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SIMフリー化(2)


  • Posted by: F&F
  • 2010年4月 5日 13:02

SIMフリー化推進は当然の流れだと思う。
もしも分離プラン推進が行われなければ従来のままで何ら問題はなかった訳だが、分離プラン推進を行ってきた事を考えればSIMフリーも当たり前の流れだ。

私は分離プラン推進に全面的に賛成ではない。
景気の悪い日本の現状を考えるとインセンティブプランも一定の意味はあるのかなと思うからだ。
そして孫さんの考え方である、市場に行政が口を挟むなにも賛同する。
規制によって業界を守ったり破壊したりという事は、自由な市場と相反する結果を作り出す事になる。
しかし総務省などは分離プランへと流れを変える道を作った。

ここで問題なのはインセンティブプランが必ずしも無くなったわけではないこと。
新規優遇既存加入者冷遇がより進んでしまった事。
それでもドコモあたりは売れないモデル、不人気モデルを中心に在庫処分的スタイルを採りながら買い増し特価も行ってきてはいる。

SBMなどはそもそも分離プランではない(口先では分離プランだと言っている)から、これはもう新規優遇は最右翼だ。
iPhoneなどは現金を付けて配るなど、一昔前のインセンティブ販売法そのままを実践している。
auもSBM程ではないと思うのだがキャッシュバックもあればゼロ円端末も多い。

SBMは「スーパーボーナスでいち早く分離プランを提供した」と言い張って総務省に対抗する。
その一方で「SIMフリー化は端末価格が上がる」と、矛盾した事を言う。
え?どこかで聞いた事がある文言だって?
そう、基地局の時と同じなのだ。

一方では「エリアカバレッジが99.9%を超えたからエリア整備は完了する」と言い、一方では「800MHz帯が無いからエリア整備が出来ない、ドコモの帯域を貸せ」という。
その時々、話す相手によっていかようにも意見を変えるのがSBM商法そのものなのである。

インセンティブプラン推進事業者と分離プラン推進事業者が共存できないのは当たり前だ。
それはインセンティブプランの方がトータルとして加入者にも事業者にもメリットが大きいと思われるからで、海外で分離プランが成功しない事例を見てもそれは明らかだ。
そんな状況では自由な競争は出来ず、分離プランのメリットは全く出てこない。
もしもSBMが完全に分離プランに移行したら、ドコモとの真っ向勝負は不可能だっただろう。
付加価値が低い分安く売らなければならないのは当然として、その販売費用は既存加入者が負担しなければならない訳だ。

これが通信費用などを高止まりさせている原因であると総務省は言う。
確かに、もしもSBMは販売奨励金をゼロにしたらその分相当な額の設備投資が可能になったに違いない。
これは既存加入者への満足度向上策となり、既存加入者は料金を支払った分の恩恵を受けられる話になる。

SBMのビジネスモデル自体が、端末をオーバローンで売ってその権利を転売し、実際の価値以上の現金を手に入れる方式だ。
ここで手に入れた金を運用して金利(月月割り)以上の利益を上げれば良い訳だ。
もしもSIMフリー化が行われるとこのビジネスモデルは破綻する。
またキャッシュバックを入れると10万円以上にもなるインセンティブを積んで何とか台数を掃こうとしているiPhoneも終焉だろう。
だからこそ必死に抵抗をする。
しかし総務省もSBMの悪さは解っており、おかしな行動を起こされる前に法制化するのかも知れない。

SBMがインセンティブプランを何としてでも推進するというのなら又話は別で、その部分で総務省とやり合えばいい。
だが、分離プランだと言いながら実はインセンティブプランで商売をするのは狡い。
端末代と通信費を別にして不公平感を無くそうとするのが目的であるのに、SBMは真っ向からこれに逆行する。
既存加入者、それも個人から集めたカネで新規加入者や法人を維持している恰好だ。

これの元凶は何か。
そう考えると、SIMロックを規制すればSBMもギャフンだろうと総務省が考えても無理はない。
中継器配りで規格化の話が出てきたように、SBMがMVNO事業者になった事で議論を呼んだように、嘘やまやかしを排除するには規制強化しかないと言われれば反対も出来ない。

とにかくSBMとしては必死に反抗する以外にはない。
余裕のドコモに対して焦りのSBMという図式だ。
無理矢理なこじつけでも何でも、アピールするしかない。
マルチバンド対応をコストアップにつなげているが、じゃあ800MHz帯寄こせもやめるのか。
以前に、マルチバンドかは世界のケータイの流れであってこれによるコストアップは無視できると言ったのは誰だったっけかな。
まさに、発言場所によってその内容をコロコロ変える手法炸裂だ。
http://www.nikkei.com/tech/business/article/g=96958A90889DE2E7E2EBE2E6E2E2E2E0E2E6E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;p=9694E3EAE3E0E0E2E2EBE0E7EBEB
それに、SIMフリー化と他事業者でフル機能が使えるか否かは根本的には関係がない。
Y!などの都合もあり、SBM扱いの移動機がドコモ網で使えないとか800MHz帯や1.7GHz帯で使えなくても問題はない。
単にSIMロックがかかっておらず、同じ周波数のネットワーク上で他社SIMが使えて通話が出来ると言うだけだ。

ちなみに自分で買ったものを他の番号に使い回せないという、酷さの限界を超えたauも勿論SIMフリー化に反対している。
KDDIに言わせると、通信方式に互換性がないので無意味だという事になるが、無意味か否かは利用者が考えればいい。
何しろ分離プランなのだから。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20100402/346573/

   

Comments:2

a&d 2010年4月 5日 21:01

特定キャリアと特定端末での長期契約で端末代割引とかはアリですよね。
ドコモのベーシックとauのフルサポもセーフなんですよね。
どちらもNGだったりして。。


auは、0円新規→即解約→オク→白ロム契約のパターンが増えたのかも。
既加入者の機種変はバカ高で、新規にはインセンじゃぶじゃぶだから自業自得ですよね。

SBMの言い訳は凄い(笑)
次期iphoneがSIMフリー端末になったら、総務省の要請にも渋々応じそうです。
いや、その前にアップルに泣きつきますかね。
だいたい端末が安くなっても、パケ定上限額での契約必須になりそうな流れだから、速攻逃げられちゃう気がします。

nemus 2010年4月 6日 09:40

相変わらず解りやすい解説さすがです
とても参考になりました

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