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今週の相場観


  • Posted by: F&F
  • 2011年4月 3日 15:05

先週は81円台前半でウロウロしていた状態から、82円台半ばへと週前半で動いた。
水曜日には82円台後半で膠着状態だったが、夕方に83円台に上昇した。

USD上昇の理由は以前から言われていた金融引き締め期待だ。
さらに雇用統計の結果も予想値より良く、金曜の夜に84円台に乗せた。
一部ではドル安の終焉などとも言われはじめたが、こうした声が聞こえると上昇も終わりなんて事も良くある。
安定的に円高局面を脱するとなると、昨年4月の94円台から約20円にも及ぶ下落となった相場が転換期を迎えることになる。

大量の資金を市場にばらまいて景気回復を急いだ米国は、このままの状態だと悪いインフレに突入してしまう。
インフレも、良いインフレとかインフレ傾向であれば良いのだが悪いインフレはダメだ。
単に通貨価値が下がるだけで何一つ良いことはない。
それを阻止するためには市場にまいた資金の吸収と金利を上げることである。

バブル当時の日本は景気の過熱を阻止するために金利を上げたかった。
しかしそうするとJPYが上がることになり、自国通貨高を狙っていた米国からストップを食らった。
自国民より米国、従来通りその姿勢は変わらずに日本では景気が過熱した。
今では3千万円の値も付かない場所の住宅が8千万円を超える価格で取引されたのである。

その後橋本首相時代になると、このバブルを急速にぶっ壊しはじめた。
経済とは正帰還ループの中にあるようなものなのだから、金利にしても何にしても十分慎重にコントロールしなければならない。
時の日銀、いや、今もそうなのだが日銀は自国通貨高、自国通貨価値の上昇を一番に考える。
従って高金利政策を一気に進めることになり、景気の減速感が露わになった。

その後の景気低迷期には金利を極限まで下げるも、もはやどうしようもないとまで言われる低迷期に突入する。
日銀は最悪期は脱したとか緩やかな回復だとか、あるいは長期的な景気の上昇だとかと言ってみたが実感はない。
日銀総裁よりずっと安い給料でありながら、日銀総裁よりずっと存在感も発言力もあるFRB議長は日銀総裁よりずっと賢い。
そのFRBが出口戦略を早めるのではないかとの期待でUSDが買われたわけだ。

本格回復だと言われながらも解決しない雇用問題など、米国経済の底辺を揺るがす問題もある。
一方で株価は上昇し、商品価格も上昇するなど明らかな金余り状態が見て取れる。
金利を上げることによって景気が失速するのか、それともそれに打ち勝つように上昇するのかの判断は難しい。

協調介入に関する記事も出ていた。
介入額は小規模にとどまったが、協調介入と言うこと自体のインパクトは強かったようだ。

   

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