Skype

auは回線交換による音声通話によってSkypeアプリを提供するという。
一般的VoIPの場合は遅延その他による通話品質の劣化を担保するため、128kbps程度の通信速度を必要とする。

それに対して比較的通話品質の安定している回線交換では数kbps程度のレートで音声を伝送出来る。
もちろん圧縮率が上がれば通話品質は悪くなり、それはSBMとドコモの通話品質の差を見れば明らかだ。
SBMの場合、ハイスピードエリアでかつ移動中でなければSkypeの方が高音質になる。
帯域節約のために極限まで圧縮率を上げた回線交換による音声通話よりも、パケット網のSkypeの方が音質が良いのである。

ただし移動したりと、通信品質が安定しなくなるとSkypeは厳しい。
もっともSBMの場合は回線交換の音声でもプチプチとノイズが入ったり通話断が起きる。
ちなみにAT&T網でiPhone+Skypeを使うとSBM網での利用とは桁違いに快適だ。

auはパケット網によるTV電話も行っていたわけで、低遅延のパケット網を持っている。
ではなぜ回線交換なのか。

auの音声通話品質はSBMほど悪くなくなったとはいえ、決して褒められたものではない。
混雑地域では未だにモゴモゴした音になってしまう事もある。
ならばVoIPによる通話の方が良いのではないのか。

auはケータイでもBREWによるSkypeアプリを提供するという。
普及率から見るとまだまだな感じのスマートフォンと同様のアプリが使えるようになれば、従来型ケータイの魅力向上になるのかも知れない。
ドコモは現時点においてAndroidのSkypeは使えるようだが、ケータイはどうするのだろうか。
音声通話料は減少すると思うが、パケット定額加入率を増やす効果は十分にある。
果たしてどちらが得か、だ。