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点滅回路


  • Posted by: F&F
  • 2011年6月 3日 13:04

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今でこそ点滅機能付きLEDが市販されているが、そうでないLEDを点滅させるにはどうしたらいいか。
タイマや発振用のICを使う、インバータロジックで発振回路を組む、トランジスタでマルチバイブレータを組むなどの方法がある。

もしも電源電圧に余裕があるならば、トランジスタと抵抗とコンデンサでLED点滅回路を組む事が出来る。
これはトランジスタの逆VCE特性を利用したもので、CE間に逆電圧を加えていくとあるところで電流が流れはじめる。
これはツェナーと同じような感じなのだが、逆VCEの場合は電流が流れはじめると接合部電圧が下がるのだ。

ちなみに2SC1815では接合部電圧が下がったが、2SA1015は下がらなかった。
2SC1815よりも2SC2120の方が逆VCEの電圧が低く、電圧の下がり方も大きかった。
このような、電圧と電流が比例しない領域はゲインがあると考えられるので発振回路が組める筈だ。
Rを通してCに電荷が貯まりCの電圧が上がる。
一定電圧以上になるとCE間が導通して電流が流れるが、一旦電流が流れはじめるとCの電圧が下がっても電流が流れ続ける。
つまりヒステリシスがあるわけだ。
しかしやがて電流が流れなくなり、再びCのチャージを待つ。
このチャージしている時間が消灯時間であり、トランジスタが導通している時間が点灯時間だ。

試しに回路を組んで電圧を加えたところ、LEDは点滅した。
抵抗値を大きくすると点滅開始電圧が高くなり、点滅速度は遅くなる。
抵抗値を小さくするかコンデンサを小さくすると点滅速度が速くなる。
点滅速度は電圧依存性があり、当然ながらLEDの明るさも電圧に依存する。

回路図では470μFと3.3kΩとしているが、これだと9V以下の電圧でも点滅すると思う。
12Vで使うならば100μFと10kΩ程度で良いかも。

C1の電荷をトランジスタとLEDで放電させるのがミソであり、電流制限抵抗などを入れてゲインを下げると発振しなくなる。
そのためLEDは電流を流すと比例的に輝度が上がるようなタイプを使うべきで、そうするとかなり明るく輝く。
C1はケミコンで良いというか、余りインピーダンスの低いコンデンサだとトランジスタやLEDが壊れるかも。

この回路のメリットは発振のための電力が不要である点で、オモチャに内蔵するLED点滅回路などに使われていた。
トランジスタを2個使えばPUT接続でもマルチバイブレータでも組めるのだが、1石で動かすところがミソか。
PUTの場合はバイアスを決める電圧が必要で、そこに電流も流さなければならない。
その点この回路だとLEDを点灯させるため以外の電力は殆ど要らない(トランジスタ自体の逆VCEがロス電あっとなるが)しLEDの電流制限抵抗すら付けていない。
その反面、電源電圧が高めに必要なので9Vの電池を使うような機器でしか使えない。
今ではロジックICで制御した方が安上がり(ケミコンよりICの方が安い)なので、こんな回路が使われる事もなくなった。

   

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