ワイドショーのPCR信者

ワイドショーのMCやアナウンサーの考えのなさは周知ではあるが、玉川氏の暴言は目立つ。
先週はPCR検査の件で、検体採取がうまく行けば検出感度は100％発言をした。

サーモグラフィーに反対し、(PCR)検査を増やせば良いと言ったのも先週だったかな。
一般人や国会議員、医師からも反撃を受けると玉川氏は「勘違いして欲しくないんですけど、日本人と日本のために良かれと思ってやっているんですよ。」と、あくまでも自分が正しいと発言をする。
世間では勘違い野郎は玉川氏だと言われるも、本人はどこ吹く風だ。
玉川氏には何を言っても通じない、3.11の時の暴言を見れば分かると言われ、ならば羽鳥慎一モーニングショーのスポンサー商品の不買運動だという方向に進んでいるらしい。

ちなみに玉川氏のPCR検査崇拝理論は「PCR検査は当該遺伝子を増幅して検知するのだから、検体採取が適切であれば必ず検出出来る」というもの。
小豆の中に1粒の大豆があったとしても、その大豆をサッカーボールくらいまで増幅するのだから検出は出来るんだと言うことである。
しかし小豆の中に大豆がなければ検出出来ず、それは検体採取の腕が悪いのだと言っている。
これに対して現場の医師から「採取が悪くて済みません、是非レクチャーを受けたい」と意見が出されるなどした。

私はこの核酸増幅に関して詳しくはないが、阻害物の生成などによって増幅がうまく行かない場合もあるそうだ。
玉川氏はあるかないかで見ていると思うのだが、実際には中途半端に存在したり、ノイズまみれだったり、色々なことが起きるのだろう。
電気信号の増幅にしたって1か0かというものではなく、ノイズすれすれの所に更に外来ノイズが加われば信号はそれに埋もれてしまう。
同じ信号でも、たまたま外来ノイズが無いタイミングで受信すれば信号が判別出来る。
更には、何を以て信号検出とするのかという問題もある。
信号検出基準を甘くすれば誤検出率が上がり、厳しくすれば非検出率が上がる。

病原体が少ない場合に於いては、これによって陰性である事を証明しにくい。
病原体が分離出来ない場合や感度が不十分の場合、プライマーの品質によっては陽性判断しにくい。
検査の世界では感度(感染者を陽性と正しく判断する)と特異度(非感染者を陰性と正しく判断する)というのだそうだ。
こうした事から100%の検出/非検出ではないと言っているわけだ。
検出感度を上げる方法としてNestedPCR法というものがあるそうだ。
新型コロナウイルスに対して使えるのかどうかは分からないけど。

現状での検出率は50%〜70%だそうだ。
従って一度の検査で感染を判断することは出来ず、陰性となった場合でも(症状があるならば)安静・待機した上で再度検査を受けることが必要だとしている。
ただ現状で検査は敷居は高く、その為各自治体は独自の検査態勢を取っている。
静岡県は医師の判断だけで検査が行える体制を採り始めた。

千葉県も保健所を介さずに検査を行う。
保健所は厚労省の指示に従いPCR検査の必要性を中々認めず、患者の早期発見が難しくなるからだという。
すると厚労省は、だったら保健所抜きで検査して良いよ〜と言い始めたようだ。

PCR検査数抑制により、以下のようなことが起きている。
(日経より)
新型コロナウイルスの感染が拡大した2月中旬から3月までに肺炎などの死亡者が東京23区内で200人以上増えた可能性がある。
同じ期間に感染確認された死亡数は都全体で計16人。
PCR検査で感染を確認されていないケースが潜み、把握漏れの恐れがある。
こうした「超過死亡」の分析に必要な政府月報の公表は2カ月遅れで、欧米の対応と差が出ている。


図は日経メディカルより。


にほんブログ村