計測の精度(8/6)
◆ 車やバイクによっては各部の寸法値が1/1000mmまで規定されている。基準値が10.143mm〜10.160mmみたいな感じだ。エンジンのモデルによって異なるかも知れないが、ヤマハのバイクやフェラーリのエンジンが1/1000mmまで規定されている。
◆ 1μmあるいは0.1μmの分解能のある計測器はあるが、測定は簡単ではない。まず室温を一定にしなければならず、フェラーリは20℃〜25℃が規定されていたかな。マイクロメータは基準の長さの棒みたいなもので校正するが、これも20℃が指定されているものが多いかも。
◆ メーカが1μmまで規定するのだから、エンジンの使用環境においてそれを規定しなければならない意味があるわけだ。現代においてはディジタル計測器も普及していてノギスでも10μmの分解能がある。精度はミツトヨのもので±40μm(スタンダードタイプ)なので、表示値が絶対値とは限らない。
◆ ノギスもマイクロメータもディジタル表示のものが多くなってきて、バーニアの目盛りを読める人も減って来そうだ。ディジタルディスプレイなら誰が読んでも同じ値になるし、今時はディジタルものの方が安いのかも。ただ桁数(分解能)と精度は別物なので、計測器に関してはある程度信頼できるメーカのものを選んだ方が良い。
◆ 精度の良くないノギスは絶対長が狂っているだけではなく、リニアリティも狂っている。つまり1mmの長さを測ったときには0.9mmと表示するけれど、10mmの長さを測ったときには11mmと表示するみたいな感じだ。安物だとプラスチック製のものもあるが、誤差や使用温度範囲も書かれていないものが殆どだ。
◆ 私は未だにミツトヨのアナログノギスを使っているが、ディジタルノギスも欲しいなとは思っている。欲しいなと思っているけれど、アナログノギスで必要十分なので未だに買っていない。今やアナログノギスも5千円位するし、ミツトヨのディジタルノギスは1.5万円位と高額だ。とは言っても耐用年数を考えれば凄く高いわけでもないし、信頼のおけるものが1本はあった方が良い。
◆ 絶対値の測定の難しさは機械物ばかりではなく、電気ものでも同じだ。テスターで測った1.00Vが本当は何ボルトなのか?中華テスターは何台か持っているが、結構誤差がある。誤差が仕様に書かれているものもあるのだが、その仕様から外れているものもある。千円位のディジタルテスターに多くを求めてはいけない訳だが、桁数があると何となくそれを信じてしまう。
◆ 車の電気ではさほど精度は要らないので、安物中華テスターを使うことが多い。車の整備で使うと手が汚れていたり、雑に扱いがちなので安物テスターが丁度良い。車の電気以外でも安物テスターで用が足りるときには、それを使っている。精度が必要なところはちゃんとしたものを使い、最近だとLi-ionバッテリーの電圧測定がそれだったかな。
◆ 重さに関しても中華秤は桁数の割に安い。ストレンゲージやディジタル表示器が安価になったことで、これもいくらでもと言ったらおかしいが、桁を増やせる。ただこれは長さ測定以上にリニアリティの確保が難しい。10mgの精度を出すにしても、最大ひょう量が200gのものと2kgのものでは難しさが違う。それと重力を利用して重さを量るものは、使用する場所によって(重力が異なるので)表示が異なる。
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