P901i(2)


P901iのファーストインプレッションはこちらをご覧頂くとして、その後気づいた事などを記してみよう。
ファーストインプレッションの方にも書いたが、メロディの音質は余り宜しくない。
N505isとて飛び抜けていい音で鳴るわけではないのだが、P901iはN505isより低音も高音も出ていない感じだ。
これはおそらく筐体の音響設計によるものではないかと想像するのだが、もしかしたら音源の問題なのかも知れない。
そこでイヤフォンを接続して聞き比べてみると、その差は音源の違い程度のもの。
P901iの音質はスピーカと筐体設計によるものである可能性が高い。
FOMAは***.MLDの他、***.midのMIDIファイルもそのまま鳴らす事が出来るのだが、正しくmidi→MLD変換されたメロディなら、どちらも同じ音で鳴る。
midiにしてもファイルサイズ無制限と言う事ではないが、そこそこ大きなファイル(100KBまで?)でも転送出来る。
iTunesでCD→AACに128Kbpsで変換し、出来たファイルの拡張子を.3gpに変えて転送すれば、いわゆる着モーションが作れる。
ファイルサイズに制限はないようだが、これを着メロとして設定する場合にはファイルサイズを500Kバイト以下に抑えてネットワーク経由でダウンロードしなければならない。
音量は十分だと言えるだろう。
ご自慢の3DサウンドもN505に搭載されたステレオとどう違うのという感じで、これの為に相当なCPUパワーなりを食わせているというのは今ひとつ納得出来ない。
もっともVAIO Type T などにもサラウンドドライバが付いていたりするので、これは流行というか、そんなものなのかも知れない。
メロディを鳴らしたり色々いじくり回していても余り急激に電池が減らないようで、いや、これはあくまでもN505isに比較してと言う話なのだが、おそらくは液晶サイズの縮小と電池容量アップが効いているに違いない。
特に電池容量はもはやコンパクトデジカメ並みの830mA
なのだから恐れ入る。
動作の遅さは他のレポートなどで指摘されているとおりで、シャープ製移動機が比較的高速な事から判断するにマルチタスクが原因ではないかと見る向きもある。
シャープ製はマルチタスクや一部重い処理を実装していないらしい。
だがマルチタスクというかタスクスイッチというかは意外と便利に使える。
Web閲覧中にメールが来たり電話がかかってきて中断という場面に出くわした方も多いと思うのだが、マルチタスク機能があれば一つの動作を終了することなく別にアクションを起こせる。
果たしてバックグラウンドに追いやられたアプリが実行され続けているのか否かは良く解らなくて、だから単にタスクスイッチなのではないかと思った訳なのだが、いずれにしても便利な機能だ。
ちなみにメロディを鳴らしながら他のタスクに切り替えるとメロディは停止する。
少なくともメロディ再生機能はバックグランドでは動作しないようだ。
マルチタスク機能が原因なのか、タスクを一つしか起動していない状態でも動作は遅い。
キーを押して何かを切り替えたり、データの一覧を表示させたりすると、そのデータ量にもよるのだが秒単位で反応しない事が多い。
感覚的にはPentium233MHzでWindowsXPを動かしている感じと言えば解りやすいだろうか。
ただしアプリ実行中にアプリの速度が遅いとか、そういう事はないようだ。
これがメール作成時のキーレスポンスが遅い(現状でも遅いが秒単位で待つと言うほどの事はない)と致命的だが、メール作成などの場面では我慢出来るぎりぎり程度の動きはしてくれる。
数年前のau移動機はCPUパワーが足りずに動作の遅い機種が多かったが、遅さ的にはそれ以上である。
消費電力との兼ね合いもあるとは思うのだが、ソフトウエアの効率化などで何とかならないものだろうか。
ちなみにこの遅さはFOMA移動機共通の問題らしい。
標準搭載されたウイルススキャン機能をDisableにすればファイル一覧取得などの動作は速くなる。
ウイルスチェックを毎回行うのは負荷が重いと言う事だろうか。
P901i固有の問題としてはヒンジ部分の剛性不足があげられるのだが、これには個体差もある。
数台を触った感じでは、明らかにガタの多い固体と我慢出来る範囲の製品があった。
ドコモも言うとおりFOMA移動機の調達コストが同社の利益を食っている現状では、高品質は望むべくもないと言う事だろうか。
エリアの話もしておこう。
東京23区内でも接続が危うくなり、パケット通信が成立しなくなる状態に陥る事は珍しくない。
電界強度が高ければパッと表示されるホームページ閲覧も、延々とデータ取得が続く状態になったりもする。
その割に電界強度ピクト表示は甘めで、明らかに通信出来ない状態でもなかなか圏外表示を行わないのはいかがなものか。
地下鉄などではおおむね使えるようになっているが、例えば東京駅八重洲地下街は使えても、さらに下の駐車場付近では使えない。
ちなみにPDCは駐車場でも何ら障害無く使う事が出来る。
横須賀線で横浜→千葉まで移動すると、トンネルや地下区間を除いたとしても、例えば多摩川の上とか、例えば新川崎付近とか、結構頻繁にデータが流れなくなる。
電車は走行しているのでやがて回復するのだが、基地局密度が十分でない事を思い知らされる一面だ。
TV電話実験も行ってみた。
64Kbps回線交換で通話料が高いので実験的に数分接続したのみだが、電界強度によってはブロックノイズが入って静止画になったりする。
電界強度が高ければおおむね良好なようで、ハンズフリー通話も実用の範囲である。
メールに関して。
FOMAでは不達メールの再配送が行われる。
ドコモは当初再配送は最初の配送の3時間後、その後6時間後と12 時間後の合計3回と発表していた。
これはおそらく一旦圏外などでメールが受けられなくなった場合はしばらくその状態が続くと予想したからではないだろうか。
かといって頻繁に再配送を行う事は色々な負荷を上昇させる結果となる。
ちなみにauは1時間以内は5分ごとに再配送を試みる仕組みだったと思う。
では実際の再配送スケジュールはどうなっているのか。
巷では10分、20分、90分後だという話もある。
メールを送りながら再配送までの時間を計ってみた。
その結果、最初の再配送は約10分〜15分後に行われ、2回目の再配送は約30分後に行われる事が解った。
3回目やそれ以上がどうなるのかまでは確かめていない。
いずれにしても15分程度で再配送が行われるのであれば実用的だといえる。
逆に言うと再配送システムがなければメールの取りこぼしが多いというのが現状のFOMAなのである。
液晶の視野角の狭さも特筆?もので、今時こんなに視野角の狭い液晶があるんだなぁと驚いてしまう。
写真は左がN505isで右がP901iである。
正面から見れば普通なのだが↓

上から見ると↓白っぽくなってしまう。
N505isの方は若干濃くなるが見えないと言うほどでもない。


下から見ると↓もはやマトモな色ではなくなっている。


通常携帯を操作する時でも、少し角度を変えると大きく見栄えが変わるので何とも使いにくい。
左右方向の視野角も上下ほどではないがN505isより明らかに狭い。
カメラの方も簡単に比べてみる。
電球色照明の室内で普通にVGA解像度で写したものの長辺を512Dotに縮小したものだ。
携帯カメラというと縦長に撮れるものかと思っていたら、P901iは普通に横長写真になる。
P901


N505i


夕焼け空を少し小さなサイズで撮ると、P901


N505i


色合いは違うが、所詮携帯のカメラなのでデジカメの絵のようには行かない。
より詳しく見たい方は、こちらの携帯情報局にアクセスされたし。