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エリア設計


  • Posted by: F&F
  • 2009年3月 6日 10:39

0903061039_529x564.jpg
相変わらず質問が多いのでまとめて解答。
たぶんクリックすると見やすくなるはず。
元々は旧blogや↓のページで使ったもので、その説明をくり返してみよう。
http://www.fnf.jp/sbm1.htm

上の図、緑だけのものは中継局を使ってエリアを拡大した時のイメージだ。
元の基地局の電波をそのまま増幅してエリアを広げる。
エリアが広がるので圏外が減るが、エリア内の収容人数が多くなるのでパフォーマンスが落ちる。
増幅器は必ずノイズを発生するのと、そもそも電界強度が弱い場所に中継局を設置するので電波品質は落ちる。
電波品質を(この図の)色の濃さで表すとするならば、中継局を通った緑は薄くなるわけだ。
また緑の重なっている部分では当然混信が起きる。
基地局の電波と中継局の電波が干渉する。(色が同じ)

下の図はマイクロセル化やセクタコントロールによるエリア拡張の概念図だ。
緑は1セクタ局、藤色と青で60度ずつ分けられているのが6セクタ局、ピンクやオレンジの小さな円がマイクロセル局である。
これを見て解るように1セクタ局はセル面積が大きいのでパフォーマンスは悪いがコストはかからない。
6セクタ局はセル面積が1/6になる(実際にはセクタ効率などがあるので計算どおりにはならない)のでセル内利用者数が減ってパフォーマンスが上げられる。
auは多くが6セクタ局、ドコモは6セクタ局と3セクタ局がありSBMは1セクタ局が多い。

マイクロセルはセル半径を更に小さくしてセル内同時利用者数を少なくしようとするもの。
駅の近くや住宅街などに建てられているものがこれである。
図ではセルを円形に書いているが、位相アレイによってひょうたん型のエリアにしたりして干渉を防ぐものもある。

SBMの基地局数は3.7万弱で、SBMはしかし基地局は5.4万だと言っている。
SBMは独自基準により中継局も基地局に混ぜてしまった訳で、これに関しては松本氏が釈明している。
ちなみにSBMな人の言う「中継局を基地局と言わないのは頭の悪いアンチだけ」のフレーズというか捨て台詞?はなかなか面白い。
逆に中継局と基地局を一緒に語るのは孫さんとSBMな人くらいだと思うので、その他の全ての人や松本氏なども頭の悪いアンチなのだろう。
つまり、もしもあなたがアンチ認定されたならば、それはあなたの言っていることが正しいとのお墨付きのようなものだ。

大きな数の好きな孫さんも、本来ならば基地局を公約どおりに増やしたかったのだろうが資金的に無理があった。
結局「コストを下げずにエリアを広げる画期的な、他の事業者がやらなかった方法を採用する」と自慢しながら中継局をばらまいた。
他の事業者が何故やらなかったのか?孫さんは考えなかったのだろうか。

ドコモやauがマイクロセル化を推進する中、SBMは中継局によってセル半径を拡大するという世の中の流れと正反対な方向に進んでしまったのである。
結果として電波利用効率が下がり、セルエッジ干渉が問題になり、HSDPA化に悪影響が出てしまった。
ここからの回避はホームアンテナや中継局を撤廃するしかない。
そのひとつの策がフェムトセルだったと思うのだが、これにも様々な問題があってなかなか進まない。
ちなみにフェムトセルはマイクロセルよりもっとセル半径の小さな基地局なのだが、セル半径の小さなものを沢山ばらまくのもまた問題になる。

PHSは自律分散なのでエリア設計が事実上不要なのだが、携帯電話の場合はそうではない。
キチンとしたエリア設計がなければシステムとして成り立たなくなってしまうわけで、中継局やホームアンテナなどを単に配っただけではうまくは行かない。
とりあえず圏外を少なくする効果は勿論あるのだが、その代償として失うものは決して少なくはないわけだ。

この辺りをよく理解している事業者は中継局を使う場合にも悪影響を最小にすべく行っている。
フェムトセルに関してもドコモは既にこれを使ってはいるが、エリア調査の上でドコモが設置するのは悪影響を抑えるためだ。

   

Comments:1

tak 2009年3月 6日 12:41

餅は餅屋ということかな。

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