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真空管


  • Posted by: F&F
  • 2015年4月 1日 12:12

VFDの生産ラインを使って真空管を作るというニュースがあった。
真空管はリニアリティなどの点でメリットはあるものの、サイズが大きい上にヒータ電力が必要なので電力利用効率が悪い。

大型の真空管となれば数十ワットのヒータ電力を必要とする。
VFDタイプの真空管は全体を小型に作れるのでヒータ電力も少なくはなるが、見た目が真空管らしくないとの意見が多い。
やはり真空管は大きなガラスチューブに入れられていて、ヒータが光ってこそだというわけだ。

そこで従来型真空管の形状そのままの新型真空管が開発された。
当然ヒータ電力は必要なのだが、ヒータが温まって真空管が動作し始めるとヒータ電力をカット出来る。
真空管は加熱されたカソードからプレートに向かって電子を飛ばすのだが、その電子が当たるプレートは熱を持つ。
この熱をヒートパイプ構造の熱伝導体を使ってカソードの加熱に利用するというのが新型真空管の技術だ。
従来であればプレートが過熱しないように放熱設計をしたり、プレートキャップから熱を逃がしたりしていた。
しかしこの新型真空管では積極的にプレートの発熱を利用する。
なおプレートが輝いているように見えないように、プレートは二重構造になっている。

マグネトロンに代表される一部真空管は磁力によって電子の方向を制御している。
新型真空管はこれと似た技術も採用し、低電圧でも電子が飛びやすい構造としている。
この磁力方式はスクリーングリッドと同等の役割を果たすとも謳われる。

ヒータ電力は不要になったもののプレートを赤熱させるのだからエネルギロスは出る。
そこで同社では熱電子によってオレンジ色に発光する蛍光体を使う事で、あたかも真空管が輝いているように見える仕組みも開発中だとか。
これによってカソードの温度を抑えられ、電力利用効率が向上する。
なんだか本末転倒な気もするのだが、それが時代の要求なのかも知れない。

   

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