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フェムトセル失速


  • Posted by: F&F
  • 2009年2月12日 13:43

やるぞやるぞと言いはじめて2年が経ったSBMのフェムトセル計画、いよいよ始動か。
しかし当初は地方の圏外エリアを対象とするのだそうだ。
果たしてその理由とは?

これは従来から言われていたことなのだが、公衆基地局からフェムトセルへのハンドオーバを端末に任せるしかない現状では基地局密集地にこれが設置しにくいというのだ。
その為圏外になっているようなエリアでサービスを開始するらしいのだが、孫さんはエリアカバレッジは充分でエリア整備は終わったと言っているし、SBMは人やヤマダ電機はドコモと遜色ないエリアだと胸を張っている。
これが本当だとするとフェムトセルが必要な地域は皆無に等しくなるだろうし、逆にそんなところにBフレッツが引かれているのか?とも思う。
まあ実際には圏外だらけとまでは言わないが、とてもドコモやauのエリアカバレッジに太刀打ちできるようなものではないから役には立つはずだ。

このハンドオーバ問題、ドコモのネットワークであれば901i以降(たぶん)では問題ないと思う。
現状のSBMにしても基地局側の処理でフェムトセルにトラフィックを移すことが出来るはずなのだが、何故やらないのだろうか。
理由として考えられるのは旧vodafoneの古い装置ではそこまでの管理が出来ないか、出来るようにするための投資が必要なこと。
インフラ側にかけたコストを回収するのは今のSBMの経営状態では難しいが、もしも端末側にそれを持っていったとすればコストは加入者が勝手に負担してくれる。
だったら今年の冬か、来年の春か夏モデルでこれを積めばいいんじゃないかと考えたのだろう。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20090203/324049/
記事の中で宮川氏は「エリア対策としてだけではユーザーからフェムトセルでお金は取れない。しかしフェムトセルをタダで配るにはまだ少し高い」と述べている。
ようするに金が無くなってしまったのである。

対応機種が発売されたとして、過去の例から行くとシャープの一機種だけみたいな感じになるだろうか。
それがどんどん売れてくれればまだしも、平均利用年数予想が3年を超えている現状を見ると既存加入者がこれに買い換える可能性は低い。
するとフェムトセルのメーカ発注台数が伸びずにスケールメリットも出ない。

だったらむしろSBMネットワークは通話とメールだけにしてしまい、後の高トラフィック通信は全部EMのネットワークを借りた方が得ではないのか。
と、たぶん孫さんも思っていることだと思う。
新たな機器開発や設備投資に金をかけるなら、何も自前でそれをやることはない。
3年分の設備投資を前倒しして… とくり返してはみるものの、3年分を前倒しにしても4.6万局には及ばなかったんですねで話が終わってしまう。
そもそも何の3年分なのか、以前も書いたようにどう考えても計算が合わない。
通信需要は年々増大する傾向にあるから、2年分か3年分か知らないがそれが済んだら後は放置ではダメなのである。
昨日は3日分くらい飯を食ったから、今週は後は絶食ねという具合に行かないのと同じだ。

このまま投資額が増加しなければ当然次世代インフラなどは夢の又夢となる。
カネがないからHSPA+で行くと言ったって、その元になるHSDPAエリアが増やせない現状では何も出来ない。
やはりここはインフラ事業者ではなくサービス事業者として高トラフィック加入者をEMなりUQに任せるのが良いと思う。
音声とメールのみなら現状の設備でもあと数年は耐えられるかも知れない。

   

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