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CDI(49)


  • Posted by: F&F
  • 2012年5月19日 12:01

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前回の回路図に2つの対応を加えたのが本回路図だ。
一つ目は複合放電でも単体放電でも共通で使えるようにするためのダイオード1本追加。

2つめは過負荷状態に於ける安全性向上のための電流制限回路の追加だ。
DC-DCコンバータ部はインピーダンスが低いのでピーク時には10A程度の電流が流れる。
その時間は数百μSに過ぎないが、これが電源にリップルを与えて電源のデカップリングコンデンサを発熱させる。
そこで電流制限回路を入れた。
本来ならDC-DCコンバータをPWM制御するのがスマートなのだが手抜きである。

R16の0.2Ω/5W(回路図上の4.7Ωは記入誤り)の抵抗がそれで、電流検出用トランジスタのベースには軽いローパスを入れている。
時定数分だけDC-DCの発振がバースト状に停止する。
この電流制限回路はあった方が安全だが無くても動作する。
というか、私はしばらくこんな回路無しで動かしていたが複合放電化でノーマルイグニションコイル端子から電源を横取りしたらダメになった。
電源のデカップリングコンデンサにスイッチングレギュレータ用の高耐リップル電流の電解コンデンサを使うのもアリだ。

以前に机上で実験した発振のバースト化も有効だと思う。
いずれにしても電源品質などを見ながらと言う事になる。

過電流はイグニションコイルを接続しないでCDIを動かそうとしたときや、イグニションコイルの二次側の負荷が極めて軽い(ハイテンションコードを外した)ときに流れる。
この回路があれば電流が制限されるので安全性は高まるが、そんな異常事態はヒューズで保護しても良い。

電流制限を行うのでFETのON抵抗の高い部分が使われなくなって発熱が減る。
ノーマルの配線をそのまま使う場合は配線の抵抗が適度なダンパとなってくれるのだが、インピーダンスの低い線で電源を供給するとFETは発熱する。

ついでに動作確認用LEDも追加してみた。
これまでのLED(D7)はDC-DCコンバータに制御がかかると点灯する仕組みで、電源を入れると点灯(実際は制御とイグニションタイミングに合わせて点滅)する。
これが点灯しない場合は電源が入っていないか壊れたときである。

新たに追加したLED(D21)はイグニションコイルへの電流で点灯させる。
0.47Ωの抵抗で電圧降下を起こさせてLEDを点灯させる。
スカイウエイブのイグニションコイルに流れるピーク電流は10A程なので0.47Ωとした。
複合点火を行っているときにCDIが正しくトリガしているかなどのモニタ用であり、わざわざ付ける必要性のある回路ではない。
抵抗も3W程度はないと発熱する。
電流のピーク時の抵抗の発熱は50W近くになるが、デューティが小さいので3W程度の抵抗で間に合う。

DC-DCコンバータ部は特に、もう少しちゃんとした設計をしたいところではある。
だが今回は市販の部品で安く作れるというか、手持ちの部品で済ませましたみたいな設計なのだ。
トランスのみはHID用中華バラストから取った(FETも中華バラスト用がそのまま使える)が、他の部品を新品で全て買ったとしても千円か2千円くらいではないだろうか。
ケースもHIDバラスト用が使えるし、電源を別系統で取るならHID用の電源リレーが活かせる。
ちなみに極薄型と呼ばれるHIDバラストだとコンデンサなどが極薄ケースに入らなくなる。

調整だが、DC-DCの電圧は電源ONでエンジンをかけない状態で出力電圧を測り、VR2で450V〜500Vくらいに調整する。
VR1は真ん中辺りでも良いのだが、電流計があればそれを見ながら消費電流が減る辺りに合わせる。

DC-DCコンバータのドライバFETに保護用ツェナーを入れた。
無くても壊れないが、一応。

JP1はフライホイールダイオードを入れるかどうかだ。
複合放電を行わない場合はここを解放で使った方が良いと思う。

追記:CDI2号機の場合は電流制限回路なしでも安定に動作している。
おそらくトランスのインピーダンスや直流抵抗などの違いではないかと思う。
CDI1号機のトランスは今となっては古いタイプの厚型HIDのもので、かなり大きい。
CDI2号機は薄型と呼ばれるもので、最近の極薄型と呼ばれるものよりは厚いケースに入っていた物だ。
極薄型HIDに使われているトランスでもサージ電流は気にならなかったので、ピーク電流制限回路は不要かも知れない。
(あった方が安心感はあるけど)
なおいずれに回路というかトランスにおいても、電源のデカップリングコンデンサにはそれなりのリップル電流が流れる事には注意したい。

   

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