EMから借りる

SBMはデータ通信ネットワークをEMから借りるようだ。
これはWILLCOMがXGPネットワーク整備完了までのつなぎ、EMが全国エリア化までのつなぎとしてドコモネットワークを利用するのと似ている。

両社が自社ネットワークの完備までの補完用として既存事業者のネットワークを借りるのとSBMがEMに相乗りするのとでは少し事情が異なる。
SBMの場合は既存基地局のHSDPA化や基地局密度を上げることによってトラフィック増を回避できる。
少なくもと（エリア不満はあるものの）全国ネットワークを持っていながら、何故EMなのか。

一つはカネのかかり具合があるだろう。
EMからネットワークを借りれば毎月賃借料だけを払えばいい。
所が基地局設備のHSDPA化やマイクロセル化などを始めると先行投資が発生する。
この先行投資する金がないのではないか。

前の記事にも書いたとおりSBMは中継局のばらまきによって周波数利用効率を低下させてしまった。
その為PC定額が可能なほどの余裕は既に無く、かといって中継局やホームアンテナを撤去すれば圏外になる。
圏外対策のために基地局を作るにはカネがかかり、フェムトセルには未だ時間がかかりそうだ。
こうなると、もう他社に頼る以外に道がないのだろう。

EMはサービス開始当初SBMにも声をかけたという。
しかし高額な料金と狭いエリアに千本さんは呆れ怒り、結局はドコモローミングに落ち着いた。
自分のものを貸すときは高く、他社のものは安く借りるというSBMの話に乗ったEMも偉いなぁと思う。

通信事業者がインフラ投資をやめてしまったらどうなるのか。
1.5GHz帯の割り当て案などもあるのだが、もはやSBMには必要のないバンドなのかも知れない。
HSDPA化も進まないまま準定額音声のみを自社網で行い、高速通信はEMのネットワークを使えば新たな設備投資は回避できる。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090202-OYT1T01164.htm