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探偵(8)


  • Posted by: F&F
  • 2010年10月 9日 20:04

問題は保子にこれができるかどうかだ。
残り時間はあと10分、俺は保子に電話をした。

もしもし、今コンビニに行って使い捨てカメラを買ってきて実験したんだ。
ストロボは高電圧を使ってストロボを発光させる仕組みだから、そこに水をかければ漏電して発光しなくなる。
俺が実験したらうまく行ったから、すぐその使い捨てカメラにオシッコをかけろ。
「え?おしっこ?」
他に水分なんか無いだろ?残り時間は少ないから、オシッコをかけてからその線の束を引きちぎればいい。
「…わかった」

たぶん1分か2分だと思うのだが、俺にとっては随分長い時間に感じられた時が過ぎて保子が車から出てきた。
保子は俺に寄りかかるようにへなへなと地面に座り込んだ。
「もうダメかと思ったわ…」
俺は保子を抱きかかえるようにして車に乗せた。
液体爆弾をどうするべきか、そうだ、こんなことは由美子にやらせよう。
そう思って気づいた。
由美子からの着信がうるさかったから着信拒否設定したんだった。
と言うことは保子に電話しただろうな。
「由美子からしつこく電話があったけど、それどころじゃなかったから断ったわ」
よく由美子が引き下がったじゃないか。
「今良いところだから邪魔しないでって。アタッシュは今から持って帰るわよって言っておいたわ」
由美子はそれで納得した?
「ええ。気を付けて戻って来てって」
そうかぁ。
「何か不審なことがあるの?」
いや、由美子がアタッシュのことを知っていたのかなと思ったんだよ。
「じゃあ持って帰る?」
衝撃で爆発するかも知れないし、あとは由美子に任せようと思う。
俺はそう言いながら由美子に電話をした。
しばらくコールして、寝ていたのかなと思うような声で由美子が出た。
アタッシュの中身はどうやら液体爆発物らしくて保子が死にそうになったこと、今は信管を取り外したが爆発の危機は去っていないことを伝えた。
「社の人間を回収に向かわせるから、あなた達はその辺りの温泉ででも待機していて」
待機って、未だ何かあるわけ?
「依頼人が何といってくるか、もう少し待って欲しいの」

   

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