レイブリック製HID(3)


回のテスト前々回のテスト続いて3回目である。
今回テストするのはスタンレー電気のブランドであるレイブリック製だ。
国産高価格版と言うことで、汎用性を謳うものだけに配線などは結構複雑だ。
バッテリからリレーを介して配線するのは中国製などと同様だが、実は中国製は私はリレーレスで実験していた。
ライト周りの配線容量があれば、つまりイグナイタ動作時の電流に耐えられればバッテリからリレーで引く必要はない。
レイブリックの線を見てもさほど太いものではなく、車のヘッドライトの線の容量で十分な気もする。

イグナイタは薄型でヒートシンク構造になっている。
中国製と比較してみた。
コネクタの位置関係は異なるがサイズは似たようなものだ。



ただしこれは定電流電源のみでイグナイタは内蔵されていない。
従って別にイグナイタを取り付けるのだが、これがころっとした感じで意外に大きい。



他にコントローラと呼ばれるものも必要だ。
これはハイビームとロービームを切り替えるためのリレーで、その他配線の途中にダイオードの入ったものなども必要になる。
配線はバカよけが出来ているので接続に迷うことはないが、パーツが多いので面倒だ。
やはりイグナイタ内蔵、光軸切り替え内蔵の中国製が合理的である。



バルブは前後に5mmスライドして上下に1.2mmスライドする。
しかしH4を正しく再現するならば前後に7mm動かなければならない。
この妥協点なのかロービーム用発光点がH4バルブとは異なり、配光角が狭い。
これは中国製と並べたもので、トップシェードはデカいがヘッドライト横から発光点が見えてしまうのでグレアが出る。



バーナは遮光用の塗装みたいなものが付いている。
ハイビーム用のスリットは開いていない。
中国製の上下スイングタイプと同じく、ロービームの光軸を少し上に向けてハイビームもどきにするやり方だ。
公称6000Kだと思うが中国製に比較すると色温度が低い。



純正ヘッドライトにシェードが着いている場合にはトップシェードのない遮光板を使う。
中国製のように曲面構成ではなく、単に板金を曲げただけだ。
数量が少ない場合は板金ものが安く、沢山売れれば中国製のような形の方が安くなる。



配光特性は余り良いとは言えなかった。
トップシェードが発光点を上手くカバー出来ていないのでグレアが出る。
発光点がH4バルブと異なるのでヘッドライト本来の性能が出ない。
遮光板のサイドが高いので照射角が狭くなる。

取り付け上の問題もある。
通常のH4バルブの台座はDカットされている。
つまりバルブの下側の2本の爪の間が平らになっているわけだ。
が、レイブリック製はそうなっていない。
従ってレイブリック側を改造するか、ヘッドライト側を丸穴にしないと取り付けが出来ない。



実際の配光特性の比較は別記事にまとめたが、中国製に勝っているのは信頼性くらいだろうか。
レイブリック製を買うカネで中国製なら10個は買える。
いずれもそのままではグレアが激しいとすれば、手間的にそう変わるものでもない。