欧州車のスピードリミッタ

国産車は180km/hでスピードリミッタが動作する。
これによって、特にハイパフォーマンスカーでは駆動系の設計が楽になった。

日本の道路が100km/h制限だから180km/hのリミッタは意味が無いかと言えばそうではなく、クローズドコースなどではリミッタまで速度を上げることが出来る。
リミッタがなければ、その車の最高速度で走り続けても壊れない強度が必要とされる。

GTS-Rの頃、日産のECUのプログラムをICEを使って解析していた。
スピードリミッタの部分はすぐに分かってそれを外した。
谷田部に持っていって軽く走らせてみると180km/h以上でも特に問題なく走行が出来た。
そのまま最高速テストに向けてアクセルを踏み続けて貰うとリミッタが作動してしまった。
その時はスピード信号を誤魔化す外付け機器で凌いだんだったかな。
持ち帰って再度調べてみると、180km/h以上で26秒間以上走行すると別のリミッタが作動することが分かった。
複雑なことをやってくれるじゃないか。

欧州車、BENZは220km/hや250km/hでリミッタが効く。
SL500/SL600は255km/h位で加速しなくなり、CLS350は220km/hで加速が止まった。
ボルボはその速度リミッタを180km/hに引き下げるのだそうだ。
これにはいくつかの理由があると思う。
まず第一には日本同様に駆動系の強度設計が楽になり軽量化や低フリクション化が行え、燃費を良く安く作ることが出来る。
もう一つ、例えばBENZのEQC(EV)は180km/hでリミッタが作動するのだが、これは変速機レスにするとモータの許容回転数の関係で180km/h以上は厳しい状況になるからだとか。
将来のEV化のためには最高速度を欲張らないことも必要だ。
勿論変速機を付けるなりすればより高速での走行も可能になるが、変速機は重く大きく高価な機械だ。

スピードを出すと危ないからだとか燃費が悪くなるからなんて事もあるだろうが、それは単なる理由付けだ。
ハイスピードが危なければ道路による速度制限が行われるだろうし、燃費を気にする人は速くは走らない。
全車180km/hを最高速度とするかどうかは分からないが、ファミリーモデルなどはリミッタがあっても良いと思う。


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