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プリウス、お前もか


  • Posted by: F&F
  • 2010年2月 3日 11:05

なかなか収束をみないトヨタのアクセルペダル問題、実は2年も前に同様の不具合を確認していたという話まで出てきた。
過剰なトヨタ叩きに見えないでもない今回の事件だが、実際に死亡事故が起きている訳なので大目にというわけにはいかないだろう。
それに追い打ちをかけるように、今度はプリウスのブレーキ問題も発覚した。

トヨタも当初はフロアマット原因説を唱えたのだが、その後になってパーツ不具合のリコールを申し出るなど対応がバラバラだ。
問題の、湿気などによって動きが渋くなると言う部品は米国のみではなく欧州でもクレームが発生していた。
欧州ではパーツを別のものに変えるなどしたが、米国では(気象条件などを考慮した上でのことか)そのまま部品を使い続けた。
だが欧州でもレクサスブランド車はリコールだという。
トヨタブランドは無事な模様。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20100201/208227/
記事によればアクセペダルが踏まれた位置で固着するというのだから結構恐ろしい話だ。
ちなみに固着パーツは米国製だとのことで、日本製(日本仕様)は問題ないとトヨタは言っている。

この一連の事件でトヨタは1千万台にも上るリコール台数を届け出ることになった。
高信頼、低価格、小型軽量低燃費が売りの日本車はどこに行ってしまったのか。
一つは日本の景気低迷による過剰なコストダウンの影響ではないかと思う。
景気が良ければ無理なコストダウンよりも高く売れるような付加価値商売に走る。

しかし、ここ最近の日本車は元気がなかった。
日本車といえばゴテゴテのエレクトリカル装備、可変サスだの4WSだのという凝ったメカニズムが相場だったのに。
もっとも国内市場はワンボックス全盛で、電動カーテンは売れても走行安全性などとは無縁だったと言っても良い。
幸いにしてこれらのモデルは殆ど輸出されていない(需要がない)から良いようなものの、ここで横転に対する危険性なんて話になったら更にショックが大きくなる。

そんなトヨタ問題が渦巻くなか、今度はプリウスのブレーキ不良が発覚した。
トヨタでも問題は把握していると言うが、1秒前後もノーブレーキ状態になるという恐ろしいもの。
http://www.asahi.com/car/news/NGY201002020031.html?ref=rss
プリウスのブレーキは、BENZの今は廃止となったSBMのような機構になっている。
回生ブレーキとメカニカルブレーキの統合制御を行うために、いわゆるブレーキ倍ワイア構造を採っているわけだ。
この場合システムの電源が切れるとブレーキが効かなくなる。
そのためプリウスには電気二重層コンデンサが装備されていて、瞬断を保護する仕掛けになっている。
というか、何故瞬断があるんだ?

SBCの場合はシステムトラブル時には油圧系統だけでブレーキがかかる仕組みになっていたが、ブースタ系も死んでしまうので踏力は余計に必要だ。
プリウスの場合は油圧系統そのものが動作していない状況において回生制御が無くなってしまうとか、そんな感じなのかも知れない。
しかし、ネット上でもさんざん言われている問題にトヨタが無関心であることの方がむしろ問題ではないだろうか。
http://prius.carstadium.net/?eid=20
http://www.cerfes.com/2009/12/30-1.html
http://kogotodaiou.blog102.fc2.com/blog-entry-325.html

当然擁護派との戦いになることも。
http://priusbbs.2145.jp/c-board/c-board.cgi?cmd=one;no=29182;id=prius3x
http://bbs44.meiwasuisan.com/bbs/bin/r/car/1262588512/11-

ディーラなどに苦情を訴えても「ABSとはそんなものです」で済まされた例もあるとか。
いや、ABSって全輪のブレーキを解除するものじゃないですから。
現象がABS動作不良に似ていると言われるのだが、回生制御からメカニカルブレーキへの切り替えが旨く起きないのではないかとか、回生中にモータがエネルギ吸収をやめるか逆にトルクを発生させてしまう(加速しようとする?)のだとか、色々な論がある。

ソフトウエア制御全盛でバグもあれば不具合も起きる。
まあブレーキ系となるとバグでしたでは済まされない話でもあるのだが、発生したバグなどに対する対処がメーカの信頼を表すと思う。
ちなみにSBCに関しては音の発生を少なくするとかいう無償整備と、パーツ交換のリコールがあったように記憶している。

現在BENZのブレーキはどうなっているかというと、油圧システムを電気でアシストする方法が採られている。
SBCがブレーキバイワイアであったのに対して、現在のものは既存の油圧ブレーキシステムの油圧制御を電気で行う方式だ。
まあどちらが主体かというくらいの違いで、BASにしても緊急ブレーキ関知にしても雨天時のブレーキ温度確保機能にしてもSBCとやっていることは変わらない。

個人的に言うと現在のシステムよりSBCの方がフィーリングが良かったような…
今のブレーキはペダルが軽すぎて(日本車並み)微妙な操作がしにくいし、電気仕掛けのお節介も入りやすい気がする。

   

Comments:4

YASU Author Profile Page 2010年2月 3日 17:16

ここのところ、トヨタの失態が多いですな

プリウスは、回生ブレーキとABSの組み合わせがうまくいってないようですね。
ABS作動時に回生ブレーキ解除、でも踏力と油圧ブレーキ圧力のテーブル(もしくは係数)は回生ブレーキ使用時のままなのでブレーキが効かないって感じのバグかな?
旧型ではあまり聞かないので新型でのバグでしょうね...

アクセルペダルの件ですが、センサの問題じゃなくアクセルペダルのヒンジ?部分の材質に問題があって戻りが渋くなる、もしくは戻らなくなるですか...
吸湿して変形したのが原因かと思ったら微妙にちがうんですね。
摺動部分が摩耗により鏡面化し、結露などにより侵入した水分で張り付いてしまうって...
同じような構造をしているはずの日本製部品では問題が生じないんですかね?
それとも構造からして違う?
ここのところのトヨタのを見てると、ちょいと心配になってしまいます。

F&F Author Profile Page 2010年2月 3日 17:26

鏡面化して張り付いちゃうと言うのが今ひとつ解らないですねぇ。
鏡面化すると言うことは削れているわけで、そうすると板は薄くなってクリアランスは広がりますよね。
クリアランスが広がれば水滴がくっついたとしても(摺動させるのだから)リターンスプリングが勝りそうな気がします。

それに、その板に穴でも開いていれば摺動抵抗は増大しないと思うし、なぜその程度の対策が出来ていないのだろう。

YASU Author Profile Page 2010年2月 3日 18:39

摺動しているってことは常に接触しているのでは?
で、鏡面化すると普段は悪さをしない水が接着剤の役割をしてしまうってことではないですかね?
大量にあれば別ですが、少量の水では接触面の動きが渋くなることは日常生活でも結構あるとおもうのですが...

YASU Author Profile Page 2010年2月 4日 00:08

プリウスの件ですが、トヨタは今年に入って工場で生産されるものについては対策済みって記者会見で言ってますね。
対策済みってことは原因もわかっているんですかね?

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