Home > 燃調(2)

燃調(2)


  • Posted by: F&F
  • 2012年2月10日 11:03

Lジェトロニックは吸入空気量を直接計る方式だ。
メカニカルインジェクションのKジェトロもこの方式で、ちなみにKは(英語の)コンティニュアスのドイツ語頭文字である。

Lジェトロニックの中にも様々な方式がある。
フラップ式と呼ばれるものは空気通路の中にフラップを置いて、吸入空気がそれを押す力を計測している。
基本的には空気の体積を量るのだが、質量も加味されたものになる。
フラップの動きと流入空気体積の関係は対数になるが、吸入空気量の少ない領域で分解能が上がるので制御には都合がよい。
欠点はフラップを押す事それ自体の抵抗、可動部がある事による信頼性と寿命の問題だ。

流速で流量を測る方式としてカルマン渦検出型がある。
国内では最初に三菱車が、その後トヨタがこれを使った。
三菱方式は渦の数がそのまま噴射タイミングになるもの、トヨタ方式は定時間内の渦の数を数えて演算するもの。
渦の検出方法も様々なのだが、トヨタは渦による圧力変化で箔を動かしてその箔の動きを光学センサで検出した。
欠点は可動部が壊れる事。
またダイナミックレンジがそう広くは取れなかった。
流速を計測しているので吸入空気量と流速はリニアに近くなる。

日産が古くから使っているのがホットワイヤやホットフィルム方式だ。
これは吸入空気によって熱線が冷やされる原理を使ったもの。
実際には熱線温度が一定になるように電流を流し、その電流変化で吸入空気量を測る。
これは質量に近いものが計測出来るので温度や気圧などによる補正量が少なくて済む。
流量と電流はリニアではなく低流領域で分解能が上がる。
理屈からすると二乗カーブになるんだったかな。

ホットワイヤはワイヤの汚れが計測精度に影響を与えた。
その為定期的にワイヤを高温にしてゴミを焼ききる制御などが加えられた。
その後ワイヤの周りを樹脂で覆ったホットフィルムが主流になる。

   

Comments:0

コメント投稿には JavaScript が必要です。ブラウザのJavaScript 機能を有効にしてください。

サインインしなくてもコメントの投稿は出来ます。
サインインしている場合はお名前などを入力せずに、そのまま投稿できます。

登録は簡単&それによって何かが起きるわけではないのでお気軽にどうぞ。
登録ページ書き込み→確認メール送信→確認メールのURLクリックで承認、の手順です。
確認メールに書かれたURLにアクセスしないと登録は完了せず、正しいログイン状態に移行できません。
コメント フォーム
コメント投稿完了までには少し時間がかかります。
二重投稿にご注意下さい。

Home > 燃調(2)



VC