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中継器


  • Posted by: F&F
  • 2009年12月16日 11:28

中継器と言えばSBMだが、FDDはまあ簡単に中継器を作ることができる。
しかしWiMAXなどのTDDとなると少々難しい。

FDDは送受で周波数が違うので、異なる周波数の増幅器を逆並列にしたような構成に出来る。
しかしTDDは送受信周波数が同一なので、アンプを逆並列に接続したら発振する。
そこでひとつのアンプをタイミングを取って、今は上り方向を増幅、今度は下り信号を増幅というように切り替えて使えばいいわけだがこれも難しい。
何故ならば、その送受信のフレームがどこにあるのかは信号を受信してみなければ分からないからだ。
なので、TDDの中継器には最低限タイミングを取る回路が必要という話になる。

しかしここでも問題は起こりうる。
FDDの中継器と同じように発振の問題、それは基地局からの電波を受信するアンテナと再放射アンテナ間のアイソレーションによる問題が不可避だからだ。
このことから従来の中継器では増幅率を上げられない(ドコモなどはアンテナを遠くに建てることで発振を回避している)とSBMは言い、周波数変換型ならその問題はないのだとした。
周波数変換型は従来からあるのだが、元の周波数と変換後の周波数の両方をひとつの通信で使ってしまうので電波の利用効率がさらに下がる。

また周波数変換を伴うのでC/Nが悪くなる(ノイズが増える)しスプリアスの問題も出てくる。
世の中そう簡単にはいかないのだが、まあ良い点だけを並べるとSBMの発表通りにはなる。

WiMAXなどでも周波数変換型の中継器を考えているようで、バンドプランもそうなっている。
これは中継器による干渉などを回避するためだと思われ、屋内専用のレピータと考えれば同一周波数を増幅して外部にばらまくよりは中継器のデメリットが少ないと見たのではないだろうか。
ただこの場合でもミキシングによる信号劣化やスプリアス問題はある。

そこで一旦受信した信号を再送信するタイプを考える。
これはPHS用ホームアンテナと同じ考え方(PHSもTDDなので)で、基地局からの信号を一旦受信機で受信してベースバンド信号に変換したものを送信機で再送信するやり方だ。
これなら(受信機が入っているので)TDDタイミングも取ることが出来るし発振もしない。
ただし回路規模が大きくなって遅延が増える。

そうは言っても室内浸透性が低いWiMAXは窓際BWAと呼ばれるわけで、何らかの中継器は必須とされる。
いやいや、だったら窓際でWiMAXを受信して屋内にはWiFiで再送信すれば良いではないかみたいな話も当然出てくる。
安易に考えれば安易に済ませることも出来るが、ちゃんと考えると色々難しいのが中継器の世界なのだ。

   

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