携帯電話の液晶表示を反転する


光るアンテナをはじめとして液晶表示板に模様を入れるシールやスケルトンボディーなど、携帯電話やPHSの改造パーツも広く売られている。
これらパーツの中でもっとも馬鹿らしいのはアンテナ系のものだ。
シールアンテナから始まって、長大なホイップアンテナ,光るアンテナ(これは光るというメリットがあるから良いか?)などだ。
私が測定してみた限りにおいては、これらのアンテナは大抵は電話の周波数に共振していない。
長いホイップアンテナは当然のことで、λ/4で電流給電すると、アンテナの長さ=電話の周波数MHz÷300×0.25にならなくてはいけない。
これより多少長くても(電話によっては)マッチング回路で共振させることが出来るが、30cmもあるホイップアンテナは論外である。
これでも単に「棒」なら(他の周波数で)共振するが、光るアンテナは共振点がない。
つまり、アンテナとして見た場合には最悪なのである。
(アクセサリーとしてみれば最良かも知れないけど)今回の液晶反転は手軽に出来て害はない。
ただし携帯電話を開けなくてはいけないので、この点では法律に抵触することを忘れてはいけない。


液晶のネガ表示は、液晶の表示原理を知っていれば簡単に出来る。
つまり、液晶の裏側に付いている偏光板の偏向方向を90°ずらすだけなのだ。
偏光板や液晶によって(表示が正しく見える方向から見て)偏向方向が0°(90°)のものと、斜め(45°)のものがあるが、改造しやすいのは斜めのタイプだ。
0°の物の場合には、偏光板を90°違った方向で張り付けなくてはならず、縦横が逆になるので偏光板を切り張りしないといけない。
45°の物の場合は、偏光板を裏返して取り付けるだけで事が済むというわけだ。
こうして改造した表示部の写真がこちら。
スキャナで撮ってみたが、ネガ表示で全体が暗くなっているからうまく撮れない。

右の写真は(若干傷の付いた)フロントカバーを外して撮影した物。
全体に暗いので若干見にくくなるが、暗いところでバックライトを点けるとなかなか美しい。


偏光板をはがず時は、角をカッターナイフのような物で浮かせて、そこからは引っ張ってはがすようにする。
カッターナイフの刃を入れてはがすと傷付きの原因になるし、何よりノリが残って面倒だ。
ちなみにこの液晶板は偏向角度が0°のタイプだったので、偏光板を2つに切って真ん中で張ってある。
ネガ液晶表示を美しくするためには、バックライトのLEDを緑から赤や黄色に交換すると良い。
液晶は長波長領域でコントラストが大きいのと、赤や黄色ののLEDは緑に比較して高輝度の物が多く出回っているのがその理由だ。