海水水槽：産卵とか繁殖とか

ミドリイシを飼育していると水槽内で産卵する様子が見られる。
エビ類や貝類も同様に水槽内で産卵する。

しかしそれが育つ可能性はものすごく低い。
サンゴの産卵は、その卵の多くがサンプ槽に流されてスキマーで濾し取られてしまう。
エビはゾエアになった段階で多くの個体は死んでしまう。
水流が強ければ水流に流されどこかに当たって、水流が無ければ底砂に落ちて死ぬ。
水中を浮遊していれば生きていられるゾエアだが、水槽内でどこにも当たらずに浮遊していられる確率は皆無だ。
これが海の中ならば、ゾエアサイズのものにとっては無限に広い訳だ。

運良く生きながらえることが出来たとしても、今度は他の魚などの餌になってしまう可能性が高い。
ゴカイの類いがライブロックから出て来ても、次の瞬間魚がパクッと食べてしまう。

水草水槽などでは貝が繁殖するので、もしかしたら海水水槽でも生きながらえるかも知れない。
魚に関しては、たぶん卵の段階で捕食されてしまうだろう。
自然の海に比較すると飼育密度が桁違いに高いので、弱いものは生き残れない。

唯一育つのは海藻類である。
条件が整えば水槽内で増えていく。
しかしエビやヒトデ、一部の魚類はこれを食ってしまう。
ライブロックに付くコケでさえもヤエヤマギンポやキイロハギにかかれば短時間ですっかり綺麗になる。