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過去の雑記置き場


明けましておめでとう御座います(1/1)
飲酒運転と罰則(1/2)
壊れやすい触媒(1/3)
第三東名高速?(1/4)
オイルキャッチタンク(1/5)
エアクリーナ系の抵抗(1/6)
残クレ必須?(1/7)
えん罪事件(1/8)
有名店は安心なのか?(1/9)
保証を信じてはいけない(1/10)
中古車に対する考え方(1/11)
自動化は良い事なのか?(1/12)
フランス車はお得?(1/13)
アバルトという車(1/14)
アバルトという車(2)(1/15)
コピーなら中華に負けない(1/16)
何故直せなかったのか?(1/17)
イオン交換水で洗車(1/18)
低重心のメリット(1/19)
大容量ブレーキ(1/20)
集合住宅の難しさ(1/21)
ジムニーのサスペンション(1/22)
錆を止めるのは大変(1/23)
サスペンションとリンクの数(1/24)
川口市の苦悩(1/25)
駆動方式とか駆動輪とか(1/26)
単体部品無し(1/27)
人件費の高いアメリカ(1/28)
トヨタ純正カーボンルーフ(1/29)
LSは消えるのかな?(1/30)
トラックの事故は増えていないのか?(1/31)


VC
トラックの事故は増えていないのか?(1/31)
◆ 運送業界の労働条件改善で、ドライバーの労働時間制限などが行われた。これが物流・運送の2024年問題というヤツだ。ドライバーの平均労働時間は他の業種よりも長いとされていて、これが過酷な労働と見られた事になる。

◆ 一方でドライバーに言わせれば、待ち時間や休憩時間中も給料が支払われる労働時間になるので、残業が増える事による給与の増額が有り難いとなる。所がこの残業時間なども制限される事になり、ドライバーの収入は減少する。

◆ もともとドライバー不足と言われていた業界で、更に給料が減るとなれば人材の確保は難しくなる。給料を増やせば人材確保が出来るが、配送料が値上げできない現状ではこれも厳しい。

◆ 労働条件の改善はドライバーの働き方改革、事故の抑制にもなると考えられた。過労状態で運転すれば注意力が失われて事故に直結する。では労働環境の改善で事故が減ったのかというと、そうでもない気がしている。

◆ ニュースを見るとトラックの絡んだ事故の報道が多く、大型トラックの事故では多くの死傷者が出るなどしている。確かに大型トラックの事故は以前からあったが、夏過ぎあたりからトラック事故のニュースを良く目にすると思うのは気のせいだろうか。

◆ 最近のトラックには近接警報が付いているが、警報が鳴った時点でブレーキを踏んでも止まれないという。また急ブレーキをかけると荷崩れが起きるので、安易に急ブレーキもかけられないそうだ。

◆ ぶつかるよりは荷崩れの方が良いと思うのだが、ぶつかれば荷物は保険で保証されるけれど、配送中の荷崩れはドライバーの責任になると言っている人もいる。

◆ 事故の状況としては圧倒的に追突が多い。その原因は不注意などと分類される。年齢は40代の事故割合が最も多い。確かに若年ドライバーや高齢ドライバーの起こす事故もあるのだが、割合としては少ない。追突事故の形態としては、駐・停車中の車両にぶつかる事故が殆どである。

◆ これはレーダなどで改善できる話だが、法規制でもしない限りトラックメーカはレーダの性能を上げないだろう。GoogleのAIによれば80kmで走行する10tトラックの制動距離は50m程度だそうだ。これは普通乗用車の76m(チューリッヒによる)より短いじゃないか。

◆ 国交省によると追突する側の車両の89%が大型及び中型トラックで、追突される側の83%が大型及び中型トラックとなっている。追突はトラック同士の事故が多い事が分かる。そうであれば車車間通信を利用した衝突回避が出来るはずなのだが、安全はカネにならないよと言われると何とも。

◆ 同じく国交省のデータだが、追突事故の48%は高速道路で起きている。そしてその高速道路の事故の約半数は東名高速だ。他の高速道路でも事故はあるが、東名高速で追突事故が多いと言う事は、道路設計上の問題などもあるのではないのか。

◆ 追突事故を起こすドライバーの平均運転経験は5年〜9年が23%と多くなっている。不思議なのは追突する側もされる側も同様な運転経験値のドライバー群である事だ。停車中のトラックに追突する事故の場合に、停車する側にもそれなりに問題があったと言う事だろうか。


LSは消えるのかな?(1/30)
◆ レクサス店を作ったのは豊田章一郎氏だったかな、豊田章男氏の父親である。大衆車メーカからの脱却、欧州車メーカと肩を並べるには高級車が必要だとした悲願が叶ってレクサス店が誕生した。

◆ 当時の目玉はLSで、セルシオをトヨタブランドからレクサスブランドに変更してモデルチェンジを行った。真面目に車を作ればこの価格になるとして、高価格には意味があると説明した。

◆ 未だ景気の良かった当時はLSも販売台数を伸ばし、この車はパーソナルカーであって商用車ではないとした。もっともその後売れ行きが落ちるとハイヤー用途などに売り始め、当初購入した個人ユーザから反発を買う場面もあった。

◆ いわゆるレクサスブランド専用車もいくつか開発されたものの、余り売れるものではなかった。しかしラインナップは増やす必要があり、トヨタブランドとの兄弟車路線に走る事になる。

◆ レクサス店閉鎖の話は度々出るものの、豊田氏の強い要望や希望によって開始されたレクサスブランドを消すわけにはいかないと、赤字でもやり続けるという事になった。赤字解消のためには車種数を増やす必要がある事や、コストダウンを従来にも増して進めていく必要性から、販売台数の稼げる低価格車路線に変わっていく。

◆ 従来はレクサスブランド専用車としての変更箇所が多かったが、これも削減してベース車両はトヨタブランドから余り変更を行わず、独自のアクセサリなどは全て内装や装備オプションとして設定するようになる。こうすることでベース車両自体のコストを下げられると共に、レクサス店の専用オプション品を増やしてユーザ満足度を確保しようと考えたわけだ。

◆ 低価格路線はある程度の成功があった訳だが、やたら高額に設定されたオプション類は余り売れなかったとか。しかしトヨタとしては販売数量の少ないオプションを安売りするわけにも行かず、高額も致し方ないという感じだろうか。

◆ こうした兄弟車戦略の中で生き残っていたレクサスブランド専用車も、姿を消すのかと言われている。LSは月間販売台数が百台前後であり、現在の価格を以てしても維持できないところに来ている。大型セダンの需要低迷の中にあって、これを維持していく意味があるのかとなる。それこそランクルやアルファードのレクサス版に力を入れたいというのが本音だろう。

◆ とは言っても先代社長の悲願を消し去るには勇気が必要みたいな所もあり、経営判断は難しい。ただトヨタ一族は利益の最大化こそが企業のあり方であるとする訳だし、株主利益の最大化こそ企業の存在価値である事は間違いないので、それに反する方針を採れば株主からもクレームが付く。

◆ フラグシップとしての価値を失った大型セダンは、売れていた時代とは一転して大きな荷物になってしまった。ではクラウンのレクサス版を作るとかと言うと、実際の所クラウンも余り売れていない。しかしトヨタブランドでは不人気傾向のRAV4は、安価なレクサス版として少しは売れたではないか。

◆ トヨタで売れないものをレクサスで売るという販売方法も、あながち間違いでは無いかも知れない。化粧直し程度で販売台数が稼げれば、それも一つのコストダウンである。数年後にレクサス版のEVが売れる時が来れば、色々と変化があるかも知れない。


トヨタ純正カーボンルーフ(1/29)
◆ カーボンルーフ、いやカーボン柄のルーフ用フィルムなのかな、16万円位の純正オプションである。マーブル柄なので見た目は汚れの付いた黒ルーフという感じで、遠目に見るとかなり汚い感じになる。近くで見れば(分かる人なら)カーボンフィルムなんだなと思うはずだ。

◆ 耐久性は微妙だそうで自動洗車機による洗車はダメ、固いもので水を拭き取ったりするのもダメ、一部を除いてワックスやコーティングもダメ、汚れが付いたらすぐに拭き取らなければいけないけれど、コンパウンドやケミカルは使用禁止だ。

◆ トヨタのページには、傷が付いた場合は再塗装と書かれているのでフィルムではなく塗装なのだろうか。カーボンルーフと書かれているが、構造体がカーボンだとしたら強度計算から何から別物になるので16万円では出来るはずがない。

◆ トヨタはカーボンルーフと表現しているので紛らわしい。それとサードパーティでは本物のカーボン製のルーフを売っている所もある。これってどうやって交換するのか?それとも上に乗せて接着するだけ?輸入車などではルーフを壊してスポット溶接を外し、カーボンルーフに交換する例がある。カーボンルーフの価格も高そうだが、工賃が凄かったりして。

◆ カーボンルーフを付けるのは軽量化(鉄のパネルより数kg軽くなる)のためで、ボディ同色にペイントしてしまう。まあドライカーボンそのままでも悪くはないと思うが、耐候性などの問題があるのかも知れない。トヨタの純正はマーブル柄なので、見た目的には単なる汚れが付着している風にしか見えない。もしこれが本物のカーボンルーフだとしたら、何故塗装仕上げにしていないのか?
◆ トヨタ純正カーボン柄ルーフシートというものもある。これも気泡が入って浮いてしまったりと耐久性の問題が指摘されるが、シートを貼り替える以外に対策が出来ないそうだ。まあフィルムにしても数年の寿命なわけで、そう長くは持たない。

◆ 車名のシールなどは結構耐久性があって、10年くらいは大丈夫だという。ミニのボンネットストライプも10年を超えるとひび割れなどが起きるそうだ。ボンネットストライプは硬化しないうちに剥がさないと、剥がれなくなって大変だ。

◆ 私は剥がれるかな?ちぎれるかな?と恐る恐るボンネットストライプを剥がしたが、ちぎれることなくペロッと剥がすことが出来た。純正品は耐久性があるようだが、サードパーティ製は2年くらいでひび割れが生じたり、色が変わってしまうものもある。

◆ プロテクションフィルムなど透明なものは、直射日光下で2〜3年の寿命だそうだ。貼るのに100万円とか200万円かかり、剥がすのにも50万円位かかると言われる。跳ね石などから塗装面を守れる効果があるわけだが、プロテクションフィルムを付けたままだと査定額はそれなりに下がる。果たして跳ね石で小傷が付くのと、フィルムによる査定額の減少と、どちらがお得なのだろう?
◆ ボンネットやフェンダーなど、傷の付きやすい部分だけにフィルムを貼る場合がある。フェンダー部分が少し膨らんだような造形のSLなど、跳ね石でフェンダー前部が傷だらけになる。ただフィルムを貼るとそこは塗装が日焼けしないので、フィルムを剥がした跡の色が他の部分と違ってしまう。ミニもボンネットストライプの跡が、よく見れば分かる程度に色が違っている。


人件費の高いアメリカ(1/28)
◆ 人件費の高いアメリカだが、アメリカ国内からしてみれば自分の給料も高いので感覚的にはさほど高くは感じないはずだ。アパートの家賃が月額20万円とか30万円なのだから、人件費がと言うよりも物価自体が日本とは違う。

◆ 車のオイル交換でも交換工賃が1万円とか2万円(ディーラによって異なる)だし、テスターによるエラーチェックが2万円位、これは日本だと5千円くらいの所が多い。部品交換となると、作業時間1時間程度のものでも数万円の工賃になる。

◆ ディーラではなく町の整備工場だと多少は安いのだが、それでも日本の工賃とは比較にならないくらいの価格だ。たぶん日本も正常な成長が出来ていれば、アメリカと同じような景気になっていたはずだ。殆どのものを輸入する日本では、経済成長がなければ海外からのものを買うことが出来ない(高くて買えない)となってしまう。

◆ アメリカでは自分で、車にしても電化製品にしても修理する人が一定数いるが、工賃が高いことを理由に自分でやる的な文化があるからだ。家の修理から増改築まで自分でやってしまう人も少なくはなく、業者に頼むのはお金のある一部の人だけ、みたいな事も言われる。

◆ いわゆるホームセンターだとか自動車用品店では様々なものが手に入るわけだし、そこで修理する権利なんて事にもなってくる。アメリカの都市部は別として、郊外であれば土地も広くて自動車関連税も安く、複数台の車を所有出来る。なので1台の車の修理に2週間かかったとしても、その間は別の車を使えばいいやと言う事で済んでしまう。

◆ 日本の場合は地価の問題も地積の問題もあるし、何より自動車関連税が高いので一人で何台もの車を所有するのは大変だ。日本の自動車関連税は(たぶん)世界一高いんじゃないかな。欧米諸国との比較で、日本に於ける自動車関連税は平均の10倍くらいだ、みたいな記事もある。ちなみにアメリカと比較すると日本の税額は50倍くらいだとか。

◆ イギリスやドイツは自動車関連税が高いと言われているが、それでも日本の1/4位なのだから先進諸国の皆さんは幸せかも知れない。自動車関連税にしろ何にしろ、上げた税率を下げるのは非常に大変だ。ガソリンの暫定税に関しても然りで、いつになったら廃止になるのか。財務省は暫定税を廃止すると事務処理が発生するので廃止したくないとした。一方でインボイス制度はものすごい事務処理増になっているが、やめる気配はない。

◆ 今後距離課税だとかEV課税だとか炭素税だとかも出てくると思うが、それがそっくり増税となったらますます厳しくなる。現在の自動車関連税を廃して距離課税にするのなら分かるが、そうはならないんだろうな。重量税にしたって走行台数が乗用車の1%前後という大型トラックが、99%分の道路損傷を引き起こしているという。

◆ だからといってトラックの課税強化をすれば、多くの物品の価格が上がる。米国ではEVトラックの車重で、高架橋などの対策が必要になるとも言われている。EVが増えれば電力問題が出てくるわけで、これが景気の良い頃なら電力消費量の拡大が景気刺激になるみたいになるのだろうけどねぇ。

◆ 中国は自動運転タクシーでタクシードライバーの職が奪われると騒ぎになる。米国でも同様な動きはあるが中国ほどではないのは、労働人口と職の多様化の違いだろうか。自動運転タクシーの料金が下がり効率が上がると、客待ちタクシーの列が減って渋滞解消の役に立つ。


単体部品無し(1/27)
◆ ダイハツムーブだったか、カムカバーのガスケットが部品として存在しない。何故かというとガスケットはカムカバーと一体になっていて、ガスケット交換という概念がないからだ。カムカバーは2万円以上するのだが社外品としてガスケットは3千円くらいで買う事が出来る。元々が非分解構造なのでガスケット交換には少し作業が必要だが、その工賃を入れたとしてもカムカバーごとの交換よりは安い。

◆ 部品の管理の問題だとか組み立て工数の問題などで、細かな部品の供給がないものが増えている。テスラのドライブシャフトは有名?でドライブシャフトブーツが破れると、ドライブシャフトアセンブリでの交換になる。部品代は5〜6万円だそうだ。

◆ 全てのモデルで同様か否かは分からないが、駆動用モータのベアリングから音が出るとモータ交換になるそうだ。モータの価格は60万円〜90万円位で、それなりの工賃がかかる。テスラの場合はリビルドとか中古が存在しないか、存在したとしても使えない(保証の関係と、指定工場は新品部品しか使わない)ので、高額修理になる。

◆ ムーブのカムカバーガスケットにしても、テスラのドライブシャフトブーツにしても、壊れないのならそれで良い。しかしドライブシャフトブーツは早ければ数万kmで、ダイハツムーブのエンジンも10万km前後でオイルが漏れ始めるという。

◆ 部品単体で弱いのは樹脂製のものだ。マツダのディーゼルエンジンの一部はインテークマニホールドが樹脂製で、分解時は交換の指定になっている。変形して応力があったとしても、取り付け状態であれば気密不良にならないのかな。しかし外してしまうと変形してしまい、元通りに組み付けられなくなる可能性は考えられる。

◆ カムカバーが樹脂製の車もあって、樹脂カバーが熱で歪んでしまう事でオイル漏れが起きる。ガスケット交換で直るかと思ったら(ガスケット交換時にカムカバーを外した事で歪みが酷くなり)余計オイルもでが酷くなった例もある。

◆ 廃プラスチックの再利用がエコだとかなんだとかと言われるが、耐久性に乏しいのはゴミが増えるだけだと思うんだけど。欧州ではタイヤの寿命が短いのは駄目みたいな話があるし、米国ではトレッドウエア(UTQG TREADWEAR)指数によって減りにくさを数値化しなければいけない。

◆ 普通のタイヤが300前後の数字になっていて、減りにくい(=グリップが良くないとも言える)タイヤだと400とか500になる。オートバックス向けのピレリP8が700となっているのだが本当だろうか。いや本当かと言ったら怒られそうなのだが、普通に減るよみたいなレポートもある。

◆ 欧州は環境のためなら何でもアリみたいな感じがして、何かをやっていれば、何かに向かっていればそれで安心みたいな所がある。結局それが本当に環境のためになっているのかどうかなんてどうでも良い、みたいな。日本の場合はカタログ燃費競争に勝てればそれで良い、まあこれはカタログ数値で車の売れ行きが違ってくるのだから、仕方ない部分ではある。

◆ 殆ど売られる事のない燃費スペシャルモデルを作り、徹底した軽量化と低損失化でベストな燃費をたたき出す。カタログには大きくその数字が書かれるが、実際に売られるモデルは燃費がワンランク悪くなる。


駆動方式とか駆動輪とか(1/26)
◆ 昔のFF車は結構癖の強いもので、トルクアクションは出る、タックインは出るで扱いにくいとされた。しかし電子制御だとかパワーアシストの発達によって、今やFF全盛である。エンジンとトランスミッションを一体化出来るのでコストダウンが可能となり、プロペラシャフトやリアの駆動力伝達機構が不用になるので車室内を広く使える。トヨタはクラウンなど一部高級車以外は全部FFにすると言っていて、今やそのクラウンもFFになったが、一部モデルにFRを残したのが拘りだろうか。

◆ タイヤの摩擦力から考えれば、駆動輪と操舵輪は別の方が良いわけだが、そんな常識?を打ち破ったのがホンダではないだろうか。FF車がFR車と互角に勝負するばかりか、FR車をも凌ハンドリングとまで言わしめた。

◆ だからといってレーシングカーが前輪ドライブになるかと言えばそれは違っていて、後輪駆動がスタンダードである。純粋なレーシングカーではなく市販車として速いのは日産GT-Rやポルシェ911 GT3で、GT-Rは4WDでGT3はRRだ。

◆ 走らせる場所(サーキット)によるとは思うが、GT-RやGT3がトップになれない場所でも上位には食い込む。土屋圭一氏によるグンサイのレコードはAMG GTRでこれも4WDだ。操舵輪と駆動輪を分ける事でタイヤの摩擦力を最大限に使おうというのなら、4WDは違うのではないか?AMG GTRは4WSなのだから、もっと違うのではないか?
◆ コーナリングスピードは駆動方式やレイアウトだけでは決まらないよ、と言ってしまえばそうなる。重量配分だとか重心位置だとか、ブレーキやタイヤやトランスミッションだって速さに関係するし、サスペンションはもっと重要だ。

◆ 純粋なレーシングカーで、駆動方式以外を完璧にした車であれば後輪駆動が速いと言えるのかも知れないが、市販車レベルではそうならない。更に乗る側の腕もあって、コントローラブルな車の方が速く走らせる事が出来る。

◆ 電子制御の介入がどうなのかというのは未だ議論されているが、ある程度以上のパワーのある車においては電子制御を軽く介入させるくらいの方がサーキット走行タイムを詰める事が出来るという。ESCなどの出来不出来にもよるが、適切で適度な電子制御の介入はドライバーをアシストしてくれる。

◆ ただホンダのFF車が速いよ、FRと互角だよと言われた当時は電子制御による姿勢制御は未だ発展途上であり、その意味からすれば基本的な設計が優れていたとしか言いようがない。またそれによってドライバーの技量に左右されにくく、誰が乗ってもそこそこ速く走らせる事が出来てしまう懐の深さみたいなものもあったのではないだろうか。

◆ だからといってドリフト小僧の人気の的とはならなかったわけで、それは速く走る云々ではなく見せて走る事を楽しんでいたからだ。あの頃の自称走り屋達はどこに行ってしまったのだろう。後継者不足に悩む日本の中小企業のように、教え伝えるその相手がいないというのが現実なのかな。

◆ 過去に流行って今は廃れたゴルフやスキー、もしかしたら景気が良くなれば又ブームが来るかも知れないが、今の日本じゃ無理なんだろうな。ドリフト族はゴルファーやスキーヤーとは全く違う種類ではあるが、いずれも絶滅してしまったという点では同じようなものだ。


川口市の苦悩(1/25)
◆ クルド人問題は何度か書いているが、川口市に最も多く住む外国人は中国人である。次にベトナム、フィリピン、韓国と続く。外国人比率は7〜8%となっている。2023年には6%台だったので、結構急激な人口の変動が分かる。市区町村での外国人比率は川口市が最も多く、次は新宿区だ。都市部以外で20位以内にランクされているのは千葉県船橋市くらいなので、川口市の外国人比率の多さが分かる。

◆ 外国人が増えなくても日本人が減れば比率が変動するわけで、多い時には月間千人前後の日本人が他のエリアに移っていくそうだ。これには治安の問題や交通事故の多発がある。また日本に住む外国人を頼って母国から人が来るなどして、一体誰が住んでいるのか?何人住んでいるのかすら分からない状態にもなるという。

◆ 中国人は日本で車の運転は(運転免許を取る以外では)出来ないはずなのだが、中国人特権があるそうで申請すればすぐ免許が貰えるのだとか。こうしたことから日本の道交法を知らないまま運転が可能な状態になり、事故が多発する。無免許運転もあり、原付と乗用車の衝突事故を起こした(原付のライダーは死亡)トルコ人は無免許だった。

◆ 事故を起こした車が誰のものなのか?誰が運転していたのかも分からず、車に乗っていた人が逃げてしまえばそれで終わりだ。防犯カメラ映像などがあっても、警察は面倒がって捜査しないという。こうした状況ではもう川口には住めないと言う事で、引っ越す人が増える。引っ越す人が増えるので賃貸住宅の家賃が安くなり、安い住宅を求めて外国人が集まる。

◆ 戸建てやマンションにしても、不人気は価格下落の始まりと言う事で、引っ越しの出来る人は引っ越してしまう。埼玉県では川口市の他にベトナム寺院まで出来てしまった越谷市や、川口市以上の外国人比率になると言われている蕨(わらび)市がある。

◆ 外国人が多いので外国企業が多く、就労先があるので更に外国人が増える。一般的な町の発展のような労働者と就労環境が整うという流れで、外国人に住みやすい町が形成されている。勿論外国人を顧客としたサービス業などは、それによって売り上げが上がる。住んでいる人にとっては問題の多い外国人だが、商売をしている人にとっては良いお客様と言う事にもなる。

◆ 外国人比率が上昇して2割くらいになると、そのエリアは変化し始めるはずだ。世界中どこにでもある中国人町、中国人街ほどではないが日本人街も出来上がる。同じ地域や母国の人が集まって集団的生活をし始め、そのエリアが(その国の人からすると)ちょっと変わった文化圏になる。

◆ メガソーラの電線が盗まれる事件はもはや珍しくないが、千葉県では送電線が盗まれる事件が起きている。通電中の6.6kV(たぶん)の線を切って盗むという前代未聞の事件である。犯人像は不明だが、それなりの工具やバケット車を準備して犯行に及んだのだろうか。外国人の仕業と言ってしまうのは乱暴かも知れないが、いやはや何とも。

◆ 日本は地下送電比率が低いので、犯人からすれば電柱にお札がぶら下がっているくらいに見えるだろう。電線を切られてしまうと当然停電するわけで、復旧にも時間がかかる。電力会社はある程度は通電状況がモニタ出来ているはずだが、例えばここの山の中のように送電の終端近くだと気づきにくい。


サスペンションとリンクの数(1/24)
◆ MZ20のソアラでトヨタはフロントサスペンションにダブルウイッシュボーンを使い始めた。リアはエスティマで採用例がある。トヨタはNVHが低減出来ず、バネを柔らかくしてショックアブソーバの減衰力を落とすも突き上げ感が多かった。しかしジオメトリ設計は良く出来ていたようで、柔らかいサスペンションにもかかわらず良く粘る足だった。

◆ 勿論限界が高いわけではないのだが、ふにゃふにゃの足回りの割に破綻しなかった。激しくロールしてどこかにすっ飛んでいきそうなのに、限界領域でも(低レベルではあったが)安定していた。ダブルウイッシュボーン化を活かすために結構頑張って設計したのかなと思った。

◆ 走行安定性は悪くはなかったが、サスを固めようとしてもうまく行かなかった。ブッシュ類が柔らかくて動いてしまうので、バネを固くしてもキチッとした動きにはならなかった。ストラットタワーの剛性も弱くて、スプリング同軸のショックアブソーバ取り付け部、ストラットタワーにクラックが入った。とにかくあの時代の車は剛性がなかったのである。

◆ その後トヨタはダブルウイッシュボーンは余り使わなくなったのかな。クラウンはフロントマクファーソンでリアがマルチリンクだと思う。サスペンションアームの剛性を下げて、アーム自体をたわませる事でNVHを改善したとか何とか。

◆ ダブルウイッシュボーンにするとNVH制御が出来なくなると言う事はなくて、ボディへの入力部位が増えるので力を分散させやすい。ただしボディ剛性が弱いとそうは行かない。今はシミュレーション技術が発達したので、ダブルウイッシュボーンもマクファーソンストラットも最適化設計が容易になっている。

◆ シミュレーションが出来ない時代には、あちらを変えるとこちらも動く的なマクファーソンストラットは、ジオメトリ設計が難しかった。マルチリンクなどもそうで設計自由度の大きさは設計の難しさにもなる。どのリンクの長さをどうするのか?取り付け位置をどこにするのか?ブッシュの剛性はどうするのかなど、パラメタが増える分だけ設計が大変になる。

◆ マルチリンクは全部ひっくるめてマルチリンクなのだが、各メーカや車種によってリンクの形式だとか取り付け点は様々だ。ダブルウイッシュボーンにしたってアッパーアームを上の方に持って行く乗り心地重視型のレイアウトがある。これはロアアームとの距離を離すことによって柔らかいブッシュが使えるようになり、NVH低減に有利だからだ。ただ個人的に思うのはNVH低減にはボディの強化が効くんじゃないかなと言う事。

◆ 日産の軽自動車(三菱製かな)に乗った時に、結構サスペンションがちゃんと動くんだなと思った。軽自動車は衝突安全性をクリアするのにサスペンション剛性を高める必要があって、車重の割にサスペンション部品やその周辺のボディが強いのかなと思った。

◆ トヨタのサスペンションアームをトーションバーとして使う設計、ボディのたわみもサスペンションの一部と考える設計は、最適化が非常に難しい。ゴムブッシュの動きがサスペンション全体に与える影響が大きいように、ボディやアームのたわみに対するサスペンションへの影響は大きい。しかし設計が出来て安定した製造が出来ればコストダウンにつながる。TNGAシャーシは中央部が弱い(弱く作られている?)らしく、側面衝突(衝突試験以上の衝撃を加えた場合)でシャーシの前後が分離してしまう。


錆を止めるのは大変(1/23)
◆ さび止め塗料実験は2パターンで行っているが、錆を止めるのは結構大変だ。工具箱の下の方が錆びていて、赤さび色のさび止め塗料を塗ったが駄目だった。錆が下から塗料を押し上げてしまい、塗料自体が剥がれてくる。金属面が出るように磨いてからさび止め塗料を塗ったのだが、それでもダメだった。

◆ そこでノックスドールをスプレーした。錆の上からでも塗れると書かれていたので期待したのだが、結果としてはさび止め塗料と同じで錆が浮いてきてしまった。仕方がないのでPOR-15を塗ったが、これは大丈夫だ。さびのない部分には定着しにくいので、少しさびを残した状態で塗ったのだが未だに錆は出てきていない。

◆ ジムニーもそうだがスズキの車は錆びやすいと言われる。それが本当なのかどうかは分からないが、ジムニーに関しては結構ボロボロになっている車もある。ボディにしてもフレームにしても袋になっている所の内側とか、スポット溶接されているその面が錆びて腐ってしまう。

◆ 一度錆び始めると錆の進行を食い止めるのは大変なので、融雪剤を含む塩害のある地方にお住まいの方は大変だ。塩害に関しては、何も対策しなければ5年でボロボロになるくらいに言われている。塩害を想定して車が作られているわけではないので、これは仕方ないことなのか。

◆ POR-15は粘度があるので吹きつけは出来ないのかな。吹きつけが出来ると袋になって部分にも噴射出来るんだけど。以前にも書いたが私はKUREのラストガードをよく使っている。スプレータイプで比較的安価、さび止め効果もノックスドールより上かなと思っている。

◆ このあたりは防錆実験の結果で分かるかも知れないが、綺麗に塗る、というのはおかしな言い方だが錆びたブレーキディスクに塗る方法だと錆が浮いて来ない感じなのだ。平面で均一性のある綺麗な面に綺麗に塗ったからなのか?工具箱の蓋の下部は折り返しがあったりするので平面というわけではない。勿論折り返してある部分の内側の錆なども気にして塗っているのだが、それでも錆が浮いて来た。

◆ 錆転換剤は完全に錆が防げているわけではないが、一定の効果がある。意外に頑張っているのがグリスで、一応錆を防いでいる。ジムニーでオイルの飛び散った部分は錆びないみたいな話があるが、オイルやグリスの防錆効果は確かにある。一方で柔らかいオイルや浸透性潤滑剤は、早々に乾いてしまうので効果を失う。

◆ 潤滑の必要ない部分にグリスを塗るとベタベタするし、それのよって汚れが付着する。汚れが付着すると、その汚れが水分を保持したりする。摺動部などならグリスでの防錆が良いが、そうでない場所は防錆剤の方が良い。

◆ 家の鉄部に鉄用の塗料を塗ったのだが、結構剥がれてきている。元から塗られていた赤さび色のさび止め塗料は剥がれていない。さび止め塗料の上に塗装がしてあって、その塗装が剥がれている場所があったので塗り直したのだが、その塗り直した所が剥げている。

◆ これは錆が浮いているわけではなく、密着性と塗料自体の耐久性の問題だ。塗料はめくれるように剥がれているので、雨や紫外線で劣化したと思われる。この紫外線による劣化はシリコン系など弾性塗装では余り起きないので、塗料による差は大きい。


ジムニーのサスペンション(1/22)
◆ ジムニーのサスペンションは3リンクになっていて、前後方向を支えるリーディング/トレーリングアームと横方向を支えるラテラルロッドで構成されている。ラテラルロッドの長さは有限(JB23ではフロントが約79cm、JB64では約74cm)なので、このラテラルロッドの長さを半径とした円を描くようにサスペンションが動く。

◆ 具体的にはバウンド、リバウンド時にサスペンションが上下動すると共に左右に動く事になる。リーディングアームは前後方向を規制しているが、上下には動けるようになっている。そうでないとサスペンションが動かない。上下に動けるようにはなっているが、左右に動くのはブッシュの固さと取り付け部のクリアランスに委ねられる。実際にはねじれたように動くので、ゴムブッシュが変形して力を逃がしている。

◆ リジッドでも4リンク方式だとラテラルロッドは使わない。アッパーリンクとロワーリンクで横力を受け持つのだが、ラテラルロッド方式に比較すると強度を出しにくい。そこで4リンク方式にラテラルロッドを追加した、5リンク方式もよく使われる。

◆ ジムニー用の5リンク化キットも販売されていて、3リンクの場合はトレーリングアームのボディ側の取り付け点を中心に、リアサスはストロークによって回転運動する。しかし5リンク化すると上下運動だけにする事が出来る。厳密にはアームの長さがあるので違うのだが、ダブルウイッシュボーン的に動くと言えば良いだろうか。リンクの違いによる動きの違いは、こちらのシミュレータにモデルを入力(面倒)すれば確認出来る。

◆ FF車のリアサスに使われるトーションビームは、独立懸架に近いが分類上はリジッドだ。トーションビームは左右輪をつなぐ(ジムニーで言えばホーシング)の代わりにトーションビームを使ったものだ。従って基本的にはジムニー同様の3リンク方式となる。

◆ トーションビーム方式でも横方向の規制はラテラルロッドを使う。従ってサスペンション上下動はボディに対して車輪が左右に振れる事になる。これを嫌ったのがワットリンクである。ワットリンクにすることで、サスペンションの上下動に対する車輪の左右への動きを小さく出来る。あくまでも小さく出来るのであってゼロには出来ない。

◆ ただラテラルロッド方式よりは格段に横方向への動きが規制出来るので、リジッドアクスルリアサスペンション車用のアフターマーケットパーツが販売されている。ジムニーに使用する場合はサスペンションストロークの減少が起きないかどうか、検討する必要がある。

◆ リーフスプリングは縦方向も横方向の動きも規制出来るので大荷重がかかる用途以外では前後の動きを規制するロッドは要らない。大荷重のかかるトラックでは前後荷重によってリーフスプリングがたわんでしまうので、リーディングアームを使うものもある。

◆ こうしてリンク数が増えていくとサスペンションの動きが理想に近づき、そして最終的には独立懸架になる。更に言えば独立懸架にも様々な方式がある。トヨタがトーションビーム式の代替として使い始めた独立懸架方式は、室内へのサスペンションパーツの浸食を最小に出来る。ホイールのアライメント変化を最小にしたり、ロールセンターを最適化したりするばかりがマルチリンク式のサスペンションではなく、車室や荷室容積を最大にするための設計も可能なのだ。


集合住宅の難しさ(1/21)
◆ 最近の集合住宅は光回線を各戸に通せるようになっている物件が増えた。従来は光回線をVDSLやLANで各戸に引いていたのだが、それはもう昔の話というわけだ。

◆ アパートにクーラが付いているのが当たり前なのと同じように、自分の好きな事業者の光回線が通せるのが当たり前になっている。しかし古い物件はそうではなくて、光回線を通すにも色々と面倒がある。

◆ 特に高齢化の進んだ住民が多いと、そもそも光回線を通してどうするんだという話になってしまう。スマートフォンがあるから良いじゃないかという方向に行ってしまうと、話が通じないどころではない。マンション管理側は、VDSLなり携帯電話なりでインターネット接続が出来るのに何が不満なんだと言う。

◆ 同じような事はEVの充電設備にも言えて、一部のEV所有者のために管理費を使うのはいかがなものかとなってくる。特に古い物件だと電力容量に限りがあるので、あまり高出力の充電器は設置が出来ない。

◆ 各戸に於ける電力容量に制限がある物件もある。築40年以前のものだと単相三線が引けない(引こうとしない?)物件があり、各戸の電流容量は30Aが限界になる。ワンルームなどなら良いが、部屋が広いとか部屋数が多いとアウトだ。高齢化に伴ってIHヒータを使おうにも200Vタイプが設置出来ない。

◆ 電力事情にしても通信事情にしても、時代と共に移り変わるものなので将来の変更を見据えた設計がされているかどうかの話だ。電力の話ではないが、高耐久住宅では配線や配管の交換を前提とした設計が求められる。高耐久住宅の寿命よりも配線や配管の寿命が短いので、それらを(家を破壊する事無く)交換出来るような設計が必要になる。

◆ 集合住宅でも同様なのだが、古い物件は設備更新を前提としていないものがある。配管は現在のものがギリギリいっぱいであって、太くする事が出来ない。配線を通す管も同様で、太い線 を入れる事が出来ない。一部の低層集合住宅ではビルの外壁に配管を再配置するような事も行うが、工事の規模が大きくなるので金額も嵩む。

◆ 築年数にもよるが大規模修繕や建て直しの時期が10年先に迫っているような場合は、建て直しの議論と一緒に検討しましょうという話になるのだが、この建て直しが又面倒なのだ。建て直しとまでは行かない大規模修繕でも、それに賛成する人もいれば反対の人もいる。

◆ 人間の寿命も建物の寿命も有限なのだが、困った事にそれらの寿命は一致していない。ソフトバンクが契約縛りとローン縛りの期間をずらして、解約を面倒にしていた。マンションは面倒が先になっていて、結果として更新が進まない。

◆ 金がかからない事なら良いのだが、光回線を通すにも電力線を変えるにもイニシャルコストもランニングコストもかかる。それは受益者負担なのか?全員で負担すべきなのか?EV充電器はどうか?EV所有者が全てを負担するのか?マンション全体で負担していくのか?そもそも駐車場代はどうなんだ?車を持っていない人も管理費を負担しているではないかと、問題が次から次へと出てきてしまう。

◆ 田舎のマンションなら車があるのは当たり前で済んでしまうだろうが、都市部だと車がなくても不便がないだけに難しい。車は生活に必要なものなのか?それとも趣味や仕事のためのものなのかという話になる。つまりは余計な議論は理事会に持って行かない方が良いね、大事になっちゃうからやめようねと何も言わないのが平和なのだとか。


大容量ブレーキ(1/20)
◆ 余程プアなブレーキでない限り、ブレーキは利く。大口径のディスクロータとマルチポットのキャリパーでなければいけないなんて事はない。ただしブレーキシステムの温度が上がってくれば状況は変わってくる。

◆ パッドはディスクに押しつけられて摩擦面は高温にり、パッドはガスを発生する。ドリルドロータやスリット入りのロータは、そのガスを効果的に抜く事が出来る。マルチポットのキャリパーは、温度やガス圧などによってディスクから浮こうとするパッドを、均等な応力分布でディスクに押しつける事が出来る。

◆ ようするに街中で走る分にはブレーキシステムの違いは感じにくいが、サーキットに持って行けば違いは一目瞭然だよと言う事だ。昨日の話ではないが動力性能に優れたEVをサーキットで走らせている動画がある。ブレンボの立派なブレーキシステムを付けたモデル3でも、サーキット1周で温度警告が出てしまう。EVレースではこれまでテスラの独壇場だったのが、BYDにトップを奪取されたそうだ。

◆ EVの場合は車重があるのでブレーキにとっては過酷、なのでテスラもポルシェもBYDもEVでそこまでやるか?みたいなブレーキシステムを持っている。回生ブレーキがあったとしても、それ以上の制動力を得ようとすればメカニカルなブレーキに頼るしかない。

◆ 以前にレクサスRZ(トヨタ製EV)のブレーキが貧弱すぎる件を書いたが、トヨタは昔からブレーキを余り重視していない。それでも景気が良かった頃はLSなどモノブロックキャリパーを使うなど金をかけたのだが、豊田前社長時代になってからは徹底したコストダウンが行われ、プアなブレーキに戻されてしまった。

◆ 箱根を走ると2速を使えみたいな標識というか看板が出ている。MTやAT車乗りだとこの意味が分かると思うが、ハイブリッド車に2速はないという記事があった。箱根の下りでアルファードのブレーキが利きにくくなったという話なのだが、回生が失効してフットブレーキ頼りならそうなるだろう。何しろ車重は2tを超えるわけだし、厚めのベンチレーテッドディスクが付いているとは言っても、キャパシティ不足だ。Bレンジを使えばマシなんじゃないのかな?Bレンジが何であるかも知らない人だったりして。

◆ ジムニーは車重がある為もあるが、軽自動車としては大径のブレーキディスクが備わっていた。ソリッドディスクではあったが、タイヤ径が大きい事もあってそれくらいが必要なのだろう。JB64でも後輪はドラムなのだが、ブレーキLSDを多用すると発熱するんじゃないかな。コスト的な部分は無視出来ないとは思うのだが、ドラムブレーキは微妙な制動力制御がしにくいのでディスクブレーキ化が望まれる。

◆ 最近はトラックでもディスクブレーキが増えていて、大型車も総輪ディスクブレーキ車がある。またダブルキャリパー(キャリパーが2組み付いている)が使われているトラックもある。下り坂などでのブレーキトラブルが増えている現状で、より放熱性の高いブレーキシステムをと言うわけだ。

◆ ディスクブレーキ装着車だとリターダが不要になるとか、ブレーキストロークに対して制動力の立ち上がりが自然だとかで、概ね評判は良いようだ。整備側も目視でパッド残量が分かるなど楽だというが、ブレーキダストでの汚れは激しいのだとか。


低重心のメリット(1/19)
◆ EVの多くは車両の中心付近の床下にバッテリーを搭載している。部品の中で最も重いバッテリーを車両中心近くに搭載する事で良好な運動性能を得る事が出来る。ハイパフォーマンスカーでは前後にモータを搭載するが、これもほぼ車軸上でありミドシップと言えなくもない。

◆ こうしたレイアウトから運動性能を改善する事が可能になり、以前はその車重のためにボディ剛性が負けると言った事も起きていたが現在の多くのEVでは改善された。テスラが始めたギガキャストは剛性面でも有利で、ダブルレーンチェンジなどを見るとちょっとしたスポーツカー顔負けである。

◆ スポーツカー或いはスポーティカーと呼ばれる車は良好な運動性能を有しているわけだが、EVではセダンだってスポーツカーになれるみたいな事になる。車高の高いSUVでもEV化によってICEよりも重心を下げる事が出来、運動性能が改善される。

◆ ワンボックスカーもEV化に向いている。床下にバッテリーを搭載できることや、バッテリーを搭載するそのフレームが剛性確保に役立つ事、モータはエンジンよりも小型軽量なので室内スペースを広く取れる。

◆ ワンボックスカーの側面衝突試験では、一定以上の速度の衝突で多くの車が横転するのだが、低重心化によって横転も防止出来る。横転してしまうと乗員の安全性が確保出来なくなってしまい、重大事故になる可能性が高まる。

◆ アルファードは値段の割にうるさい車だと海外のレポータは言っているが、モータであれば騒音レベルはぐっと下げる事が出来る。まあそうなると今度はロードノイズがと言う話になってしまって、ノイズ遮断はコストを食うものなのでトヨタは苦手なのである。

◆ スポーツカーのEV化はどうなのか。これに関してはトルク特性の面で相応しくないという人もいる。ICEの場合はトルク一定型の機関なので、出力は回転数に比例する。モータは出力一定なので、トルクは回転数に反比例する。つまりモータの回転数が上がるに従ってトルクが落ちる特性になるので、それがフィールを悪化させるというわけだ。

◆ スポーツカーの定義は人それぞれだろうが、必ずしもハイパワーを求めるのではなく運動性能やハンドリングこそ重要だという意見もある。いやいやハンドリング云々ではなく、加速性能や最高速度こそが醍醐味じゃないかという人もいる。ハンドリングという点ではEVの低重心化によるメリットがあるし、加速性能だってEVなら簡単に性能を出せる。最高速はちょっと別の問題にはなるが、少なくともデータ上であればEVはスポーツカーレベルに容易に達する事が出来る。

◆ 航続距離が云々と言ったって、そもそもAMG GTやポルシェGT3は4km/l位しか走らないし、ウラカンとなればそれ以下である。なのでEVの航続距離など余り問題ないとも言える。まあ充電に時間がかかるのはどうかとは思うけど。

◆ 実用車としてのEVはリセールバリューという現実的な所がネックになる。スポーツカーなら問題視されない事が、実用車には大きな問題だ。充電時間とか充電コストとか航続距離も問題ではあるが、これはその車の使い方というか使う人によっても異なる。

◆ ICEの場合は人間の都合だけを考えれば良いが、EVの場合は常に充電の都合を頭に入れておく必要がある。これも欧米並みのハイパワー充電器が増えて、短時間で航続距離が確保出来るようになれば違ってくるだろう。


イオン交換水で洗車(1/18)
◆ 洗車用のイオン交換器などが売られている。能書き的には水道水から超純水を作り出すみたいな事が書かれていたりして、超純水?化学屋さんが見たら何と思うのかなみたいな感じだ。当社の開発した特殊イオン交換樹脂が…みたいな感じで売られているのである。

◆ 何でイオン交換水で洗車をするのかと、イオン交換器を買った人の書き込みなどを見ると洗車後の拭き上げが要らない、ツヤが凄い、汚れ落ちが凄いなどと書かれている。せっかく買ったのだからメリットを感じて使ってくださいとしか言いようがない。

◆ イオンデポジットだとかシリカスケール防止という意味では、イオン交換水と言うよりも軟水器で良いはずだ。これなら食塩で再生も出来る。で、今度はその食塩による再生をアニオン/カチオンのミクスドイオン交換樹脂で試して、全然再生されないと怒っている人もいる。

◆ ミクスドイオン交換樹脂の再生は結構面倒なので、再生利用するならアニオン・カチオンを別に使った方が良い。アニオン・カチオン交換樹脂の再生はF&Fでも行っていた。ミクスド樹脂の場合は、まずアニオンとカチオンを分離しなければいけないので、水中で比重差による分離を行うが、完全に抽出出来るわけではないのでロスが生じる。

◆ 純水器としては強酸性カチオン樹脂でプラスイオンを除去した後に、強塩基性アニオン樹脂でマイナスイオンを除去する。ミクスド樹脂の場合はアニオン・カチオン樹脂が混合されているので、イオン交換の効率が良くなる。

◆ 軟水器にはNa型カチオン交換樹脂が使われて、カルシウムやマグネシウムイオンをナトリウムイオンに変換する。なので食塩水中で再生すると再度使えるようになるわけだ。洗車用なら軟水器で良いような気がするのだが、そもそも何の為にイオン交換器を使うのかがよく分からない。

◆ 純水は何でも溶かすので、それこそ凍結防止剤の塩化カルシウム以上に危険でもある。ステンレスも種類によると思うのだが、腐食が生じるので純水用の配管には余り使わない。ウチでは殆どはプラスチック製のコネクタや配管を使っているのだが、一部ステンレス製のワンタッチコネクタを使っていたら、ワンタッチ機構がガタガタになって水漏れしたことがある。

◆ 洗車用純水器販売店では、専用の特殊イオン交換樹脂が必要ですみたいな感じで、結構高額でイオン交換樹脂を売っている。工業用のイオン交換樹脂を買ってきて小分けにしているだけだと思うし、色からすると再生樹脂かな?と思う。

◆ イオン交換樹脂は工業用のものを買えば安価だし、イオン交換樹脂を入れるケースも同様だ。洗車屋が売っているものの1/3〜1/10の価格で買えると思う。なんて書くと、洗車用として開発されてものでないと塗装面を傷める恐れがありますみたいな、何かよく分からない理屈を言われそうだ。

◆ いわゆる水垢とか水染みを軽減したいのであれば、軟水器が良いと思う。その昔洗濯機に軟水器を付けたものがあった。食塩による自動再生が売りだったが、他のメーカは(腐食の危険のある)食塩水を使うなんて勇気ある設計だと言った。でも勇気は発揮されず、そこら中が腐食して軟水器作戦は早々に中止されたのだった。


何故直せなかったのか?(1/17)
◆ 愛知県にあるミニ専門店を名乗る中古車チェーン店からミニを買ったYoutuber氏、購入3日後にはレッカーで販売店に運ばれる事になる。症状としてはアイドリングが不安定でエンストもあり、エンジンチェックランプ点灯もあるとの事。

◆ 当該ミニ専門店では2つのO2センサを交換してみる(約13万円)が、症状は改善されなかった。次にエンジンマウントが交換されるが、これはそもそも交換されている前提だったもの(約10万円)だ。アイドリング不安定の改善のためにイグニションプラグが(2万円)交換されるも効果無し。ミニでは故障の可能性のあるヒューエルタンクバルブ(蒸発ガス抑止装置から負圧側にガスを引き込む制御バルブかな)を交換(1.5万円)するも又々ハズレ。じゃあイグニションコイルも変えてみましょう(5.5万円)みたいな話になるも直らず。この時点で販売店ではどうしようもなくなった。

◆ 最後にディーラにチェックをお願いし(2.5万円/12ヶ月点検整備費用を含む)解決した。ミニ専門店を名乗るgood何とか(ユナイテッド何とか)も、ISTAによるチェックなどが出来るのであれば問題は解決出来たはずだ。少なくとも専門店を名乗るのであれば、その程度の知識は持っているのが当然だ。

◆ しかし現実には関係のないパーツを交換していた訳なので、故障診断すらマトモには行えていなかった事になる。パージバルブはエラーチェックで出てこないが、これはスパナなどでこんこん叩くと症状を再現出来る。単にバルブの動きが悪くなっているだけなので、衝撃を与えれば直ったりするのだ。

◆ O2センサは診断すれば不良が分かるし、ISTAでなくてもサードパーティの診断機でもO2センサの出力電圧を読む事は出来る。イグニションコイルやイグニションプラグも不良だと失火のエラーが出るので分かる筈だ。中古車屋ならば手持ちのコイルやプラグがあるだろうから、それと交換して様子を見る事も出来る。

◆ この販売店はオリジナルパーツだとかDME(ECU)書き換えによるチューニングもやっているよと書かれている。もしかして変なデータを書いてしまってどうしようもなくなったとか?ディーラではイニシャライズ(バージョンアップ)によって回復させている。

◆ 販売店とは数ヶ月?に渡る交渉があったようだが、整備にかかった費用は販売店が持つと言う事で決着したらしい。この販売店は「全国でも数少ないBMW MINI専門店です」と名乗っているわけで、それを信じて買ったらとんでもない事になったと言うわけだ。

◆ 中古車であれば故障のリスクは伴うわけなので、車を買ったら出来るだけ短期間に多くの距離を走るべきだという人もいる。住宅の引き渡しは暴風雨の日が良い(雨漏りや隙間風が分かるから)と言っているのと同じかも知れない。大きなトラブルがなければそれで良いが、始動不良だとかエンスト頻発では困る。オイル漏れや冷却水漏れも、エンジン回りを清掃した上でしばらく走り、再度エンジン回りをチェックすれば分かる。

◆ このYoutuber氏のように保証付きの車を買ったとすれば、完全な状態になるまで頑張って直してねと言うしかない。ちなみにこのYoutuber氏は1.5ヶ月も車を販売店に預けていたそうだが、私だったらディーラで診断して貰った方が早いんじゃないですかと言うと思う。


コピーなら中華に負けない(1/16)
◆ トヨタ車はアメ車をベースに開発された事もあって、日本の自動車産業構造というかトヨタの自動車に対する考え方みたいなものも米国を模した風になっている。セリカLBとマスタングの酷似性が指摘されたトヨタは、三菱のGTOの方が似ているじゃないかと言ったとか。

◆ トヨタデザインのあり方として、何かベースのデザインがあってそれをモディファイしていく的な所がある。マスタングの例ではモディファイ度が少なすぎたのかも知れないが、プロサングエの話とかウルスの話とかが出てくるのはその為か。

◆ トヨタエンブレムを付けずに車種ごとのエンブレムを付けるとか、販売系列のエンブレムを付けるなども米国を模したものだと言われる。販売店エンブレムに関しては廃止の方向で、現状で残っているのはレクサスのみだ。

◆ ダイハツの初代ミラジーノはクラシックミニを模したもので、これは中々良く出来ている。塗色をクラシックミニ風にすれば(車体はミラジーノの方が大きいが)双子車くらいにはなるんじゃないのと言う感じである。今でもミニ風の塗装を施した車両が作られていたりして、今や高額となって中々入手の出来ないクラシックミニの代用というかジョークというか、そんなマーケットも存在している。

◆ ミニがBMWになってからの初代が出ると、ミラジーノもそれに合わせてデザインを変更した。BMWミニはクラシックミニの雰囲気を残しながらも、ライトやボンネット形状を現代風にするなどしてボディサイズも実用的レベルに変更された。

◆ これを受けてミラジーノもモデルチェンジする。スラントしたヘッドライトもそのままコピーして、あくまでもミニを追いかけているんだぞと言う姿勢を見せる。しかし2009年以降はミラココアとなり、ミラジーノは販売終了となった。

◆ FIAT500に似ているのは初代マーチなのだが、フロントグリルはちょっと違う。ただ全体的なディメンションは近いので、グリルを替えるなどして改造する人もいる。マーチに関してはマーチ・ボレロがLancia Ypsilonなのだが、コピー品質が低くて逆に格好悪いと言われてしまった。グリルの大きさが少し違う程度なのだが、その少しの違いが全体の雰囲気に与える影響は大きい。

◆ 自動車のデザインから構造を考える方法であれば自由度が高いわけだが、共通シャーシなどを使う以上は色々な制約が生まれる。更に日本のメーカは多くの車種を販売しているわけで、更にその車のパーツの共用度を高めようとすればデザインが似てしまうのは致し方ない。

◆ しかしベースになるデザインがあれば、それを真似る事で一つの変化を起こす事が出来る。ただしデザイナの力量が不足すれば、劣化コピーにしかならなくなってしまう。日本の工業技術の発達は米国製品のコピーから始まった。数年前の中国がそうであったのと同じだ。そしてやがてはオリジナルでものが作れるようになるわけだが、これも今の中国の動きと同様である。

◆ 中国の場合はマーケットが巨大であるが故に、技術革新も素早く行える。日本の場合は多くを輸出に頼っているわけだが、中国は国内需要だけで産業が成り立つ。乱暴な言い方をすれば中国国内規格さえクリアすれば、ものが売れると言う事だ。


アバルトという車(2)(1/15)
◆ ドイツ車などはDCTの採用が多く、日本車はCVTが圧倒的だ。シングルクラッチの自動変速機を使うのはイタリア車くらいかな、ランボルギーニのアヴェンタドールはシングルクラッチを採用しているが、ウラカンはデュアルクラッチを採用した。

◆ シングルクラッチ方式はシステムが簡単で小型・軽量化が可能だ。従来のトランスミッションの改造でAT化が出来るため、開発期間の短縮やマニュアルトランスミッション車からの設計変更が最小で済むなどのメリットがある。

◆ デメリットはシフトショックが多少なりともある事。シフト時にエンジン回転数を制御するなどは行われるが、それでも限界はある。とは言っても人間がシフトするよりは余程シフトチェンジが早くスムーズなんだけど。

◆ AMGは従来型の常時かみ合い式多段ATのトルクコンバータを湿式多板クラッチにしただけの、言わばシングルクラッチ方式を採る。AMG的には従来型ATの信頼性を取りたかったのかも知れないが、トルクコンバータを廃した事によるシフトショック、油圧・電気制御によるシフトの遅さはMTAやDCTには全く歯が立たない。

◆ 595ならMTに限る派とMTAの方が早く走れて楽だという人に分かれる。右ハンドルの場合は左足を置くスペースが狭いので、右ハンドル車を選ぶのであればMTAが良い。MT車はシフトストロークが長めな事も、MTA派が多い理由かも知れない。

◆ MTAのアクチュエータはオイルの汚れ(スラッジ)で動作が曖昧になったり、シール不良になったりするそうだ。オイルタンクは半透明の樹脂製なので、汚れは見て分かる。定期的なオイル交換で自動変速ユニットの寿命を延ばす事が出来る。変速ユニット交換となると20万円は覚悟しなければいけない。

◆ マフラーは直管かと思うようなものが付いていたはずだが、新しめのモデルだと排圧制御バルブが付いて、スポーツモード以外では音量が小さくなるようになっている。エンジン の負圧か何かを利用してバルブを制御しているようなので、低音量モードでも全開加速時にはバルブが開くのかも。

◆ 音が大きいと言っても車検に通らないようなものではないのだが、めっきり静かになった最近の車に比較すれば十分それっぽい音がする。オーナの中には強制的に消音バルブを開けてしまい、常に大音量モードで走らせる人もいる。

◆ 多少音がデカくたって、リアにもサソリがくっついているわけだから、見るものも納得させる?いや、サソリが何であるかを知らない人もいるか。0-100km/h加速は6.7秒だし、最高速度は220km/hを超えるのだから、不用意に追い回すと逃げられてしまう。特にワインディングロードともなれば、水を得た魚、いや砂を得たサソリ?である。軽量な車にもかかわらず、フロントブレーキはドリルドディスクにブレンボだ。

◆ 残念ながら新車で買う事は出来ないのと、中古価格は多少上昇気味なのだとか。でもこうしたクセのあるというか、マニアが乗るというか、そういうモデルは消滅していくのだろう。EV版のアバルトがどうなのかは分からないが、車重は増加してしまうだろう。EVの発進加速は素晴らしいものの、車重故に軽快さはスポイルされがちだ。


アバルトという車(1/14)
◆ FIAT500、ごひゃくとは読まずにチンクエチェントと読むのだけれど、これが昨年春頃で生産中止になっていた。これに伴いアバルト595も、もはや新車では買えなくなった。今はEV化されたFIAT500eとそれをベースにしたアバルト500eが販売されている。

◆ Mercedesに対してのAMGとかBMWのMとかMINIのJCWと同じような存在が、FIATに対してのアバルトである。アバルト595/695はFIAT500がベースなので、もう新車の入手は不可能だ。ICE版の生産を終了してEVに移行するための生産終了らしい。

◆ 595はかなりのロングセラーで、2009年頃から変わっていないのかな。バリエーションというか年式による違いなどはあるのだが、それは輸入車の一般的な変化同様だと思えば良い。

◆ 最近のモデルはタッチパネルのディスプレイが付いたりして、今ひとつ595っぽくないと言ったらおかしいのだが、近代的になっている。ただメータクラスタはイタリアンハイパフォーマンスカーを思わせるデザインだったりしてそれっぽい。エンジンは1.4リッターのターボ付きと、1.2リッター版もあったのかな?組み合わされるトランスミッションは5ATと5MT/MTAがあるが、年式とモデルによってはMTしか無い。

◆ 1.4リッターのターボ付きエンジンは145馬力〜180馬力を出力する。トルクは145馬力版が180NmだがSPORTスイッチを押すと210Nmとなるのは過給圧が上がるのかな。車重が1tちょっとなので、結構元気に走ってくれる筈だ。全長が短い割に最小回転半径が大きいので、扱いにくいほどではないが小回りは利かない。

◆ サスペンションやシートは固めで挙動はクイック、まさしくイタリアンホットハッチなのである。従って普通の車を選ぶつもりでFIAT500の上位かな?位の気持ちだと後悔する事になる。サスが固い、シートが固いと文句しか出なくなる。

◆ 他にもオートライトがないとかバックモニタがないとか、シリンダキーじゃ嫌だとかバケットシート(これは標準装備ではないかも)が嫌だと言っている人がいる。これも、だったらファミリーカーに乗ったら良いんじゃないですかとしか言い様がない。なお2023年モデル以降はオートヘッドライトになっている。

◆ トランスミッションのMTA(ディアロジック)はマニュアルトランスミッションのクラッチとシフトレバーをMTAユニットによって油圧制御するものである。いわゆるDCTに対するシングルクラッチの自動変速トランスミッションだ。

◆ クラッチはマニュアルトランスミッション車同様の乾式単板クラッチで、レリーズフォークを油圧で動かしていると思えば良い。MTAはオイルの管理や、整備時に学習値のリセットなどを行う事で、トラブルを減らせる。

◆ MTAは壊れないわけではないのだが、エンジンや駆動系のトラブルは殆ど起きないとまで言われている。DCTよりも構造が簡単で制御に無理のないMTAは比較的丈夫だそうだが、オイル交換は必要だ。

◆ クラッチ板やレリーズベアリングはMT同様に消耗品だ。特にレリーズベアリング系は、停車中は油圧で押されっぱなし(最大10分かな?)なので、距離を乗れば交換の時期がやってくる。エンジンのタイミングベルトは6万kmで交換指定だったかな。


フランス車はお得?(1/13)
◆ フランス車というとシトロエンやルノーが思い浮かぶ。いわゆる猫足などと呼ばれるしなやかで柔らかめのサスペンション、ではあるが、ルノー トゥインゴにしろルーテシアにしろかなりの運動性を披露する。

◆ 無駄をちりばめたようなギミックというか悪い冗談もフランス車なら許せるよね、みたいな一風変わったおしゃれ感など、乗るものを虜にしてしまう(?)魅力が詰まっている。

◆ そんなフランス車なのだがリセールが悪い、3年後の残価率が5〜6割しかないので乗り換えるにしてもなぁと考えてしまうわけだが、フランス車に乗ろうという人はフランス車が好きなので、リセールがどうのこうのなどは考えないのである。

◆ 中古が安いと言う事はフランス車を試してみようかなと思っている人にとって敷居が下がる事になり、一度乗ったらフランス車はやめられないねとなるのか、一度乗ったから二度と乗りたくないとなるのか試すには絶好である。

◆ ちなみにリセールバリューの低さはEVが代表的で、テスラの残価率は3年後で4割くらいだと言うからフランス車以下、より不人気なものと比較してどうするのかと言われそうではあるが、フランス車を過度に悲観する事もない、かな。

◆ フランス人は合理的考えを持っていると言われるが、それだったらドイツの方が合理的じゃないのと言いたくなる。でもここではフランス人の合理的精神とドイツのそれはちょっと違う。表現は難しいがフランス人の合理性は精神に表れ、ドイツの合理性は製品に表れるみたいなものかな。

◆ フランスに於ける建造物や自動車デザインのどこが合理的なのかと言いたくなるが、例えば自動車に関しては無駄な税金を払わなくて良い最小の税額で最大の効果を発揮するモデルが良いとされるとか。まあフランスは税金が高いからね、合理性以前に生き方の問題のような気もするけど。フランス人はよく言えば合理的だけれど、単にケチなだけだとも言われる。(フランスの自動車関連税は、いわゆる馬力課税)
◆ 古い車の信頼性はそれなりだけれど、ここ10年くらいのプジョーの信頼性ランキングは日産より上じゃなかったかな。輸入台数の少ない車は部品の納期が問題(本国取り寄せが多い)になるが、希少性とまでは言わないまでも、そんなフランス車こそ拘りなのだというファンも少なくはないだろう。

◆ ミニに乗って思うのは、見かける台数が多い事。石を投げればミニに当たるいでもないけれど、そこら中に走っている。これがもっと少ない台数であれば、ひねくれたオッサンが乗るに相応しいと思われもするだろうが、現状ではそう思われる事も少ない。

◆ でもフランス車だったらどうだろうか。おしゃれでかわいらしい女性のイメージがある一方で、ひねくれたオッサンにも似合う気がする。フランス車の中を覗いてみたら、スカーフなんか巻いちゃってちょっと昭和が入っているよね?的なファッションに身を包んだオッサンが、サングラスを外しながら出てきた、なんて。

◆ 塗色にしても室内カラーにしても派手ではないけれど、かといってありきたりではないアクセントがあるような所が、日本車やドイツ車とは異なる部分だ。みんながエコカーを買うから俺もエコカーだという人には絶対に乗れない車、助手席の足下にしまい忘れたFACOMのスパナが転がっている、みたいな尖ったオッサンに。


自動化は良い事なのか?(1/12)
◆ オートライトの標準化やヘッドライトのレベリング(上下方向の調整)の自動化などが行われるが、一部整備士は整備や調整の手間がかかるからやめて欲しいと苦情が出ていた。

◆ オートライトは規定の照度においての点灯や消灯の確認が必要になるだろうし、オートレベルも同様に車を傾けるなりしての確認が必要になる。今までは光軸調整だけで済んでいたものが、チェック項目が増えるから嫌だというわけだ。

◆ 光軸の自動調整はこれまででも2000lm以上の明るさのヘッドライトを装備した車には義務づけられていたので、全く新しい技術というわけではない。自動光軸調整機能装着義務化は、光軸の狂った車による事故が増えている点の改善にあるという。

◆ 軽自動車やワンボックスカーなどは後席(最後席)に人を乗せると、荷重が後輪値角に加わるので姿勢の変化が起きやすいと国交省は言っている。まあ確かにそれはそうだと思うし、ジムニーにしても砂利やセメントを積むと明確にフロントが浮いてしまう。サスペンションが柔らかい車では、どうしても姿勢変化が大きくなる。

◆ それより何よりダイハツのまぶしいライトを何とかしてくれと言う意見がい多いのは、ダイハツの検査不正の話も関係していると思うし、実際まぶしい車が多いと思う。姿勢変化が大きいのか?調整が狂っているのかは不明だが、もしも荷重による光軸の動きが大きいのであれば、自動光軸調整で何とかなる。

◆ 軽自動車メーカとすれば金のかかる自動光軸調整より、照度をギリギリまで下げた方がコストダウン委も名ってお得だった。しかし今後はそうも言っていられなくなる。光軸調整のアクチュエータなど従来に比較すれば相当安くなっているわけだが、メーカにとって数百円もかかるとなれば大事には違いない。

◆ オートライトや自動光軸調整は個人的には好ましいと思っている。ただしアダプティブライトは制御が今ひとつだ。自動的にハイビームとロービームを切り替えるだけの機能にしても、レスポンス時間があるので対向車はまぶしく感じる瞬間がある。

◆ 以前にも書いたように山道などでは対向車が照らす木々などを見て、対向車が見える前にロービームに切り替えるのが普通だ。暗い山道を見ている目に対向車のハイビームが入ってきたら、光度以上にまぶしく感じる。ボケかけ老人などはロービームに切り替えもせずすれ違う人もいるけどね。

◆ ACCも結構邪魔というか、坂道などのあるエリアで使う人が悪いと思うのだが、加減速が頻繁に起きる道路の状態ではブレーキランプが要らぬ点滅を繰り返して後ろを走りにくい。何でこの車は直線でブレーキを踏んでいるのか?と思うと、わずかな傾斜路で設定速度なり前行車との距離が近づいたとかでブレーキがかけられるわけだ。

◆ 高速道路の渋滞防止(トンネルや上り坂で速度を維持出来ないドライバー対策)には効果があると思うが、そういう人に限ってACCを使っていなかったりする。ACCは自動起動させられるものではないのでこれは仕方がない。

◆ そこから更に進めば自動運転になるが、これも日本の道路では難しそうだ。そもそも日本のメーカが有効な技術開発に力を入れていない事もあって、米中には大きく後れを取っている。日本の道路が狭く複雑であるという、米国にはない難しさがあるのも事実だけど。


中古車に対する考え方(1/11)
◆ 私が初めて買った中古車がジムニーだったわけで、たぶん購入時からオイル下がりがあった。オイル下がりに関して販売店は何も言っていなかったので、もしもそれを気にする人であれば酷い中古車屋だと評価しただろう。

◆ しかし私からしてみれば、そんなものかなと言う感じだった。だって高々20万円位の車だったわけで、動くだけマシくらいの気持ちだったからだ。ちゃんと動く車が欲しいのならお金を出せば良いし、トラブルなど気にしないというのであれば安い車で良い。

◆ ここで難しいのは高いからと言って状態が良いとは限らない事だ。なので保証付きの認定中古車が安心と言う事になるし、現行モデルなら新車を買えばいいじゃないかと言う事になる。

◆ 中古車の場合は車を見ると同時に店も見なければいけない。とは言ってもその店がどんな商売をしているかなどは分かりにくい。それこそ個人売買に毛の生えたような所もある訳だし、そういう所は経費がかからないので安く販売出来る。売りっぱなしの所も多いけど。

◆ 国産車でも同じような話があって、CX-5を購入したが4ヶ月でチェックランプ点灯→DPF交換→スス清掃で25万円かかった上にカム摩耗が発見されたがそれは(修理費用がかかるので)放置というものがあった。これも動画を見ると、走行距離からして本当にDPF交換が必要なのか疑問だし、ディーゼルはこんなものですと言われるままに金を払ってしまっている感じを受けた。

◆ DPF関連で面白いというか何というかな記事があった。DPFの詰まりは圧力センサで見ているのだが、これを交換する事によってDPFが詰まっていないと見せかけるというもの。実際には詰まっていて再生が必要なのだが、それをセンサで誤魔化すわけだ。

◆ こうしたセンサに交換されていたり、パラメタの変更(圧力センサのキャリブレーションをわざと狂わせる)で状態を良く見せるとか、例のEGR経路を塞いでしまうと言う、某整備士(自規)お勧めの高公害改造などが行われた中古車が流通している。

◆ これが中古車屋によって行われているのか?それとも前オーナがやった事なのか?は分からないし、それが発覚する時にはエンジンは相当な不調に見舞われている事になる。エンジンが不調になっても排圧データとして異常はないので不調原因の調査にも時間がかかる。

◆ ハイブリッド車ではハイブリッドバッテリーのエラー回避だとか状態偽装みたいなものもある。これも実体が分かりにくく、結局はバッテリー交換で数十万円が飛んでいくというもの。本来であればハイブリッドバッテリーの実容量が低下しているからこの車は安いですよとなるのだが、設定だとかパラメタで誤魔化して高く売ってしまうのが悪徳系である。

◆ 水没車問題もある。これも上手く直されていると見分けが付きにくい。しかし直されているのは見える部分だけなので、後々トラブルになる。トラブルが起きて修理する際に、初めて水没車疑惑が持ち上がるというわけだ。これにしたって普通は中古車屋が分かる筈だとは言われるのだが、買い取ってすぐに売ってしまう横流し型の販売だと、チェックすらしないから分からないとも言われる。


保証を信じてはいけない(1/10)
◆ 中古車屋によっては保証を付けてくれる所があるが、無料で付いてくる保証は殆ど役には立たない。保証規定をよく読んでみれば分かるが、エンジンや駆動系などが除かれているものが殆どで、内装部品や非消耗品に限って無料修理或いは工賃が無料(部品代は請求される)になる。

◆ エンジンや駆動系など主要な部分は有償の保証サービスがあるが、かなり割高なのでお得感はない。逆にその価格を含めて考えるとするなら、正規ディーラの保証付き認定中古車を買った方が良い。これだとエンジンだろうがトランスミッションだろうが、全てが保証される。

◆ ごく希な例だとは思うが、発生頻度があまり高くなかったためにディーラの検査を通ってしまった認定中古車だが、実はトランスミッションに故障があった例があるが、トランスミッションの無償交換が行われた。

◆ ミニの場合は1年或いは2年の基本保証があり、走行距離無制限でタイヤのパンクまでもが保証される。その後は延長保証があるが年間約5万円かかる。(新車の場合なので中古の場合は価格が異なるかも知れない)
◆ 5万円は高いようにも思えるが、イグニションコイル4個の交換で5万円を少し超えるくらいだ。エンジンマウントとペンドラムサポート、ミッションマウントを交換すると約10万円(工賃部分が4〜5万円)かかる。

◆ エンジンマウント交換は軽整備になると思うので、そうした作業が自分で出来るのであればあえて保証は要らないかも知れない。

◆ 夏頃だったっけ、2世代目のミニを買うと言っていた人の話を書いたのは。で、その後どこかが壊れたましたか?という話になったのだが、予想に反して全く壊れていないと言っていた。壊れていないけれど、あそこがちょっと調子悪いんだよねって言うんじゃないですか?と言ってみたが、夏場のエアコンも問題なくて、この車は壊れない車なんだと思っているよと言っていた。

◆ まあ壊れる時には壊れるのかも知れないが、壊れない時には普通に乗り続けられる。結局の所整備されて売られている車なら、すぐに壊れる事はない。Youtuber氏が騙された中古車屋に関して調べてみると、愛知県を中心として複数店舗展開していて、ここはミニ専門店、ここはSUV専門店みたいな、その時々で売れる車の専門店に名を変えるのだとか。この系列店は不正会計が発覚して問題となっていた。

◆ ビッグモーター同様とまでは言えないが、結構いい加減な事をやっている系列店のようで、二度と買わないなどとの記事も複数あった。結局利益を追求すれば無理が出るという、それはどこも同じなのだ。

◆ 結局の所こうした悪い販売店から買うのなら、個人売買でも同じじゃないかとなる。ミニの場合は主要な整備箇所がほぼ決まっているので、そこを直せば他は余り壊れない。第2世代だとオイルフィルタハウジングの交換が面倒(エキマニを外す必要がある)だが、面倒なだけであって特別な技術や知識や工具が必要なわけではない。

◆ ダイハツ車のピストンリング問題によるオイル上がりだとか、マツダのバルブスプリング問題やカムの異常摩耗はエンジンを開ける必要が出てくる。勿論2世代目ミニでもステムシールの交換が必要になる車もあるが、オイル管理が出来ていれば余り心配はないとも言われる。


有名店は安心なのか?(1/9)
◆ youtube露出度も高いミニ専門店(を、名乗る多店舗展開の中古車屋)で中古のミニを買った人の記事があった。コメント不許可で動画を上げているその店の営業マンはすぐに契約をしてくれと迫ったそうだ。

◆ 3世代目のミニは故障も少なく、うちはアフターサービスも万全だから全く心配はない、壊れやすい所は全て整備をしてから渡す、心配には及ばないと言われてその日に契約をしたそうだ。納車の日に取りに行くとエンジンルーム内は埃が堆積していて整備の形跡がなく、室内もゴミがそのまま残されていたそうだ。

◆ 納車されて少しするとエンジンチェックランプが点灯、販売店に連絡をするとレッカーは自分で頼んでくれと言われる。これは話が違うと言う事で、担当を営業マンから店長に代わって貰い、一応の整備はして貰う約束は取り付けたと言うが全ての費用は請求されたようだ。

◆ 整備をするも不具合は直らず、様々な部品を交換しまくり、50万円以上の請求が来る事になる。しかし故障は直らず、結局は正規ディーラで修理を完了したようだ。交換してあると言われていたエンジンマウントに関しても替えられていない状態、つまりは整備など全くされていない上に故障修理すらマトモには出来ない店だったと綴る。

◆ この方にしても輸入車の常識はこんなものなのかな、みたいに感じたそうだ。それは中古の輸入車を買うのが初めてだったと言う事もある。中古車屋は整備はしておきます、オイルは交換済みですと言うが、実際にオイルが交換されていたためしがないと、別のYoutuber氏は言っている。

◆ オイルの状態などはフィラーキャップを開ければ分かるし、外から見える部分に関しては中古車屋でよく見る事だ。BMWなので、液体は漏れるものみたいな感じで、にじみくらいは仕方がないかも知れないが、その辺りは購入価格とのバランスだろう。未整備渡しなのか整備済みなのかによっても異なるのは当然である。

◆ 輸入車の多くはアンダーカバーが付いているので、下からのぞき込んで何かが見えるかと言えばそうではない。でも下周りを見るのを嫌がる販売店もあるそうなので、そうした店では買わない方が良い。まあ私の場合は買ってから見に行ったので、何があっても許容する覚悟、うーん、覚悟というのは大げさかも知れないが、そんな感じだった。

◆ 中古車の場合は同じ状態のものはないのだから、良いなと思ったら買ってしまう事が多いだろう。この方にしても営業マンに押し切られる形ではあったが、見たその日に買っている。売れる車はすぐに売れてしまうし、買おうかどうしようか迷っている間も店にある車なら、他の人も興味を示さない車と言う事になる。

◆ 最初に目を付けた車は塗色が赤だったので即決しなかったが、数日後には売れてしまっていた。もう一台良いなと思ったダークカラーの車があったのだが、マニュアルミッションだった。マニュアルに乗れと言われれば乗るのだが、どうしようかなぁと迷っている間も展示され続けていたので、この価格だと売れないんだなと思って別の車を探し始めた。

◆ 故障の心配を排除するなら新車を買えばいいし、或いは割高にはなるがディーラ保証の付いた中古もある。それ以外であれば直して楽しむとか、直せなくて苦しむとか、そうしたマゾヒスティックな成分を含有した人でないとダメかも。


えん罪事件(1/8)
◆ ここが静岡県と言う事もあって、袴田事件に関しての報道は多かった。袴田事件とは1966年に起きた強盗殺人放火事件である。犯人として捕まったのが袴田氏で、1980年に死刑が確定した。袴田氏は終始無罪を主張していた。

◆ その後支援者らによる再審請求の手続きとなるが、これもすんなりと行ったわけではない。それでも2020年にはわずかな道を開く事が出来て2023年に再審開始、2024年に無罪判決となった。

◆ 焦点は検察側が証拠とした血痕の付いた衣類の、血痕は味噌樽の中で残留するかどうかだった。事件発生から1年以上を経過した時、味噌樽の中から血痕の付着した衣類が見つかった。これが証拠となって袴田氏が逮捕されたわけだが、1年以上も味噌に漬かっていた衣類で血痕が判別出来るかどうかが焦点となる。

◆ 弁護側は味噌(醤油)によって鮮明な血痕が残るはずがないと主張したが、検察側は血痕は判別出来たとする。その後実験などが行われるわけだが、この血痕の証拠能力と警察のでっち上げではないかという疑惑が争点になる。そもそも自白調書で触れられていない衣類が、何故1年以上経ってから見つかり、更にそこに残った血痕から血液型まで判明したのか。また衣類は袴田氏が着用するにはサイズが小さく不自然であると弁護側は主張した。

◆ 検察側は味噌樽の中にあった衣類からでも血液反応は検出可能であり、血液型も特定出来る、衣類は味噌樽の中で縮んだものであって袴田氏のものに間違いはないとした。捜査員は袴田氏が着用していたのと同じ布を、袴田氏の実家で発見したとした。しかしこれも、着衣の製造元から捜査員がサンプルとして入手していた事が後に分かり、証拠のねつ造疑惑が持ち上がる。

◆ そのほかにも証拠品に残るDNSが袴田氏のものと一致しないなど、弁護側は証拠ねつ造が多岐にわたっていた事を追求した。取り調べも非常に過酷なものであるとされ、自白の強要が行われたとされた。こうした事からえん罪事件である可能性が高まり、2024年の9月に無罪の判決となった。

◆ 本当に無罪なのかどうなのかは犯人しか知り得ない訳だし、袴田氏が犯人でないとすれば警察の強引な取り調べによって犯人を逃がしてしまった事になる。時代的には、誰かを捕まえて犯人に仕立て上げなければ事件が終わらない、そのような空気に包まれていたのだろう。そこには正義などと言うものは希薄で、真実であろうがなかろうが犯人を捕まえ、事件を終わらせる事のみに力を注いだ警察官の姿がある。

◆ これは袴田事件だけの問題ではなく、他のえん罪事件も同様だ。さらには裁判官も自らが可愛いので、検察有利の判決を出す傾向にあるのは現在でも同様だ。警察官と民間車両の交通事故では、複数の民間人の証言よりもたった一人の警察官の証言が正しいとされた例もある。警察官は警察官でありその証言が正しいという、訳の分からない事を裁判官は言った。

◆ 日本に於ける有罪率は約99.9%であり、起訴されれば必ず有罪になる。戦後のえん罪事件で再審が行われたのは9件あり、布川事件では無期懲役から無罪判決となった。免田事件や財田川事件では死刑から無罪となっている。

◆ これは再審が行われたものであり、再審が行われないまま死刑が執行された事件もあるだろう。取り調べの可視化などは近年になって言われ始めた事であり、昭和の時代には密室での取調べで調書が作られていた。


残クレ必須?(1/7)
◆ 百害あって一利無しとまでは言わないが、慎重に使わないと大きな損失を出してしまう残価設定ローン、リセールバリューが比較的高いアルファードなどは残クレカーなどと呼ばれている。

◆ 800万円位の価格の車が、実質的支払額300万円位で乗れるのでお得と言えばお得でもある。現在は相場が下がってしまったそうだが、少し前には5年後残価率が8割以上あったので800万円の車に5年乗って売った時に650万円前後になったわけだ。

◆ EVは残価率が低くテスラの場合でも5年後の残価率は3割程度しかない。1千万円の車に5年乗ると300万円でしか売れない事になり、次の乗り換えが大変だ。EVでリセールバリューが良いのはポルシェだが、それでも5年後残価率で5割前後である。

◆ 残価設定ローンを組ませるとディーラの儲けは増える。クレジットカードのリボ払い同様で金利分が入ってくるからだ。車を買う人は目先の支払額にばかり目が行き、金利が高いか安いかまで考えが回らない。そうした分かりにくさも販売側のメリットになる。

◆ 販売側にメリットがあるので、残クレを組むと納期が早いですよみたいな売り方をするディーラがある。通常でオーダすると半年かかるけれど、残クレ枠が残っているから残クレを組んで貰えれば2ヶ月で納車出来ますみたいな感じだ。

◆ 一部ポルシェなどは残クレでないと売りませんみたいな事を言う。特に人気のある車だと良い客から順番に割り当てるので、残クレ客が良い客になる構図である。どうしてもそのモデルが欲しい人は残クレを組むわけだから、ディーラは儲けが増える。金額が金額なので金利分も相当な額になる。

◆ 国産車のディーラが怪しげな事をやるのは珍しくはないが、ポルシェもと聞くと何かイメージが崩れるんだなぁ。まあポルシェは以前から客を選ぶ商売をしていた訳で、GT3が欲しければまずはタイカンを2台買ってくださいみたいな事を平気で言っていた。まあ、そうした買いにくさがリセールバリューを押し上げていて、新車を買えない人が中古を狙うみたいな事になっている。

◆ トヨタもアルファードやランクルは残クレかkinto以外では売らないと言っていた所がある。表向きは転売対策なのだが、そのディーラ自体が自社登録の新古を何台も売っているという事がバレると、説得力も何もない。トヨタディーラでは残クレありきで、それで買うのが当然のように最初の見積もりが出てくるなんて話もあって、残クレを断ったら営業マンの態度が激変したなんて投稿もある。

◆ 残クレ優先という販売方法は、一時期の半導体不足に乗じたものだという。実際に販売数が少なかった時には、欲しい人は何をしても欲しがるわけで売り手市場になっていた。現状ではそうした事もなくなってきたのだが、残クレ販売の風習?だけが残ってしまった。ディーラには残クレ契約数のノルマがあるそうで、何が何でも残クレ契約数を増やさなければいけない。

◆ 最新のアルファードの残クレ購入率は6割を超えているそうだし、911GT3RSはほぼ全てのオーナが残クレを組まされているという話だ。GT3RSは買おうと思って買える車ではないので、言いなりになるのも仕方がないのかな、金利など気にしない人たちが買うわけだし。しかし国産乗用車となるとそうではなく、後でよく考えてみたら金利が高いよね、本当に得なのか?と冷静になる人もいるわけだ。


エアクリーナ系の抵抗(1/6)
◆ エアクリーナやエアクリーナボックスによる吸気抵抗はたいしたことがないと思っていた。かなり以前になるのだが、エアクリーナ出口がどのくらい負圧になるのか?圧力センサで量ってみたことがあった。そもそもはキノコ型エアクリーナは凄いんだと言っている人がいて、どのくらい凄いのか測ってみようじゃないかと言う所から始まった。

◆ で、測ってみたのだが、そもそも殆ど負圧にならないので差がなかったのである。吸気抵抗には差がなかったが濾過能力には大差があったようで、キノコエアクリーナを付けていた車のターボチャージャのコンプレッサタービンは、砂などが当たってザラザラになっていた。それを見てノーマルのエアクリーナはちゃんと働いているんだなと思った。

◆ こうした事があってからエアクリーナの抵抗なんて無視出来る位なんだろうなと思っていた。しかしある軽自動車のエンジンパワーを測る実験で、エアクリーナボックスを外す(蓋を外すだけでエアクリーナは外さない)とパワーが上がるのかをテストしていた。

◆ 結果は高回転域で10%位出力が上がっていたのである。これはエアクリーナの抵抗ではなく、エアクリーナボックスの吸入部の抵抗だ。軽自動車故にエアクリーナもエアクリーナボックスも小さいし、NAエンジンと言う事で吸入抵抗に敏感だった可能性はある。

◆ ジムニーのエンジンは高回転まで回っていくのだが、パワーは頭打ちになる。でもこれ、もしかしてエアクリーナボックスの蓋を外したら頭打ち感が解消されたのか?なんて思ったりした。ピークパワーを狙っても使う機会は少ない訳だし、中間域で考えれば吸気量が少ないのでエアクリーナ系の抵抗は無視できることになる。

◆ ターボチャージャ付きエンジンの場合は、ターボチャージャのコンプレッサの効率が(大風量域では)落ちてくるので、どうしても高回転高負荷でのトルクが落ちる傾向にある。勿論軽自動車の最大出力自主規制値に合わせてのセッティングもあるとは思うし、コスト的な制約だって小さくはないはずだ。

◆ キノコエアクリーナなんか効かないよと、今までは自信を持って言っていたのだが、これからは効くかも知れないね位にしておかないと誤った事を言ってしまうなと認識した次第だ。本当は色々測ってみればいいのだが、微少圧力の測れる圧力計だとか、その出力を平均化する仕組みなんかが必要になる。

◆ 面倒と言えばノッキングセンシングも面倒だった。ノッキングセンサはノッキング以外のエンジン振動も拾うので、点火時期付近の信号だけをサンプリングしたり、ノッキング信号に含まれる周波数のフィルタを通したりして検出する。そうでないとエンジン回転数が上がる=エンジン振動が増える=ノッキングセンサ出力が大きくなる→ノッキングと判定してしまう事になる。

◆ これは実際に車でも同じように検出している筈なのだが、より高感度というかノッキングレベルが小さい時の信号は拾えないかと実験したので面倒だった。オシロで見れば信号は分かりやすいのだが、当時のCPUパワーでは波形のリアルタイム処理などは出来るはずもなく、中々うまく行かなかった。そういえば三菱はノッキング検出の特許を出していたよなぁ、どんな特許なのかなと思ったものだった。


オイルキャッチタンク(1/5)
◆ オイルキャッチタンクと聞いて懐かしい感じがしたのだが、それが又最近はやっているという。オイルキャッチタンクというのは、エンジンのブローバイガスに含まれるエンジンオイルや水分を分離してタンクに溜め、気体だけをエンジンに吸い込ませようとするものだ。

◆ ブローバイガスはシリンダ内でガソリンが燃焼したそのガスがクランクケース側に吹き抜けてくるもので、これは有害排気ガスが含まれるので大気開放してはいけない。なので一般市販車ではブローバイガスを吸気管に戻して、エンジンに吸い込ませてしまう。高回転高負荷運転の続き加減速や横Gでオイルが暴れやすいレース用車両では、オイルキャッチタンクを付ける。

◆ ブローバイガスにはオイルミストや水分が含まれているので、それが吸気系を汚す。最近のエンジンはEGR量が多いので、排ガス中のカーボンとブローバイが混ざって、落としにくい汚れとなって蓄積する。そこでタンクを取り付けて油気分離を行おうというのがオイルキャッチタンクだ。

◆ 元々は海外のクリンディーゼル車に付ける所から広まったという話だ。ディーゼルエンジンはブローバイガスも多く、それを吸気に吸い込ませるとEGRで環流された排ガスのスス分と混ざってコールタールのような粘性の物質を作り、さらにはそれが固まって炭のようになってしまう。オイルキャッチタンクでオイル分が吸気に行かないようにすると、ススの付き方がかなり違うというのだ。

◆ 実際に違うのかどうかはよく分からないが、様々なオイルキャッチタンクのどれが油気分離性能が良いのかみたいなテストがされていたりする。そしてディーゼルエンジンに良いのならガソリンエンジンにも効果があるんじゃないの?と言う事で多くの車に広まった、のかなぁ。

◆ 確かに2000km走った後のオイルキャッチタンクを見ると、下の方にガソリンとオイルと水分の混ざったような(と、表現されていた)ガソリン臭い液体が溜まっている。一般的にブローバイガスの経路は2つあるが、高負荷でのブローバイガス経路で、カムカバーからスロットルバルブ上流に接続されている所にオイルキャッチタンクを入れる。

◆ 国内ではどうかと動画を検索してみると、結構な数の動画があるではないか。マツダのディーゼルエンジンだと数百km走行で結構オイルが溜まっている。やはりガソリンエンジン車とは桁が違う感じだ。EGR経路を塞いでインテークのススをなくすという高公害改造を進めていた(自称)元整備士は、ブローバイガスは吸気冷却に必要だと言っている。何故冷却効果があるのか分からないし、そもそもブローバイガスって吹き抜けなんだから、冷たくはないと思うけど。

◆ ディーゼルエンジンに付けるのであれば、容量の大きなものの方が良い。中華もので紙コップくらいの大きさのものもあるが、ディーゼルエンジンに付けたらすぐに満タンになりそうだ。レース用の何リットルも入るようなものは要らないにしても、スペースが許すなら大きなものを。エンジンの状態にもよるとは思うが1000km走行で数百ミリリットル溜まるそうだ。

◆ ガソリンエンジンの場合は余り溜まらないと思うので、特別大きなものでなくても良い。水分が溜まりやすいハイブリッド車でも、1000km走行で50ml程度だそうだ。気の利いたものだと液体の量が分かるようになっているので、溜まってきたら捨てれば良い。それにしてもオイルキャッチタンクかぁ、時代を超えて活躍するんだなぁ。


第三東名高速?(1/4)
◆ 第三東名高速道路が出来るという話ではなく、国道一号線のバイパスの話だ。このバイパスは70km/hか80km/hが制限速度なのだが、トラックはスピードリミッタまで出しているし、速い乗用車はそのトラックを抜いていく。取り締まりも行われているのだが、トラックは取り締まりなど関係ないとばかりに飛ばす。速度は出しても車間は余り開けていないので、何かあれば玉突き事故になる。

◆ 国道1号線バイパスは開通している所と工事中の部分、工事も行われていない部分がある。静岡市あたりから西に向かって自動車専用道路である静清バイパス(工事中に落下事故が起きた所)があり、岡部バイパスは信号などがある一般道路で、その西の藤枝バイパスは自動車専用道路、島田金谷バイパス、日阪バイパス、掛川バイパスと続き、袋井バイパスの一部は一般道で信号あり、その先が磐田バイパスとなっている。

◆ バイパス工事が進めば快適になるのだが、浜松側は高架のバイパスという感じではなく既存の道路の拡幅(信号あり)で整備するという話もある。静岡市よりも東側は高架部分がほぼなく信号機もあるので混雑する。

◆ 富士から箱根の間は一部三車線区間があるとは言え、結構渋滞する。バイパスの区間は渋滞しないのだから、交差点と信号による影響は大きいと言わざるを得ない。国道1号線のバイパスは東名高速と新東名高速の間にある。もっとも海の近くを走るのが東名高速となっている。

◆ もっとも静岡市より東側では国道1号線が海の近くを通る感じになっているのだが、厳密には更に海側に県道があって混雑する国道1号線の迂回路としても使われる。ただこの道路は片側1車線なので、混雑する国道1号線とどちらがマシかと言われても何とも。

◆ 国道1号線バイパスを通れば、東名高速を通るのと余り変わらぬ時間で移動が出来る。しかし富士より東側は渋滞があるので注意が必要だ。じゃあ富士インターチェンジで高速に乗っちゃうかと考えると、実はこのあたりは国道1号線と東名高速道路の位置が離れている。

◆ 神奈川県では横浜新道、藤沢バイパス、新湘南バイパス、西湘バイパスが国道1号線のバイパスだが、この中で無料なのは藤沢バイパスだけだ。民主党政権の時だっけ?西湘バイパスなどが無料化されたのは。この時には旧道を走る車が減少して、旧道付近に住む人の暮らしレベルが向上したと言われた。

◆ トラックなどは有料道路を避けるので、旧道は常に渋滞している。一方で西湘バイパスは観光シーズン以外は渋滞しない。静岡県内のバイパスが無料で神奈川県内が何故有料なのか?もしかして静岡県内のバイパスもやがて有料化されるとか?
◆ 日本は有料道路が多く、しかも通行料金が高い。道路会社を民営化したのだから、高速道路や有料道路の通行料金を諸外国並みにしよう!という政治家は現れないのだろうか。エネルギコストと物流コストが下がれば、日本の産業にも国際競争力が生まれる。

◆ 同じお金(厳密には同じではないが)を払うのなら東名高速よりも新東名の方が走りやすい。山の中を通るので横風に弱い車は嫌かも知れないが、3車線区間が多いのでトラックにブロックされる可能性も少ない。120km/h区間は、普通の車は120km/h前後では知っていて、トラックやEVは90km/h位で走っている。EVは速度を出すと電費急降下だそうで。


壊れやすい触媒(1/3)
◆ ダイハツの軽自動車で、触媒が壊れてしまう例が増えている件に関しては、以前に書いた。そもそも触媒は触媒なのだから、それ自体は変化しないはずなのに。触媒自体の不良というか耐久性が乏しい説があって、トヨタ系に於ける過度なコストダウンの影響ではないかと言われる。言われてはいるが、本当にそうなのかどうかは分からない。

◆ 例としては少ないらしいがスズキ車でも触媒不良は見られるそうだ。ダイハツ同様でコストダウンの影響?他のメーカでもと言う事になると、他に原因があるのではないかと思いたくもなる。昔の車は(物理的な詰まりなどによる)触媒性能の劣化はあっても、不良になるなんて話は余り聞かなかった。

◆ 触媒が壊れる原因として硫黄分がある。排ガス中の硫黄分が多いと、触媒はさっさと壊れてしまう。では硫黄分はどこから来るのかなのだが、もっとも可能性が高いのがエンジンオイルだ。エンジンオイルには硫黄分が含まれていて、特に低粘度オイルは硫黄含有量が少し甘い規格になっていた気がする。

◆ これは潤滑性能その他とのバランス上仕方がない事で、API分類SM(ILSAC分類GF-4)以降で触媒に対するインパクトの低減が行われている。したがってSN/GF-5やSM/GF-6が指定されている車両に、指定の粘度のオイルを入れれば問題ないはずなのだ。問題ないはずなのに問題が出るのは、例えばオイル消費量(燃焼量)が設計値よりも増えたとか、低粘度指定ではないエンジンに低粘度オイルを入れたとか、そうした事も考えられる。

◆ 特に最近では自動車用品店でも低粘度オイルを勧める傾向にあり、低粘度オイルを入れておかないと冬場に抵抗が増えて、エンジンが壊れますよくらいの事を平気で言う。オイルメーカや自動車メーカでも指定粘度を守るようにと書いているのだが、低粘度オイルの方が高性能で燃費が良くなるなんて聞けば、じゃあそれに入れ替えてくださいと言ってしまう人だって少なくはないだろう。

◆ ディーゼル車と硫黄分もまた関係しているのだが、ディーゼル車はメーカ指定のオイル以外は使うなとなっている場合が多いのではないだろうか。硫黄分はDPFやスス問題にダイレクトに効くので、ガソリン車以上に注意しなければいけない。

◆ 自動車メーカ指定や認証オイル以外を使う時には、そのオイルのデータを調べてみると硫黄分含有率が書かれているかも知れない。一般に成分を公開していないメーカもあるので、そうしたオイルは使わない方が無難である。どの車の触媒がどのくらい硫黄分に弱いかなども分からないのだが、触媒は高価な部品なので、出来れば壊したくはない。

◆ 触媒の特性劣化はリア側、つまり触媒の下流に付けられているO2センサによって監視されている。触媒が劣化すると触媒機能が低下するので、リア側O2センサの電圧が、フロント側O2センサのように変化を始める。これを検出して触媒エラー(エンジンチェックランプ点灯)になる。

◆ 触媒が壊れていなくても、O2センサが壊れればエラーになる。O2センサの故障は余り多くはないと思うが、最近の車では増えているそうだ。O2センサも部品としては安くはないので、出来れば長持ちして欲しい。スズキやスバルの車でO2センサ故障という話は聞くが、あくまでもその固体に限った不良ではないかなと思う。逆にダイハツの触媒不良は有名?な事なので、これはこれで壊れるものなのだろう。


飲酒運転と罰則(1/2)
◆ 以前にも飲酒運転の事は書いたのだが、相変わらず飲酒による事故が起きている。自動車だけではなく電動キックボードや自転車による事故もある。飲酒運転によって重大事故を起こすと危険運転致死傷罪に問われる場合があるのだが、それでは遅いというか事故を防ぐ手立てが必要だ。

◆ 某ライブ配信者は飲酒運転で免許取り消しになった。しかし失効期間後に免許を取り直し、飲酒運転をしている。その配信者からすればシートベルトをしないのが格好良い、酒缶を片手に運転するのが格好良いと思っているようだ。

◆ 飲酒運転は5年以下の懲役又は100万円以下の罰金なので、刑が軽いとは思えない。しかし飲みたい人からすればたいした罰ではないと思う訳だ。この罰則を更に重くする事で多少の効果があるのかも知れないが、欠格期間(現状では3年〜10年)などの変更と合わせての罰則強化が現実的かも知れない。

◆ 飲酒検問などで飲酒が発覚した場合は事故は起こしていないので、現状の罰則が軽過ぎはしないと思う。しかし違反や事故があった場合は更に重くすべきだ。飲酒運転も他の多くの違反同様故意なのだから、厳罰に処す必要がある。現状では殆どが罰金刑になるそうだが、罰金額を上げれば労役やむなしな人も増えるだろう。

◆ さらには飲酒や酒気帯びで1回以上検挙された場合は、欠格期間を15年以上にするなどして事実上の再免許取得を困難にする位の罰則が必要だ。上に書いた某配信者を見ても結局は同じ事を繰り返す。最初の検挙で反省し、飲酒運転を繰り返さない人はそれで普通に運転が続けられる。

◆ 日本人による飲酒運転や事故もあるが、外国人による事故も増加している。母国では酒を飲んで運転してもとがめられない、日本では何故捕まるのかと文句を言う人もいるとか。もはや自分の住む場所は日本ではなく母国同様なのだみたいな感覚になっている。

◆ 事故は何でもそうなのだが、他人を巻き込んでしまう場合が多い。勿論避けられない事故もあるだろうし注意不足や居眠りなども、ほんのわずかな気の緩みが事故を誘発する。しかし飲酒の場合はどうしても重大事故につながってしまう訳だし、ついうっかりとか、少しくらい良いだろうの話ではない。

◆ 運転者数としてはかなり少ないとは思うが、医師に運転をしないように言われている特定の疾病の人による事故もあった。嘘の告知をして免許証を手に入れたというもの。これも故意なので罪は重くて当然である。と言うと全ての違反は故意じゃないかと言われそうだが、標識の見落としや不注意と飲酒は全く別だ。

◆ 信号無視とか一時不停止は自転車などへの取り締まりを強化して貰いたいものだ。自転車と衝突した場合は、自転車が明らかな違反状態であっても自動車側の罪が重くなる。自転車の方が物理的に弱いので仕方ない所はあるが、違反は違反として取り締まられるべきだ。

◆ 電動軽車両の取り締まりは行われているが、違反を抑制するまでには至っていない感じがする。このあたりは田舎なのでそうしたハイカラ(!)な乗物は見かけないが、一時不停止や信号無視で勝手にぶつかってくるような輩がいる場所では、危なくて車にも乗れないし歩くのも危険になる。電動キックボードにどんな利権が働いたのかは知らないが、どう見ても危ないよなぁ。


明けましておめでとう御座います(1/1)
◆ 昨年に引き続き今年もよろしくお願いいたします。

◆ 以前は初詣に修禅寺に行っていたのだが、今は行っていない。まあ年明けの行事的に行っても良いのだが、寒い中わざわざ行くのもなぁ、みたいな。コロナ以降は鐘つきイベントだとかも縮小され、ひっそりとは言わないものの正月気分という感じでもなくなった。

◆ 年賀状発送枚数は2003年あたりをピークに急減少していて20年間で半分以下になった。昨年も今年も郵便料金の値上げがあったし、意図的サービスの悪化もあった。普通郵便を翌日配達すると速達との差がなくなるから、普通郵便は一日寝かせますよと言うヤツだ。更に土日は配達しないので、木曜日に出した手紙は4日後の月曜日に配達される。

◆ 確かに物理的にものを運ぶのは大変だと思う。それでも国際的に見たら日本の郵便料金は馬鹿高いのだから、もう少し頑張りようがありそうなんだけど。民営化されているから財政に影響はないが、そうでなかったら結構税金を突っ込む羽目になっていたかも。ヤマトとJPの紛争問題もニュースになっていた。昨年は"年賀状じまい"の年賀状がよく売れたそうだ。

◆ 新聞の発行部数も年賀状並みの減衰カーブである。日本新聞協会発表のデータですらその位減っているので、実際にはピーク時の1/3以下なんじゃないのかな。新聞にしたって物理的に配達するのは大変だ。

◆ 更に言えば印刷と配達という前時代的な情報伝達方法なので遅い。情報は鮮度が命なのに前日のニュースを見てどうなるというのか。年賀状にしても新聞にしても、昭和や平成の時代にはそんなものがあったんだねと言う、そのくらいな感じじゃないのかなぁ。渡辺恒雄氏も亡くなり、軽減税率撤廃の時ではないのか。

◆ ニューヨークタイムズは2040年までには紙の新聞をやめているだろうとした。2040年はかなり楽観的な見方で、日本新聞協会は2030年代に発行部数が数十万部(ピーク時には4千万部以上)に落ち込むと予想している。勿論数百万部の時点で発行は中止されるはずだ。

◆ 今の新聞にもあると思うけれどTV欄というものがあって、今日はどんな番組があるのかなと見た記憶がある。そのうちTV欄を集めた的な雑誌が発売されて、その日だけではなくある程度未来の番組まで網羅されていた。あの頃が娯楽としてのTVのピークだったのかも知れない。

◆ ウチではずっと以前から新聞は取っていないし、TVを見る時間など1日の合計でも30分に満たない。なのでTV受像機が壊れたらそれで視聴時間がゼロになる、という感じだろうなぁ。チューナレスTVとかを買う可能性がゼロとは言わないが、だったらPCで良いじゃないかと。

◆ 若者の○○離れが加速しているみたいな記事があったが、結局の所カネがないから余計なものは買えない、余計なことはやれない、酒は飲まないみたいな流れだ。金があれば無駄遣いしたくなるのが若者と言う事で、若者の所得を上げれば景気は多少良くなると思うけど。

◆ 今年は春になったら車検がある。車を買い換えたのでジムニーの時とは車検の時期がずれてしまって、何となくリズムが狂った感じ。今年はスマートフォンを買い換えるサイクルに当たるのだが、Xperiaもコストダウン路線になったし、どうしようかなぁ。dカードクーポンや溜まったdポイントをどこで消費するかという話にもなるんだけど。