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過去の雑記置き場


節約は難しいのか?(6/1)
浜岡原発(6/2)
生乳問題(6/3)
災害(6/4)
木に水が染み込む(6/5)
アクティブサスペンション(6/6)
マイナンバーカード(6/7)
天災か?人災か?(6/8)
限界ニュータウンはお得なのか(6/9)
防犯意識(6/10)
携帯電話契約数(6/11)
設計分野でのAI活用(1)(6/12)
設計分野でのAI活用(2)(6/13)
トヨタと固体電池(6/14)
ChatGPTはすごいのか(6/15)
遭難と救助(6/16)
サイドロード論(6/17)
伊豆の国市(6/18)
設計者と制(製)作者(6/19)
10分で行けるところ(6/20)
クレジットカード認証(6/21)
急成長企業の闇(6/22)
バッテリー交換問題(6/23)
クレジットカードとの紐付け(6/24)
配信者の一生(6/25)
配信者の一生(2)(6/26)
配信者の一生(3)(6/27)
コピー機(6/28)
設備の寿命(6/29)
povo2.0(6/30)


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povo2.0(6/30)
◆ ウチでも2契約持っているpovo2.0は適度に使っている。データを使う事は殆どないが、povo2.0維持のためと言う事もあって通話はpovoで使う。もちろんpovoの通話料金が安いわけではないが、全く使わずに放置してしまうと強制解約の対象になってしまう。

◆ 結果としてデータはドコモやocnを使い、通話はpovoを使う事になる。ドコモ契約をはじめてスマホプランにした関係で、従来よりはpovo2.0での通話時間が減ったが、それでも月間100円とか200円くらいにはなる。楽天モバイルと違って通話品質が悪いわけではないが、その代わり通話は有料だ。

◆ povoはデータトッピングを買えば、すぐに高速通信が出来るようになる。それを使い切れば低速に戻るだけで、月間データ使用量の変更など手続きは要らない。こうした部分も使いやすいと思える部分で、常用契約であれば別だろうがセカンダリ契約としてはありがたい。

◆ povo2.0が商業的に成功しているのかどうかは分からないが、少なくとも契約者数のかさ上げ効果はある。契約数こそ(資金調達上)最重要だとする流れは今も続いているわけだから、これに貢献している事は(収益はともかくとして)事業上はプラスだ。

◆ 古くはソフトバンクのタダ配り、写真立て配り、2契約目無料配りなど、金をかけて加入者を買っていた。それに比較すればpovo2.0は楽天モバイルからこぼれてきた人を回収して太れたわけだから、まさにタナボタだった。

◆ 楽天モバイルにしても金のない事は分かるが、乱暴な施策変更はもったいなかったなと思う。月額300円なら使い続けたという人が多かったと言われるが、その程度の金額で月間500Mバイトくらいのプランを作っても良かった。

◆ サービスインの遅れに始まりその後のトラブルや料金施策など、短絡的で考えがない。この辺りがソフトバンクとは全く違う所だ。孫さん的な経営では、手に入れたモノ(加入者)からは極限まで利益を搾り取ろうとする。

◆ ソフトバンクも迷走期には株価が980円以下になったが、その後1,500円位まで回復した。楽天株価は400円まで下がるとして、ソフトバンク同様の回復を見せれば600円とか700円くらいまでは上がるのかな。

◆ そんな楽天のおこぼれでpovoにしてもMVNO各社にしても利益を増やした。と言う事は、楽天は工夫をすれば利益を増やせたのだ。それを短気を起こして捨ててしまったのだから、これは三木谷経営の失敗そのものである。

◆ 確かに楽天の通話・通信品質は低い。通信に関しては電界強度が十分でも通信断が起きるし、楽天リンクの通話品質は最悪だ。それでも月額300円くらいの価値はあると思う。通話・通信品質は技術の向上で改善出来る筈なので、そうした点を頑張れば普通に使える日が来る。

◆ povo2.0は広く浅く吸い取っていくという点で、ARPU一辺倒のビジネスとは異なる。povo2.0に加入しやすいのは月額固定費がゼロな点で、毎月取られるのは嫌だけれど、必要な時には多少高くても買ってしまうという心理を突いたモノだ。


設備の寿命(6/29)
◆ 携帯電話基地局の設備は意外に古いものが使われている。PDCからFOMAに変わりつつある頃の基地局にはアナログ携帯電話の設備も同居していたのだが、それなど見るからに古い代物だった。

◆ CDMAの設備はさすがに新しかったが、PDCにしても設備更新していないのかと思うような設備だった。通信方式が決定してサービスが開始され、それが次の世代になって旧サービスが停止されるまでには15年くらいの年月になる。

◆ その間に更新される設備もあるだろうが、信頼性が確保されていればそのまま使われるものもある。償却が終了しているのでコスト的なメリットも出てくる。一部には料金値下げの影響で設備更新が出来ないのだと言っている人もいるが、それは違う。

◆ 元々設備投資額が大きすぎるから料金を下げろという話になったのではなく、売り上げから設備投資額などを差し引いた純利が大きいから価格を下げろという話になった。これが電力会社の利益捻出方式だと、一定の利益を得るために小売価格を決めることが出来る。つまりCM代やパンフレット代なども、全て電力原価に算入することが出来る。しかし移動体通信はそうではない。

◆ 設備の更新をすると電力利用効率が上がるが、時として信頼性が下がるみたいな話をしている事業者があった。昔は信頼性を得るために過剰な品質が奢られていたという。それがCDMAになるとギリギリで作られているので、温度変化や電圧変化での故障が格段に増えたと。

◆ なので設備の寿命は一概に何年とは言えない。中継器などは回路が簡単で壊れる部分が多くはないので、それこそ20年くらい前のものがそのまま使われていたりする。特にビル内だとか地下街に設置されているものは、設備の交換にも手間がかかるので壊れない限りはそのままのものが多々ある。

◆ 古くなると無線機とアンテナ間の同軸ケーブルも酸化したりするのだが、それによって特性が大きく劣化するとか切れるとかするまでには何十年もかかる。地下鉄トンネル内の漏洩ケーブルなど、そう簡単に取り替えることが出来ないので耐用年数も考えられている。

◆ 移動体通信設備の中で最も耐用年数が長いのは、アンテナを付けている鉄塔ではないだろうか。アンテナの寿命も長いが、特性的な問題やマルチバンド化などによる入れ替えが行われた場所も多い。電源やバッテリー設備は定期的に交換されるはずだ。

◆ 今でこそバッテリーも電源も小型化されているが、冷房装置付きの基地局が一般的だった頃には電源装置も大型だった。アナログの電圧計と電流計が付いている電源盤みたいな装置だった。それらを収容している箱というか小屋というかは、冷房装置が付いていたが中は暑かった。

◆ アナログ方式からディジタルへ、そしてCDMAへと設備が増え、それに伴い発熱量が増える。そして冷房機のパワーがギリギリになり、中はいつも暑かったのだ。そこに入って作業する時にはその箱の周りのパネルを外して、外の空気を入れた方が(季節にもよるけれど)涼しかったほどである。


コピー機(6/28)
◆ 今は普通に普通紙コピー機が使われているが、昔は青焼きなどと呼ばれるものだった。青焼きはジアゾニウム塩の光による反応を利用した、まあ写真の感光紙のようなものだ。

◆ 原稿と感光紙を重ねて露光させて、その後すぐに現像液につける。原稿はある程度光が通らなければいけないので、トレーシングペーパなどを使う。コントラストがはっきりしないとうまく青焼きが出来ないので、図面などは墨で書く場合もあった。

◆ トナーを使った普通紙コピー機が一般的になってからも、A2とかA1サイズの図面では青焼きが使われていた。普通紙コピー機も出始めの頃は品質が悪くて、コントラストがはっきりしなかったり、鉛筆で字の書けないような紙が使われていた。

◆ A1やA2の普通紙コピー機もあったが、紙のサイズが大きいのでコピー機自体も相当大型で、建築図面などを扱う所やコピー屋さんにしかなかった。なので大型図面のコピーが必要なときには、コピー屋さんに持って行く、みたいな感じだった。

◆ コピーとは少し違うが、ガリ版というものもあった。謄写版というのか、ロウが塗ってあるような紙に金属製のペンで字を書く。下敷きにはヤスリを使うので、金属ペンで書いた部分のロウが剥がれる。

◆ この原紙をスクリーンとして、スクリーン印刷をする。といっても手動なんだけど。これは簡易的な印刷機?みたいなものだった。

◆ 今は使われていないと思うが、低質紙の代表はわら半紙と呼ばれる白くない紙だった。元々は藁から作られたらしいが、後には古紙や再生紙の代名詞になったのだとか。

◆ 普通紙コピー機の普及と低価格化が進むと、FAXやプリンタ機能を持った複合機へと進化した。一方でプリンタもコピー機能を持ち、FAX付きのものもあった。いわゆる民生用としても静電転写方式のものが市場に出てきた。

◆ 当時はドットインパクトプリンタが一般的だったので、LED方式やレーザプリンタの印字速度は素晴らしく速かった。ウォームアップの時間は必要だったが、印字速度的にはラインプリンタ並だったと思う。

◆ ラインプリンタはその名の通り、1行分を一度に印字するプリンタだ。ドットインパクト型とタイプライタ的なスタイルのものがあった。ドットインパクト型は1行分のインパクトヘッドが並んでいて、タイプライタ型はドラム型やチェーン型があり、1行分のハンマーが付いていた。

◆ ラインプリンタは一行分をほぼまとめて印字出来るので、当時としてはかなり高速だった。デバッグは印字されたソースを見ながら考えるみたいな時代では、厚さ何cmにもなるプリンタ用紙を机に広げていた。


配信者の一生(3)(6/27)
◆ カラスの鳴かない日はあってもS氏の配信のない日は無いとまで言われるほど毎日配信する人だったが、ある日を境に3週間以上配信がなくなった。これによって死亡説がささやかれ始めたのだが、今までにも1ヶ月以上配信しない事があった、単に生活保護受給のために配信をやめているだけではないかとY氏は言った。

◆ また現住所にいられなくなって引っ越しをしているとか、何かトラブルを起こして身を隠しているだけだなど、情報は錯綜した。以前のように人気がある頃ならもっと話題になったのだろうが、細々と配信している風だったので余り気にされなかったと言えばそうかも知れない。

◆ S氏の配信がなくなって約1ヶ月、数年前まで交際していたG女がS氏は死亡したとツイートした。配信しなくなったその日に亡くなっていたそうだが、発見されたのはその3週間後だったとか。事件性はなく警察は老衰ではないかと言ったそうだ。見た目は70代でも実年齢は50歳前半なのでこれは不自然であり、死因不明の場合は心不全となる。と言う話が広がると、死因は衰弱死だったと訂正したらしい。

◆ G女も配信者であり、以前にもS氏の死亡ネタで閲覧を稼いでいた。別の配信者Kは、S氏は自殺なのかとツイートした。G女によれば、S氏の死亡説が広がったことでS氏の実家に連絡、実家から警察に連絡を入れ警官が現地を確認したという。そして警官が部屋に入り死亡しているS氏を発見、しかし他の配信者がいたため処置は後日に行ったというのだが、野次馬がいたくらいで処置が行われないなどはあり得ない。

◆ 別の配信者がS氏の自宅を訪れたのは、この処置の狭間で、S氏と連絡が付かないからと警察を呼んだ。このときは1時間くらいして警察はそのまま引き上げている。しかし時系列的にはその前日に死亡が確認されている筈なのだ。更には死亡しているとされている期間にも、部屋の明かりが点いていたことを複数の人間が見ている。

◆ G女が警察から聞いたという死亡日時以降も、送ったLINEが既読になるなど不自然な事実が発覚する。S氏は金に困っていたようで現交際相手のB女や、B女が関係する反社会勢力からも金を借りていたとも言われた。

◆ 死亡説はネタだ、以前にも同じ事をやっていると言われたが真実は何なのか。元彼女がツイートした事や、元パトロン氏がそれを肯定した事でS氏の死亡は認知される事になる。ただ死因や状況に関してハッキリしたことは語られていない。一部配信者は、真実はやがて分かるだろうとTweetするも、後に消される。

◆ Y配信者が真実の追究にを始めると、脅迫じみたDMが来たという。Y氏が調べてみるとS子の住居付近が映るライブカメラの映像は、S氏の消息が不明になった期間のみ録画が公開されていない(消去された)そうだ。

◆ 配信界での知名度が高かった事もあり、S氏の名前がTwitterのトレンドになり、日刊スポーツにも記事が出た。S氏は向こうの世界で、俺は死んでもこれだけの影響力があるんだぜと、微笑んでいるかも知れない。


配信者の一生(2)(6/26)
◆ それでも配信をすれば幾ばくかの金は入ってくるわけで、毎日酒を飲んで配信をするというスタイルに変化はなかった。変化があったのは今年に入ってからだそうで、ろれつが回らなくなった。配信を聞いている人は脳梗塞ではないかと言ったのだが、深刻に考える人は少なかった。

◆ 元々フカシのS氏と言われ、言っている事の9割は嘘みたいな人だったので、ろれつを回らないふりをしている、病気を装って金を集めようとしていると思われた。

◆ Y配信者は、S氏は過去にもろれつが回らないふりをした事があったと暴露した。S氏本人は嘘や演技ではないと言うものの、信じて貰えない。医者に行こうとしなかった事もあるし、時に饒舌になる事もあり、まさに身から出た錆みたいな感じだった。ただこの事を深刻視する人がいれば、S氏は命を落とさなかっただろう。数年前から交際していたB女もこの件に関しては無視していたようだ。

◆ もう一つ不思議だったのは、会話はうまく成立しないものの、いわゆるアンチリスナーに対しての暴言や威嚇はいつも通りの早口だった。言葉が上手く出ないと言いながらも、普通通りに話す事もあった。

◆ 最後となる配信は日中に行われた。いつも通り酒を飲み、たばこを吸いながら話し始める。と言っても言葉が出ないので無言時間が非常に長い配信で、2時間強の配信時間で言葉を発したのは8分だったそうだ。

◆ その日S氏はコンビニの前で転んだそうで、俺ももうダメだなと言うようなことを言った。転んだ理由の説明はなかったが、平衡感覚がおかしいなどを自覚したのかも知れない。所持金が少ないことにも触れていた。もしかしたら家賃を滞納していたのかも知れないが、過去の配信は見ていないのでそのあたりはよく分からない。風呂に入っていないというようなコメントが書かれていたので、ガスを止められているなどしたのだろうか。

◆ リスナーのコメントでカネはいくら欲しいのか、欲しい額を言ってくれと書かれている。もちろんリスナーが振り込むよと言うのではなく、単なるからかいだろう。おそらくいつものS氏であれば5万寄こせとか10万寄こせというのではないかと思うのだが、このときには金額に関しては語らなかった。何やら(金額をどう言おうか)考えている風ではあったが、言葉としては出てこなかった。あるいはコメントに書かれた内容が理解出来なかったのか。

◆ 2時間以上に及ぶ配信の最後で、俺はもう配信はやめると言っている。ただこれも毎度の事で、金集めの一環として使っていたワードに過ぎない。配信して欲しかったら金を寄こせ的な感じのトークだそうだ。後の話でこの配信の数日前に実家に電話をしていたそうだ。15年以上も音沙汰がなかったらしく、不思議に思ったという。

◆ 私は以前はS氏の配信を少し見たことはあったが、その後は殆ど見ていなかった。配信者なので色々な話題を話し、にわかとは言っても知識がないわけではなかった。まあにわか知識なのでリスナーから突っ込まれることは多々あったわけだが、そうした"邪魔なリスナー"はブロックして排除してしまうと言うのが氏のスタイルでもあった。


配信者の一生(6/25)
◆ S氏は元々はニコ生で配信をしていた人だそうだが、私が氏を知ったのはもっとずっと後の事だった。当時氏は30歳代だったとの事だが、見た目的には60代後半かなと思った。

◆ 以前にも書いた事があると思うが、薬物に手を染めた人は総じて老けている。刑務所が第二の故郷、少年刑務所に入れる年齢以降の服役期間と非服役期間が同じくらいではないかというY氏も、自分では俺は若くて顔が良いと豪語するも老けているし、歯がない。

◆ 同じく歯のないS氏は女子高生を海に投げ込んだ、殺人未遂で服役した事が自慢の一つだった。様々な点でY氏とは共通性のあるS氏も、とにかく口から出任せが多かった。自分がいかに凄い人間であるか、並外れた才能を有しているか、逆らえば女子高生と同じ目に遭うぞと語る。

◆ 元々は東京の郊外に住んでいたそうだが、やがて大阪に移る。東京にはいられなくなった事情があったらしい。大阪ではパトロンというかスポンサーが付いて、良いマンションに住み、飲食店経営も任された。

◆ とは言っても働く事の嫌いな氏なので、気が向いたら店を開ける程度だったが、持続化給付金や休業補償金などは、その手のブローカ的な人間を介して手に入れたらしい。この休業補償は別の配信者であるK氏もインチキ申請で手にしたのだとか。

◆ その後第一次豊かな生活時期は終止符が打たれる事になる。マンションで問題を起こし、退去せざるを得なくなったのだ。口が達者なS氏は他の配信者をあおりまくった。ぶっ殺してやるから来てみろ、どうせ来られないのにでかい口を叩くなと連日あおった。

◆ するとその配信者はバールを持ってS氏の住むマンションにやってきたのである。これが語り継がれるバール事件で、驚いたS氏は済みませんすみません、何でもしますから許してくださいと懇願した。バールを持った配信者は、何でも聞くならドアを開けろと叫んだ。

◆ S氏はそれだけは勘弁してくださいと涙声になる。バールを持った配信者は、そのバールでドアをたたき始めた。その後S氏は110番通報で助けを求め、バールを持った配信者は逮捕される事になる。

◆ 逮捕されれば怖くはないとばかりに、その後もその配信者をあおる発言を繰り返したS氏だった。この辺りもY氏と共通する部分があり、もしかしたらそれが人気を呼んだのかも知れない。しかし乱闘にも発展しそうな事件を起こしてタダで済むわけはない。さらにはバールを持って襲撃に来た配信者が、S氏に煽られたとして訴えS氏は逮捕されている。

◆ こんな騒ぎを起こしてパトロン氏のマンションにいられる訳もなく、やがてS氏はそこを出て行かなければならなくなる。時を同じくして付き合っていた女性とも縁が切れ、飼っていた犬も死んでしまう。裕福な生活は一転し、配信で物乞いをするようになる。

◆ それでも言う事は立派で、気に入らないコメントを書いたリスナーは直ちにブロックしてしまうと言う、氏は配信スタイルを変える事がなかった。閲覧数は最盛期よりは減ったらしいが、それでも数百人が見ていたようだ。


クレジットカードとの紐付け(6/24)
◆ PayPayは従来は様々なクレジットカードとの紐付けが出来る仕組みで、チャージせずとも使う事が出来た。それが8月からはPayPayカード(クレジットカード)以外のクレジットカードとの連携が不可能になり、現在連携設定しているクレジットカードとの連携は自動解除される予定だった。

◆ 銀行などからチャージして使っている人にとっては関係の無い変更だが、クレジットカード連携を設定している人には大きな改悪となる。PayPayにPayPayクレジットカード以外のクレジットカードを設定しても、支払いに対してクレジットカード側のポイントは付かないらしい。従ってポイントの二重取りでお得さを出していた人はいないはずであり、その点で連携出来るクレジットカードが限定される事に大きなデメリットはないように感じる。

◆ 従ってPayPayクレジットカードを新たに作れば良いのだが、決済手段(カード枚数)が増えると管理が面倒になる。出来ればクレジットカード1枚で全てを済ませたいと思っている人にとっては、ちょっと気になる改悪であり、話題になった。

◆ PayPyaクレジットカードをPayPayに連携させると、支払額によりポイントが付く。PayPayクレジットカードは特に審査が厳しいわけでは無いと思うので、誰でも持つ事が出来るだろう。

◆ PayPayとかPayPayカードとかPayPay銀行とか、何でもPayPayなのでへっぽこGoogleでは検索が上手く行かない。なので、ここに書いた事が誤っている可能性もある。

◆ ソフトバンクとしてもPayPay(コード決済)よりもクレジットカードの方が儲かるわけで、PayPayのシェアをPayPayクレジットカードの発行枚数を増大に利用したいわけだ。シェアが小さいうちは思い切った事が出来なかったと思うが、今はトップシェアなので、やり放題と言えばそうなる筈だった…
◆ LINE PayにしたってLINEのクレジットカード以外は連携が出来なかったわけだから、商売的には自社のクレジットカードに囲い込むのは当然とも言える。もちろんPayPayに嫌気が差して他のコード決済に移行する人もいるとは思うが、ポイントがあるとか残高があるとかで、流動性はそう高くはない。

◆ コード決済はバーコード付き請求書払い用にLINE Payを使い始め、LINE PayがPayPayに統合されるとの事でPayPayのアプリも入れた。PayPayに統合されるとLINE PayというかLINEクレジットカードが不要になる。

◆ バーコード付き請求書払いとか税金の支払いにLINE Payは使うが、それ以外では使わない。理由は、あえてLINE Payを使う理由がないからだ。PayPayも同様で、ポイントが溜まった時くらいしか使わない。これもRF IDによる決済の方が楽で早いからだ。

◆ この先コード決済が伸びていくのか?それともRF IDによるクレジットカードのタッチ決済が主流になるのか。もしもコード決済が斜陽だとすれば、ソフトバンクとしては今のうちに資金を回収しておきたいと考えるはずだ。しかしシェアで勝っても世間に負けた。PayPay改悪計画はいったんお預けになったのである。


バッテリー交換問題(6/23)
◆ 以前から言われていた事だが、EUの規制が具体的になろうとしている。ポータブル機器のバッテリーは利用者自身による交換が可能な構造を採らなければいけないとする法案が可決された。

◆ 確かにバッテリーの寿命にその製品の寿命が左右されるのは無駄が多い。特にOSアップデートが継続的に行われるiPhoneでは、その機器の寿命がバッテリー交換コストによって短くされてしまう問題がある。

◆ Androidの場合も同様ではあるのだが、OSアップデートの問題があるのでその解決が先になる。EUはAndroidのOSアップデート問題に何故触れないのだろう。現状では2回のアップデートしか行われないものが多く、セキュリティパッチの配信もなくなる。

◆ バッテリー非交換式のスマートフォンはiPhoneから広まった。それまではバッテリーの交換が可能な構造を採っていたわけだが、デザイン性と小型化とコスト削減を両立させるにはバッテリー比交換式が良い事は分かっていた。

◆ しかし当時はバッテリーの持ちも悪く、予備のバッテリーを持ち歩く人も多かった。そんな時代にバッテリー非交換式のスマートフォンを発売すれば、反発は必至だとみられていた。

◆ しかしiPhoneに帯する批判が余り多くなかった事や、モバイルバッテリーが発売され始めた事で流れが変わってくる。国産ではSONYがバッテリー非交換式を採用しはじめ、他のメーカにも広がっていった。バッテリー非交換式とする事で背面パネルのデザイン自由度が増した。

◆ 現代のスマートフォンをバッテリー交換可能な方式とするには、背面パネルの再設計が必要になる。背面パネルとバッテリーの蓋部分の嵌合スペースなどを考えると、その分だけバッテリーを小さくするか筐体を大きくする必要性が生じる。

◆ バッテリー交換式とするよりは、寿命の長いバッテリーを使った方が良いのではないだろうか。EV用のバッテリー並の寿命があれば、あえてバッテリーを交換する必要性がなくなる。確かに長寿命化させる事でエネルギ密度は下がるのだが、交換そのものが不要になるメリットは大きい。

◆ ウチでは未だにXperiaXZ Premiumを使っている。これは発売後6年になるのだが、バッテリーは今も普通に使えている。この頃からいたわり充電的な仕組みが実装されはじめ、満充電を維持する時間が短くされた。SONYは比較的寿命の長いバッテリーを使っていたと思うので、6年くらいは使えると言う事だ。

◆ ただ充電しながらゲームをプレイするなど、温度的に過酷な状況に置くとバッテリーの傷みは早くなる。要は使い方次第で、これはEVでも同様だ。Xperia1 IIIでは常に80%充電の設定にしているし、その他のスマートフォンは80%前後で充電が停止するケーブルを使っている。

◆ Li-ionバッテリー自体の進化もあり、従来よりは耐久性が増した。GALAXYも今のところはバッテリーは膨らんでいないので、もう暫くは使えそうだ。そう考えると何が何でも交換を容易にするという方向だけではなく、例えば5年はバッテリーに手を触れずに使えますよと言うような基準でも良いのではないかと思う。


急成長企業の闇(6/22)
◆ 悪い噂が絶えないのがビッグモーターである。不正車検問題に続いて保険金詐欺疑惑まで発覚した。取引に於いても不正は普通に行われていて、整備済みとしながら実際には整備が行われていないとか、整備費用が必要だと言われて請求されるも、それが実行されていないなど。

◆ 買い取り時にも高額査定がされて契約書が作られたあとでも、難癖を付けられて金額が変更される事がある。ブレーキの不具合があったとか、(中古車を買ったものであれば)事故歴があったとか。ならば売らないというと契約書があるからキャンセルは出来ないなどと言われる。

◆ 4月末頃だったか、FRYDAYに暴かれたのは自ら車を破壊して保険請求をするというもの。他にも無資格者による整備や、規定の検査を行わないなどの手抜きが行われていたそうだ。そもそも整備士や検査員が少なく、しかしノルマが多いために通常の作業では処理が出来なかったそうだ。  
◆ こうした騙しが急成長を支えているわけで、これはソフトバンクにしても楽天にしても同じようなものだ。悪徳商法のまま成長が出来るのか、あるいはどこかで消滅に向かうのかは誰にも分からない。

◆ 中古車販売店は不正の温床であり、ガリバーなどでも同じ事だ。まあガリバーは自滅の道を歩んだようだけれど。チェーン店は宣伝にも力を入れているので販売力は強いのだが、信頼性は低い。

◆ 社内規定も暴露されていた。車検や保険加入はビッグで行う必要があり、他社や他の代理店を利用すると解雇の対象になる。保険の適用はドライブレコーダが必須であり、それがない場合は保険が適用されない。

◆ 保険適用率で保険の代理店成績が決まるだろうから、社員には保険は使わせないと言う事だろうか。加害者側は勝手にしてくれだが、被害者はたまったものではない。なお(勝手な)示談交渉も禁止されている。

◆ 従業員だけではなく家族の自動車の保険もビッグで加入しなければならず、保険の内容も決められている。それでもマスコミに余り叩かれないのは、スポンサーとして金を出しているからだ。

◆ この辺りもソフトバンクや楽天と同じで、悪いニュースが出たとしても最小限の報道にとどめて貰える。そうした意味では週刊誌などはなかなか強いのかなと思う。ジャニー氏問題にしても同様で、書く所は書いていた。

◆ 大手はダメで個人販売店が良いのかと言えば、必ずしもそうとは言えない。ただ小規模の中古販売業者は、その地域で看板を背負って何年も商売しているわけだから、悪い噂が立てば店は潰れるだろう。

◆ 中古車販売業界に限っては、大手だから安心とはならない。以前にコバックの車検問題に触れた事があったが、フランチャイズ方式のところも商売第一で信頼は疎かにされる傾向なのだ。


クレジットカード認証(6/21)
◆ クレジットカードの認証は、従来はシグネチャが一般的だった。現在ではIC搭載カードになっているので暗証番号(PIN)による認証が行われる。しかし従来型のシグネチャ認証も可能であり、例えばレストランなどでのテーブル決済の場合はこれが利用される。

◆ しかし日本クレジット協会のガイドラインに沿うかたちで、PINによる認証のみになっていく。この、いわゆるPINバイパスと呼ばれる暗証番号を入力しないで決済する方法は、セキュリティの観点から利用しない事となっている。

◆ テーブル決済を行うためにはワイヤレス決済端末が必要になり、カード発行会社などはその開発も急いでいるそうだ。今はAndroidタブレットにアプリとカードリーダを付けてクレジットカード決済端末にする仕組みもあるので、ポータブル決済端末の開発に難しさはないだろう。

◆ PIN入力方法にしても金額によってはそれを省略する事が可能なのだが、この辺りもより厳しくされるのかも知れない。PINの入力も店員が見ても分からないように、数字がランダムに並んでいるソフトウエアキーのものがある。

◆ 確かにどの数字を押したかが分からないというか、覚えられないのかも知れないが、入力する側も少し戸惑ったりする。人間が判別しにくくても、もしかしたら(レジ周辺は特に)防犯カメラで映されているかも知れない。それをあとから見たら、PINは簡単にばれたりして。

◆ visaタッチなどでは暗証番号入力は今のところ不要だ。ただし少額決済(1万円)に限られるので、それ以上の額の場合はPINの入力を求められる事になる。しかしこの限度額の引き上げ論などもあり、もう少し自由度が増す可能性もある。

◆ クレジットカードの場合は落としたらアウトだが、スマートフォンの場合はロックがかかっているので多少は安心だ。とは言ってもスマートフォンで利用出来る決済方式に対応していない店もあるので、結局はクレジットカードも持ち歩かなければならない。

◆ 日本独自の○○Payは、シェアトップのPayPayが5.5千万人以上の加入者があり、連結決済取扱高は10兆円に達するそうだ。バラマキによる加入者集めが功を奏したわけだが、その分は回収出来ているのだろうか。

◆ コード決済は少額決済が多いのと、日本独自のガラパゴスPayなので将来性があるのかというと疑問でもある。中国ではセキュリティ問題が指摘され、急速に他の決済にシフトしたとか。日本では不正が起きにくいとは言え、何も日本人だけが犯罪を行うわけではないので危険はある。

◆ 認証というとマイナンバーカードの顔認証があるのだが、マスクをしていても認証される。アレって本当に本人かどうかの確認をしているのだろうか?何か怪しんだよなぁ。そもそもLiDERなどはなさそうなので、写真でも認証は出来るはずだ。まあそこまでしてマイナンバーカード不正を行う人がいるかという話ではあるのだが、中国人による保険証使い回しなども指摘されている。(暗証番号認証ならすぐ突破出来る)


10分で行けるところ(6/20)
◆ この辺りは田舎なので渋滞は余りない。県道にしても国道にしても50km/h以上の制限速度のところが多いので、10分間で行ける距離は10km前後になる。

◆ 都内や渋滞時の横浜周辺で10kmの距離を移動しようとすると1時間以上かかる場合がある。令和2年度の都内の平均走行速度は、東京都の全エリアの平均で21.8km/hだった。区部では20km/h未満のところが多く、一日を通した"常時渋滞"とされる道路も多い。

◆ また平日の渋滞時の平均走行速度が10km/h未満になる箇所も少なくはなく、全体の25%では渋滞は改善傾向だが35%では改善が見られていない。コロナウイルス感染拡大時の行動制限によっても渋滞の傾向は余り改善されなかった。

◆ 平均速度10km/hだと10kmを走るのに1時間かかるのだが、環状七号線を端から端まで行っても57kmしかないわけで、都内の10kmは結構遠い。なお環七を端から端まで行くのに要する時間は3〜4時間くらいである。

◆ 年中渋滞しているので都内で10km移動するのは大変だ。新宿から東京駅周辺までは10kmもないが、車で移動しようとすれば30分以上はかかる。しかし田舎の10kmは何と言う事はなくて、気軽に行ける距離なのだ。

◆ だから田舎の車の走行距離は伸び、都市部の車の走行距離は少なくなる。田舎は渋滞が無いのでハイブリッド車を見かける事も少ないが、静岡県でも西の方に行けば愛知が近づくのでミサイル系の車も沢山走っている。

◆ この辺りではリーフもよく見かけるのだが、平均走行距離が長いので余り航続距離の短い車は不便だ。一方でガソリンスタンドは減少傾向なので、自宅で充電出来るEVに利便性もある。

◆ 天城から三島まで行くと40km位なので、真冬で暖房を入れながらでも100km以上を余裕で走れないと実用的とは言えない。伊豆から下田も往復100kmくらいで、途中には天城峠がある。下りでは回生出来るとしても、上り坂では連続高負荷運転を強いられる。

◆ ここに引っ越してきて土地勘も余りない頃、大きなスーパーはどのあたりにあるのかと聞いた事があった。するとオジサンは、その道をちょっと行ったところにあるよと教えてくれた。で、行ってみたわけだが10kmくらい離れていた。10kmは"ちょっと行ったところ"ではないでしょうとその時は思ったが、いまは10kmは近い距離だと思える。

◆ 結局のところ近いか遠いかは距離ではなく時間なのだ。都市部であればコンビニまで歩いて行けるとか、ちょっと遠いけど歩いて10分みたいな感じだ。田舎では歩いて行けるところに店がないというか、何らかの乗り物で移動するのが普通だ。

◆ 駅まで行くにもバス停に行くにも車で送って貰うような感じだし、免許を持てる年齢になれば自分で車を運転して移動する。都市部では免許を取らない若者が増えているが、田舎では運転免許は必須だ。だから走行距離課税になると、田舎ほど重税感が増す事になる。一方で走行時間課税にすると田舎も都会もたいして違わないのではないかと思う。


設計者と制(製)作者(6/19)
◆ ソフトウエアの使用を書く人に対してコード化する人、回路図を書く人に対して基板設計を行う人、機械図面を書く人に対して加工を行う人など、多くは分業化されている。

◆ 基板設計を頼む場合に、レイアウトなどの指示は必要だ。低速ロジック回路であれば線の引きやすい部品配置でも問題になる事は少ないが、高速ロジックやアナログ回路では詳細な指示を行う場合がある。

◆ この指示にどれだけ正確に対応して貰えるかが基板設計者の腕みたいな所もあり、回路設計者の意図をくみ取って貰えればラフな指示でも良い基板が仕上がってくる。逆にあまり回路を知らない基板設計者だと、指示の理由が分からないまま設計するので、勘違いなどが起きる。

◆ 回路図に100Ωの平行線だよとか50Ωのマイクロストリップラインだよと書くだけで良い場合もあれば、線の太さや線間寸法まで詳細な指示を行わなければいけない場合もある。

◆ 例えば信号線間にガードのラインを入れたりすると、片側がオープンになっている線があったので削除しておきました、なんて事になったりする。そうした設計者に対しては「下手なオリジナリティは不要です」と指示書に書き加える。

◆ 私は機械設計は専門ではないのだが、筐体だとかケースの設計をする事もある。削り出しなどで制作する場合に精度が必要な部分があり、公差を指示する。これに対して「その公差は必要か」と聞いてくる加工屋はダメだみたいな話もある。

◆ 指示された公差とはそれが必要だからそうしているのであり、その理由を聞くのは加工屋の仕事では無いと言う事だ。これはもっともな話なのだが、公差を指示するには(普通は)相手がある訳で、その相手の加工精度や熱膨張などに関する情報を加工屋さんと共有しなければいけない場合もある。

◆ 従って基板屋さんにしても加工屋さんにしても、より高度な技術を持っている人の意見は大切にすべきだ。少なくとも私が書く機械図面に込める設計思想よりも、加工屋さんの方が多くの知識やノウハウを持っているのだから、ここの公差はこの程度にして、その代わりこちら側の精度を少し上げた方が良いですよと言われれば参考になる。

◆ 結局の所どちらが考え深いのかと言う事になり、多くの場合はその作業に対して経験のある専門家の方が知識を持っている。ただ基板設計に関しては、一時期はCADの自動配置配線任せみたいな設計屋さんが増えた事があった。

◆ 自動配置配線を機械にやらせて、不都合が起きた部分だけを手直しする設計だと、電気に関する知識はなくてもかまわない。早い話、未経験のアルバイトの人にでも設計と名の付く業務が出来てしまう。

◆ 基板設計需要が拡大していた時代など、仕事をこなせさえすれば良いという感じの基板屋さんが乱立した。そうした傾向はやがて自然淘汰されていくのだが、相手がどの程度の知識や経験を持っているかを確かめるというか、知る事も必要になる。


伊豆の国市(6/18)
◆ 伊豆の国市は伊豆市のお隣である。面積は伊豆市の1/4強なのだが、人口は伊豆市よりも多い。伊豆あたりの市町を調べている時に、伊豆の国市のホームページは様々な情報が見やすいなと思った。

◆ そんな事も理由なのか、移住者が昨年よりも増えたと報じられていた。と言っても前年度が47人で今年度が73人って… まあそれがニュースになる位なので、地方の人口減少は深刻と言う事だ。

◆ 移住の理由としては自然豊か・子育て環境が良い・病院が多い事が挙げられているという。伊豆の国市にはエメラルドタウン(別荘地)もあるし山から下りてくれば住宅地もあり、農村や漁村的な田舎の面倒さが少ないのも移住しやすい理由になる。

◆ 伊豆の国市は伊豆市よりも三島側(本州側)になるので、三島からの移動時間も少ない。三島までは東京から42分(ひかり)〜56分(こだまの一番遅い列車)なので、距離は遠いが時間的にはたいしたことはない。

◆ 伊豆市は移住に対して余り積極的ではないが、伊豆の国市は移住相談を行っていたり不動産の紹介があったりする。移住者で自分で商売をする人はイチゴやトマト栽培を行う例がある。おそらく土地面積あたりの収穫量が安定していて、出荷価格の変動も少ないからではないだろうか。

◆ 田舎は産業が少ないので、仕事を探すとなると通勤時間が長くなる傾向にある。伊豆の国市自体は観光都市という位置づけなのかな、なので電子や機械産業があるわけではない。もちろん仕事を選ばなければ働き口はあるのだが、好きな仕事となると選択肢は少ない。

◆ スズキ自動車とかヤマハは静岡市や浜松市なので、そのあたりまで行けば産業がある。三島から静岡までは新幹線だと17分/1,980円かかる。在来線や自動車の移動では1時間くらいかかる。三島や熱海から東京まで通勤している人もいるが、一時期のように新幹線通勤代を会社が全額出してくれる所は減っている。

◆ リモートワークとか自営であれば何と言う事はないが、会社員として収益を得ようとすると仕事探しは都会ほど簡単ではない。まあそんな事もあって、自治体などから融資や支援を受けて農業を始める人も多いのだと思う。農家の高齢化で空いている農地もあるし、農地のそばに空き家がある場合もある。

◆ イチゴだとかトマトのハウス栽培は比較的若い人が行っているそうだ。いわゆる従来型の農家は、なかなかハウス栽培には手を出さないのだとか。近代経営でもないが、そうしたエリアというか、例えばイチゴ農家はイチゴ農家のエリアに固まっている傾向なので、古い農村のイメージとは少し違うかも知れない。

◆ イチゴ農家の平均売り上げは年間約1千万円で、純利率は5割くらいだそうだ。1千万円を売り上げるために必要な広さは20アールくらいだという。価格の変動があるのでなんともいえないが、ミニトマトも収益率が良い。イチゴは手間がかからないのかと思ったらそうでもなくて、出荷など(選別や箱詰め)に時間を要する事から、時給換算するとミニトマトの方が良いそうだ。


サイドロード論(6/17)
◆ AppleのアプリがAppStoreだけでしか配信出来ないのは市場活性化に問題があるとか何とか、政府が言い始めた。何を今更という感じがしないでもないが、セキュアエレメントの解放をしないのなら規制をするぞと言う事なのだろうか。

◆ Appleにしてみれば日本は重要なマーケットであり、iPhoneシェアが圧倒的に高かった。と、過去形なのは値引き規制によってシェアが低下したからだ。インチキ値引きを行うたびに突かれ、一方でGoogleはシェアを拡大しようとしてきている。

◆ その値引きに関しては議論があり、今秋くらいには値引き規制が緩和される可能性がある。これはAppleに与えるアメの部分であり、サイドロードの解放がムチなのか。

◆ Appleといえば免税制度の悪用(意図していたかどうかは不明)による追徴課税問題があった。財務省的には一度目を付けたら、そこを突破口に色々掘り出す方針だろうし、大きな利益を上げていながら利益を本国に吸い取られていくのは気に入らないだろう。

◆ 本社が海外にある場合の利益制御はさほど難しいものではなく、日本法人への納入価格で調整出来る。勿論あからさまな調整と分かれば課税されるが、Appleだって馬鹿ではないから上手くやる。

◆ そんな事とサイドロードが関係しているのかどうかは分からないが、Apple色の強い評論家や記者はこぞって反対している。セキュリティレベルが保てないというのがその理由で、これはもっともな意見だとは思う。Androidでも野良アプリのインストールには慎重になる必要があるわけで、しかしAndroidは野良アプリの歴史が長いので、利用者も危険性を認識している。

◆ Appleの場合は野良アプリをインストールする事が普通は出来ないので、利用者は危険性に慣れていない。iPhone用のアプリはAndroid用よりも高額な傾向があり、それが野良アプリ配布所で安価に売られるとしたらどうなるだろう。

◆ ただソフトウエアの危険性はどこにでもあり、Windowsはどうなのか?MACはどうなのかという話になれば、専売店が絶対だという理屈は怪しくなってくる。石川氏は次のように書いている。「なぜ、政府はこれからiPhoneにマイナンバーカードを載せる気満々にもかかわらず、一方で、iPhoneに穴を開けて危険性を高めることをするのか。」
◆ これはちょっと違っていて、危険なアプリをインストールしたからと言って、マイナンバー情報が読み取られるわけではない。石川氏はそのあたりの事情は分かっていると思うのだが、まあ危機感を煽りたいという所はあるのだろう。

◆ 個人的には賛成とも反対とも言えないのだが、例えばドコモはspモード網内で野良アプリをインストールするよう誘導していた(今もあるのかな?)。ドコモショップで設定して貰うと、野良アプリのインストールを可能に設定された。

◆ これと同じようなアプリビジネスを展開しようとしているのなら、サイドロードの解放は歓迎されるだろう。事業者系のアプリにしてもAppleの審査なしで配布出来るとなれば、iPhoneの自由度を奪うような事業者アプリも配布が出来るようになる。


遭難と救助(6/16)
◆ 釣りに出かけた方が崖から落ちて遭難状態になり、救出されるまでが書かれていた。登山経験はあるが釣りは初心者だというその方は、登山の時には様々な装備を身につけるものの、釣りだからと軽装備で出かけた。

◆ 駅からバスに乗り、その先40分ほど歩いて釣り場に行く。道路から川を見ると、崖を降りられそうだった。しかし足場が悪く、滑落してしまう。10m〜20mほど落ちたそうで、このときにスマートフォンを紛失、骨盤を骨折する。ソフトバンクのスマートフォンは、その場所では圏外だったそうで、持っていても救助要請出来なかっただろうと語る。

◆ それでも川の反対岸に行かなければ(道路から見えないので)救助される事がないと考え、川を渡る事にする。右脚が殆ど動かない状態で、ずぶ濡れになって川を渡る。

◆ 遭難した方は看護師だそうで、自分の状態や救出される可能性、それまでの命の配分などを冷静に語っている。食料は多少持っていたものの水がない。川の水をくむにも動けない。そこでレジ袋を釣り竿に付け、川の水を汲む。だがその水を飲む事が出来ない。片手で体を支えないと体を起こしていられなかったからだ。それでもおにぎりが包まれていたビニールを使い、水を飲む。

◆ 滑落2日目、救助されるのかされないのか誰かが気づいてくれるのか、不安な状態のまま動けない。その頃妹さんはお姉さんと連絡が取れないと言う事でココヘリに相談する。ココヘリは民間の救助会社のようなものだ。

◆ しかしその日は釣りだからと言う事でココヘリの送信機は持っていなかった。送信機があれば920MHz帯で発せられる信号を上空から受信する事が出来るのに。それでもココヘリは救助が必要な事態である可能性を考え、情報収集とヘリコプタの準備を開始する。

◆ 遭難した方は体を少し起こせるように場所を移動、寒さをしのぐために枯れ葉をかき集めて体に乗せるなどしていた。道路を通る車が見えるものの、声を出しても気づいてくれるはずがない。体力が落ちてきたからなのか、寒さからなのか、定期的に睡魔に襲われると記している。

◆ 絶望感が漂い、食料も底をつきかけ、自力で頭を上げる事が出来なくなる。片手で首を支えるようにして水を飲む。その夜には小雨が降り、体がさらに濡れ体温が奪われる。

◆ ココヘリは遭難者がどのあたりにいるのかを推定する。周辺の調査によって駅からバスに乗った事が判明、その周辺はドコモの電波も余り強くない事が分かる。捜索ヘリコプタの準備をするも悪天候に阻まれている。もし生きているなら今日が勝負だとして、何としてでも救助したいとする。

◆ 遭難3日目、妹さんからの通報で警察や山岳救助隊が動き、捜索隊が結成された。バスを降りた場所もバスドライバーの話で特定され、川沿いを捜索していた。捜索は17時で切り上げる予定だったそうだが、16時頃に上流を探していた捜索隊が発見し、救助される。ココヘリ側にも救助の一方が届き、ヘリコプタのキャンセルが行われた。
※現在は自力で歩けるほどまでに回復されています。


ChatGPTはすごいのか(6/15)
◆ 一般メディアというか、それこそTVのワイドショーレベルでもChatGPTが語られるなど、対話型AIはすっかり一般化したと言える。まあワイドショーレベルとなると、ちょっとした自動制御ですらAIにされてしまうなどの勘違いも多々ある。

◆ これからは検索して情報を見つける時代ではない、AIに聞いて回答を得る時代だとワイドショーでは言っていた。AIが必ずしも正しいものではないのだが、それは検索にも言える。検索されたページが正しいものとは限らない訳だし、詐欺サイトなどが検索上位に来るのは今に始まったことではない。

◆ シロアリ屋然りリフォーム屋然り、動画編集ソフト屋でも何でも怪しいページが検索上位を占める。逆に技術解説をしたページなどは検索もされないなどは、年々その傾向を強めている。

◆ 以前にも書いたが、検索で上位に来るページは安易に信用してはいけないと一般のニュースでも触れられていた。これは詐欺サイトに騙される被害が増えている事や、法外な対価を要求するサイトが増えている事に対する注意喚起だった。詐欺サイトは現金を要求するものではなく、仮想通貨を使うことで摘発を逃れているそうだ。

◆ もっともChatGPTがそんな詐欺サイトの情報に影響を受けるとすれば、人間が引っかかるようにAIの情報が揺らぐ原因になる。現時点では収益構造が広告ではないので、検索サイトが検索順位を売るようなスタイルにはなっていない。

◆ 企業でもChatGPTを使うという例もニュースで紹介されていて、情報処理分野のみではなく広告宣伝の文言を考えさせたり、メールの文面もAIに書かせるみたいな例だった。こうした利用だと有料プランを使うことになり、AI提供側もビジネスとして成り立つようになる。

◆ 広告モデルは安易ではあるのだが、どこまでが広告でどこからが広告ではないのか、境目がハッキリしなくなってくる。日本のメディアはジャニーズ事務所が性被害疑惑調査を開始するまで、ジャニー氏事件を全く報じなかった。広告モデルではスポンサーを常に意識しなくてはならない。スポンサーの関係ないNHKも同列なのは酷いけど。

◆ AIも様々なモデルが登場してくるし国産の生成AIも開発が進む。それらが要らぬ影響をどこまで排除出来ているかも気になる所だ。それこそAIにステルスマーケティングをやらせれば、大きな利益を手に入れることが出来る。

◆ AIが直接関与しなくてもUIの部分で細工をして、利用者の質問内容そのものを編集してしまえば答えも変わってくる。悪意あるサービスによる中継?をどの程度排除出来るのかなど、今後は注意していく必要がある。

◆ 正統派としてChatGPTが成長して、スタンダードとして認識されるようになれば、それなりの重みは出てくる。大きなシェアを取った方が勝ちというネットの世界なので、普通に成長を続けていれば相当期間トップを走れるはずだ。


トヨタと固体電池(6/14)
◆ トヨタが固体電池を使うよと言う事がニュースになっていた。トヨタは以前からこれを言っているのだが、なかなか実用化されない。EV化で後れを取ったトヨタに対する株主からの意見をかわす目的かと、これも以前から言われている。

◆ 最初に固体電池の話をしたのが2020年の事で、後にトヨタは、サイクル寿命と内部抵抗に問題があるからEVには使えないよ、でもハイブリッド用になら使えるよとした。問題はあるが、EV用として実用化するのは2020年代前半で、スケジュールは変わっていないと開発が順調に進んでいる事を強調した。

◆ 研究室レベルではトヨタに限らず完成しているものの、実用化への壁は厚い。TDKやムラタはSMDタイプの固体電池を発表している。機器内蔵のバッテリーとして使う事を想定してる。ムラタは2020年代後半から月産10万個レベルでの量産を行うという。

◆ マクセルは2種類の固体電池を製品化しているようで14.5mm角で厚さ4mmの電池は公称容量16mAhとなっている。これはSR1130(ボタン電池)よりも容積が大きいがSR1130より容量(82mAh)が小さい。現状では実用化は出来るが製品として評価出来るレベルには達していない事になる。

◆ この辺りはLEDでも同様だしCMOSデバイスも同じだった。LEDは低消費電力ながら高発光強度のものが作れず、CMOSデバイスにしても低消費電力だが高速動作が不可能だった。それが今ではLED照明が一般的となり、高速ロジックはほぼCMOSデバイスとなっている。

◆ それら同様で、固体電池が実用的に使えるレベルにならないとは言えない。今後特性の改善やコストダウンが進めば、やがては固体電池が普通に使われる世の中になる。現状ではLi-ionバッテリーの数十倍の価格であり、とても製品に実装出来るものではない。ただLi-ion電池にしても従来は使いにくくて価格の高いバッテリーだったわけで、研究が進んで量産化が始まれば価格は下がっていく。

◆ ソフトバンクも新型電池を発表していて、これは金属リチウムを使うものだったかな。それ以前にもリチウム系の電池を発表していたのだが、サイクル寿命が数十回しかないというもので、使えない事はないが使途が限られるものだった。

◆ トヨタの電池がいつ出来るのかは不明(当初は2020年代前半の予定だった)だが、現時点では2027年〜2028年にはプロトタイプを作り上げたいとしている。現状では品質の問題(電池性能の事か?)とコストの問題が解決出来ていないようで、2028年頃までに少量生産を行いたいとしている。

◆ 今は固体電池の話が活発だが、過去には高温超伝導の話が出ては消え、低温核融合の話が出ては消えていった。超伝導送電は実用化はされているが、コストの問題や管理の問題もあって難しい。この分野でも中国の方が進んでいる。

◆ EV用のバッテリーは大きなビジネスになり、テスラはPanasonicに量産規模の拡大を要請したとか。確か一昨年にはバッテリーは自社生産するからPanasonicvの電池は買わないみたいな話になっていた。その後トヨタがPanasonicの方を向くなど、業界入り乱れてではないが電池争奪戦みたいな事にもなっている。


設計分野でのAI活用(2)(6/13)
◆ トヨタの次期EV用のシャーシ設計、何故時間がかかるのか。それこそAIを使えば時間が短縮出来るのでは無いかとも言われる。

◆ おそらく基本的なシャーシの設計であれば余り時間はかからないと思う。しかし共通化と言う事で見ると、様々な(そのシャーシが使われるであろう)車両を想定しなければいけない。

◆ サスペンション部品を取り付けるその寸法なども、強度や部品の共通化を考慮して設計される。共通化を考慮するには、車両そのものの設計も進んでいく必要があり、それが複数車種となると自ずと時間がかかる。

◆ トヨタは中国向けは先行するものの、他国向けは2026年頃の発売を目指すという。そこで想定される何車種かの設計が進まないとシャーシも決まってこないのか。シャーシに合わせて車種そのものの設計を行うのも、逆にシャーシがあとになってもコストメリットが出にくいのだとか。

◆ 共通化設計は生産ラインにも影響するし、生産ラインは製造コストになる訳だから難しい。ただこうしたパラメタが沢山ある設計こそAIが得意とする訳だから、トヨタがAIに力を入れれば(全てとは行かないだろうが)省力化は十分可能だと思う。

◆ トヨタはボディ剛性の弱い部分を変形させて、サスペンションのように使う事を行っている。これも設計はすごく難しいはずで、ボディ剛性を下げれば衝突安全性などにも影響が出てくる。まあ、それが出来たからこそコストダウンが出来たとも言える。

◆ こうした手法は量産メーカだからペイできる事で、設計コストが十分に回収出来る。少量生産メーカはそうはいかず、余り手の込んだ事は出来ない。量産というと中国メーカな訳で、中国メーカなら色々やってきそうだ。

◆ 中国メーカのEVは各車輪に独立にモータを設けて、超信地旋回を可能にしたみたいな話があった。このアイディア自体は10年以上前からあって、EVであれば可能だよねと言われていた。しかしそれを実用化(?)しようとするメーカはなかった訳で、中国メーカのアイディアというか無謀さというかが出ている。

◆ トヨタはEV化が行われると、余剰人員が沢山出てしまう事も心配している。EVは部品点数が非常に少なくなるので、部品管理も製造工程も単純化される。それに加えて設計もAI主体となると、エンジニアの人数も削減出来てしまう。

◆ 電気の設計にしてもディスクリート部品が減ってICだったりモジュールを基板に乗せるだけになってきている。同じような事が自動車産業でも起きれば、設計とは部品の性能を云々する事ではなく、部品を基板やシャーシに実装する事が仕事になるかも。

◆ 実際EVに関してはモジュール化設計が以前から言われていて、いわゆるEVシャーシ屋が出来るだろうとも見られる。これは、そのメーカのシャーシ(バッテリーやモータ付き)を買ってきて、それに独自のボディを乗せれば完成、みたいな感じだ。


設計分野でのAI活用(1)(6/12)
◆ 電気や機械設計でシミュレータの発達は大きな技術の進歩となった。従来は素子や部品単位での計算を行って設計していたものが、回路のトータルとしての性能を簡単に評価出来るようになった。

◆ プログラムやロジック回路の世界では、かなり以前からシミュレータは使われていた。ロジック回路に於いてシミュレーションが成功すれば、それは回路の完成を意味するくらいに言われていた。

◆ しかしアナログ回路では、主にシミュレーション時間の関係もあり難しい所もあった。シミュレータの場合は与えた条件によって回路がどう動くかを検証する。回路の中に可変定数のものを入れる事は出来るが、それらを最適に調整させるのは難しかった。

◆ 例えばトランジスタの増幅器に於いて、入力側のマッチング定数を変えると出力側にも影響が及ぶ。逆に出力側を最適点に調整すると、入力側が狂う。それに併せて入力側をいじると、再び出力側が狂う。

◆ 同じような事は光学レンズ群の設計でも、モータなどの磁気回路の設計にもある。何かを変えると他の部分が変わってしまい、計算が収束しなくなってしまう。

◆ しかしAI技術の活用によって、ここをこの位変えた場合は、あそこはあの程度変わるはずだとして計算が進む。従来はあらゆるパターンを計算し、その中から良さそうな部分を抽出してより詳細に計算させるなど、ものすごく時間がかかった。

◆ しかしAIの応用により、熟練設計者の勘と経験とシミュレーションによる計算をもしのぐ結果が得られる。

◆ 以前の日経系か何かの記事で、Panasonicがシェーバ用リニア(振動)モータの設計にAIを活用したという記事が載っていた。振動モータの設計は難しいそうで、コイルや磁石の配置、その磁力や各部品のギャップなどパラメータが多いのだそうだ。

◆ これまでの設計は、既存のものを少しずつ変更しながら効率を高めていく手法だったという。改善に改善を重ねるような感じで、経験ある技術者がシミュレーションなどを行いながら少しずつ高効率を目指して改良してきた。

◆ しかしAIにゼロベースで設計させた所、これまでのモータの効率を一気に15%も上回るものが出来たそうだ。技術者の設計では効率を数%上げるために何ヶ月もの期間を要するが、AIはそれをわずかな時間で設計してしまったという。

◆ この辺りは無線機のPAの設計なり調整をした事のある方であれば、やり方というか調整方法の察しが付くかも知れない。ベストな調整ポイントよりも少し"行きすぎた"ところに出力側をチューニングし、そうすると入力側を再調整した時に出力側がベストな位置にいる、みたいなものだ。

◆ シミュレーションの場合はその値がベストになるようにチューニングさせる事は出来ても、勘と経験でその少し先までトリマを回す、事は出来ない。しかしAIの活用で、多くの学習値からベストな値を一発で決める事が可能になる。


携帯電話契約数(6/11)
◆ 頭打ちだと言われながらも伸びていく携帯電話契約数は、昨年12月で2億を突破している。TCAのデータによればドコモが約43%、auが約32%、ソフトバンクが約24%、楽天モバイルは約2%となっている。

◆ データを金で買えるMMDの調査によるシェアは、TCAのデータとは異なる。ドコモのシェアは約34%でauが27%、ソフトバンクが22%で楽天が7.4%となる。MMDの調べではデータ端末などが含まれない関係で数字はTCAのものと異なるが、楽天の突出ぶりは健在である。

◆ 楽天を除く各社は5GSAのサービスを行っている。各社ともに5G SAには別途料金が必要だとしているが、現時点では無料キャンペーン扱いである。5G SAで何が変わるかという話だが、現実的には何も変わらないと思う。

◆ そもそも4Gと5Gで何が変わるのかと言われても困る訳で、それがSAになったからといって何かが変わるものでもない。ミリ波帯とSUB6でのCAが出来るよと言ったって、ミリ波帯で安定的に接続し続けられるエリアはごくごく限られている。

◆ 実質通信速度も4Gでも5GでもNSAでもSAでも変わるものではなく、そんな状態だからエクストラチャージを取ろうとしてもうまくはいかない。まあSA対応のスマートフォンを買ったら強制的にSA料金を取るぞとでもやれば良いのだろうが、今の時代そう勝手な事も出来ない。

◆ 5Gでも何も変わらないと言われる中でも、スマートフォンの多くは5G対応となり、その意味では特別なものではなくなった。伊豆市でも駅の方に行けば表示だけは5Gになるが、それで何かが変わったかと言えば否である。

◆ 各事業者は5Gスマートフォンが売れた数だけ5G契約が増えたぞと言うが、そもそも5Gとスマートフォンに表示されないエリアもまだまだ多い。それでも加入者は各社ともに増えていて、純増数の少ないドコモでも月間平均22万加入を、ソフトバンク系は月間平均29万加入を積み上げる。

◆ 今後は音声端末よりもデータ端末の増加が増えてくると思うし、それは以前の事業用という位置づけから自動車などの個人向けの契約が増えるはずだ。これは自動車のオプション装備の月額課金のチェック用としても使われる。

◆ テスラをはじめとする輸入車などは、工場出荷時にはフルオプションで製造されていて、お金を払えばその機能を有効にするよと言う、測定器と同じようなスタイルになりつつある。測定器の場合は月額課金ではなく、その機能を買う、例えば帯域100MHzのオシロスコープは帯域が500MHzのオシロスコープの機能を制限しただけで、お金を払えば制限を解除するよと言うようなものだ。

◆ しかし自動車の場合は月額課金になっていて、金を払わなければその機能は使えなくなる。合理的と言えば合理的かも知れないが、利用者は割高な月額料金を支払う必要がある。この料金支払いと機能のチェックをモバイルネットワークで行う訳だ。


防犯意識(6/10)
◆ 総じて田舎の方は防犯意識が低い。実際ここに引っ越してきてから、犯罪に対しての意識は低くなった。それは犯罪そのものが少ないからで、ドアに鍵をかけなくても、車にキーを付けっぱなしで忘れていたとしても何事も起きないからだ。

◆ 泥棒にしたって人口密度の低い所では、作業効率が悪いだろう。以前に触れたが別荘荒らしだけは別のようで、いわゆる泥棒ではなくホームレスが入り込んで何日か住んでしまうのだそうだ。

◆ 毎週別荘を利用する人たちは、別荘内に食料や飲料を残している。それを目当てに別荘内に入り込むのだそうだ。食料を食い尽くし、風呂に入り、洗濯をして用がなくなったら出て行くという。そんな別荘荒らしも今は全く見かけないそうだ。

◆ 代わって田舎を狙うのが外国人グループである。農機具だとかバイクを、トラックに積んで持って行ってしまう。犯罪の少ない田舎はセキュリティが甘いので、そこに金目のものが置いてあればトラックに積み込んで持って行ってしまう。

◆ 道路から物色し、庭先にも入り込んで根こそぎ盗っていくというのだから乱暴な話だ。付近の警察は他県ナンバーのトラックがいたら注意するようにと呼びかけているが、そもそも人が少ないのだから気づく人も少ない。

◆ 春から秋にかけては農機具を庭先に出していたり、畑の近くに持って行っていたりする。それをトラックに積み込む人間がいても、さほど不審には思わない。別の畑に移動しているのかなと、それは日常見かけるシーンだからだ。

◆ この辺りでは余り話は聞かないが、メガソーラの電線泥棒もある。活線で持って行くのだから感電リスクも承知の上と言う事か。最近は高圧送電が主流となりDC1kV〜1.5kVが使われている。

◆ 電線を持って行かれたメガソーラは、場合によってはそのまま休止される。修理に膨大な金がかかるのと、運用して10年を過ぎれば利益も溜まっているので捨ててしまっても良いと考える業者もいるそうだ。電線を持って行くならソーラパネルも持って行って欲しいなんて声も聞こえるが、ゴミにしかならないソーラパネルは誰も見向きもしない。

◆ 秋頃になると農作物を持って行かれる被害が増え始める。重さの割に高値の付く果実類など、一晩のうちに持って行かれてしまう。このあたりで盗難に遭いそうなのはわさびで、今年は例年より高値が付いている。

◆ 天候などの影響もあり、生育が悪いのか昨年の2倍くらいの価格が付いている。わさびは水の中で育てられているので、たぶん引っこ抜くのは簡単だと思う。しかも山の中で育てられているので、人目に付く事も少ない。

◆ 椎茸だって同じで、うっそうとした山の中に何百、何千という数の木が組まれていて、そこに椎茸が生えている。農家にとっては鹿の食害から守らなければいけないし、泥棒にも注意しなければいけない。


限界ニュータウンはお得なのか(6/9)
◆ 日本各地に存在する限界ニュータウンに関しては過去にも触れた事がある。都市部から比較的近い場所にありながら、開発途上で挫折した的な場所であったり、住民の高齢化によって人口密度が減少して町として機能を果たさなくなりつつある場所だ。

◆ 土地は50坪〜70坪くらいと広く、築20年から40年くらいの家が経っていて価格が100万円以下みたいな感じだ。空き地となっている所もあれば、古屋付きの所もある。

◆ 買う人が少ないから価格が安い訳で、買う人が少ないのは生活利便性が劣るからだ。さらにはその地域の人気みたいなものもあって、限界ニュータウンと言われ始めた途端に地価が下がる事もある。

◆ 別荘地でもそうなのだが、家が建っていれば値が付くが土地だけだと売れない所もある。土地は安いがそこに家を建てようとすれば、地価にかかわらず一定のコストがかかる。不便な場所に新築住宅を建てて何が得なのかと、おそらく多くの人は思うはずだ。

◆ では限界ニュータウンの空き家がずっと空き家かと言えばそうではなく、価格が下がればそれを買う人が現れる。若い夫婦がそんな家を買って自分でリフォームするみたいな話が雑誌に載ったりするが、それはほんの一部ではないだろうか。

◆ 空き家課税の話がある。空き家のまま放置すると固定資産税は最大で1/6に減額されるのだが、家を壊して更地にすると減額措置が無くなる。これによって空き家が放置されている事もあり、その特例をなくす空き家課税が課される。

◆ こうした事から空き家というか古屋付きの土地の流動性は、ある程度上がると考えられる。需要が一定で供給が増えれば価格は下がる。そもそも日本の国土面積が一定で人口が減っているのだから、利便性の高い都市部を除いては土地は余る傾向だ。そして限界ニュータウンではその傾向がより強まると思える。

◆ 限界ニュータウンの再開発が進まないのは権利関係もあるはずだ。バブル崩壊後に建築中のビルが放置されていたように、権利関係が複雑で売るに売れない不良債権と化した物件が沢山あった。これと同じように売れ残りの土地が、どうにもならない状態になっている。

◆ これは1980年代のドラマに登場したような、ちょっと郊外のちょっと広い土地の住宅地にも言える。近くには建て売りが立ち並んで売れているのに、その一角は売れないと言うより売られない。

◆ 限界ニュータウンに未来があるのかと言われると、再開発が行われない限り難しいと言えるのではないか。そこが普通の、いや普通が何かという話はあるが、ニュータウン開発が行われなかった町との違いだと思う。まあ田舎の過疎地も過疎化の進み方としては似たようなものかも知れないけど。少なくとも急激な変化には見舞われていない。


天災か?人災か?(6/8)
◆ 台風2号による大雨で静岡県各地で災害が発生した。その中で敷地川では昨年の台風15号時に続き、同じ場所で氾濫が起きた。台風被害の後には決壊した堤防部分に土嚢を積んでいたが、その土嚢は徐々に浸食されていたという。そこに台風2号による大雨が降ったわけで、応急工事だった部分は又壊れた。

◆ 土嚢は1.9tの大型のもので、崩れた箇所に755個を置いたという。しかし雨によって多くは流されてしまった。この場所は川がカーブしている外側にあたり、堤防が決壊するくらいだから土嚢は意味が無いと住民は言う。

◆ 行政は本格的な工事は後で行うとしていたが、その工事も行われないまま梅雨に突入した。そして台風接近による大雨で河川の水量は増し、再び堤防は決壊した。住民は「何か対策が出来たはずだ」として人災だと訴える。

◆ 今回の決壊により壊れた箇所に再び土嚢を積むとともに、矢板(シートパイル)を使って土嚢が崩れないように強化するという。しかし本格的工事はまだ先になる予定で、県によれば2025年度までには堤防の強化工事を行うとしている。現在は用地買収も含めての交渉など計画を進めている段階だそうだ。

◆ 水は低い所に流れていく。東京にはゼロメートル地帯があり、河川の氾濫によっては水深が3m〜5mにもなると言われる。また排水が難しい事から、水が引くまでの時間も長くかかる。しかし普通の豪雨位では堤防を乗り越える水量にはならない。東京が水没したら大変なわけで、キャパシティにはある程度の余裕がある。

◆ 河川が氾濫すると江戸川区側に水が溢れると言われているが、正確に堤防の高さを測ったデータは見つけられなかった。江東区や墨田区、荒川区側に水が溢れると都心部にまで水が及んでしまうが、江戸川区側は田畑が多い(昔の話)から浸水させるなら江戸川区側だと判断されたとの話がある。

◆ 川の対岸論はよく分からないが、鉄道の橋の部分の堤防が低くなっているので、そこから水が溢れるとは言われる。年々堤防の高さをかさ上げしたが、鉄道の線路の高さを変える事は難しかった。しかし防災上の必要性から京成本線の鉄橋掛け替えが行われる事になっている。工事の完成は2037年とかなり先だが、これによって鉄橋の高さは現在より15メートル上がるそうだ。

◆ ある意味地方部は東京よりも災害に弱い。では東京が強いかというと、大災害は起きなかったが浸水は起きた。場所によっては排水が間に合わなくなって浸水した。

◆ 今回伊豆半島は余り雨は降らなかったが、昨年の台風の時には伊豆半島南端の方でも浸水被害が出た。それこそ数百mmの雨が降れば土砂崩れが起きるかも知れない。大雨が降りそうな時には避難所が開設され、その旨がメールで通知される。ただ避難するかどうかの判断はなかなか難しい。

◆ 敷地側周辺で被災された方は、家の中の高い場所に避難するのが精一杯だったと言っていた。河川が氾濫するとあっという間に水に浸かってしまうわけで、避難途中に水が来たら危険だ。山の中では避難途中に崖崩れに遭う恐れもある。


マイナンバーカード(6/7)
◆ マイナンバーカードはもうボロボロである。その前身の住基カードもアレだったが、そもそも国民背番号制に無理があったという話だ。国民に番号を振って管理する案は古くからあり、都度反対に遭っていた。

◆ この流れが大きく変わったのは2012年で、第二次安倍内閣がスタートした時期だ。2013年には番号関連法案が可決され、マイナンバーに向けてのスタートが切られる。この時に「マイナンバーカードを持たないヤツは死刑」とでも法律を作っておけば良かったが、法案を通す為に「マイナンバーカードの所有は任意」とせざるを得なかった。

◆ マイナンバーカードの所有は任意だが、マイナンバーカードを持たないと日本では生きていけないよと、持たざるを得ない状況を作り始めたのが昨今である。しかし後付けでそんな事を行うものだからボロが出る。いや本当は間違えた事にして登録してしまうのが狙いか。

◆ マイナンバー登録のミスはシステムの不良でもあり、システムの不良は設計の不良だ。仕様書を書いた人間がアホだったと言うしかなく、実務と離れた所にいる縦割り公務員に仕様書が書けるわけがない。

◆ マイナポイント口座誤登録は静岡市はゼロだが、浜松市2件だったかな。静岡市では毎回ブラウザを閉じる事を徹底したそうだ。保険証とマイナンバーの結びつけだって、ソフトウエアでチェック出来る箇所は沢山ある。名前や生年月日が同一かなどをチェックするだけでミスは減らせる。大臣は「問題は住所が「港区赤坂一丁目2の3」と書く人もいれば、「港区赤坂1-2-3」と書く人もいる(略)」と言い訳した。

◆ "字"や"大字"は廃止の方向だが、旧来通りの表記をしていれば、字や大字は住所に付加される。また住所の読み方も様々で、新宿を「しんじゅく」と読む地域もあれば「にいじゅく」と読む所もある。しかしそんなものはデータベースを持っていれば済む事だし、何ならJPから貰ったら良い。

◆ さほど複雑な処理ではなく表記の揺れは吸収出来る。誤って入力された住所や表記の異なる住所を、自治体の決めるスタンダードな形式に書き直す事も簡単だ。大臣は将来的にはAIでと言っているが、そんな大それたものではないし巷で言われる正規化論とも違う。

◆ それこそ顔認証などより余程簡単なもので、どうしても解決出来ない場合はアラートを出せば人間が処理するだろう。まあ人間にやらせると間違いが起きるというか、どこかの自治体では(分かっていながら)他人の写真をマイナンバーカードに貼るという、何かやっておけば怒られないよね、公務員だもん。的な事をやっている。

◆ そもそも保険証はデータベースがあるわけで、何故そのデータ同士を連結しようと思わなかったのだろう。人間が行えばミスが発生するし時間がかかる。データベース同士の連結であれば、その変換ソフトをちゃんと作りさえすればミスは起きない。過去には年金のデータを消してしまったり、都合の悪い情報や廃棄してしまうなどしている人たちをどこまで信用するのか。

◆ と言う話をするとJIS漢字だかSHIFT_JIS漢字だかを使っていて、正しい指名を入力出来ないから仕方が無いという。これってUTFで作ればほぼ対応される筈だし、既に他の氏名入力システムでは解決されている。


アクティブサスペンション(6/6)
◆ アクティブサスペンションの定義は難しい。単に能動的なデバイスを付加するという意味では、ショックアブソーバの減衰力自動切り替えもアクティブサスペンションになる。

◆ 一般的には油圧や空気や電気によって各車輪の動きを制御するものとなるかも知れない。レーシングカーに於ける油圧アクティブサスペンションのような、ロールなどをコントローする仕組みや、ボディをフラットに制御する仕組みだ。国産車では日産シーマやトヨタソアラに搭載されていた。

◆ シーマには乗った事は無かったが、ソアラの油圧アクティブサスペンションは、ロールをほぼゼロに押さえ込む仕組みだった。多分に人工的な味付けではあったが、不思議な感覚のコーナリングだった。

◆ BENZではR230SLから油圧アクティブサスが搭載された。SLは0.3度までロールを許すんだったかな、乗った感じは普通というか、ロールはしないのだが特に違和感を感じるようなものでは無かった。

◆ R231では逆ローするようにセッティングが変更されたが、これには乗った事が無い。油圧アクティブサスは制御にパワーが必要なのとコストの問題もあり余り流行らなかった。

◆ 油圧アクティブサスは動作が速いので、路面状況をセンシングして予めサスの状態を変えておく的な制御もあった。しかしタイヤが通る所の路面状況を的確にセンシングできるわけでも無く、これもやがて廃れる事になる。

◆ 次に出てくるのがアンチロールスタビライザをモータでねじってしまう方式だ。これによって低コストでロール剛性を上げる事が出来る。最初に使ったのはBMWだろうか。

◆ このスタビライザねじり方式は低コストでロール制御化出来るので、今でも採用している車はある。左右輪につながったトーションバーをねじる方式もあれば、左右独立で(ボディーを支点にして)ねじる方式もある。

◆ フェラーリのプロサングエでは電動モータによるセミアクティブ制御を行う。アクティブサスの速度が十分高ければ、ばね下重量を見かけ上マイナスにする事も不可能ではない。

◆ プロサングエは48V系のモータを使用してサスペンションを制御し、油圧アクティブサス同様のレスポンスを得ているという。サスペンションのアクティブ制御が行われているので、アンチロールスタビライザは装着されていない。

◆ エアサス搭載車もあるが、エアサスはレスポンスが悪いので、瞬間的な制御には向かない。エアタンクを搭載したものであればある程度の速度が確保出来るが、電動コンプレッサ直結型だと分単位の時間がかかる(旧ソアラがそうだった)。

◆ エアサスは寿命がある(サスペンション部分のゴムが壊れる)とか信頼性に問題がある(ポルシェなど)と言われるが、特に新しい技術ではなく、採用している車は多い。


木に水が染み込む(6/5)
◆ 木にはある程度水が染み込む。例えば丸太などで年輪が見えるように切断すると、繊維の方向に水が染み込みやすい。木の板にも水は染み込むが、通常は奥までは水分が入っていかない。

◆ ペンキを塗る時も年輪部分に塗るペンキはどんどん染み込んでしまう。切り株を台として使うのに、腐りにくいようにペンキを塗るのだが、粘度の低いペンキだとどんどん染み込む。

◆ たっぷりペンキを染み込ませておくと腐りにくく、山を映しているWebカメラも切り株の上に固定している。これはもう5年ほど経っているが腐っていない。一方で切りっぱなしにしたものは、ボロボロというかボコボコというか、ボソボソというか、そんな感じになっている。

◆ 防腐剤などを含浸した木材があるが、これは加減圧を繰り返すなどして木材の奥の方まで防腐剤を染み込ませる。それでも表面から数cm程度までしか薬剤は入り込まないようだ。

◆ 水の染み込みやすさは木の種類によっても違う。丸太に横からドリルで穴を開け、そこに水を入れてみると違いが分かる。落葉樹は木が堅くて水が染み込みにくい。杉や檜は水が染み込みやすい。水は染み込みやすいのだが、耐水性は又別の問題で杉や檜は水に強いと言われる。

◆ 松は穴を開けた感じからすると、杉や檜と同じ位の固さなのだが水は良く染み込む。松ヤニなどが出てくると染み込まなくなるが、そうでない開けたての穴にはどんどん水が入っていく感じだ。

◆ 松でも種類があるのでカラマツは堅め、クロマツエゾマツは柔らかめだ。木材の堅さは密度であり比重である。ハードウッドなどは水に沈む。ウリンなどは下穴を開けておかないとビスや釘が打ち込めないと言われるほどの固さだ。

◆ 木の中には相当な水が蓄えられていて、木を切り倒すと切断面からどんどん水が出てくることがある。木の中に空洞が出来て水が溜まっているわけではなく、繊維の間から水が出てくるみたいな感じだ。

◆ 生きている木を切ると相当重いのだが、半年位放置しておくとそこそこ軽くなる。木の中の水分が抜けることでの重さの変化で、いかに沢山の水が含まれているかが分かる。

◆ 落葉樹を切り倒すと葉はすぐ枯れ始めるが、杉や檜は中々枯れない。季節や条件にもよるだろうが半年位は緑を保っている。針葉樹は冬場も耐えなければいけないので、水分などの消費量を節約しながら生き続けられるのかも。

◆ 水中乾燥という手法に関しては以前にも書いたことがあるが、木を水に浸けておくことで樹液が水に溶けて流出し、その後木を水から引き上げると乾燥が早まる。

◆ 樹液も色々なのだろうが、松などはベタベタの樹液が出てくるしゴムの木なども同様だ。これらが乾くというか抜けるには時間がかかる。加工された材木からも樹液がにじみ出てくる場合があり、ウチでも樹液が出てきた材木がある。


災害(6/4)
◆ 台風2号が前線を刺激し、広い範囲で沢山雨が降った。静岡県にも線状降水帯がかかり、昨年の台風15号で崩れた河川の堤防が再び決壊した。昨年崩れた場所には土嚢が積み上げられていたが、今年はその横が決壊した。

◆ こうなると天災か人災かという話にもなりそうで、何故行政は1年近くも放置していたのかと言われる。行政に言わせれば、修復工事を予定していた所に雨が降ったと言っているのだが、梅雨時期なのだから雨は降るだろう。

◆ 線状降水帯のかかった関東でも広範囲で浸水した。平野部である埼玉県南部や東部ではまるで湖に家が建っているかのごとく一面が水で覆われた。関東北部など斜面のある場所では水は流れていくが、平野部に水が溜まり始めるとあっという間に水位が上がる。

◆ 河川の氾濫などによる水害は、氾濫した場所から水は広がっていくが、平野部だと付近一帯が同じように水没してしまう。通常であれば排水路の容量が十分なので出は溜まらないが、集中豪雨だと排水が間に合わなくなる。さらに排水路にゴミが溜まったりする事で排水能力が下がり、水位が上昇する。

◆ 静岡県内では土砂崩れもあった。平野部は浸水が起き、山間部は土砂崩れが起きる。横浜市でも土砂崩れが起きて東海道線に遅れが出た。横浜市の造成基準は厳しいので崖崩れなどは起きにくいのだが、昨今の大雨では崩れる場所がある。昨年も横浜市内で土砂崩れがあって住宅が壊れた。

◆ 都内の各駅の何カ所かは排水が間に合わなくなって構内に水が流れたり、雨漏りとして構内を濡らした。電車の線路が高架になっている所では、線路に降った雨が排水しきれずに液に流れ込んだ。

◆ 一部の国道やバイパスでは、道路に溜まった水が排水しきれずに排水路以外の所から地上に吹き出した。東名高速や新東名は通行止めになり、新幹線は運休した。中央高速も一部区間が通行止めになったのだが、もしリニア新幹線が開業していたらリニアも止まっただろうか。それともトンネル区間が多いから雨には強いのだろうか。

◆ 新線建設の時に災害時の迂回路として重要な役割を果たすと書かれている事が多い。しかし今回の雨では東名高速も中央道も不通になったわけで、輸送路は分断された。災害に強い道路造りとか震度○に耐えられる云々みたいに言っているのだが、実際に何かが起きれば、いや何かが起きそうになれば通行止めになってしまう。

◆ 首都高速だって同じ事で、災害に強い道路造りなんて口先だけではないか。耐震補強をした所で、地震が来ればすぐ通行止めになる。それともあの耐震補強って、道路上に車が乗っていない場合の荷重でしか計算されていないとか?
◆ 前線による雨は伊豆半島ではさほどでもなかった。昨年の台風15号でもこの辺りは余り雨は降らなかった。しかし狩野川(伊豆半島中央部を流れる川)の水位は上がり、更に雨が降り続けば氾濫の危険があった。狩野川は堤防よりも周辺の住宅や道路の方が低いので、水が溢れ始めると大変な事になる。


生乳問題(6/3)
◆ 牛乳余りの問題は度々言われる。需給バランスが難しい生ものに関しては、農作物なども含めて価格変動が大きい。出荷出来ない生乳を捨てていて、それはもったいないではないか、コオロギを食わせないで牛乳を飲めば良いと言われた。

◆ しかし捨てていると言うことに関しては牛乳だけではなく、農作物だって捨てられる。市場価格が下がると出荷による経費よりも販売価格が下がり、出荷しない方が得になる。だったら農作物を作らない方が良いではないかと言われるが、補助金や税金の関係があるので何かしら作れば金が入るか、あるいは出て行く金が減る。

◆ これが日本的農業政策であり、生かさず殺さずなのだ。酪農に関しても同様だが、生乳だとか鶏卵の価格に関しては常々言われている。

◆ 乳製品に加工して保存すれば良いという案はあるが、国内メーカによる国内のチーズ販売量は少ないそうだ。チーズの殆どは輸入品で、国内メーカのシェアは多くない。

◆ 一部にはダンピング疑惑もあって、国内価格に比較すると輸出価格は安いという。メーカとしては国内出荷量に比較して輸出量が多いので、スケールメリットだという。

◆ 国内の場合は流通経路が複雑なこともあって、末端価格が上がる。農業政策とともに、流通経路の単純化も行わなければ国内での市場は開けない。流通経路に関しては農作物だけではなく、家電製品にしても何にしても複雑だ。

◆ 電子部品でも末端がメーカから部品を買うことは出来ず、代理店を経由する。メーカは一次代理店に品物を卸し、一次代理店は二次代理店に品物を発送する。二次代理店はいわゆる部品商社に品物を卸し、部品商社が末端企業に納入する。

◆ もちろん一次代理店から部品を買うことの出来るメーカもあるが、それには相当量の購買や購買予定だとか目標など、様々な情報提供が必要だ。こうした面倒さに比較すると海外部品は買いやすく、納期も早いし数量見積もりもすぐに出る。

◆ だったら面倒な国内部品を使わず、即納の海外メーカ品を買おうと思うのは半ば当然だ。さらに海外生産ともなれば、部品は現地調達の方が効率が良い。こうして国内メーカは徐々に衰退していく。

◆ 工業製品でも農作物でも、一部はB2BだとかB2Cによる販売が行われている。しかし農作物に関してはJAの締め付けがあり、思うようには行かない。利権構造というか何というか、JAの締め付けにしたって今や金融業が主体みたいになっている感じもあって、嫌なら金を貸さないよみたいなやり方だ。

◆ B2Cなどに乗り出す農家はJAを敵に回すことが怖かったという。いざというときに金が借りられない、補助金申請が出来なくなるなどの不安がつきまとうからだ。いったんJAに逆らえば、二度と元には戻れない的な部分もあるという。


浜岡原発(6/2)
◆ 静岡県沿岸部には浜岡原発がある。ここから80kmほどの距離にあるので、事故が起きれば伊豆半島にも影響は及ぶ。浜岡原発は1970年頃に作られたものなので、今から50年以上も前になる。

◆ 原子力発電所の様々な技術や安全性に関する考え方は進化しており、特に事故発生時に於ける放射性物質の拡散防止などに関して、様々な技術や手法が登場している。

◆ 原子力発電所は事故が起きないという概念から、事故が起きた場合に被害を小さく抑えるための方向に進んだと言える。これは福島原発の事故を見ての対策もある。

◆ メルトダウンが起きて溶けた燃料棒が圧力容器を突き抜けたとしても、さらにその下にトレイとプールを用意して燃料が地中に到達するのを防ぐ仕組みもある。

◆ 日本の原発は海の近くにあるので、海水が使えれば冷却が可能になる。浜岡原発では非常時には海水による冷却を行うと明記した。ただ津波の引き波などで海水水位が下がっても機能するのかなど、問題を指摘する向きもある。

◆ 浜岡原発は海岸面に防波壁を作った。防波壁の高さは平均18mだそうで、これは福島原発事故時の津波高さ15mから決められたそうだ。しかし南海トラフで想定される津波の高さは最大20.7mがシミュレートされた。

◆ この事から津波到来時には津波が防波壁を突破し、原子炉周辺は6mまで水没するそうだ。これをポンプで排水し、30分後には水深を20cmまで低下させることが出来るとしている。これにより原子炉は安全性が保たれるとした。

◆ しかしその後防波壁の高さを平均4mかさ上げし、敷地内への海水の浸入を減らし、排水ポンプが故障した際にも安全が保たれるようにしたそうだ。より安全な方向に行くのは良いとして、何か書かれていることに矛盾を感じるんだなぁ。

◆ これはあくまでも防波壁が壊れないことを前提としているのだが、地震に伴う地殻変動や地盤変化に耐えられるのだろうか。いくら丈夫な建造物であったとしても、地盤が破壊されてしまえば壊れる。地盤にひびが入れば、そこから水が浸入するかも知れない。

◆ 活断層と原発の関係が言われるのもそうした理由で、圧力容器や格納容器に異常が無くても、それを支えている地盤が壊れれば事故につながる。設計時点の古い原発では、現在のような詳細な地質データも無かったと思うし、建築に関する技術も低かった。建築基準法での耐震基準が改定されたのは1981年で、これに伴う耐震技術や免震技術は大きく変わったと言われる。

◆ こうしたことから、古い原発の稼働期間は限定的とした上で、新規原発を造る方が安全性は高まる。もっとも原発の寿命を60年だと定めても、浜岡原発の残寿命は10年もない。その後100年まで延長だとでも言い出さない限りは。


節約は難しいのか?(6/1)
◆ 波瀾万丈な生き方と言うことで、昭和のアイドル天地真理さんが話題になることがある。1970年代前半にヒット曲を飛ばし、大卒初任給が4万円にも満たなかった時代に19歳の彼女の収入はその100倍近かった。

◆ しかし入れ替わりの激しい芸能界、6年ほどするとめっきり仕事が少なくなったという。その後は事務所を変わるなどしたそうだが、仕事が増えることはなかった。デビューしてすぐに"高給取り"となった彼女は、収入が減っても節約をすることが出来なくなっていた。名実ともに姫であった彼女の名から姫が消えても、姫生活が消えることはなかった。

◆ 1986年には出演料が200万円も貰えると言うことでロマンポルノに出演、しかしその報酬はあっという間に消えてしまったという。その後結婚しお子様も出来るものの、浪費癖は直らなかったそうだ。

◆ お金の使い方を巡ってはお子様とのトラブルもあったようで、今はお子様から使う分だけのお金を都度貰う生活をしているという。現在暮らしていると言われる高齢者向け住宅の家賃は、ファンクラブの面々が出してくれているそうだ。なお年金額は月額換算15万円ほどだ。

◆ もしも浪費癖がなければ、という人は多いが、浪費癖があった結果が今なのだから仕方が無い。浪費癖を無理矢理押さえつけるような生活が良かったのか、それとも好きなようにお金を使い、そして使い果たした今が良かったのかは本人にも分からないだろう。

◆ 今が不幸かどうかも本人の思い方次第で、若いウチに思う存分楽しんだ事は、そのツケが今回ってきたとしても十分幸せだったかも知れない。今が苦しければ、楽しかった時のことを思い出すきっかけにもなる。

◆ 芸能人の中には売れている時の収入を元手にして飲食店や販売店などを開く人もいる。しかし"専門外"の分野への進出は簡単なものではなく、成功する例は少ない。何もせずに稼いだお金を貯めておいた方が良かったのか、それとも何かにチャレンジした方が良かったのか。

◆ 芸能界を目指す人の誰もが売れる訳でもなく、しかし売れ始めれば急速に人気が出る。だが売れなくなればあっという間に忘れ去れれてしまう世界において、得られた報酬のコントロールは難しい。

◆ 売れていればその報酬を目当てに様々な人が集まって来て、アレをやれこれをやれ、これに投資すればきっと儲かると耳打ちする。親や兄弟などが近くにいて適切なアドバイスでもくれれば良いが、自分自身で何から何まで決めていくのは大変だ。

◆ さらにバブルの頃ともなれば、土地やマンションへの投資が活発になる。多額のローンを組み、しかし収入が減ったら土地やマンションを売ればお金になるから安心だと考える。これは芸能人だけではなく一般の人にも言えた。

◆ 買ったマンションを担保に金を借りてマンションを買う。ある程度返済が出来たらそのマンションを担保にしてまた金を借りる。担保価値をろくに審査もしないで、銀行はどんどん金を貸した。