Snapdragon820

Snapdragon820は今年後半の出荷が予定されているSoCである。
ARM製のコアそのものではなく、これまでのクアルコム製同様に電圧やクロック周波数の制御などを細分化して実装したものになると予想される。

カスタムコアは回路の設計のみではなくLSIの配置配線にも時間がかかる。
自動配置で線を引いただけでは性能が向上しないからだ。
ARMのコアを買ってくる場合はこうした手間が省ける。
下手に設計するよりもハードマクロで買ってきた方が低消費電力で高性能になる。
クアルコムも開発期間や需要バランスを見ながらARMコアをそのまま使うものとカスタムコアを使うSoCを分けている訳だが、64bitコアに関してはクアルコムの独自設計が間に合わなかったと見る向きも多い。

Snapdragon820はZerothに対して多くが語られている。
ZerothとはCPU/GPUパワーを利用したディープラーニング機能全般だ。
CPU/GPU性能がどうなるのかは不明だが、カスタムコアがARMオリジナルを超えられなければ意味はない。
単に微細ルールにしましただけではなく32bitコア時代のような低消費電力の為の制御なども期待出来る。

この低消費電力のための制御や回路は回路規模の割に効果は少ない。
しかしマイクロアンペア単位での削減でもトータルとして考えれば待ち受け時間の向上などに寄与するのは間違いない。
いやいや、パーシャルオペレーティングの電流などどうでも良いからフルパワーで動いた時の電力を減らせみたいな論もある。
利用者の要望は我が儘に満ちている。