レーダ探知機を買う


感度実測しました
久々にレーダ探知機を買ってみた。
とは言っても、今まで使用していたものに不満があるわけではなく、単に2年半前のこちらとの相違が見たかったに過ぎない。
そしてもう一つ重要なこと,それは、安売りしていたと言うことだ。
オープンプライスのこの手の商品は、いくらだと高くていくらなら安いのか良くわからないところがあるが、まあ1万円以下なら買ってみても良いかな?って感じだ。
購入したのはセルスターのSuperα330FRと言うもの。
実売9.8千円だったが、これには音量調整も感度調整も付いていない。
あるのはLSCのセットスイッチと電源スイッチのみと言う簡単さだ。
感度調整はともかく、音量調整くらいは欲しかったというのが本当のところだ。
コイツの音は電界強度によって鳴り方が変わるタイプだが、その音量自体は騒音レベルの高い車でも十分通用するくらい大きい。
化粧箱の裏には能書きが書いてある。
どうやら受信部が2個搭載されているらしく、前方と後方感度が同じくらい高いと記されている。

感度は「ウルトラを越えたエクストラ感度搭載」だとか。
「感度」を「搭載」する意味は良くわからないが、この他にも「超高感度ダブルスーパヘテロダイン」の字も踊る。
中身はこんな感じだ。

これが基板の裏側(半田面)だ。
2年半前のモデルよりディスクリート部品が大幅に減っている。
QFPパッケージがCPUだと思うが、とにかく何でもソフトで処理して製造原価を安くしようと必死なのだろう。
ホーンアンテナは能書き通り2個搭載されている。
そして部品面はこんな感じだ。

後方からの受信能力は、レーダ取り締まり機搭載パトカーによる追尾対策なのだそうだが、パトカー搭載レーダはかなり感度の悪い探知機でも十分反応するほど電界が強い。
何も2つもホーンアンテナを付けることはないと思うのだが、これも付加価値ってヤツだろうか?さっそく2年前のモデルと並べて使用してみたが、町中では以前のモデルの方が良く反応する。
単に感度の違いなのか?それともコンビニ検出器にならないように、ソフトで処理しているのかは定かではない。
ちなみに、2年半前のモデルは高速道路のオービスで1Km以上手前から反応を始めていた。
コイツの感度に関しては後日ここに付け加えることにしよう。
受信方式は以前と何も変わっていない。
と言うか、ここ10年以上変化がないと言うべきか。
1stローカルをスキャニングして、9GHz〜11GHz辺りを受信する。
信号が見つかればスキャニングを停止して連続受信となるわけだが、ここで問題になるのはIFのフィルタ帯域幅だ。
感度を上げようとすれば受信帯域は狭い方が良い。
感度とはノイズと信号の比率だから、ノイズを少なくすれば感度は上がる。
ノイズを少なくするためには高周波増幅回路を付けてそのNF(ノイズ発生量)を低く押さえればいいわけだが、これにはコストがかかる。
そこで受信帯域を狭くしたくなるわけだ。
ノイズは帯域に関わらず発生しているので、それを狭い帯域のフィルタに通せば、通過帯域に応じてノイズのエネルギは小さくなる。
しかし、狭いフィルタを通すとHシステムのようなパルス変調信号が通らなくなってしまう。
パルス変調された信号はパワースペクトラムが広帯域になるので、これを狭い帯域のフィルタに入れると(ちょうどノイズが減るように)信号が通過できない。
数年前のモデルにはIFにFMラジオ用のセラミックフィルタなどが使われていたが、これの中を見ると(少なくとも)LCフィルタ1段が確認できるだけだ。
能書きにも「新Hシステム重点対応」と記されているが、もしかするとブロードなIFフィルタによってHシステムの信号受信感度を上げ、その代わりCW信号の受信感度が落ちるのに目をつむっているのかも知れない。


実際に使用してみると、前のモデルよりLSC(ロースピードキャンセラ)の感度が悪いようだ。
SLは元々オルタネータノイズが少ない(各部にケミコンが入っている)ので、LSC自体が安定して動作しない場合もあるのだが、このモデルではLSCの設定すら出来なかった。
もう一つ、警報音量の大きさは常用に耐えないほどだったので発音体の穴(ケース側)にセロテープでマスクを行った。
電気的に調整してしまおうかとも思ったのだが、今のところはセロテープ方式で凌いでいる。
このモデルは右ハンドル用にLED等がレイアウトされているから、左ハンドルで室内ミラー付近に取り付けると表示は見えなくなる。
その為か?フロントガラスの下の方に取り付けるための台が付属しているが、邪魔にならないと言う点ではミラーの横が最適場所ではないかと思う。
ちなみに上下ひっくり返して付けるには、少々工夫が必要だ。
面が平らではなく段差があるので、そこを何かスペーサのようなもので埋めなければ付かないと言うわけだ。
フィールドテスト?東名高速上の速度取り締まり機で、どの程度手前から探知機が反応するかテストしてみた。
何台かの速度取り締まり機でそれぞれ違うが、最低で800m,最高は京都−大阪間で1900m手前から反応した。
これを見る限り感度不足とは言えない。
一方のHシステムだが、東名高速上のそれには400m手前からの反応でちょっと心許ない。
経験で言うと、高速道路上のHシステムは一般道上のそれよりも探知しやすい事が多いので、一般道のHシステムに対する感度は懸念される所だ。
つまり、この点でも2年前のモデルと大差ないことが分かる。
レーダ探知機メーカは、太陽電池搭載や前後二方向探知(このモデルでは後方(対向車線上の取り締まり機)からの感度も前方感度とほとんど変わらないことを確認した)で商品性アップを図っているが、実用面での進歩は止まっていると言わざるを得ない。