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DCバラスト(1)


  • Posted by: F&F
  • 2011年7月29日 12:01

薄型のDCバラストは片面基板なので回路が追いやすくて良い。
と言っても常識的というか中国スタンダードな回路である。

定電力制御は例によってインチキで、DC-DCコンバータのトランジスタのソース電流とバッテリ電圧をフィードバックしているに過ぎない。
3つついているトランジスタは保護回路チックなもので、管電圧と菅電流の異常だけを検出して動作を止めている。

イグナイタも別体なのでバラしやすい。
抵抗とコンデンサとガス放電管とパルスコイルが構成部品の全てだ。
ガス放電管は両端の電圧が380V程になると放電し、コンデンサとパルスコイルを短絡するように働く。
するとCDIと同じように、コンデンサの電荷がパルストランスの一次コイルに流れる。
インダクタンスも直流抵抗もきわめて小さな一次コイルに380Vほどの電圧が加わり、二次側には20kV以上の電圧が誘起される。

パワーダウン改造もパワーアップ改造も、PWMコントローラがTL494なので簡単だ。
電源電圧によらずバルブを定電流ドライブにする改造(バルブドライブ電力は電源電圧に比例する)や、そのカーブをもっと付けて電源電圧と消費電流が比例するような改造などは追って報告する。
これなら発電容量に限界のある単車などにも対応出来るのではないだろうか。

バラストをいじっていれば壊れる事もある。
壊れた場所を特定して直す事もあるが捨てる事もある。
パワーアップやイグナイタ改造をしていて壊れやすいのは、高圧電源の出力に直列に入っている2.2Ω(3本並列)である。
今までバラした全てのバラストに、同じように同じ抵抗値の抵抗が入っている。
これが焼損すると保護回路が働いて通電しなくなる。

チップ部品は大きいので取り外しも容易だ。
抵抗値は96系列は一般的な読み方とは違うので注意。
http://www.talkingelectronics.com/ChipDataEbook-1d/html/SM-Resistors.html

高圧で絶縁破壊したように壊れた抵抗は、オーバパワーで焼けた抵抗と違って異常が発見しにくい。
その場合は保護回路のトランジスタをピンセットか何かでショートして一時的に保護機能を殺し、DC-DCを動かせば火花が飛ぶのですぐ解る。
修理は他のバラストから共食いでも良いし、そこらにある抵抗をくっつけても良いだろう。

なお100W近くになるハイパワー実験ではDC-DC自体が動作しない壊れ方をする場合も珍しくはない。
この場合は直すのが面倒なので捨てる。

実験用にヒートシンクを付けた。
オリジナルではケースに放熱させるような仕組みになっているが、実験中はケースの外に出している。
この状態で動作させるとトランジスタとトランスが温まる。
トランスはPot型かと思ったら、EIコアにプラスチックケースをかぶせたものだった。
従来品よりも効率が多少上がっているのだが、トランスはかなり小型になっているので発熱はそれなりだ。
ヒートシンクはトランジスタと共にトランスの熱も引き受けるようにした。

バイク用を想定した実験も行っている。
詳しい説明は又後ほど書くが↓は可変の様子だ。
http://www.fnf.jp/mov/hid_val.MOV
定電流型ではなく、電圧比例型(比例度合い可変可能)にしてみた。
消費電流約8W(8V/1A)で点灯開始、16V時には約56Wとなる。
TL494自身が7V以上でないと上手く動作しないため、ならばTL494の電源をDC-DCでなどという実験も行っている。

15Wバルブなどを使えばもっとパワを絞れるのだが、手持ちのバーナではこれが限界である。
バーナの温度が上がると最低駆動電力も上がる。
現在の設定で電圧を下げていって消灯する様子は動画の最後にある。
なおTL494を別電源で動作させると、更に低電圧でも動作する。
バルブはかなり頑張って2W程度(消費電力ではなくバルブドライブ電力)あたりでチラチラしながら点灯する。

   

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