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海水水槽:水槽用クーラーを自作する人たち(1)


  • Posted by: F&F
  • 2019年11月28日 11:08

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ペルチェクーラーは構造が簡単なので自作する人も多い。
最近のCPUクーラーなどはかなりの放熱量と低い熱抵抗があるので、ペルチェの放熱にはぴったりである。

60cm以下の小型水槽ならばCPUクーラーと12V/6Aクラスのペルチェを3〜4枚使えば冷やすことが出来る。
熱交換器がアルマイトに見えるので海水では使えないが、液体用熱交換器付きのもある。
これなら2台使えば良い。

自作ならば極性切り替えも付け、冷却/加温両方に使えるようにする。
サーモセンサモジュールはリレー出力の安価なものがある。
簡単にやるには、このモジュールを2個とリレーがあれば良い。
(端子台にはN.C接点しか出ていないように見える)
FETでスイッチしても良いが、PWMをやるわけではないのでリレーで良いだろう。

センサモジュール1を24.5℃でONに設定、センサモジュール2を25℃でONに設定する。
センサモジュール1がOFF(24.5℃以下)の場合は加熱モードでペルチェに通電する。
センサモジュール1がON(24.5℃以上)でセンサモジュール2がOFF(25℃以下)の場合は何もしない。
センサモジュール1がON(24.5℃以上)でセンサモジュール2がON(25℃以上)の場合は冷却モードでペルチェに通電する。
電源は30A位必要だ。

最近ではコンプレッサ式のクーラーが安くなっている。
90cm以上の水槽だとコンプレッサ式が必要になるが、60cmクラスだと微妙だ。

GEXのBK110はコンプレッサ式で3万円位、174Wh/198Whの冷却能力、消費電力は155W/180W(50Hz/60Hz)である。
ゼンスイのZR miniはコンプレッサ式で3.2万円位、210Wh/256Whの冷却能力、消費電力は140W/160W(50Hz/60Hz)と効率が高い。
テトラのペルチェクーラーCR-3は1.7万円位で(カタログに記載はないが計算上は)135Wh前後の冷却能力、消費電力は245Wとなっている。

60cm水槽なら夏場のピークで100Wh〜200Whの冷却能力で温度は維持出来る。
最近は水草水槽でも照明のLED化が進んでいるので、以前の蛍光灯やメタハラ時代に比較すれば冷却は楽だ。

年間5ヶ月水槽クーラーを使い、平均必要出力を65Wh、kWhあたりの電力料金を25円とすると1シーズンの電気代は以下のようになる。
CR-3:11,025円
BK110:4,800円
ZR mini:3,600円

イニシャルコスト+3年分のランニングコストだと以下のようになる。
CR-3:50,075円
BK110:44,400円
ZR mini:42,800円

年間5ヶ月間ヒーターを使い、平均必要出力を80Wh、kWhあたりの電力料金を25円とすると1シーズンの電気代は以下のようになる。
CR-3を加温型に改造:4,650円
電気ヒーター:7,200円

ヒーターとクーラーのイニシャルコスト+3年分のランニングコストだと以下のようになる。
CR-3改は冷却/加温切り替えに改造した場合(改造費は含めていない)である。
CR-3:73,675円
CR-3改:64,025円
BK110:68,000円
ZR mini:66,400円

ペルチェクーラーを加温にも使えば、年間を通したランニングコストは我慢出来る範囲だ。
ゼンスイのTEGARUは加温も出来るのだが冷却能力が低く(60cm水槽には実際問題としては使えない)価格が高い。
ペルチェ式クーラーは能力表示の無いものが殆どだ。
TEGARUにしても60cm水槽で3〜5℃温度が下げられると書かれている。
消費電力が75Wと比較的少ないので、これを以て"60cm用のクーラーとしては省エネだ"と思う人がいる。
しかし熱移動量が30Wh程度では60cm水槽は冷やせないのだ。

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Comments:5

k 2019年12月 1日 06:52

水槽の温度管理は実は断熱のほうが重要ですね。
ペアガラス製のものもあるとは聞きますが。

k 2019年12月 1日 07:23

最近は窓断熱用フィルムってのもあるようですねぇ
https://www.youtube.com/watch?v=n492LILCGks

F&F Author Profile Page 2019年12月 1日 09:29

窓ガラス用の断熱フィルムは赤外線反射(金属粉入り)や赤外線吸収が主目的なので、熱伝導性自体はガラスの1/4位。
ただし厚みがガラスの1/100以下なのであまり効果が期待出来そうにありません。
横浜時代はバックパネルに厚さ5mm程の発泡性の板を貼っていました。
断熱もありますが結露防止で。
ペアガラスは断熱が期待出来ますね、特に真空層のあるものは断熱性が良いです。
問題はフレームレスに出来ない事、透明度が落ちる事、重さと価格がネックですかねぇ。
ならばアクリルの方が手軽です。
熱伝導率はガラスの1/5しかないので、複層真空ガラスと同じくらいです。
ただアクリルは傷が付きやすいのが欠点ですね、海水水槽で使うと石灰藻などが付くので。
ハードコートのアクリルはかなり強いですが、それでもガラスには及ばない。
ガラスとアクリルの複合材でもあれば良いのですが、熱膨張率の違いなどもあって難しいみたいです。

k 2019年12月 1日 15:16

>ただし厚みがガラスの1/100以下なのであまり効果が期待出来そうにありません。

上のurlの製品はサッシに貼り付けて二重構造つくるタイプのようです。

F&F Author Profile Page 2019年12月 1日 15:49

面白そうなので実験してみました。
結果は明日の記事で。

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