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海水水槽:白点病治療とオキシドール・オキシフルまとめ(4)


  • Posted by: F&F
  • 2020年5月10日 11:07

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白点病に治療薬はないと言い切る人もいる。
一方で養殖現場での白点病治療として、過酸化水素水やオゾン添加が検討される文書も見かける。

しかし養殖池の過酸化水素水濃度を一定に保つことが、技術的にもコスト的にも難しいと記されていた。

ジャガイモ、動物、魚類や光を必要とする珊瑚はカタラーゼという酵素を持っており、これが過酸化水素を水と酸素に分解する。
生体のカタラーゼ合成には鉄とマンガンが必要なので、微量元素の添加くらいは行った方が良いかもしれない。
白点虫はカタラーゼを合成出来ないので、過酸化水素により死亡する。
魚類においても過酸化水素より更に酸化作用の強いオゾンで曝気すると、エラが充血するなどして死に至るそうだ。

オキシドール添加中も活性アルミナ系リン酸吸着剤は使用を続けていた。
過酸化水素水製造課程での不純物除去に活性アルミナが使用される位なので、活性アルミナによる分解は余り無いと思う。
活性炭は過酸化水素やオゾンを分解する(吸着ではない)ので、活性炭を使用している場合は取り除く必要がある。

オキシドールの添加量と白点の収束具合を見ると、魚病薬ICHの添加量(100リットルあたり12.5ml)の2倍位を必要としていることが分かる。
今回使用したオキシドールの過酸化水素水濃度は3%なので、ICHの過酸化水素水濃度はそれより高い(6%とか?6%を超えると毒物及び劇物取締法の対象になる)のかも知れない。
海外で売られている過酸化水素水ベースの白点病治療薬だと、100リットルあたり約26mlの添加量が規定されている。
今回白点病治療で効果が見られた添加量は、100リットルあたり15ml×4回(合計60ml)或いは30mlの1回添加だ。

添加剤などを入れる時に"最初は分量を抑えて"試す事が多いのだが、オキシドールに関しては低分量添加では効き目がない。
白点病は進行(増殖)が早いので、白点を見つけたらオキシドールをドバッと入れるくらいでないと制御出来なくなってしまう。

100リットルあたり60mlのオキシドールを一度に添加してみたが、生体に異常は見られなかった。
大量添加によって異常が現れた場合に、すぐに過酸化水素水濃度を下げられるように活性炭は用意しておいた方が良い。
おそらくバクテリアもダメージを受けていると思うが、亜硝酸塩値の上昇はなかった。
アンモニアは試薬がないので測っていない。

マガキガイ・エビ類・魚類・藻類・ソフトコーラルに異常はなかったが、スターポリプの開きが少し悪くなった。
スターポリプは過酸化水素水濃度が下がると正常化する。

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Comments:2

Anonymous 2020年5月10日 12:49

いつも拝見させていただいております。
ところで、タカラーゼはカタラーゼの誤記ではないでしょうか。

F&F Author Profile Page 2020年5月10日 13:05

ご指摘ありがとうございます。
誤記というか、誤記憶です。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/joma1947/85/9-10/85_9-10_407/_article/-char/ja/
(本文中は正しい)

修正致しました。
今後ともよろしくお願い致します。

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