Snapdragon810(2)

Xperia Z3とZ4の仕様上の違いは下り最大データレートにもある。
これは実使用上での消費電流に影響する。

CAは同様に2台の無線機を動かさなければならないので消費電流が増える。
ただし連続待ち受け時間とか連続通話時間の数字には殆ど現れない。
フルスピードで通信させたときにどうなるかという指標でもあれば別だが、フィールドにおいては受信電界強度によっても変動するものであり比較がしにくい。
モバイル系のメディアが疑似基地局(SG)を使ったテストでもすれば比較が出来るが、残念ながらそうした技術を持つメディアは無い。
フィールドでテストをした記事はあるが、その時々によって変化する環境の中では正確な比較は出来ない。

CAの場合は無線機だけではなくMIMO演算器もデータ復号器も同時に2系統が動作する。
ただしロジック部は無線部に比較すると消費電力低減技術の進化が期待出来る。
MIMOにしたって数年前にはどうやって消費電力を小さくするかが問題だった。
チャネル推定の間引きというか手抜きと、それによるパフォーマンスの低下具合なども試算された。

回線交換に比較して消費電力が大きくなるVoLTEなのだが、実際の連続通話時間はVoLTEの方が長い。
これも連続待ち受け時間と同様に間欠制御によって消費電力を減らしている。
このようにロジック部に関しては今後も低消費電力化が行われるだろう。
そしてパフォーマンスの向上も行われるのだが、それは消費電力の増大になる。
こうした相反する所をいかに高度にバランスさせるかがデバイス屋さんの腕の見せ所だ。
最新のデザインのCPUが常に最良とは言えないのかも知れないが、それを言い始めれば進化を否定することになる。

高性能を謳うCPUが登場しても、それがあまり使われないまま消えていった例もある。
高速低消費電力だったとしても低価格でなければ使われないみたいな事情もあり、難しい所なのだ。