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国産のABSは何故ダメなのか(2)


  • Posted by: F&F
  • 2019年11月27日 12:08

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ESCは欧州車から搭載が進んだ。
ドイツや北欧など雪道が多く、或いは動物の飛び出しの多い地域ではステアリングによる回避行動が出来る必要がある。

しかし路面のμが低かったり、左右輪の接地状態が不安定な場合は車両の安定性が損なわれる。
それを電子制御で何とか出来ないかと考えられた。
当初BENZは電子制御デフロックみたいな機構を使った。
直線路では通常のデフであり、コーナリング時や急ハンドルを切った場合などは後2輪のロック率を変えながら車両を安定させようと試みる。
しかしこれは短い期間の間に廃止され、ESPへと切り替わる事になる。
ESPは4輪のブレーキ、エンジン出力を制御して車両を安定方向に導こうとするものだ。

以前にも書いたが、BENZのESP全車実装から数年後にアリストやクラウンもトラクションコントロールを搭載した。
これはエンジン出力を制御して、コーナリング時などにパワーオーバーステアになる事を防止するものだ。
しかし初期型のものはスリップを検出するとエンジン出力をゼロまで絞ってしまうので、雪道で発進できなくなった。
勿論タイヤチェーンやスノータイヤであれば良いのだが、関東地方に突然雪が降ったみたいな場合は立ち往生する以外になかった。
ABSと同じで、なんでこういう簡単な制御すら設計できないのか不思議になる。
その後応急的にトラクションコントロールをOFFにするスイッチを付けたんだったかな。
制御がヘボだから、ダメだったらスイッチを切ってねみたいな。

今は国産車もESCが全車搭載されているので、ESCの一部としてABSが存在している事になる。
新型ジムニーもESCのおかげで片輪が浮いた状態でも、残った側の車輪に駆動力を伝えられる。
制御としてはこれで正しいが、その制御の雑さ加減は何とかならなかったのだろうか。
連続的に車輪のブレーキ圧を制御するのではなく、断続的にロックさせたり解放したりみたいな風に見える。
摩擦力を活かしたいのであれば急な操作はしない方が良いが、後輪はドラムブレーキだし綿密制御にはカネがかかったのかな。
こういう所は妥協して欲しくないのだが、安全はカネにならないとトヨタも言っていたし。

ESCなどの制御に完璧はない。
何故ならタイヤの摩擦力以上の力を発揮させる事が出来ないからだ。
ABS無しでの制動距離が20m、ABSを付けたら5mで止まれましたなんて事にはならない。
それでもドイツや北欧ではABSなどの性能を向上させようとする。
これはダブルレーンチェンジなどの規格クリアの事もあるのだが、安全性が付加価値として認知されているからでもある。

では日本はどうなのか。
飛び出してきた動物を避けるなんて事は田舎の山の中でないと起きないし、自転車が飛び出してきたって避けるほどの道幅がいないじゃないかと言われれば確かにそうだ。
車が使われる環境が違うので、その異なるものを同じ土俵で比べるのは無意味かも知れない。

Fire丸山氏によれば、MAZDA ROADSTERの最近のモデルのABSはよく出来ているとの事。
スポーティーカー/スポーツカーに於けるABSは性能評価の対象になり、付加価値に通じると言う事なのだろう。
或いはある程度分かっている人が乗る車なので、それなりのセッティングが出来るのか。
他の国産車でもABSのセッティングは従来とは変わってきているようだ。



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