貯水率

昨年に続いて東京都ではダムの取水制限を行っている。
例年に比較して雨の量が少なく、各ダムの貯水率が減少しているためだ。

同じく取水制限が11年ぶりに行われた昨年に比較しても貯水量が少ないと言う事で、小河内ダムでは人工降雨の検討が開始された。
人工降雨はヨウ化銀などを気化上昇させて降雨を誘発させるものだが、それには雲が必要だ。
上空に水蒸気が多ければドライアイスの散布なども効果があると言われている。

ヨウ化銀には若干の毒性があるが、雨量やダムの貯水量に比較すれば微量であり問題は少ないと言われる。
小河内ダムの設備は地上からヨウ化銀とアセトンの蒸気を発生させるものであり、風向きなどでも効果が変わってくる。
ダム湖方向に風が吹けばいいが、そうでないと関係のない所で雨が降る可能性もある。

小河内ダムの人工降雨設備は1965年に1,800万円ほどの費用で設置されたという。
これまでの稼働回数は800回、一度の稼働で5万円ほどの費用がかかるそうだ。
設備の老朽化と当時の製造企業が既に無くなっている事などから、ブロワなどは職員がパーツを買って来て交換したのだとか。

人工降雨は1940年代にGE社などによって考案されたが、その効果は不明であるとして1960年代以降は行われていない。
人工降雨は魔術ではないので乾いた空気を雨で湿らせる事は出来ないのだ。

小河内ダムの人工降雨装置は雨量が5%ほど増えたというのが統計的データだ。
あくまでも統計であり、雨量そのものがその時々によって異なるので絶対的効果と言えるかどうかは疑問だ。