Google+ GPS Locator(7)

Google+ GPS Locatorと言うよりもGoogle+の仕様で少々不便な事がある。
元々Google+は基地局による測位をしているのでGPS圏外は想定されていない。

Google+ GPS LocatorではGPS測位のみを使うので、その場所でGPS衛星が見えない事もある。
GPS圏外だと測位が行われないのでGoogle+に位置情報が渡らない。
位置情報が渡らないのでGoogle+は位置情報送出を行わない。
これは当たり前の動作だ。

問題は限られた範囲で起こる。
Google+は基地局による位置を元にして移動中か静止中かを判断する。
基地局測位などでその誤差範囲はkm単位にも及ぶ。
つまりGPSが見えている状態でも、Google+が静止中と判断すると1時間毎のタイマによる位置情報送出に切り替わってしまうわけだ。

会社はGPS圏外なのでGPS測位が出来ない。
自宅から会社に向かうと駅の近くでGoogle+は静止と判断して位置情報送出インターバルを1時間にセットする。
駅と会社は数百メートルしか離れていないので、基地局測位ではその差が分からないのだろう。
しかし実際にはその状態でも屋外にいるのでGPS測位は出来ている。
そのまま歩いて会社に入るとGPS圏外となる。
Google+は1時間後に位置情報を送出しようとするのだが、既にGPS圏外なので位置情報取得が出来ない。
結果としてGoogle+は位置情報の送出を行わなくなる。
Google+で位置を見ると、ずっと駅にいる事になっている。
会社から出て少し歩くとGoogle+は移動中と判断し、それまでに蓄積された位置情報をいっぺんに送出する。

こんな状況を回避するためにLatitudeSyncではGPS圏外時に基地局測位を採用していたのだと思う。
ただし基地局測位なので位置は全く正しくない。
WiFi測位はそこそこ精度は高いのだが、私は普段はWiFiはONにしていない。
このような状況が起きるのは限られた、つまりその場所に頻繁に出向いてしかも数時間滞在する場合だけだ。
そのような場所でWiFiを入れるのかどうかも利用者の勝手なので何とも言えないのと、Xperiaではスリープ中はWiFiもスリープしている(通信は行われない)のがデフォルトなのでGPS圏外にWiFi測位を行わせて位置通知を強制する手法にどの程度の意味があるのかは分からない。

ドコモの基地局による位置情報は、Googleのそれよりも精度は高い。
ただしWiFi測位とは比較にならないほどの低精度だ。
なのでこの手のアプリに有用かと言われても、即座に肯定は出来ない。
しかもspモード契約者のみでしか使えない。

Google+が、せめてそれまでの位置情報が蓄積されているのならば1時間後に送り出してくれれば問題がないのに。
困ったものである。

その困った状態を手動で回避出来る機能がGoogle+ GPS Locatorに２つ実装された。
一つは建物などに入る直前にアプリを起動すれば、その時点で測位が行われるもの。
これは待ち合わせ時、その場所に着いた事をタイマによる定時測位を待たずに即座に位置更新出来る便利さがある。
もう一つは上に書いたような、Google+が静止状態を検出してしまう問題の回避だ。
Google+ GPS LocatorからGoogle+を起動出来るので、そこで位置を表示させれば最新の状態が即座に通知される。