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UQ WiMAXの実力


  • Posted by: F&F
  • 2009年2月27日 10:35

UQのサービスが開始され、パフォーマンステストの結果などが続々と出てきている。
伝送速度は2Mbps〜20Mbpsあたりと幅があるのだが、これは昨日書いたように伝送システムによるものでもある。

電界強度が低ければ変調方式を低速に切り換えて通信を成立させようと頑張るし、S/Nが良ければ最大64QAMまでの多値変調を使って伝送速度を上げようとする。
2.5GHz帯という環境にクリチカルな周波数帯であるだけに伝送速度の環境による変化量はきわめて大きいのではないだろうか。

WiMAXの場合は上り/下り非対称のTDDなので64QAMで40Mbps程度の理論最大速度が得られる。
TDDタイミングは仕様上は可変可能なので上りのパフォーマンスが欲しいときにはそれを変えることも出来ない話ではない。
XGPは2.5mSずつの上下対称なので256QAMを使った場合でも30Mbpsあたりが最高速度となる。
WiMAXの64QAMに対してXGPは256QAMなので上下合わせた速度はXGPの方が若干高い。
しかし64QAMより更にS/Nが要求される256QAM故に、伝送速度の環境による変化はWiMAXよりも大きくなるかも知れない。

HSDPAはQPSKと16QAMを使用する。
電波状態の良い環境では16QAMが、それ以外ではQPSKになるわけで、基地局配置やエリア設計などで伝送速度には差が出てくる。
SBMな人は、SBMに技術がないことが技術である的な訳の分からない自虐ネタを披露していたがこれは正しくないと思う。
ベンダから良い物を買ってくればいいネットワークになるかと言えば決してそうではなく、初心者マークドライバが運転するベントレーと、ベテランドライバーが運転するプロパンタクシーのどちらが良いですかみたいなものだ。
WiMAXでも同じなのだがエリア設計などには多くのノウハウや技術が必要となる。
その意味からすると通信事業への異業種参入がいかに難しいかが分かると思う。

HSPA+はより多値な変調方式、64QAMまでを使用する。
従ってHSDPAのエリアにおいて充分なパフォーマンスが出ていなければHSPA+は意味をなさない。
LTEに関してもこれは同様なのだが、CDMA方式とは又別の概念でエリア構築を行う必要があるので導入のハードル、つまり機器の購入ではなくそれを使いこなす技術は多く要求される。

WiMAXはまだまだ基地局なども少ないのだが、安定的に5Mbps〜10Mbpsが得られれば固定ブロードバンド回線に代わるものとなるかも知れない。
家庭では固定ブロードバンド回線の代用として、しかもモバイル運用も可能となれば加入者増も夢ではないだろう。
WiMAX単品で見ると速度の割に高額だというイメージも拭いきれないが、固定回線が不要になると思えば高くはない。
その為には屋内のエリア化など考えるべき事は多々あるのだが、それを徐々に解決していけば普及は見込める。

通信方式が決められているとは言っても、その制御や様々なパラメタは日々チューニングされていく。
アナログ携帯でも、PDCでもW-CDMAでもそれは同じで、時間と共に効率化やパフォーマンス向上策が練られていく。
周波数利用効率にしてもPDCの初期の頃に比較すれば末期にはセル設計も含めて何倍にもなったのだから。

   

Comments:1

a&d 2009年2月27日 20:07

LTE開始までどれだけ普及できるかが鍵ですかね。
エリア展開が順調に進めば、イーモバがウイルコムを食ったように、UQがイーモバを食うこともありそうです。そしてLTEで…どうなるかな(笑)。
ただ高帯域故の屋内圏外対策が大変そう。この辺りの対策を間違うとKDDIを傾ける不発弾にもなりうるかも。。

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