楽天VS.公取委

ワークマンが楽天モールから手を引くことは先日書いた。
ワークマンによれば、楽天が一方的に出店者負担で送料無料化を強制するのはおかしいという。

ワークマンだけではなく他の店舗も楽天に対して意見を提出した。
これに対して楽天は「店舗それぞれで状況も異なるため、多様な店舗のご意見に真摯に耳を傾け、消費者、店舗の双方にとってよい施策となるよう生かしてまいります」とした。
しかし三木谷氏の考えは違った。
「一部の店舗が騒いでいる」「Amazonに負けているのは送料が原因だ」「売れなくなって困るのは店舗だ」「たとえ公取委や政府と対立しようとも必ず実行する」と、あくまでも出店者負担による送料無料を推進する考えだ。
楽天の従業員と三木谷氏では考え方が異なるのか。

公取委は昨年の時点で楽天に「出店者負担で送料を無料化することは出店者に不利益を与える事になり、独禁法に抵触する可能性がある」と伝えていたそうだ。
しかしこちらの記事でも書いたように、悪いことをやっても捕まらなければ良いというのが楽天の本質だ。
特定電子メール法然り、特定商取引法然りである。
楽天モバイルにしても同様、総務省が再三注意をしたところで聞く耳を持たない。
役人の言う事なんか聞いていたら商売にならないという所だろうか。

しかし公取委も黙ってはいない。
強制権限がある審査官による調査を行う。
楽天は証拠隠しなどを普通に行うので、臨検・捜索・差押えを行う事の出来る犯則調査権限を使う訳だ。
公取委が勝てば排除措置命令など行政処分に踏み切るとみられる。
もっとも総務省が何を言おうが知らんぷりを決め込む楽天なので、営業停止でも食らわせない限り痛くも痒くもないだろうけど。

以前にも書いたがEdyで決済を行われると、出店しているショップは高額な手数料を楽天に取られる。
そしてこのEdy決済を「使用しない」設定には出来ない。
出店者が赤字を避けたければ、Edy決済された取引自体をキャンセル扱いにするしかない。
当然顧客には迷惑がかかる。
そしてこれがバレると罰金と称する金を取られる。
大手や売り上げの多い店舗からは罰金を取らず、同じ事をやっても中小店には何かしらの理由を付けて罰金が科されるとの話もある。
最近ではEdyだけではなく楽天Payでの決済でも高額な手数料を取られるようになり、出店者は困っている。

ニールセンデジタルの調査によると、利用者数はアマゾンが4963万人で楽天の4677万人を上回る。
一時期楽天はAliexpressを強敵だと捉えていたが、その隙にAmazonが大きく利用者数を拡大した。
この背景にはAmazonの様々な分野への投資があり、日本市場だけで年間3千億円を投じた。
これによる物流の合理化なども含めたコスト低減策により、送料の無料範囲を拡大する。
一方の楽天はAmazonと違って各店舗がバラバラに発送などを行うため、送料の管理が事実上出来ない。

投資額と言う事で比較したくなるのが楽天モバイルだ。
2019年の投資額は650億円であり、懐事情の厳しさが伝わってくる。
2022年度には1450億円規模にまで投資金額を膨らませたいと言うが、それには金が要る、しかしカネはない。
Amazonの日本での売り上げは約1.5兆円、楽天のEC事業での売り上げは4268億円である。
EC事業の利益は前年比17%減と低迷している。

それはそうと、基地局数の推移グラフと予測、どう見ても不自然だよなぁ。


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