過去の雑記置き場


透明人間 (7/1)
録音レベル (7/2)
洪水(お話) (7/3)
洪水(お話) (7/4)
洪水(お話) (7/5)
洪水(お話し) (7/6)
洪水(お話) (7/8)
医療費 (7/8)
トヨタとドコモ (7/9)
子育て (7/10)
基地局は増えるのか (7/11)
増えた基地局 (7/12)
S2000 (7/13)
先細り (7/14)
3G(1) (7/15)
3G(2) (7/16)
3G(3) (7/17)
3G(4) (7/18)
3G(5) (7/19)
ガソリン価格 (7/20)
雑誌 (7/21)
トップ人事 (7/22)
フルブラウザ (7/23)
ディジタル一眼レフ (7/24)
横転 (7/25)
掃除機 (7/26)
亜鉛 (7/27)
健康保険 (7/28)
マヨネーズ (7/29)
しつこい (7/30)
デザイン (7/31)

デザイン

(7/31)

◆ 携帯電話が四角っぽいデザインを採用したのは昨年の話だったか。auのneonやドコモのSHなどが四角張ったデザインを採用していた。が、それも今や廃れた感じである。これまでになかった箱形デザインは顧客の目を惹いたが販売数量的に見るべきものはなかった。実際に使ってみると"収まり"が悪いとか、大きく見えるとか、シャープ製のSH702iDに関しては大きく見えても実際には小さいサイズを実現していたのだが、結局それは"電池が保たない"事につながってしまった。

◆ ドコモは702iSシリーズで斬新なデザインのものを出してきている。D702iFは女性を強く意識したもので、先のとがった形をしている。その先の尖った所を水平に切ったような形がNEC製だ。異なるメーカで似たような形状のものが出てくるのは、デザインのトレンドみたいなものが影響しているのかも知れない。
シャープ製は特にデザインはされていない、90xシリーズとほぼ同様なので面白味に欠ける。メーカとしては販売数量が見込めなければ困るのだろうが、SH701iDを進化させたものの方が面白味はあったと思う。それこそPMC路線で行くのならばカメラ周りを外形に合わせて四角くするとか、背面液晶なりEL表示器を付けるとか、厚みを我慢してでも電池容量を拡大するとか。

◆ PMC製のP702iDはまさにこの路線であって、P701iDのボディーの出っ張りを削り取っただけのキープコンセプトというか手抜きというか新鮮味がないというか、そんな感じだ。PMCはP702iで一旦はオーソドックスな形状に戻したが、デザイン携帯が多い中で特徴のない普通の形ではインパクトに欠けたのだろう。もっとも、普通の形のものを求める人だって居るとは思うのだけれど。
そこでP701iのデザインをちょっとだけ変えることでP702iDを作り上げた。おそらくデザイナに支払う金額も最小で済んだだろうし、内部構成部品などの変更も最小だったのだろう。
三菱はD701iで無難なデザインを採用していたが、今回のD702iFでは尖った(先が尖っているのもあるが、デザイン的に)感じにしてきている。女性向けと称されたものが必ずしも女性受けしないところに難しい面は隠されているのだが、果たしてこれはどうなのだろうか。同社では爪の長い女性でも(折りたたみ状態から)開けやすいとしているが、普通の折りたたみと余り変わらない気がする。PMCのワンプッシュオープンが操作性では良くできていると思うが、特許の関係などで他社は使えないのか。

◆ 爪の長い女性を意識すると、色々なところにその対策が必要となる。爪でも(ボタンを)押せるようにするか、爪が当たらないようにするか、爪が当たっても大丈夫な構造にするのか。特にテンキー部分などはよく考える必要があると思うのだが残念ながらD702iFが"良く"考えられているとは言いいがたい。この辺りの対応が出来ていないか出来ないのであれば、無理して女性専用を名乗らない方が良いのではないだろうか。プリインストールアプリが女性向けだとは言ったって、そんなものは買った後で性別を入力すると自動的にそれ用のアプリがダウンロードされる仕組みでも、予め男性用と女性用アプリが入っていて、初期設定の時にどちらかを消したって良い。



しつこい

(7/30)

◆ 野村證券から営業の電話がかかってきた。私は野村證券に口座を持っているのだが、口座を持っている支店ではなく口座のない横浜西口支店からその電話はかかってくる。なので、他の支店と取引をしているから用はないと言うが営業電話は一向に減る気配を見せない。
実は最初、どこの支店からかかってきたのか解らなかったので横浜支店にクレームを付けた。ら、横浜支店では断じてそのような電話はしていないという。ならば横浜西口だろうと言うことで電話をするも答えは一緒だ。そのような営業はしておりませんの一点張り。
だったら何故電話がかかってくるのかと問いただすと、野村證券を語った詐欺ではないですかという。野村證券は詐欺を雇って営業させているのかと言いたい。

◆ とにかく電話をしてきたヤツと支店を突き止めるのが先だが、これにはさほど時間は必要なかった。何故ならば向こうから頻繁に電話がかかってくるからだ。で、支店名と名前を聞いたらヤツは名乗った。横浜西口支店だと。この迷惑電話営業マンに何を言っても無駄なことは分かり切っているので本社にクレームを入れる。
後日支店の責任者と名乗る人間からから電話がかかってきて、悪徳営業に対する謝罪をするという。私としては謝って貰ったって仕方がない。一刻も早く電話営業リストから私の名前を消して貰えればそれで良い。
支店の責任者を名乗る男は、今後はこのような営業電話は掛けませんと約束して電話を切った。同時に、電話をしているのは営業個人が収集した電話番号であって、会社がそれを命じているわけではないという。
だったら、会社の命じていないことをやったのだから、それを理由に営業マンをクビにでもすればいいではないか。

◆ それからしばらくして、又電話がかかってきた。横浜西口支店である。一旦抹消されたはずの電話番号に何故電話がかかってくるのか。悪徳営業に聞いてみると、会社から新しいリストが回ってきたという。やはり会社ぐるみで電話をしまくっているわけだ。
さてと、又本社にクレームを入れるか。本社に電話をすると担当を名乗る男が出てきた。その男は私の住所や名前や電話番号を聞く。が、そう簡単に住所などを教えられない。そもそも口座のある支店があるのだから、情報はそこから得られるはず。にもかかわらず、こちらが嫌だと言っているのに何度も何度も電話番号を教えろとか住所を言えという。

◆ しつこい営業電話はやめてくれと言うも、電話を控えるように支店に通知するとしか言わない。支店に通知したところで相変わらず電話がかかってきているからクレームを付けているのに、全くアホな連中だ。これは明らかに特定商取引に関する法律違反である。同法によれば、勧誘を断った人にはそのご勧誘を行ってはいけないのではなかったかな。
と、本社に言っても聞いていない感じだ。はいはいと返事はするし、すみませんでした、今後は致しませんと言うが口先ばかりである。
前回は電話営業をする連中が使う電話機に、この番号には電話をするなと紙に書いて貼っておいてくれと言った。何故ならば「リストが更新された」とか、「電話をしてはいけない顧客リストを紛失した」などの言い訳をいつもするからだ。なので電話機にそのリストを貼り付けておけばいい。
が、それも無駄だったようだ。と言うか、解りましたというばかりでそんな事はやっていないはず。



マヨネーズ

(7/29)

◆ マヨネーズ好きの方は多い。が、ここ数年はマヨネーズに似ているがマヨネーズとは呼べないマヨネーズタイプと称したマヨネーズ的ものがスーパーに並んでいる。一見普通のマヨネーズで味もマヨネーズっぽいがマヨネーズと呼べないのは何故か。それはマヨネーズの原料が明確にJASで規定されているためだ。従って玉子を使わない製造法や植物油を使わないで作ったマヨネーズ的なものはマヨネーズとは呼べない。だからといって全部のマヨネーズが同じ味になるかといえばそうでもなくて、材料の配分比などを変えることによってメーカごとのオリジナリティを出している。

◆ マヨネーズ的ものが増えてきたのは健康志向が根底にあるのだと思う。ローカロリーローコレステロールを目指しながらもマヨネーズと遜色ない味を目指す、みたいな感じだ。最近は特保(特定保健用食品)を売りにしたものも増えてきているが価格は高めだ。マヨネーズではないが、このページの右横下で出している広告の中にも特保指定された酢がある。マヨネーズにしても酢にしてもコレステロールを下げる効果があるとかで、コレステロールが高めの私にはピッタリなのだが酢はともかくとしてマヨネーズの価格は高いなぁ。
これも付加価値価格と言うことなのかも知れないが、通常のマヨネーズの5倍近い価格にもかかわらず需要があるのだから健康志向は強いのだろう。

◆ 関西方面を中心に広まったのだと思うのだが、焼きそばとかお好み焼きとかもんじゃとか目玉焼きとかにマヨネーズをかけて食べる人が関東でも増えてきたように思う。お好み焼きに関しては関西方面が発祥の地とも言われているので関西風の食い方は当たり前なのかも知れず、むしろ関東人がお好み焼きにマヨネーズをかけないで食う方が邪道だったのかも。が、お好み焼き的でお好み焼きではない「もんじゃ」(もんじゃをご存じない方も多いと思われるが、これはお好み焼きよりもずっと薄い、水っぽい生地を鉄板で焼ながら具を混ぜてヘラで食べるもの)は東京の下町に店が多くあって、佃(つくだ)の辺りにはもんじゃストリートと呼ばれる場所もある。で、関西の知人と一緒にもんじゃを食べに行ったら、彼は「マヨネーズはありませんか?」と店主に聞いていた。彼の場合はマイマヨネーズを持参したいと言うほどのマヨネーズ好きなので特殊な例かも知れないが、もんじゃにもマヨネーズですかぁと、その時は思ったものだった。

◆ インスタント焼きそばにもマヨネーズ付きのものがあったな。どうやらマヨネーズとソースは相性が良いらしい。なので目玉焼き(関東では塩や醤油をかけるケースが多いが関西以南ではソースをかけることも多い)にもマヨネーズなのかも。トーストにもマヨネーズだ。
パンの上にマヨネーズを乗せて(塗るのではなく乗せる感じ)、そのまま焼くとマヨネーズの表面が焦げて酸味が増してちょっと美味しい。こうしてマヨネーズ消費量が増えてくると低カロリー指向も強くなってくるのだろう。



健康保険

(7/28)

◆ 値上げの季節というわけで、今月は様々なものの価格が上がった。そして密かに国民健康保険料の値上げが行われた都道府県もある。何に載っていたのか忘れてしまったが、年収300万円ちょっとの独身者だと国民健康保険の年額が50万円を超すのだとか。年間50万円分の病気というと結構重病な感じで、もしもこの所得者が若者であるならば無保険診療を受けた方が得になる。
いや、本当はいけないのだけれど私も若い頃には保険に入っていない時期があった。その間に何度か歯医者に通って合計十何万円かを取られたが、それでも健康保健代を払うより安かった。

◆ 国民健保は市区町村によって納付額が異なる。話によれば国民健保代の最も安いところと高いところの差が年間で30万円にもなるらしい。もっともこの手の数字にはマジックがあって、価格差が最大になるようにうまく調整されていることもあるのでご注意を。いずれにしても負担が重いことに代わりはなく、この保険料は一体どこに消えていってしまうのか。確かに重い病気にかかったり手術をしたりすると金は掛かるのだが、でも世界的に見て日本の医療費は決して高いわけではない。骨折や盲腸などの手術料をみると、ハワイあたりの半額とか1/3とか、そんな金額の筈だ。

◆ 老人の医療費が嵩むという話もあって、大阪府だったかどこだったかは、低収入老人の医療費を値上げした。
何故低収入老人かというと、中収入の老人世帯の国保負担を軽減するために、より低収入老人の方に重きを置いたのだとか。なんだかよく解らないが、年金世帯にも健康保険料は重くのしかかってくると言うことだ。
医者は儲かる商売の代名詞だった訳だが、最近では必ずしもそうではないようだ。医療ミスや事故へのリスクなどを考える必要もあり、少なくとも保健医療で大儲けが出来るほどでもなくなっていると思う。逆に非保健医療の方は付加価値に応じた医療費を取り放題的なところもあって儲かる。先月だったか誘拐された女子大生の母親の女医さんは時給100万円と書かれていた。

◆ 開業医にしても、沢山のお客さんを短時間で診療して沢山の薬を出すようなやり方なら儲かるのかも知れない。ようするにどれだけ効率的に診察をするかだ。だがあまり手抜き診療をしているとお客様が来なくなってしまう。地域に密着した開業医となると、世間の評判も気にしないといけないから難しい。では大病院は儲かるかと言われればそれも違うと思う。倒産してしまう病院がある位だし、開業医に比較すると勤務医の実質報酬は低いそうだから。
では健康保険の掛け金は一体どこに行ってしまうのだろうか。日本人の10%が病気だとしても1人を10人で支えているわけだ。月額4万円を毎月取られているとすると10人分で40万円。毎月40万円以上もの医療費がかかる病人が人口の10%のいるとは思えないんだけど。そして毎月400万円の医療費が必要な重病人が人口の1%いるとも思えない。でもいるのかな??



亜鉛

(7/27)

◆ 亜鉛が不足するとものの味に鈍感になるらしい。ニンジンと大根を小さく同じ形に切って、目隠しして生で食べてみる。あなたはニンジンと大根の味の違いが解るだろうか。これがわからないとか解りにくい場合は亜鉛の不足だそうだ。朝食を採らず昼ご飯は外食で簡単に、オマケにジャンクフード大好きという方はたぶん亜鉛不足に陥っているはず。試薬でもあれば簡単に測れるのだろうが、普通は血液検査でも亜鉛は測らない。
亜鉛の錠剤?みたいなものもあるけれど、吸収率とかその辺りはどうなのだろうか。亜鉛ばかりではなく現代人に於ける微量元素の補給という意味で、ビール酵母(ダイエットで流行った)がある。流行った頃に買ってみたことがあったが、およそそのままでは食べられないほどまずい。と言うか、本来は何かの料理に混ぜて食するもののようなのだが、何せまずいから料理に混ぜたくはなくなる。ちゃんとした分量で相性の良い料理に混ぜれば味も良くなるらしいけれど、なんか私の好みには合わなかった。

◆ 最近は錠剤のものがあって食べやすくなっている。
いや、最初はミヤリサンが手に入らないときに猫用/子供用の整腸剤であまり薬っぽくないものをと言うことで探していて、そういえばエビオスもビール酵母系だしと思って与えていた時期があった。
ミヤリサンに関しては本当に多くの質問を頂く。過去に2度ほど書いているのでここでは簡単にするが、ミヤリサンという整腸剤(健康食品扱いらしい)は動物にも子供にも与えられるし、ちょっと食べすぎたかなと言う時とかおかしな物は食べていないのにお腹が痛いとか、飲み過ぎとか(ホルムアルデヒド分解酵素が含まれるとか?前立腺関係に良いとか?、ただし未確認です)の時にも良い整腸剤なので、私は国内でも海外でも出かけるときには必ず持って行く。ただし万能薬ではないので誤解されぬように。
あくまでも整腸剤、ビオフェルミンみたいなものだ。
猫がお腹を壊して病院に行っても、症状が軽ければ動物用ミヤリサンや動物用ビオフェルミンを処方されて「腸内細菌を増やしましょう」と言われる。ちなみに体重5Kg程の猫の場合は食事の時に1錠か2錠を与える。私は5錠から10錠くらい食べるがメーカ推奨以上は決してお勧めしないので真似しないように。

◆ ビール酵母の場合も猫には1粒を与えていた。これも整腸作用があるようでちょっとした下痢には有効だしビタミン補給にも良いと思う。ビール酵母は豆臭い?感じの臭いがして、猫は好むようでボリボリ食べた。
猫でも犬でも子供でもそうなのだが、お腹を壊したときには(軽い下痢程度なら)食事の量を減らしてミヤリサンなりビオフェルミンで様子を見ることにしている。少なくともウチの猫の場合はビオフェルミンよりビール酵母が、ビール酵母よりミヤリサンの方が効く感じだ。



掃除機

(7/26)

◆ 掃除機を購入した。小型掃除機の多くはサイクロン方式になっていて、これがすぐに詰まってしまうことは以前にも書いた。しかし大型掃除機は邪魔でちょっとしたところを掃除するには大げさだ。超小型というと車の中で使うタイプを思い出すわけで、ずっと以前に一度この手を買ったことがあった。これはシガーライターの12Vで動作するものだったが、盛大なノイズがするばかりで吸引力は全く合格点に達していなかった。この時の印象が強かったので、超小型掃除機なんてみんなこんなものだろうと、諦めに似た思いがあったのは事実だ。

◆ 大手量販店に行ってみると何種類かのハンディー掃除機が並んでいる。AC式のものもあればコードレスのものもある。どうせ吸引力に期待できないのであればコードレスが良いと思った。安いものでは3千円位から、高価なものは1万円を超えるものまである。
これらのどこが違うかと言えば、モータパワーと充電器だ。高価なものは1〜2時間の急速充電が行えるのだが安価なものは充電に8時間くらいかかる。充電器も安価なものはACアダプタ直結であり高価なものは専用の充電台が付いている。

◆ 散々迷ったあげくに購入したのはこれだ。イオンパワーノズルとか書いてあるが、何がイオンなのか解らないというか、イオンとパワーを別の単語として理解するのではなく電動回転ブラシ内蔵ヘッドをこう呼ぶだけかも。実際に使ってみた感じだが、吸引力は「まあこんなものかな」程度だ。決して感激するようなものではなく、でも落胆するほどのものでもない。電動回転ブラシは有効で、綿埃や髪の毛なども取り去ってくれる。小型なのでテーブルの上や洋服などの掃除にも便利だし車内の掃除でも、一応小さな石などはちゃんと吸い込んでくれる。
この季節なら厚手の服は着ないが、コートなどの掃除?ブラッシング?用として良いのではないかとおもうしPCのキーボードの掃除にも便利に使える。

◆ 電源はニカドで9.6V/1700mAhである。ラジコン用だと同じ大きさで4Ahを超えるものがあるのだとか。この電池で5分くらい使えるというか、5分くらいしか使えない。松下製は充電時間が短いから良いが、安物の8時間充電仕様だったらかなり困ったかも。モータの仕様は不明なのだが、ヒューズが4Aであると書いてある。でも4Aの放電でこのニカドが5分でなくなるだろうか。このヒューズは充電用の電流制限なのか。電池はかなり熱くなる。触ってみた感じだと45℃程度だと思うが、この温度上昇からみてもかなりの電流が流れていると思う。

◆ フィルタは紙製(たぶん)で非交換タイプだ。なのでそれを掃除する手間がある。取り説によると水洗は可能となっている。小型サイクロン方式にしてもフィルタ掃除は必須だが、コイツはフィルタ自体が小さいので楽と言えば楽だ。実売価格を考えてコードレス掃除機が有用かどうかは微妙なところだが、ちょっとした掃除にはそれなりに使える。



横転

(7/25)

◆ 少し下火にはなったものの、未だにワンボックス車需要は高く特有の事故も多く起きている。この手の車の最も危険なところは容易に横転してしまうことだ。全幅より全高の方が高いモデルもあるし、サスペンション性能がプアなことや重心が高いことが安全性を低下させる原因になっている。このことはメーカでも認識しているが、トヨタなどは「スポーツカーではないのだから横転するような運転はしないでくれ」と言っている。が、問題はドライバーの意図に反して横転事故につながるケースだ。

◆ 例えば追突事故。止まっているワンボックスカーに後ろから乗用車が追突したらワンボックスカーが横転してしまったというパターン。これはある意味避けようのない事故だが、ワンボックスカーの後部座席にいた人が投げ出されたり車内のものに激突したり、或いは割れたガラスによって重傷を負ってしまう。交差点などの右左折時に追突されるともっと激しいことになり、後部席にいた人が投げ出されて死亡するなどの事故も現実に起きている。追突による横転はバスやトラックでもあり得るのだが、この場合は車重が相当あるので余程のエネルギがないと横転にまでは至らない。

◆ ホンダはTVのCMでESP(ホンダではEBDと呼ぶらしい)の有効性をアピールしている。確かにこれは効果的なもので、BENZなどでもその効果は体験することが出来る。だが基本的運動性能の低い車ほどESP効果も低くなる。のは、例えばAクラスとEクラスでは挙動がかなり違うし、制動距離自体にしてもCとSLでは雲泥の差がある。つまり、基本性能の低い車を電子装備で誤魔化そうとしてもうまく行かないと言うことだ。電子装備でいかにもという風に味付けるのは日本メーカの得意とするところである。日産が以前に使っていた、逆位相のノイズで車内騒音を減らす装置などはまさにこれだ。エンジンの静音化やボディーの遮音性向上に頼ることなく、エレクトリカル装備によってそれっぽい性能を作ってしまおうとする。
が、基本がダメなのだから後付スペシャル装置の効果も低い。で、結局はお蔵入りになってしまう。

◆ ワンボックスカーの姿勢安定装備も同じで、ESPが効果を表すのはサスペンションやブレーキなどの機能が破綻に陥っていない状況でなのだ。サスペンションストロークを使い切っていたり、ジオメトリ変化でタイヤの摩擦力が減少しているところにESPを効かせても大きな効果が期待できない。この手の付け焼き刃的対策はAクラスでも行われていた。エルクテストで横転の危険性が指摘された同社は、サスペンションと車高を含むセッティングの変更と共にESPをくっつけて誤魔化した。ワンボックスカーもせめて荷室の容量が少し削れればサスペンションセッティングの自由度が上がるのに、荷室(後部座席付近)の広さがカタログを飾っている以上難しそうだ。走行性能が云々と宣伝したって、それを信じてくれるユーザは少ないだろう。何と言ったってワンボックスカーがハイウェイスターなんだから。



ディジタル一眼レフ

(7/24)

◆ 松下とソニーがデジタル一眼レフカメラ市場に参入した。ソニーはコニカミノルタのカメラ部門を引き継ぐ形なので独自の技術がふんだんに盛り込まれているとは言えそうになく、それは逆に安心感を与える。とは言ってもCCDシフト式の手ぶれ補正や、メモリカードにメモステを使うような変更は行われた。vaioではminiSDスロットを付けるなど柔軟性を見せていたSONYだが、何故デジタル一眼レフがメモステなのか。CFなどのスロットも付けたのだからマイナーなメモステスロットなどやめてしまえばいいのに。ま、あって邪魔になるものでもないけど。

◆ 一眼レフデジカメの撮像素子はCMOSのものが増えてきている。キヤノンは従来から独自開発のCMOS撮像素子だったし、CCDを使っていたニコンも一部高画素モデルにはCMOSを使い始めた。松下もCMOSチックな素子を使うがSONYはAPS-CサイズのCCD、しかも1千万画素を超えるものを使っている。撮像素子は松下のものが最も小さく、35mmフィルム用のレンズを使うと焦点距離が2倍になる。
CMOSセンサを用いるメリットは、読み出し方法の自由度が高いことによる高速読みだし(ニコンのモデルでは特定領域のデータだけを読んだりする機能がある)や大型センサのコストの問題、制御方法が簡単であることなどがあげられると思う。ダイナミックレンジの狭さやノイズの問題などのデメリットも確かにあるが、大型センサではこの辺りの対策はしやすい。

◆ 家電メーカが一眼レフカメラ市場に参入するのは、このマーケットが年々拡大傾向にあるからだ。斜陽と言われた銀塩一眼レフカメラ市場がディジタル化で一気に息を吹き返した格好である。コンパクトデジカメはコンパクトであるが故に画質はそれなり。銀塩カメラと違って簡単に大きく拡大可能なディジタル写真、或いは大きな用紙に印刷できる事を考えると、より高品質な写真を撮りたいと思う層が増えてきても不思議ではない。実際にコンパクトデジカメとディジタル一眼レフカメラで撮り比べてみれば。例え画素数が同じであったとしても写した写真は雲泥の差がある。

◆ カメラ雑誌などではディジタル一眼レフカメラの比較などが記事になっていて、使い勝手だとか解像度だとか様々な面からのレポートが掲載されている。どの機種が良いかとは一概に言いにくいし、システムとして考えた場合に選択できるレンズがどのくらいあるのかなども実際に購入する段階となれば気にせざるを得ないだろう。他にも信頼性やサービスの体制なども重要だと思う。ディジタル一眼レフにも軽量化を求める向きには質量だって重要だ。

◆ 松下、SONY共に実写レポートなどが掲載されているが、SONYの方はパッと見た感じちょっと色収差が目立つ感じがした。ま、解像度が高いのでアラが見えやすいのかも知れないが絵的には松下の方が自然な感じがした。この辺りの違いの多くはレンズ性能になるのだろうが、各社共に画像処理関係には力を入れているのでどこまでが処理で誤魔化されているのか判断するのは難しいと思う。SONY製にはカールツァイスのレンズも付けられるわけで、これならば描写力はかなり違ってくるのではないだろうか。と言うか、このレンズが付けてみたくてSONYの一眼レフを買う人もいるだろう。
この点を考えたのかどうか、松下はライカレンズ標準装着でお値段は高め。SONYの方は普及型レンズが標準で他の一眼レフデジカメと同価格帯での発売だ。



フルブラウザ

(7/23)

◆ 携帯電話内蔵ブラウザ、そのフルブラウザと呼ばれる(フルブラウザはドコモが商標登録しようとしている)ブラウザの搭載率が上がってきている。いわゆる携帯電話サイトを見るための専用ブラウザではなく、PC用のIEだとかNCのようなブラウザを一般的にはフルブラウザと呼ぶわけだが、商標が登録されるとそうも行かなくなるかも知れない。で、auはPCサイトブラウザ(だったかな)と呼んでいたと思う。

◆ auがGoogleと手を組んだのは既報の通りだが、こうして携帯電話も閉じた世界からオープンなインターネットへと突き進んでいくのだろうか。ソフトバンクモバイルも今後発売する機種にはフルブラウザを搭載したいとしている。F&Fのアクセス数をみるとトップがドコモであり、次がauだ。ドコモとauの比率は加入者数比よりau比率が高い。つまりはドコモよりauの方がインターネットサイト(少なくともF&Fを)見る人が多いことが解る。次に多いのがWILLCOMだ。こちらもフルブラウザ搭載機種があるし、定額契約している方も多いと思う。そして最後がソフトバンクだ。これは契約者数比よりもずっと少ない。

◆ F&Fへのアクセスが少ないからと言ってソフトバンクモバイルのユーザがインターネットサイトにアクセスしていないとは言い切れないが、ドコモやauのようなある意味アクティブなユーザが少ないのではないかと思う。いくらプリペイドユーザが多いとは言ってもこのアクセス数の少なさには納得できない。
ソフトバンクとしてはインターネットアクセスが多くなければ有効な稼ぎが出来ない。自らインターネットポータルのトップであると公言するヤフーに、実はソフトバンクモバイルからのアクセスが一番少なかったでは話にならない。

◆ ヤフーとしてはソフトバンクモバイル製携帯電話に[YAHOOボタン]を付けるとか言っている。ドコモの移動機にiチャネルボタンが付いているように、だ。
このiチャネルボタンを押下すると「iチャネルに契約しましょう」と表示が出るシカケになっているので、なんだかよく解らない間に契約してしまったという人も多いと思う。と言うか、契約者数の多くは間違い契約だと思うんだけど。
ま、それは良いとして、ただでさえボタンの機能割り当てには苦労している各メーカが一等地にあるボタンにiチャネルを割り当てなければならないのは苦痛だろうしユーザクレームも多いと思う。

◆ これと同じ事がソフトバンクモバイル携帯にも起こるのだろうか。インターネットアクセス者の少ないソフトバンクモバイル携帯の一等地に、黄色いマークと共にYahoo!と書かれたボタンが鎮座する。コイツを押すと専用ポータルに飛んで、いわゆるiモードのiメニューみたいな、ただしクローズなネットワークではないインターネットの世界にぶっ飛んでいくのか。iチャネルボタンのように、まれにしか使わない機能にならなければいいが。



トップ人事

(7/22)

◆ ライブドアの役員は技術屋ではなく金融屋だった。ドコモの社長は従来は技術系であったが現在は営業系の方だ。ライブドアの役員が金融屋だったのは、ライブドアがIT企業の風を装いながらも金融虚業によってその巨体を支えていたからだろう。実際、KDDIにしてもドコモにしても金融業への道を歩んでいる訳なので、ある意味ではライブドア化しているとも言える。と、同じ事を言われた孫氏は「ソフトバンクはADSL事業など、実業を行っていて金融だけではない」と反発したとか。

◆ ソフトバンクモバイルの役員人事も面白い。日本テレコムで強引営業や有印私文書偽造まがいのことをやって多くの加入者を騙した、いや、多くの加入者を獲得した営業畑の人間や、駅前などでモデムの袋を配りまくり、或いは勝手に他人の家に宅配便でモデムを郵送してしまい、無料だから使ってみませんかと言いながら、永久無料だと思ったら大間違いだゼ、おい、金払え!と加入者を増やしたYBBの営業を指揮した人材が名を連ね、更にはかつてNECでPC関連営業部隊を率いたという人も加わった営業色の強い役員構成になっている。
これは無理もない話であって、加入者数をプリペイド携帯で誤魔化し続けたvodafoneの実加入者数は1.2〜1.3千万人しかいない。vodafoneの場合はプリペイド携帯を1台出荷した時点で1新規加入とカウントしていたわけだから、それはつまり販売店の棚で眠っている在庫品も加入者に含まれているわけだ。

◆ vodafoneはドコモの前副社長を迎えて再建を目指したが、急激な経営改善には至らずにソフトバンクに売られていくことになる。確かに経営体制一新後は多少新規加入者数が増えはしたが、その代わりに顧客獲得費用が嵩んで純利益を大幅に低下させた。これはソフトバンクがモデムをばらまいて赤字に転落したのと似ている。
同じ赤字から順調に脱出したのは日産ではないかと思う。確かに最初の頃は少々もたついたが、やがて勢いを付けて業績をプラスに転じさせた。松下電器の中村社長も、2002年には5千億円以上の赤字にまで落ち込んだ同社を2006年度には5%近い営業利益を稼ぎ出すまでに回復させた。もちろんこれは時代自体が、経済自体が回復したのかも知れないし、もしかしたら中村氏以外が経営のトップを取ってもプラスになったのかも知れない。しかし結果が全てである以上、中村氏の功績が松下電器産業利益の元になったと評価されて良いだろう。

◆ 中村氏の功績はブランド価値を高めたことに尽きるとも言われている。Panasonicブランドの価値を高めることによってPanasonicブランドを冠した全ての商品の価値が高まると彼は考えた。Panasonicだから多少高くても良いと顧客が納得すれば、それはブランドの付加価値として会社の利益に貢献する。この商法はSONYが得意としていたものであったが、トリニトロンにしがみついていたSONYはパジェロ人気にあぐらを掻いていた三菱のごとく窮地に陥っていた。ここを突く形でPanasonicブランドを前面に押し出した中村氏は、ある意味運が良かったのかも知れない。フラットパネルテレビが売れ始めてきたSONYを前に、中村氏の跡を継ぐ形になる大坪氏の手腕が問われることになりそうだ。



雑誌

(7/21)

◆ 海水魚関連雑誌、ソルト&シーが休刊してからずいぶん日にちが経つ。ホチキス留めからスタートし、その後カラー印刷になり、製本され、年に4回程度発行されていた。私もほんの少しだけ紙面に出させていただいたこともあるし、ほんの少しだけ記事を書いたこともあった。が、予定の号が発行されない事態に陥り、それでも何とか次号を出そうとするスタッフからのメッセージがホームページ上に掲載されてはいた。掲載はされていたが予定の期日を過ぎても同誌がショップに並ぶことはなかった。
この雑誌の編集長は元々は熱帯魚ショップを営んでいたそうなのだが、過労などのために発病。店舗運営に支障があると言うことで雑誌編集を業とするようになったのだとか。だがゆっくり進行し編集長の自由を奪う病気に有効な治療法は無く(たぶん)、先日ホームページはどうなっているかなと見に行ったら消えていた。

◆ 殆ど更新もされていなかったページなので、ドメインの期限切れなのかも知れないし或いは閉鎖したのかも知れない。
雑誌の発行は収益的にもかなり厳しいと聞いたことがあった。カラー印刷や写真を多用した作りはコストがかかるのだろうし、その割に広告料を高くは取れないというか業界自体が小さかったのが原因だろう。しかも海水魚や無脊椎に限定した書籍の場合は販売数量が更に少なくなってしまう。週刊誌ほどの厚さとページ数の熱帯魚関係誌があるのだが、この本は初心者向けの一般的なもので読者の投稿によるページなど、金のかからない編集を行っている。だがその売価は720円(今はもっと高いかも)なのだ。

◆ 雑誌は販売数量が多くても少なくても儲からないという。発行部数が少ないと広告料が高く取れないので儲からないし、流通しないから広告を出そうとする企業も少ない。発行部数が多くなると広告費は高くは取れるが無限に高く取れるわけではない。その業界の基準とか発行部数とかでだいたい決まってしまう。例えば50万部から99万部まで広告料が同じだとすれば、発行部数を50万部に抑えた方が出版社は儲かるらしい。ようするに雑誌代は原価にもなっていないと言うことだ。
自動車雑誌などはそこそこ書店に並んでいるが、売れ行きはどうなのだろうか。若者の自動車離れが叫ばれているが、それら特定の雑誌を買う固定層が存在しているのだろうか。

◆ 前述熱帯魚雑誌に比較すればカーグラフィックなどかなり安い価格だと思う。あの値段で、どうやったらあの本が作れるのだろう。長期テスト車両を買うコストも必要だろうし、それを各スタッフや車を置いておくためのスペースだって必要だ。二玄社もカーグラフィックだけを作っているわけではないので、他の雑誌の売り上げでホクホクなのかも知れないけれど、それにしても赤字で本を作ることはあり得ないと思う。確かに広告料は高いし審査はあるしで厳しいのだが、でもべらぼうな価格と言うことではない。うーん、ちょっと不思議。



ガソリン価格

(7/20)

◆ 原油高によって米国内のガソリン価格も上がった。
上げ率は日本より大きい感じで、従来の2倍近い単価になっている所もある。絶対的価格は日本よりは安いが、その差は余りなくなってきているのだ。こうなると燃費改善グッズ屋が頭角を現し始める。どこの国でも儲けたいと思う奴らはいるわけで、日本国内にしても前年同月比二倍の売り上げだとグッズ屋は言っていた位なのだ。で、米国でもそんな詐欺まがいというか詐欺そのものというか、何かを取り付けたり何かを燃料に混ぜたりすると燃費が2割も良くなっちゃって3割もパワーが上がるという、とんでもない代物が売られる。
冷静に考えれば解るだろうが、3割もパワーが上がったら発熱量だって増えるわけだから冷却系やトランスミッションなどへの負荷は無視できなくなってくる。何せ300馬力の車が390馬力になるのである。

◆ 米国ではそんな詐欺商品を作り或いは売っている業者の取り締まりを始めた。米環境保護局はこれら怪しげグッズのテストなどを行っているが、今までに何一つとして(謳い文句のように)有効な結果を出せたものは無かったとしている。そればかりか有害排出物質が増えるなどしたために販売中止命令を出したケースすらある。
最近話題になったのはバイオパフォーマンスと称されるもので、3割の燃費削減と5割の有害排出物質削減を謳っている。が、これはネズミ講的販売方法をとっていた事もあってテキサス州から訴えられたことで有名?になった。

◆ 米国で販売が差し止められると、それはやがて日本に入ってくる。テフロン(PTFE)系オイル添加剤が良い例だ。多量在庫を抱えて、でも米国内で販売できなくなった品々を処理するのに日本はベストなマーケットと言うわけである。おそらくこれら米国産の怪しげグッズや日本産のオカルト商品は、よりマーケットの大きな中国へも輸出されていくことだろう。
もっとも中国で売れ始めたとたん偽物が蔓延して本家は商売にならなくなるだろうとは思うのだが、元々が詐欺的商品なのだからどうでも良いことだ。

◆ 以前ここで取り上げたことのあるブルースカイという灯油に何かを混ぜたものは今も売られている。最初は触媒だの酵素だのという話だったものが、最近では低摩擦(燃料添加剤なのに?)を謳うなど、オカルトグッズ業者特有のめちゃくちゃ理論満載である。BBS3に宣伝書き込みをしてきたエンジン洗浄業者も活躍しているのだろうか。この手は米国でも行われているが、百害あって一利無しとまで言われるようにトラブルの発生が多いそうだ。日本人は比較的おとなしいので文句を言わない人もいるのだろうが、訴訟大国のアメリカでは色々問題にもなるのだろう。

◆ グッズ業者の能書きには「特許」(効果があってもなくても発明であれば取得可能)「特殊」(特殊なもののその内容が説明できない)が並ぶ。これ以外にも素人を騙すのには適当なのかも知れないが、多少知識のある人からすれば?????な理屈がカタログを飾っている。でも、でも騙される人が居るわけですよ。そこがグッズ業者のねらい目であり、グッズ販売店のずるさなのだけれど。



3G(5)

(7/19)

◆ ドコモはインセンティブモデルを変えようとしている。移動機価格の上昇より利益確保によるサービスの向上を選ぼうとしている。対するauは全く逆にMNP対策予算を計上するなどして積極的に加入者を増やす作戦だ。このどちらに軍配が上がるのかは年末になってみないと解らない。
鳴り物入りのHSDPAも一般ユーザにとっては余りメリットのないものなのかも知れない。その一方でドコモ主導で開発が行われたシステムなのに、HSDPA導入では韓国に後れを取るという失態も演じた。一つはR99対応のBTSが未だ多く残っていること、フィールド実験などの日程が厳しかったこと、移動機の電力消費量や動作速度(通信速度ではない)のチューニング問題などが山積していたからだ。

◆ では何故韓国でHSDPAの商用サービスが先に行われたのか。それは移動機メーカの強さであり基地局メーカの努力があったからだと思う。最初に書いたように、日本の場合は事業者主体のビジネスであるため、全ての責任が事業者に覆い被さることになる。電池の保ちが悪いのは移動機のせいではなくて事業者が悪いと。もう一つはエリア展開の問題だ。日本の市場は特殊で「使えない場所」をユーザは許してくれない。とは言ってもHSDPAは当初都内近郊でのサービスに留まる訳だが、エリア内のどの場所においてもHSDPAの恩恵を受けられなければ負の評判が蔓延する。ここにもドコモの悩みはある。鳴り物入りで登場したFOMAの初期段階と同じ事がHSDPAで起こって貰っては困るわけだ。
auにしてもcdmaOne導入当初はモトローラのエンジニアが手取り足取りauを指導したわけだし、その後もシカゴ詣(もうで)を何度も行って技術を習得していった。こうしてcdmaOne本来の性能が得られたわけだが、運用部関係者に「CDMAは生き物のようだ。放っておくとすぐに死んでしまう」と言わしめた。実際セルラーグループの設定に比較してIDOグループのある信号の設定が数dB違っただけなのに、IDOグループのcdmaOneは使うに耐えないほど切断が多く発生し、電池の保ちが悪かったという。

◆ ドコモの導入するHSDPAの悩みは、奇しくもauがcdmaOneの導入からHDR(EV-DO)に切り換えるときの苦しみと似ている。ただしauはEV-DOを前面に出さずに何となく性能向上を果たしたところに成功の鍵があった。3Gという名称すらauは余り使わなかった。対するドコモはHSDPAのパフォーマンスを前面に出す方法をとっている。既に一部のHSDPA対応コンテンツも発表はされているが、果たしてこの需要はどんなものなのだろうか。HSDPA対応機の最初はN902iXとなり、夏野氏が「ガンダムで行ってくれ」とNECに注文したという、おかしな外観のモデルだ。これの発売予定は8月であり、需要が見えてくるのは年末と言うところだろう。

◆ 2強+1のソフトバンクモバイルもHSDPAサービスを始めるが、こちらは基地局メーカ主導なのでドコモとは幾分やり方が異なる。基地局メーカは基地局を売るのが仕事であって、効率的な利用や効率的なエリア設計は基地局商売と相反する面がある。孫氏がドコモ以上の基地局数にすると言っているのは、要するに効率的なエリア設計が出来ないからだとも言える。そもそもドコモの1/3以下のトラフィックなのだから、ドコモよりずっと少ない基地局数で同じエリアカバレッジを得られても良さそうなものだ。CDMA方式は基地局(セクタ)あたりの収容加入者数が多くなるほどセル半径が狭くなってくるからだ。



3G(4)

(7/18)

◆ auのパケット定額制にドコモは焦った。本来であればHDR(EV-DO)と同じような方式であるHSDPAのサービスが開始されてから定額制に踏み切る予定だったのだが、HSDPAはまだ先である。しかし勢いづいているauには対抗しなければならない。そこで仕方なくパケット定額制を導入することになる。が、これがFOMAへの移行を加速させる要因にもなったのが皮肉だ。movaのパケット単価が高いことにうんざりしていたアクティブユーザがこぞってFOMAへとシフトしていった。FOMAユーザが増えれば移動機も売れるようになり、メーカも開発に力が入る。
サービスエリアの穴埋め対策や細かなチューニングにも力が入るのでサービスの質も向上する。auがcdmaOneを導入したときと同様に、加入者数の増大が品質の向上をもたらした。そして更なるエリア拡大を進めようとしたドコモは800MHz帯の一部、5MHz幅を使って山間部などを中心にエリアを拡大しようと画策した。

◆ 本来ならば901iが2GHz/800MHzのデュアルバンドになる予定だったのだが、ここにソフトバンクの妨害工作が入る。ADSL事業の先行きに不安を感じたソフトバンクは移動体通信事業に参入したいと考えたわけだが、技術も持っていなければノウハウもない。何が出来るのかと言えば既存事業者の妨害をすることだ。ちなみにドコモは千人程度の開発要員が居て、年間400億円くらいの開発予算がある。auは人員や予算もドコモに遠く及ばないが、開発要員がゼロと言うことではない。が、ソフトバンクはゼロだったのである。折しも新規参入事業者への周波数割り当て議論が白熱する中、ソフトバンクは800MHz帯が貰えなければ事業が出来ないくらいの勢いで難癖を付けた。

◆ 対するauの方は800MHzをメインに使っていて、2GHz帯は東名阪を中心に使ってはいるがその数は少ない。
従ってソフトバンクが難癖を付けようが、既に3Gサービスを800MHz帯で行っているauには無関係だったと言える。800MHz帯を使ったサービスエリアの広さや若者のニーズを捉えたサービス、市場規模拡大に伴って頑張る移動機メーカと、全てがよい方向に作用した結果、auは新規加入者数で毎月のようにドコモを上回り収益を上げていた。ドコモはと言えば新たなサービスで顧客獲得を行おうとするものの、今ひとつピンと来ない感じでauには水を空けられている。ドコモ関係者に「流行ったのはドコモダケだけだ」と言わせるように、ピントのずれたサービスばかりが目だった。

◆ ドコモが強力に推し進めるおサイフ携帯も、Felicaチップ(SONY製)の馬鹿高い価格に、一時は計画自体が無くなりそうになった。が、トップ会談を経てSONYとの共同事業という形を取りましょうみたいな事で現在に至っている。ただし廉価版である70xシリーズにFelicaが搭載される機種は限られ、これも価格に大きなインパクトがあるからだ。余り使われていないTV電話機能はほぼ全機種に搭載されるのに、Felica対応機少ないところにSONY代が見えてくるだろう。auもFelica対応機種は発売しているが、ユーザのニーズがそれに余り向いていないこととSONYに無駄金を払いたくないという点でFelica搭載を見送る移動機も多い。
もしもメモリスティック対miniSDのように、他社がオープンな規格でRF_IDを作りそれがau機に搭載されたならば、SONYのFelicaは早い時期に姿を消すことになるだろう。
続く…



3G(3)

(7/17)

◆ 海外の移動機や基地局やデバイスメーカは、独自に仕様や規格を考案して事業者に売り込みに行く。その企画が事業者で採用されればメーカは多くの利益を得られることになる。だが日本の場合は少々事情が異なる。新企画や新仕様の開発は事業者メインで行われ、その仕様に基づいた移動機を各メーカが作る流れなのだ。メーカは事業者がコミットした数量の移動機を作り、移動機価格に開発費を上乗せする形で利益を出していく。従って売れない移動機は開発費分が沢山乗ることになって価格が上がるが、そもそも作った移動機が50万台程度しか売れないのでは商売が成り立たないのである。
それでも4桁品番のFOMAはメーカの努力によって何とか形になった。当初は消費電力などは二の次であって、とにかく通話できるように、安定した通信が出来るだけ長続きするようにと考えられた。

◆ FOMAに異変が起こるのは900iの登場からである。FOMA人口が少しずつだが増加し、移動機開発や企画がiモード部隊に移されたことによってPDCチックな移動機の開発がスタートしたのだ。ドコモは売れないFOMA対策費として各メーカに50億円のカネをばらまいた。
通信制御フローその他の部分も安定してきたし新たな低消費電力型のチップも開発された。仕様に関してもPDCを超えることを目標に開発が進むことになるが、ドコモの夏野氏が拘ったのがゲームだった。松下通信(現PMC)製の移動機にもゲームを乗せることになったが、実はここでも大いなる苦労が待ちかまえていたのだ。一つはパフォーマンスが上がらないこと、もう一つは動作の安定性が確保できないことだ。ゲームメーカは「こんなプアな移動機にゲームを乗せたら、ゲームメーカとしての信頼に影響する」と、開発を嫌がったくらいだ。だが何としてもゲーム機としてFOMAを仕上げたかった夏野氏は、発売時期を遅らせてもチューニングを進める(実際、発売時期は遅れることになった)方針をとった。

◆ auは業界初のパケット定額制に踏み切る。パケット単価が安く設備費用も余りかからなかったHDRによってパケット定額制を採り入れることが出来たのだ。パケット定額制がネットワークに与える負荷はどうなのか。auは全加入者数のたった5%が全帯域の80%の負荷をネットワークに与えていると分析する。従ってこれへの対応も行う必要があった。すなわちヘビーユーザをそもそも排除するためのパケット量の制限と、パケット負荷の大きなユーザへの伝送速度順位を下げる工夫である。これによってヘビーユーザほどパフォーマンスが出なくなることになり、全ユーザに平等なサービスを提供することが出来るとauは言っている。そしてこの定額制や高速通信を活かしたのが着うただ。
J-PHONEからvodafoneになって元気がなくなり、10の約束すら守られない事に反旗を翻したユーザが離れていく中、auは順調に加入者を増やしていくのである。それまでは安いイメージで売っていたauだが、定額制が適用されるWINからは学割を廃した。が、アクティブユーザである中高生はauからは離れなかった。
続く…



3G(2)

(7/16)

◆ auのcdmaOneを脅威を感じたのか、ドコモはFOMAの宣伝を開始する。ドコモが今後行おうとしているサービスは凄いですよ〜みたいな感じ。この頃未だ商用サービスへの道筋はハッキリしていなかったが、もはやcdmaOneを前にPDCでは戦いづらいと感じていたのかも知れない。逆にauの方にも悩みはあった。モトローラの元気がなくなり、それまでのマイルストンではHDR(現EV-DO)1Xや3Xに関するシステム拡張がアナウンスされていたのに、これを一向に進める気配がない。このままではFOMAに負けてしまう。auの上層部の多くがそう思ったに違いない。

◆ auではこのままcdmaOne(後のcdma2000)で行くのか、いっそのことW-CDMAに鞍替えした方が得なのではないかとの判断に迫られていた。W-CDMAを選べば(ドコモが)国際標準としてくれたわけだからデバイスや移動機価格の面でも有利に違いない。いつ機能拡張が行われるのか解らないcdmaOneにしがみついていることが本当に得策なのだろうか。
しかし投資効率を考えると容易にW-CDMAへの道は歩めなかった。そこでクアルコムと情報交換するなどによりHDR導入に踏み切ることになる。この時には価格の高いモトローラ製のBTSからエリクソンやサムソンと言った「価格が一桁違う」BTSへの入れ替えも行われることになるわけだ。が、cdma2000(cdmaOne)導入には政治的背景もある。もしも、もしもauがcdmaOneを導入していなかったとしたら、日本には米国発の事業者が存在していることになっていたかも知れないからだ。

◆ 営業はHDR(EV-DO)の高速性を売りにしたいと言うが、以前の苦い経験を元にコンテンツの充実が先だとの意見で社内は一致した。しかしコンテンツ拡充と言っても容易に出来ることではない。魅力的コンテンツは何なのか、適正なコストはどうなのか。ここでパケット代にも話が及ぶことになる。
高速通信を活かした大容量コンテンツはパケット代も短時間のダウンロードで跳ね上がる。これをユーザが許容してくれるとは思えなかったからだ。

◆ ドコモは国際標準化のための仕様変更を余儀なくされ、このために当初の試験サービス提供開始時期を送らせなければならないという苦境に立たされていた。それでも何とか試験サービスにこぎ着けるわけだが、これはcdmaOneを導入したauと同じように通話や通信の安定性が確保できずに苦しむこととなり、もしかしたらFOMAは実用的なサービスに至らないのではないかとさえ考える人が居た程のものだった。国際標準と言いながらも、実は5つある標準規格の中の一つに過ぎないという点も不安材料だった。もし他国の事業者が他の標準案を採用したならばドコモは孤立してしまう。これを避けるため海外事業者に投資する事になるが、後にこれは「1兆円をどぶに捨てた」と言われる損失につながることになる。
ドコモが苦しんだもう一つの理由は移動機だった。
次世代携帯電話であるFOMAをアピールするためには、それまでのPDCより高い性能を謳いたかった。
しかし通信処理だけでも大変なのに、505相当の機能を載せるのは無理だとメーカからは言われた。
折しもPDCの504/505が売れている時期でもあり、移動機メーカはPDC機開発に力を入れたかったのである。売れないFOMA、将来性も見えてこないものに多額の開発費をかけるより、作れば売れるPDCに力を入れたい。メーカがそう思うのも無理はない話だった。
続く…



3G(1)

(7/15)

◆ 現FOMAの開発が始まったのはPDCが商用サービスを開始した頃だったという。アナログ携帯電話にしてもPDCにしても日本独自の鎖国仕様だったわけだが、FOMAの開発にあたってはこれを国際標準にしたいとの思いがドコモにはあった。裏を返せば他社の推奨する規格に乗るくらいならばオリジナル仕様を自分たちで作ってしまおうとの思いが強かったのかも知れない。当時からドコモは(将来的には)通話から通信にシフトする時代が来ると感じており、高速通信と電波利用効率の高いシステム作りを行うことにした。これが後のドコモ方式WCDMAとなるわけだが、標準化が進まずに関係者は頭を悩ませる。結局ドコモ方式の実証実験から、そのままの仕様で商品化を行ってしまおうという同社の計画は頓挫し、標準化に当たってはチップレートなどの変更を伴う大幅な仕様変更が行われることになったわけだ。それでもやっと日欧標準として知名度を上げたのだが、ITU勧告時になってcdmaOneグループをはじめ、中国やドイツまでも別案を提示するなど、結局は5方式が標準案として採択されるという、一体何が標準なのか解らない展開となった。

◆ auはこれより早くcdmaOneを導入している。当時ドコモの後を追ってPDCにしがみついていては絶対にドコモより前を歩くことは出来ないとの思いがあった。だからといってau(当時はセルラーグループやIDO)社内にシステム開発が出来る人員が居るわけでもなく、例え独自のシステムを構築したところで移動機メーカがそれに乗ってくれるかすら不明だった。
そこでauが選択したのがモトローラと組むことである。当時は今よりもずっと元気のあった、しかも資本関係のあるモトローラ推奨のシステムを導入することでドコモより先を行けないだろうかと考えたわけだ。当時既に米国ではcdma方式での商用サービスが行われており、その安心感もcdmaOne導入を手伝った形になったのだろう。

◆ しかし新方式の導入は簡単なことではない。エリア展開を始めとし、様々なトラブルがauを襲うことになる。それまでCDMA方式など経験したことの無かった同社にとって、エリア設計や通話品質確保など、やるべき事は山のようにあったし、その間にもつながらないとか通話中に切れてしまうとかのユーザクレームが押し寄せてきた。しかし導入から1年もするとそこそこ安定にサービスが出来るようになってきた。cdmaOne導入当時は(当時の)J-PHONEにも加入者数で後れを取るほど人気の無かったauで、料金は安いが品質も悪い携帯としてのイメージが定着していた。しかしcdmaOne導入を機に、その高速通信(64Kbps)を宣伝材料に再起を図る。が、これも失敗に終わることになる。高速通信を活かすコンテンツが何も揃っていなかったからだ。

◆ その頃ドコモはiモードサービスのヒットで、移動機の新機種発売日にはドコモショップの前に行列が出来るほどの勢いだった。iモードサービスのヒットはiモードサイトを増やし、その正帰還によって更にiモード人気が高まるというポジティブスパイラル状態だったのだ。だがauのcdmaOneにはパケット通信の概念が無く、この点でも苦戦を強いられることになる。ただし同期型基地局を使うcdmaOneはロジック処理が比較的楽だった。対する非同期基地局を使うFOMAはこの点でも苦労を強いられることになり、満足なハンドオーバさえ当初は出来なかった。何故そこまで非同期に拘るのか、それは将来的に必ず必要となる屋内中継局や張り出し型の超小型BTSを意識したからだった。
続く…



先細り

(7/14)

◆ ADSL加入者の減少が加速してきた。NTT東西の推すFTTHが人気のためで、ひかり電話と合わせれば加入電話+ADSLとさほど変わらぬ料金で利用できるのが魅力だ。ADSL業界では最大の加入者数を誇るYBBにも危機感はあり、FTTHでのサービスも行ってはいるものの料金にお得感はなく、YBBから低価格を取ったら残るものはないというわけで加入者は伸び悩んでいる。ADSL加入者減によるバックボーンの空き帯域をソフトバンクモバイルに使わせるとは言うが、これとてそう簡単には実現できない。

◆ そこで次なる施策はFTTRと呼ぶ、Bフレッツマンションタイプのような仕組みだ。すなわち電柱までは光でフィードし、加入者宅までの線をメタルにするというもの。屋内配線をメタルにすることによってコストを抑えるというのだが、屋外に設置することになる光ーメタルコンバータのコストの方が高そうな気もする。
最大通信速度は100Mbps程度を予定しているとのことで、実証実験を経た後でサービス提供開始になる。
100Mbpsの伝送速度を有するメタルを引っ張る事によるノイズの輻射など大丈夫なのだろうか。これはLANケーブルにも言えることではあるが、一応LANケーブルは屋内に引っ張られていると言うことで。

◆ ソフトバンクはvodafone買収で金も使っているし、ADSLの普及活動的悪徳強引営業は資金的に出来ないかも知れない。考えられることと言えば、日本テレコムやvodafoneユーザにDMを送りつけてFTTRに加入させる事だろうか。逆にYBB加入者にはソフトバンクモバイルに加入しなさいと営業する。YBBに加入して日本テレコムのサービスも受けて、ソフトバンクモバイルにも加入する人は○%お得ですよみたいなセット商法はお手軽で効果が高そうだ。この手はauもやっていたような気がする。auのケータイとKDDIの何かのサービスに入るとお得、みたいな感じ。

◆ これらFMC作戦は当たれば大きいと思うのだが、各事業者共に難しい問題を多く抱えていてあまりうまくは行っていない。究極的にはワンナンバーサービスのようになるのだとは思うが、固定電話と移動体通信のシステムの違いや課金方法の違いなどをどこまで吸収できるかが問題となる。と言ってもYBB的にはIP電話を推進したいだろうし、IP電話から回線交換へのGWには日本テレコムを使うとしても、移動体通信の方をVoIPに出来るか否かも鍵となる。下手をすると巨額の投資の割にはユーザが付いてこないとか、思ったように低価格化が出来なかったとかのリスクも考えなければいけない。

◆ ADSL事業で大赤字を計上し、設備投資が一段落して利益が出始めると次なるシステムへの遷移の時になるというのは成長事業の常である。しかしソフトバンクはADSLによる利益確保を重視したが為にFTTHには明らかに乗り遅れた。ソフトバンクモバイルの方もこれは同じで、3G基地局を基地局メーカからの借金で増設し、その謝金返済が終わるのが数年後。ここから利益が出始めるという頃に、ライバル2強はスーパ3G、ウルトラ3Gへと進む時期にさしかかる。



S2000

(7/13)

◆ 頭文字Dの4thStageの最終版?を観た。ハチロクはS2000と対決するのだが、さすがに最近の車と戦うにハチロクは役不足だろう。エンジンをチューンしたところで250馬力が精一杯だろうし、そもそもボディーやサスペンションの古さは否めない。走行シーンに合わせてチューニングが出来る自由度の点ではメリットがあるというものの、最近ではパーツ類の入手も困難になってきたと思う。更にボディーやサスペンション剛性、トレッド幅に対するホイールベースなどの基本的ディメンションも不利に働く。
いくら乗り手が素晴らしくても、ハチロクの戦闘力そのものの限界は如何ともしがたい。頭文字DでもS2000には負けるのだが、S2000のドライバーには勝つ(?)感じになっている。ま、未だ見ぬ人のためにバラすのはやめておこう。

◆ S2000とほぼ同じボディーサイズの車にマツダロードスターやメルセデスSLKがある。最も全長の短い車がロードスター、次にSLKでS2000が最も長く4135mmだ。
幅やトレッドが最も広いのはSLKで全幅1810mm,最も狭いのがロードスターの1720mmでS2000よりも3cmだけ狭い。いずれにしてもボディーサイズは似たようなものだ。車重が最も軽いのはロードスターで1.1t前後、S2000は1.2t前後、SLKは1.5tと最も重い。
SLKは自動開閉型ハードトップであるバリオルーフが100Kg近く占めていると思う。更にエンジンが国産車より50Kgは重く、ブレーキも重く、後は補強材などの重量だろう。エンジンパワーはロードスターが170馬力、S2000が245馬力、SLKはモデルにより163馬力から400馬力まで選択できる。10モード燃費はロードスターが最も良くてS2000とSLKは似たようなもの。ただし国産車が10・15モード燃費チューンを極限まで行っているのに対して、輸入車はそれをしていないために実用燃費はSLKの方が良さそうな気がする。

◆ 価格はエンジン出力に比例?みたいな感じだろうか。
ロードスターの価格の1.5倍がS2000で、その又1.5倍がSLKという感じ。ロードスターやSLKは普通に乗れる感じだが、S2000(旧型の場合)は低回転域がスカスカな感じがして、ちょうどNSXのエンジンみたいだ。
マイナーチェンジ後は低回転方向にチューニングされたが、代わりに高回転のキレが失われたと嘆くファンもいる。
SLKはブレーキや剛性感は充分だが、振り回すには重い。軽さという点ではロードスターで振り回して楽しい車と言えそうだ。おそらく腕の立つ人が乗ったならば、峠やサーキットではS2000が最も良いタイムを出せるだろう。

◆ だが、最近の若者は車に対してあまり興味を示さないし、下手するとワンボックスカーなどに乗っているから走行性能などどうでも良いのかも。S2000やSLKになると価格もそれなりなので、若い頃に暴れ回ったというオジサン連中のセカンドカーとしての需要が主になっているのか。ま、たまに若い女性がS2000等に乗っていておやっと思うこともあるが。



増えた基地局

(7/12)

◆ MNPを戦い抜くと言ったソフトバンク、MNP対策費用として数千億円を計上しているauに対し、ドコモは特別な施策は打たないと公言している。
これが自信なのかあきらめなのかは微妙なところだが、派手なプロモーションを打たない(と思われる)代わりに、質実剛健路線で動いているかのようにも見える。
この現れが基地局の急速な増設だ。現時点でもmovaのエリアカバレッジと同等だとドコモは言うし、今年度末には更に基地局を増設して穴埋めをする一方movaを超えるエリアを確保するという。

◆ 確かに私がFOMAを使いはじめた1.5年前より、確実に使えるエリアは広がっているし、エリア内のビルの中など従来は圏外だった場所でも使えるようになってきている。この辺りの細かな対策が功を奏したか、エリアに関する不満は以前ほど聞かれなくなった。基地局を増設するのはエリア展開のためばかりではない。今や全加入者の半数以上がFOMAユーザとなった訳なので、セル半径を小さくしていかないとトラフィックをさばけなくなってくる。CDMAだからいくらでもユーザを入れられるかと言えばそうではなく、S/N比の問題やコード干渉などもあるのでセル設計は重要になってくる。

◆ 800MHz帯を使ったプラスエリアも地方部では威力を発揮し始めている。例えば能登半島など、800MHzのエリアがかなり広い。とは言っても800MHz帯で使えるのは5MHz幅だけ(835MHz/880MHz)だと思われるので多くの加入者を収容することは出来ない。2GHzよりセル半径を大きくしやすい800MHz帯なのだが、許容収容者数がその分減少する事になるわけだ。800MHz帯が満足に使えるようになるのは2012年以降で、その時のドコモの加入者数はどうなっているのか?果たして今更800MHzなのかと疑問もないわけではない。
現在ドコモは800MHz帯(都市部などでは使えない)と1.7GHz帯、2GHz帯を合わせて25MHz幅を持っている。800MHz帯は全国で使えるわけではなく地方部がメイン、1.7GHz帯は逆に東名阪でしか使えない。この25MHz帯域の中に2500万人のFOMAユーザを収容しているわけだ。

◆ ソフトバンクは2GHz帯に15MHz幅を割り当てられているが、そこに収容している加入者はたった370万人だ。ただしLOVE定額によるトラフィック増は大きい。LOVE定額による新規加入者がさほど見込めなかった上に既存加入者がどんどんLOVE定額に申し込んだために、売り上げにつながらないトラフィック増が起こった。基地局増設はこのトラフィック分散の意味もある。と言うか、現状のままでは高品質なサービスが継続できないのだから仕方ない。
ソフトバンクはADSL用のバックボーンを使うと言っているが、データトラフィックが増えるとますます無線区間が混んでくる。しかも現状ではADSLのバックボーンに音声を流すことは難しい。BBフォン並みの品質で良ければVoIPも不可能ではないと思うが、一般の携帯ユーザはそこまで割り切ることは出来ないのではないだろうか。ま、IP電話間との通話が定額とでもなれば話は別だろうが。



基地局は増えるのか

(7/11)

◆ ソフトバンクは今年度内に基地局数を4.6万局に増やすと言っている。国際ローミング範囲は広いが、肝心の日本では使いにくいと言われるvodafoneのエリアカバレッジ拡大が目的だ。そして「今年度中には良くなりますよ」と公言して顧客流出を防ぐ目的もある。では実際に基地局数をスムーズに増やせるのだろうか。ドコモは用地確保が一番の課題だと言っていた。用地さえ確保できれば基地局を設置することは可能になるが、電磁波公害問題や街の美観問題など複雑だそうだ。そのドコモもFOMA比率が50%を超えた現状から、今年度内に1.4万局を増設するという。現状のPDC基地局はおよそ1.6万局、FOMA基地局は(PDCとの共用が多いが)約3万局だ。

◆ 携帯電話基地局は、ただそこに建てればいいと言うものではない。エリア設計やセル設計を行わなければ効率的なサービスが行えないからだ。
その為に建設場所が限られ、用地確保が難しくなるし金もかかる。ドコモは1.4万局の増局を含めた設備投資のコストを9千億円前後と見ている。
PDC時代の基地局単価の平均が1局あたり5千万円と言われていたので、FOMA基地局も似たようなコストなのだろう。
一方のソフトバンクは2.3万局以上を増設しなければ公約である4.6万局に達しない。これにかかるコストはドコモより当然多くなると見るのが普通なのだが、孫氏は4千億円程度でこれを片付けるとしている。しかもベンダーファイナンスを使うと言うのだが、それは可能なのだろうか。確かに基地局内設備のコストはずいぶん下がってきているが、2.3万局を4千億円で作るとすると1局あたり1,700万円にしかならない。BTSは節約仕様ならば買えると思うのだが、それ以外にだって鉄塔やアンテナやネットワークや電源のコストも必要だ。ここでも孫氏は加入者数の減りつつあるYBBの線を使うから安価に出来ると言うが、ネットワークをIP化するにはそれなりに金もかかるし難しい問題も出てくる。現状でIP化によるコストダウンと通話品質を両立させることは難しく、オマケに帯域も余計に食う。

◆ ソフトバンクは秋口をめどにHSDPAも始めたいと言っている。ドコモが今月か来月には商用サービスを始めるし、韓国では先月からHSDPAが始まっている。となればソフトバンクも行わざるを得まい。ここまでネットワーク強化を行ったとしても加入者数が増えなければ運用コストが出ない。民間の調査会社によれば、ドコモから500万人が、auから200万人が、ソフトバンクからは240万人が流出し、それぞれが違った事業者に再加入すると思われている。ここで流出者以上の新規加入者を獲得できれば良いのだろうが果たして。

◆ 基地局増設費用を基地局メーカに持たせるというか、分割払いでこれを支払う形になるから借金だ。
当初vodafoneは3年計画で基地局増設を行うというノンビリした計画だったが、人口カバー率だけ高くても穴だらけと言われたサービスエリアに手を入れなければ顧客減少が食い止められないと見たソフトバンクが採ったのが借金方式だ。だがしかし、借金返済に3年か5年かかかるとすると、その頃には3.9Gや或いは4Gの試験サービスが始まる時期になる。今や斜陽のADSLや進化をやめたツーカーのような道筋を辿りはしないのだろうか。
続く…



子育て

(7/10)

◆ 少子化傾向が止まらない。政府は様々な対策案を出してくるが、本質的な問題解決にはなっていないような気がする。補助金などにしても、補助金が出る分だけ他の税金が値上げされたりするのだから結局余りお得感はない。保育園や小児科医や産科は不足していて、保育園に入れたくても入れられない待機児童も多い。でもこんな時には役人になったらいい。一部の官庁には役人専用(とは謳っていないが)保育園があって、きわめて安い料金で長時間保育を行ってくれる。

◆ 幼稚園にしても料金は高めになっていて、月額5万円以上が普通だと思う。横浜市には公立幼稚園が存在しないはず。公立保育園もあるが、これは順次民間委託へと変更するそうだ。民間となると本当に色々な手間や金がかかる。保育園に子供を預けてパートに出ようかと考えているお母さんもいるかと思うのだが、そのパート代の大部分は保育費用その他で消えてしまう。幼稚園にしても、時間外預かりをしてくれるところはあるが、相応のコストは必要だ。これ以外にも幼稚園までの交通費などを考えると、子育ての負担は更に重くなると言える。

◆ 見せかけの補助金や減税などを行うよりは、保育園や幼稚園の公立化を進めた方が小さな子供を持つ家庭にとっては有り難いのではないかな。無駄な箱物事業にカネを突っ込むのなら、その箱の中に保育園なり幼稚園なりと小児科と産科でも収容すれば無駄にはならない。でっかい箱物なのだから、その内部の広いフロアを子供の遊び場として解放したって良い。デパートなどにある遊び場スペースが子供は大好きなのだから。この程度"箱"を使ってもまだまだスペースは余っているだろう。
公立の塾計画なんてのがあったが、それも収容しちゃっても良い。で、これらは全部税金でまかなわれる。無駄金使いまくりの社会保険庁などの役人は子供のオモチャとしてサンドバッグ代わりに使うとか、こうやって有効利用しないといけないと思う。

◆ 住宅問題だって考えなければいけないだろう。マンションなどだと階下に降りるのが面倒だと言って親自身があまり外に出なくなり、すると当然ながら子供も出なくなる。もっとも外に出たところで都心などでは遊ぶ場所すらないとは思うが。そこで新幹線大好き政府としては、子育て支援のための地方都市と、そこと都心を結ぶ新幹線を作るか在来線に特急を走らせる。もちろん特例料金が適用されるので電車代は格安で、子育て支援地方都市から都内への通勤だって苦にならない。子育て支援地方都市は子育て家庭を対象に住民税をゼロとして戸建ての家賃も「公務員宿舎並み」の破格で提供される。交通の不便な子育て支援都市では自動車税や重量税も軽減される仕組みにする。
と、ここまでやったって年間千億円はかからないと思う。社会保険庁をつぶせば捻出できる金額だ。
もっと大がかりな事業だって良い。天下り特殊法人を2割減らせば1兆円が浮くのだから。



トヨタとドコモ

(7/9)

◆ トヨタとドコモの共通点は何か。巨大企業である両社の悩みは若年層離れなのだとか。自動車産業に於いては小中学生が顧客になることはあり得ないが移動体通信事業はそうではない。だが、自動車産業にしても移動体通信事業にしても、若年層を取り込めなければ将来は暗くなることに違いはない。例えば若者に今ひとつ人気のないトヨタ車だが、その若者が30代或いは40代となったときに果たしてトヨタ車を選ぶだろうか。若い頃に乗った(例えば)トヨタ車が強力なインパクトを持っていたとしたら、落ち着いた年齢になってもトヨタ車に対する見方はポジティブになると思う。

◆ ドコモもこれは同じだろう。アクティブユーザである中高生に支持されなければ、加入者の平均年齢はどんどん上昇し、やがて加入者数は減少に転ずる。人間の寿命は有限なのだ。
auは学割などをはじめとした、中高生にも持てる価格を前面に押し出してきた。オトナから見れば安っぽいイメージは拭えなかったが、その頃の中高生が大人になった今au支持率は上昇している。
ドコモはゲーム路線で中高生を牽引しようとしているが、必ずしもそれが成功したとは言えない。むしろauの推す音楽機能の方が若者ウケしている。これを追うドコモも最近のモデルでは音楽機能に力を入れ始めたものの、auの二番煎じ的なイメージは拭えない。

◆ トヨタは若者向けに尖ったクルマを作っていた時期もあったが、それとて今ひとつ支持は得られなかった。トヨタというそれ自体のブランドイメージの古めかしさを払拭するだけの魅力がなかったのかも知れない。若者向けのクルマは安価でなければならず儲けが少ない。対してレクサスブランドで展開する高級車路線なら儲けは大きくなる。
その儲けで若者向けのクルマを開発すれば良いのだろうが、どうも迷走状態だ。ドコモも全く同じであって、DCMXminiは中学生をターゲットにしたと言うが金融部門で子供を相手にしたって料金を支払うのが親である以上、ビジネスモデル自体に少々無理があるような気がする。

◆ auのように多種多彩な移動機を作るのならまだしも、中高生向けとドコモが謳うモデルばかりを出しているとメインユーザである30代、40代のオトナが離れてしまう。そこで老人向けとかオッサン向けの移動機も出しましたよと言うのだが、"いかにも"的なモデルの売れ行きは芳しくない。
今はトヨタとドコモが若者離れに危機感を感じているが、もしかしたら数年後にはauにも同じ事が訪れるかも知れない。そうならないためには、その日を予測しながら事業展開を行うしかない。ゲームに力を入れ、けれどインセンティブを低く抑えて移動機価格の上がったドコモ、ゲームをあまり前面に押し出さずとも新規加入者を集めるauは一見対照的にも見える。TV機能に関してもauはワンセグなどに積極的であり、ドコモはネットワーク経由での動画配信を推進するという。



医療費

(7/8)

◆ 家の近所の開業医、以前は自分の所で薬を出していたのだが最近になって処方箋薬局を使うようになった。処方箋薬局は医者のすぐ隣なので不便はない。最初は院外処方になって価格が上がるのではないかと思ったのだが、意外にそうではなかった。従来は診察と投薬で約1,500円だった料金が、診察費が約\800で薬代も\800と、仲良く山分けで料金はさほど変わらなかった。が、いつもそうではなかったのである。次に医者に行ったときには診察料が\1,300にアップしていた。これは従来であれば診察+薬代に匹敵する価格だ。これに処方箋薬局で買う薬代が\800なので結構高くなる。やっぱり院外処方だと高くなるのか。

◆ そもそも院外処方は、薬代で儲けようとする医者から薬の分を別(院外薬局)にすることで医療費をクリアにしようとする厚労省お勧めの医薬分業てヤツだ。が、通常は診察料の方は変化しないはずである。
薬代の部分は院内処方は薬剤師の技術料名目で請求されるが、院外処方の場合はこれに代わって調剤報酬名目で薬剤師報酬の8〜10倍程度の報酬点がくっつく。なので薬の値段(正確には、薬の値段は院内処方でも院外処方でも一緒だが、その薬を袋に詰めたりする技術料が異なる)は院外処方の方が高くなる。
これは薬価に係わらない基本部分の価格なので、必ず高くなるのだ。そして処方箋薬局では薬の簡単な説明書もくれる。が、これだってタダではない。なので私はいつもこれはお断りしている。薬に関してはネット上で調べた方が詳しいしカネもかからない。

◆ 院外処方にすると医者自体の売り上げは減る。院内処方であれば調剤料や調剤基本料のポイントが医院のものになった訳だが、院外処方だとこれらは処方箋薬局の儲けになる。とは言っても医院と処方箋薬局はファミリー企業みたいなものだから、医者にとっては利益の分散化を図った方が良いとは思う。でもやっぱり儲けたいから何かの点数を加算して診察の部分を値上げしたのだろうか。この辺りは何度か医者に行ってみないとハッキリとは言えない。もしかしたら次に行ったときには又\800になっているかも知れないし。ただ、厚労省も「院外処方によって医院の収益率は低下している」と言っている。調剤料や調剤技術料も(人件費その他の原価以上の)売り上げや利益に貢献する訳だし、薬価差益(最近はずいぶん少なくなったと言われているが、薬の仕入れ値と販売価格の差分)が直接収入にならなくなるからだ。
と、ここで思い当たるフシが。4月から保険点数が変わったと書いてあるではないか。あれ〜、値上げを感じたのは4月だったかなぁ。もっと後だったような気もするのだけれど。

◆ 患者にとって医療費が上がるのは好ましくない。が、処方のミスのチェックが院外で出来るメリットはある。料金以外でも、医者で診察を受けた後に処方箋薬局で又待たなければいけないのはちょっと辛い。処方箋薬局はどこでも同じ薬を処方してはくれるが、件の医院などではその医者の出す薬しか在庫していないので、他の医院で貰った処方箋をそこに出しても駄目な場合がある。更に沢山の種類の薬をいっぺんに貰うと処方箋薬局が儲からなくなる仕組み(だったと思う)なので、処方箋薬局も嫌がりそうだ。
もちろんその処方箋薬局に目的の薬がなかったとしても、頼んでおけば次回からは処方して貰えるようになる。



洪水(お話)

(7/8)

◆ 堤防が決壊し都心部を水没させながらも雨は降り続いた。ビルの中は蒸し暑く、飲む物は雨水で食べる物はない。こんな時に恐ろしいのは災害でも空腹でもなく人間なのだ。ビルの中にいる人々はイライラし、降り続く雨と川と化した道路を見るだけで何も出来ず満足にも眠れず、おそらくみんな爆発したい気持ちをこらえるのに必死なのだろう。なものだから、ちょっとしたきっかけで喧嘩が起きる。最初の頃こそ周りの人間がそれを止めようとしたが、やがてその気力も失われていく。女性同士が言い争いをして騒ぎ、その声をうるさいと言ってオジサンが怒鳴る。そんななかに閉じこめられていると、何が正常で何が異常なのかすら解らなくなりそうだ。

◆ 多少でも水が引けば救助して貰えるのかも知れないが、濁流のようになっているこのビルの周りに近づくことは出来ないのだろう。だがいつ止むのかも解らないまま雨を眺めているわけにもいかない。若い男性は道路を流れてきた車に掴まって行ったが、無事に救助されたのだろうか。この辺りの濁流は築地か晴美あたりの運河に流れていくのだろうか。
このビルは窓も少ないし屋上にも出られない。でも窓を壊せば隣のビルに行けるかも知れない。ビルとビルの間隔など人が挟まってしまうほどの隙間しか無いのだ。私はこの12階建てのビルの、隣のビルと窓の位置の合う階に行って窓を開け、隣のビルの窓を消化器を使って割った。そこに飛び移るのに多少の恐怖はあったが、このビルに閉じこめられているよりは余程恐怖感は少ない。こうして4つのビルを移動したが、そこから先は道路を超えないと進めない位置に来てしまった。道路は川のようにはなっているが、路地なので流れはさほど速くは無さそうだし流れてきた車が固まって道をふさぐようになっている。
非常階段を下りていくが、そこから車に飛び移るには距離が遠すぎるし、泳いで行くには流れが速い。

◆ うーん、こちら側に移動したのは失敗だったのか。
新橋側に行った方が良かったのかなとも思ったがここまで来たのだ、何とかあと2ブロックほど移動して有楽町側に出てみよう。せめてロープでもあれば良いのだがそんな都合の良いものはない。映画などではカーテンを引きちぎってロープ代わりにしたりするが、ブラインドじゃどうしようもないなぁ。ビルの1階近くまで降りてみると、そこはブティックのようだ。店内は天井近くまで水がたまっているが、そこに浮いている洋服をつないでロープ代わりにしてみることにする。これの片側を非常階段に結んで、流されないようにそれを持ちながら路上に浮かぶ車に移るのだが、何せいつ流れていくか解らない不安定さでなかなか進めない。
こうして次のブロックまで行くと、水の量こそ変わらないが流れはかなり緩やかになっている。さすがに疲れ、ビルの中で少し休むことにするがビルの中にはあまり人が居ない。話を聞くと何度か救援のボートが来たらしい。だったらここで待った方が良いのだろうか。
(終わり)



洪水(お話し)

(7/6)

◆ 東京都に流れ込んでくる大規模河川ではスーパー堤防以外にも堤防強化工事が行われている。江戸川は100mmの雨量に耐えるようにと堤防の高さを上げる工事を行った。が、道路や鉄道などの橋の高さは容易に変えられず、その部分のみは従来通り4m高の堤防になっているのだとか。この日の雨でもその鉄道線路付近から川の水が溢れ出した。そこが低くなっていれば水はそこから流れ出す。そして流れ出した水は堤防を削り、橋脚を押しのけるようにしてゼロメートル地帯を浸水させていった。一旦壊れた堤防には土嚢も何も歯が立たず、水は一気に江戸川区や葛飾区、荒川区を飲み込んでいった。各区は緊急避難情報を発令するも、あの広大な河川の堤防が決壊したわけだから避難云々の騒ぎではないというか、家や車が押し流されてそれが又他の家を押し壊すような事態になっている。河川近くの水深は4m以上に達し、2階建ての家も水没してしまうし、マンションなども押し流されるように倒壊する。

◆ 江戸川堤防の決壊は江戸川区と葛飾区で大きな被害を出す事になったが、これら地域では江戸川の氾濫がいつかは起こるだろうと想定した避難訓練などを実施していたために、多数の負傷者は出たものの死亡者はゼロだった。問題は荒川下流部の方だ。江戸川区平井付近の要注意場所の墨田区側が決壊した。これら地域でもJR平井駅などは浸水しない高さが確保されていて、付近の住民の避難場所になった。が、およそ浸水とは関係ないように思われた台東区や江東区にまで水は流れ込み、その水が隅田川の堤防を削り、それを乗り越えるようにして上野から秋葉原界隈を浸水させ始めた。
これらの地域では古い家屋や平屋建ての家屋も多く、みるみる上昇する水位に住民達は逃げまどった。

◆ 地下送電や地下変電施設などが一般的な都市部では、多くのビルの受電設備が水没して停電した。
水深こそ数十センチではあるが、ビルに取り残された人はただそこで水が引くのを待つ以外に無かった。堤防決壊から1時間、水は銀座にも流れ込んできた。怖いのは大規模河川だけではなく、そこに流れ込もうとしている中小の川も水の行き場を失って溢れる。川が氾濫しそうなくらいなので、地表に降った水の行き場もない。そして道路は川のようになり、浮いた車が流され、ぶつかっている。ビルは当然停電していて蒸し暑く、非常灯が弱々しく点いている程度だ。電源設備が動いていないので、やがて水が出なくなる。非常階段を下りれば地上に出ることは出来るが、そこはまるで川のような状態だし流れてくる車は危険がいっぱいだ。通信手段も閉ざされ、このまま朝を迎えることになる。

◆ 翌日になっても水位は一向に下がらず、水は海の方向へとかなりの流速で流れている。救助用のボートも場所によっては出せたようだが、流れの激しい所では役に立たない。この界隈のビルに一体どれだけの人が閉じこめられているのか解らないが、とてもヘリで上空に釣り上げるなんて作業で全員を救出することは出来ないだろう。いや、とりあえず水と食料が有れば人名に対する危険はさほど大きくはないのだから、救援物資を投下して貰いたい。
続く…



洪水(お話)

(7/5)

◆ 国会議事堂付近は少し高くなっているのだが、そこへ向かう道路は川のようになっている。この水はお堀に流れ込むのかなと思いながら議員会館に向かったが、ここの駐車場から会館に入るまでの間に傘は役立たずにずぶ濡れになってしまった。議員センセーと打ち合わせをし、この雨で東京は大丈夫ですかねぇと雑談混じりに言ってみた。センセー曰く、河川の氾濫対策としてスーパー堤防工事なども進んでいるから心配は要らないという。スーパー堤防工事と言ったって工期数百年、総工費数十兆円ではないのか。一部分だけ工事したとしても、他の弱い部分が決壊したら意味がないと思う。しかも東京には川が多く、荒川や中川や江戸川や、どの川がどこにあるのかよく解らないほど大きな河川が沢山あるのに。
と、話をしていたら秘書氏がやってきて通路が浸水したと。国会議事堂と議員会館は地下通路でつながっているのだが、そこが漏水で通れなくなったのだそうだ。で、仕方なく議員センセーを道路向かい側の国会議事堂まで車で送っていくことにした。国会議事堂の入り口?まで車で入れる機会などそう多くはないので、ちょっと新鮮な気分でセンセーを送る。

◆ 雨は少し小降りになっていた。が、土地の低い場所の道路は冠水しているようで異様に混雑している。
首都高速も低いところを通っているのだが、首都高速には強力というか強烈な排水ポンプが仕掛けてあるらしい。でも排水先の下水道が満タンだったらどうするのだろうか。無理矢理圧送したらマンホールの蓋を押し上げて溢れるんじゃないのかな。
そんな事を考えながら次の打ち合わせ先である銀座に向かうのだが、何せ酷い混雑で銀座方向に移動できない。仕方がないので一旦丸の内側に向かい、そこに車を停めて電車で新橋まで行くことにした。が、大雨の影響で山手線は遅延だと言われる。でも全く電車が動いていないわけではないので時間はかかったが新橋に着くことが出来た。打ち合わせと称したお食事会はGINZA9の近くだったので、雨に濡れないように現地に向かった。

◆ お客さんとの食事の席でも話に出るのは「良く降りますねぇ」だ。建物の中にいれば気にならないが、この雨の中を帰るのかと思うと気が重い。2時間ほどの打ち合わせと称した食事会が終わり、すっかり暗くなった外に出ようとしたとき、そのビル全体が停電した。非常灯が点灯し、店員が「ビルの地下設備が冠水したために停電した」と。店員の誘導によって外に出ようとするが、そこはもう川のような状態で道路に出られない。仕方なく又店に戻るが、空調が止まっているのでやたら蒸し暑い。携帯電話に届いた防災メールによれば隅田川が氾濫して千代田区や中央区の一部地域が既に浸水しているという。この時の雨の強さは160mmで、これがもう1時間続いているらしい。こうなると隅田川(ちなみに隅田川と墨田区は字が違う)のみならず中川や江戸川や荒川だって危ないのではないだろうか。
東京都のハザードマップによれば、河川の氾濫が無くても有楽町から日比谷あたりは1〜2mの水深になる恐れがあるという。
続く…



洪水(お話)

(7/4)

◆ 長雨は河川を増水させる。例え首都圏で雨が降っていなくても、川の上流で沢山雨が降れば河川の水量が増えてくる。首都圏で大きな河川の氾濫というと多摩川の堤防決壊があった。堤防決壊は今から30年以上も前の話になるが、台風によって増水した多摩川が堤防と民家を押し流したというもの。家を失い途方に暮れる被害者が、家族との想い出であるアルバムを失ってしまったと涙を流すシーンからドラマ化されたのがTBSで放送された岸辺のアルバムだったのだとか。中小規模河川の氾濫はある程度の被害で収まることが多いが、大規模河川の氾濫だとそうはいかない。膨大な水が一気にあふれ出てくるので地域一帯が浸水してしまう。
これに対してスーパー堤防工事なども行われている。
一般的な堤防の土手という感じから、地域全体をかさ上げしてしまうようなスタイルへの変更だ。下町のゼロメートル地帯と呼ばれる地域では、一旦堤防が決壊すると大きな被害は避けられなくなる。何しろ水面より下に家屋があるのだから。

◆ 降り続く雨は次第に強くなり、各所の地下水路も断続的のその役割を果たし始めた。雨が弱くなった頃を見計らって地下水路の水を河川に放流するが、それは東京の下町に流れ込む江戸川や荒川や、或いは多摩川の水位を上昇させる。TVなどでは河川の氾濫や土砂崩れに注意するようにと呼びかけてはいるが、長雨が続けばこれら注意報は毎度のことなのでさほど気にはしなかった。地方部などでは土砂崩れによる事故もたびたび起こってはいるが、都市部ではそもそも斜面だろうが何だろうが宅地造成されているので崩れる場所自体が少なくなっている。

◆ 私は午前中の打ち合わせに遅れないように霞ヶ関に向かっていた。時間雨量が100mmにもなるとワイパーは役に立たず車は速度を落とさざるを得なくなる。こんな状態なので首都高速も渋滞気味、トラックの跳ね上げる水しぶきが余計に運転をしづらくしている。
唯一有り難いのは都市部でのディーゼル規制で雨天時の窓の汚れが大幅に減ったことだ。フロントウインドゥはワイパーがあるから良いが、サイドウインドゥなどに付く水あかが激減したのは有り難い。規制以前には雨の中を走っているとガラスはうっすら曇ってきて余計に見づらくなったものだ。

◆ 普段の7月の降雨量は200mm程度なのだが、今年は既に500mmもの降雨量に達したという。それほどの大雨ではないものの毎日毎日降り続くのだから総量は結構なものになる。が、今日は大雨洪水警報が出ている。
大雨の中霞ヶ関に着き、午前の打ち合わせに出席した。外界から遮断された会議室の中は静かで雨音も聞こえなかった。午前中の打ち合わせを終え、食事をしてから次なる用事の先である議員会館へ向かおうかと外に出てみると、そこは激しい雨で少々驚いたのだった。
続く…



洪水(お話)

(7/3)

◆ 梅雨の末期や台風などによって水害はたびたび起こる。
都市化が進んで雨水の行き場が無くなり、それは下水道や河川に流れ込む。小さな河川では毎時50mm程度の雨量で、大きな河川でも毎時100mmを超える雨が降り続くと氾濫の危険性が高まってくる。この雨の強さだが、100mmの雨が1時間降り続いたときの降雨量が100mmになるという意味であり、短時間でも例えばその強さの雨が降り続いたとするならば100mmになりますよという意味だ。実際には集中豪雨のように短時間で雨がやんでしまう場合には、100mmの強さの雨が降ったけれど総降雨量は20mmだった、みたいな感じになる。そしてこの集中豪雨対策が各地で行われている。

◆ 従来は治水と言えばダムと相場が決まっていた。だが昨今のダム反対運動を受けて、儲け口であるダム建設が自由に行われなくなってきた。そこで目を付けたのが地下放水路だ。これは埼玉の首都圏外殻放水路だが全長6.3Kmのトンネル工事に2400億円をかけたデラックス版だ。この施設は一時的に雨水などをここに溜め、それをゆっくり河川に放水することによって河川の氾濫や住宅の浸水を防ごうとするものである。これは豪雨時などに使われるだけなので、それ以外の時期には映画の撮影場所などとして提供されている。ちょっとSFチックであり、騒音などの問題もないことから映画の舞台としてはピッタリだ。が、この施設も万能ではない。一時的に雨水を溜めるアキュムレータに過ぎないので、そこが満タンになってしまうと役立たなくなる。実際東京都では巨額を投じて作った地下水路に水を誘導したにもかかわらず住宅地の浸水が起こった。
都は「予想外の雨量だった」と言い訳をしたが、そもそも洪水になるのは予想外の雨量であった時ではないのだろうか。

◆ 河川の氾濫対策として川幅を広げたり深くしたり堤防を高くしたりする工事も行われている。こちらは河川の水量そのものを増やせるので効果も大きいが、川幅を広げるのは都市部では用地の関係もあって難しい。なので都市部では川を深くすることで水量を稼ごうとしている。が、海抜以下に川を深く掘ってもあまり意味はなく、この対策が有効な地域は限られている。そしてもう一つは地下水路を造るよりもコストが安いと言うことだ。コストが安いと言うことはゼネコンが儲からないことを意味するので国としては工事に気が乗らない。

◆ その日は朝から雨が降っていた。いや、雨は前日から、いや前々日から降っていただろうか。梅雨前線に向かって湿った空気がどんどん流れ込み、上空の冷たい空気に冷やされて雨が降る。雨が降り続くというと、しとしとと形容されるように時間雨量10mm以下の静かな雨を連想しがちだが今年は違った。時には雨音をやかましく感じる程の、50mmから100mmにも達する雨が断続的に降り続いている。50mmの雨が連続的に降れば多くの道路で排水が間に合わなくなるが、一時的にザッと降っては又弱い雨になると言う繰り返しなので水たまりが出来る程度で落ち着いている。
続く…



録音レベル

(7/2)

◆ 先月だったか掲示板の方でCDの録音レベルが高いのではないかとの書き込みがあった。確かに私もそれは感じていた。最初は何か仕様が変わったのかなと思ったのだが、そうでもないようだ。と言うのも、安物のラジカセ級CDプレーヤで聞いたとき、音量を絞っても歪んで聞こえたCDがあったのだ。PAが歪んでいるのではなくて、その前段かどこかが歪んでいると思われるその状態は音量を絞ろうが何をしようが改善されなかった。試しに古めのCDをかけてみると歪まない。果たして録音自体が歪んでいるのか、それとも安物のCDプレーヤが歪んでいるのか。

◆ 時が経ってCD/MDコンポみたいな物を買った。これで件のCDをかけてみると歪みは少なく感じられる。そうか、安物CDプレーヤの方が歪んでいたんだ。最近のモデルならば録音レベルが高くても歪まないようにレベル配分されているんだな。
ではどの程度録音レベルに差があるのだろうか。測定器を使って平均レベルとピークを測れば正確に解ると思うが、それは面倒なので聞いた感じとATTの具合で確かめてみた。ら、その差は6dB程だった。
この録音レベルの高いCDは聞いていて少々疲れる。ボーカル自体は歪んでいるようには思えないが、ボーカルより音圧レベルの低い演奏の音の一部が歪んでいる感じだ。これが、わざとそう言う音に仕立ててあるのかどうかはよく解らない。

◆ 何種類かのCDを色々プレイしてみて歪み具合を聞いてみるが、それこそそれぞれのCDによって音質は当然ながら異なっている。同じアーティストのCDでも年代によって音の組み立て方が違うのは時代の表れなのだろうか。
スピーカと音の関係は以前に書いたことがある。つまり、ヘッドフォンやイヤフォンなどで聞けばあんなに小さな振動板なのに充分な低音を聞くことが出来る。が、それを耳から離すと低音はすぐに失われる。小さな振動板で大きな体積の空気を振動させることが出来ないから、この手のトランスデューサは耳の近くで使用しなければいけない。同じように口径の小さなスピーカと大きなスピーカでは、スピーカの距離による音の減衰量が違ってくる。とすると、ミニコンポやヘッドフォンステレオ向けにチューニングしようとした場合は、多少コンプレッションをかける風な音作りをした方が良いのだろうか。

◆ 高周波アンプなどにDPDという技術がある。DPDとはDigitalPreDistortionの略であり、高周波アンプで歪んでしまう信号の、歪みの逆特性を予め与えておく。すると高周波アンプで歪んで元の信号に戻ると言うわけだ。リニアリティの良いアンプが作れればプリディストーションの必要はないが、振幅や位相ひずみが少なからず発生してしまうアンプをPDPで助けるのだ。つまりは、ヘッドフォンステレオなどで聞いたときにベストになるように、或いはMP3などで圧縮してもボロが出にくいように考えて音を作っているのかな、なんて思ってしまった。現在のマーケットを考えれば、或いはそのCDを好む年齢層などを考えるとあながち無いとは言えない手法なのかも。



透明人間

(7/1)

◆ SFの中には度々登場する透明人間、怪しげな薬を飲んで透明人間になっちゃったり、怪しげな装置に入って透明人間になったりする。で、透明人間は人間が透明になるわけだから服を着ていると服だけが見える。なので透明人間が透明人間らしく生きるためには裸でなければいけない。これは結構寒そうである。まあ完全透明を目指さなければ裸でなくても良いのだが、それでは透明人間のメリットも半減するだろうし大騒ぎになるに違いない。透明人間は透明だからこそ人目に触れることなく生きていけるわけで、透明人間が服を着ていたらやっぱりおかしい。

◆ 透明人間になるための薬が発明されたとしよう。これを飲めば透明人間になれる。早速服を脱いで透明人間になってみようではないか。でもその前に注意しておくことがある。透明人間といえども「重さ」や「体積」は存在し続ける。満員電車に乗ろうものなら、"その部分だけ"空間が出来たように見えてしまう。透明だからと言って軽くなるわけでもない。
"体重"は従来通り存在している訳なので、足場の悪いところに立とうとすると怪我をする。赤外線センサは誤魔化せるが質量センサは誤魔化せない。
赤外線センサでも集電型センサだと体温を検知されるから駄目なんじゃないかって?いや、そうでもないだろう。外から見えないと言うことは内部からも外が見えないと言うことで、きっと赤外線も出ていかないに違いない。と言うことは、体温の放熱も出来ないのだろうか。だとすると相当暑いな、これは。

◆ 透明人間は暑さに耐えるよりもっと不便な事がある。
そもそも外側から見えない透明人間なので、透明人間は外界を見ることが出来ないと思う。もしも人間が透明になっているとすると、透明な網膜では光を受けられない訳だから光を感じられないと思う。もしも人間の皮膚などに光を回折する効果を持たせるとしても、外からの光は回折して全部外に出て行く訳なので内側の光は全反射になるだろう。だからきっと凄く暑くて真っ暗闇だと思う。
そう考えると透明人間は余り便利そうではないな。だって外側が見られないんだもの。見えないからと言って白い杖を使ったら、その杖だけが見えることになるし主人が透明では盲導犬だって言うことを聞いてくれないかも知れない。

◆ そうすると、透明と非透明をワンタッチで切り換えられる装置とか透明−半透明−非透明の切り換え付きなんてのが良いか。SF映画のプレデターみたいに微妙に見えるような感じで。或いは完全透明なのだけれど可視光以外の波長のものをレーダ代わりに使ったりして外側の様子を把握する機能を有していればいいわけだ。ほら、プレデターも赤外域など波長の長い方しか見えないわけだし、これだったらつじつま合わせが出来そうな気がする。赤外域で透明にならないとすれば、体温の放散も可能になりそうだ。
透明人間が近くに来ると少し暖かい気はするが目には見えない。寒い真冬だと透明人間の吐いた息だけが白く凍る。ん?透明人間の出した涙は透明なのだろうか?透明人間の汗は透明?一体どこまでが透明なんだろう。