CPUを冷やそう
こちらで紹介しているのは液化炭酸ガスによるCPU冷却だが、もう少し手軽な水冷方式をご紹介しよう。
水冷とは、その名の通りペルチェの排熱を水によって熱交換して冷やす方式。
このペルチェは2段になっており、150W近い放熱をしてやる必要がある。
ペルチェは放熱面をいかに効率よく冷やすかで性能が大きく変わる。
市販のペルチェクーラでは放熱設計がプアなため、ペルチェの排熱が十分とは言えずロクな性能を発揮しない物が多い。
そんなペルチェクーラでも、付属のファンを取り外してより大型のものに交換するとか水冷方式を採用することで見違えるほどの性能を発揮する。
水冷方式のブロック図はこんな感じだ。
まずはラジエータだが、コイツは自動車用オイルクーラが手頃でよろしい。
ノーマルのターボ車に付いているエンジンオイルクーラや水冷バイクのラジエータなどが大きさ的にも手頃だ。
一般にオイルクーラよりは小型(単車などの)ラジエータの方が流路抵抗は少ないが、熱交換効率はオイルクーラの方が高い。
流路抵抗が大きくなるとポンプに加わる負担も当然大きくなる。
ポンプの静圧が不足すると水圧は低下し、水量も減って銅ブロックでの熱交換効率が悪化する。
しかし、自動車用燃料ポンプは数Kg/cm2の圧力で毎分100リットル以上の吐出能力があるからオイルクーラを使用しても平気だ。
写真では大きさが分かりにくいと思うが、これが自動車用インタンク(ガソリンタンク内に取り付けるタイプ)型の燃料ポンプだ。
大きさは350ml入りの缶ジュース程度(もう少し細い)だ。
注意点としては非常に錆びやすいと言うこと,つまり、水を冷媒として使用すれば2〜3日で動かなくなってしまう。
圧力,流量とも申し分のない燃料ポンプを使うときには、冷媒として自動車用ブレーキオイルの使用をお勧めする。
コイツは安価な上、冷媒として水と変わらぬ能力を発揮してくれる。
部品が揃ったら、後はホースでつなぐだけ,簡単だ。
最も注意しなければいけないのは漏水対策だ。
せっかくのマザーボードが水没(湯没?)しても知らないよ..
ラジエータはファンで冷やす。
今回はAC100V用のファンを2個使用したが、サイズもピッタリでなかなか良い。
手前に見えているのがペルチェの排熱面に取り付ける銅ブロックだ。
ポンプ能力を1ランク落とすと、風呂の水をくみ出すための水中ポンプが使える。
値段も安くて手頃だが、少々作動音がうるさいのと寿命が短いのが難点か?
風呂水汲みだし用ポンプにも数種類有って、これは小型のもの。
とは言っても自動車用燃料ポンプよりは大きい。
こちらは更に大型のもの,大きさに比例して流量も多くなるが、当然値段も高くなる。
これらのポンプを使用すれば、冷媒に水が使えるのでより手軽になる。
ポンプを複数個直列につなげば水圧が上昇する。
自動車用燃料ポンプと違って、風呂水汲みだし用ポンプは静圧が低いから直列接続は効果が大きい。