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CD方式の電気柵電源回路図


  • Posted by: F&F
  • 2019年12月20日 12:14

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市販電気柵用電源の多くに採用されているコンデンサディスチャージ式の回路図を書いてみる。
コンデンサ充電電源部分を自作するのは難しくはないが、トランスの入手が難しい。

現用CDIでは中華HIDのバラストからトランスを取ったが、回路を組むのが面倒なので出来合の電源を使うのが楽だ。
これはコッククロフト・ウォルトンに見えるので電流は取れない。
ダイオードが6個見えるので6段、トランス出力電圧の最大8倍なので、トランス出力は150V前後(12V入力の場合)だと思われる。
柵に加わる電圧をいたずらに上げる必要はないので、DC-DCコンバータの出力電圧は300V前後とする。
このDC-DCコンバータの仕様がよく分からないのだが、可変抵抗で出力電圧調整が出来るのかな?
出力電流を考えると、VRで絞るよりも整流回路を2倍圧にした方が良い。
このDC-DCコンバータはもっと出力電流が大きい。
トランスの二次側は半波整流されているが、ダイオードを一つ付け替えると全波整流になる。
整流用ダイオードのあとには10μF/400Vの平滑用の電解コンデンサが入っているが、これは外す必要がある。
出力をSCRで短絡する事になるので、コンデンサを外さないと電解コンデンサもSCRも可哀想な事になる。

イグニションコイルの昇圧比は1:50(最近の小型のもの)〜1:100(古いタイプのコイル)なので出力電圧は15kV〜30kVになる。

タイマーは100msのON時間と1秒のOFF時間が設定出来れば何でも良い。
NE555で回路を組んでも良い。
ただ誤作動やドリフトなどでインターバルが過小になる事は、危険につながるので注意したい。
PICなどを使う例もあるが、プログラムものは暴走対策が必須になる。
プログラムによる対策のみでは不十分で、ハードウエアウォッチドッグタイマーなども必要だ。
リセット&再スタートならば良いが、暴走状態になると何が起きるか分からない。
特に高圧を使い、パルスを扱うので単純なロジックの方が安全だ。
なお中華タイマーは近くで放電させたり色々試したが設定やカウントがおかしくなる事はなかった。
だが電源線に放電した時、タイマー基板上の3端子レギュレータは壊れた。
いや、電源ラインに放電させるつもりなど無かったのだが、やってしまった。

C1はフィルムコンデンサを使う。
C2/C3はフィルムでもセラミックコンデンサでも良い。
SCR周りだけは半田ごてを持ち出す必要があるが、あとは配線するだけだ。
イグニションコイルは中古が豊富に出回っている。
出来ればインダクタンスの大きなコイルが良いが、安価なのはバイク用のイグニションコイルだ。
見た目でインダクタンスは分からないが、形状の大きなものほどインダクタンスが多いと思っておけば良いだろう。

世の中には猪や鹿除けだけではなく、スズメバチ対策の電撃器もあるそうだ。
ミツバチをスズメバチの攻撃から守るためだ。
蜂は移動速度が速いので数百ボルトを加えっぱなしにするらしい。
この場合はこれだけを使えば良いが、感電対策は別途考えなければいけない。

実際コンデンサディスチャージ式の電気柵に触れた時の衝撃より、コンデンサに蓄える300Vに触れた時の方が余程衝撃は強い。
電気柵の場合は静電気と同じように痛いという感覚だが、300Vの方はまさに感電的なしびれが走り筋肉が反応する。



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