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海水水槽:ハンナのリン酸計測器HI736で測る


  • Posted by: F&F
  • 2018年12月27日 11:08

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リン酸値を計測した。
RedSeaのリン酸計測試薬では0.4ppmを示した。

これは結構高い値で、珊瑚は生きていけないレベルである。
前回測定時は0.2ppm程度だったのだが、上がった。
やはり餌の量が多いので仕方ないのだろう。

次にHI736で測ってみる。
電源を入れ→水槽水だけの試験管をセットしてキャリブレートし→試薬を入れて良く振り→HI736にセットして計測する。
値は77、リン酸換算値で0.236ppmと言うことになる。
ずいぶん違うじゃないか。
測定後にリン酸固定剤であるリキッドフォスフェイトリムーバーを0.25ml投入した。
水量約250リットルなので0.25mlの投入でリン酸濃度は0.12ppmほど下がるはずだ。

次に水道水を測ってみる。
RedSeaでは0.2ppm位の色だ。
HI736ではリン酸換算値0.343ppmとなった。

再度水槽水を測る。
約3時間経ったが、リキッドフォスフェイトリムーバーの効果は出ているだろうか。
RedSeaでは0.2ppmと0.4ppmの中間位の色なのでリン酸値は下がったことになる。
HI736ではリン酸換算0.263ppmとなった。

比較用にSeraのテストキットも手配中である。

HI736はアスコルビン酸法(モリブデン・ブルー)でリン酸濃度を測る。
モリブデン・ブルーなのでモリブデン酸アンモニウム溶液とアスコルビン酸の混合液(ハンナはこれの粉末)を被試験水に混ぜる。
試薬の添加された被試験水はリン酸によって青く発色し、リン酸濃度で青さが異なる。
この青色の濃さをフォトセルで検出しているのがHI736だ。

モリブデン・ブルー法はごく一般的だと思う。
ただし低濃度のリン酸イオンを正確に測ろうとすると目視では難しい。
LEDとフォトセルがあれば精度良く測ることが出来るのは、リン酸濃度と試薬の透過率が比例するためだ。
通常は吸光度の高い880nmの光源を用いるがHI736では525nmの光源を使う。
パックテストキットなどでおなじみの共立理化学研究所でもモリブデンブルー法を使う。

モリブデン・ブルー法は特定イオンの妨害を受ける。
ケイ酸が50ppm以上だとか鉄が10ppm以上などなどの含まれる被試験水では誤差が出る。
しかし通常の海水水槽では全く問題が無い。

河川の汚染状況や土中のリン酸濃度の測定でもモリブデン・ブルー法は用いられる。
では水槽水の0.08ppmという濃度が妥当なのか否か。
魚に餌を与えているので余り低濃度では無いと思うのだが、では0.4ppmは妥当なのか。
NO3が10ppm以下(測定分解能以下)なのでリン酸も低い可能性はある。
低くなる理由は海藻類だ。
ライブロックに付着したものなどによって消費されている可能性がある。

   

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