2にでも耐える容器が有れば話は簡単なのに..蓋の密閉度が上がって瓶の内圧が高く有れば泡の発生は抑えられる。
この状態で、蓋は盛り上がっている!

とりあえず、この状態で10分ほど炭酸ガス注入を試みる。
何度か試飲しながらやっているので、結構酔ってきた...試飲のために瓶のフタを開けると、内部が大気圧にまで下がって急激に泡が発生する。
しかし、飲んでみると思ったほど炭酸は溶けていないようだ。
確かに、実験前の状態より明らかに炭酸っぽくなっているが新品?のビールにはほど遠い。
いや..酔っているせいではない...と..思う。
ビールって、普通の水より炭酸が溶けにくいのだろうか?自分で飲んでいてもよく分からなくなってきたので、酒類消費係である妻に意見を求めた。
結果は「気が抜けてる」...失敗かあ..気を取り直して、フツーの水の炭酸水化実験を行ってみた。


ビールと違って吹きこぼれる心配もないので気楽なモノだ。
ビールの時と同じく10分ほど注入して飲んでみると...おっ!炭酸水になっているではないか!−−しかしこの実験は手間がかかった。
ビールはこぼれるし、試飲で酔うし、メータリングバルブは冷たいし...